一般社団法人 薬学教育評価機構

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2021年度 福山大学 評価報告書

(様式 16)薬学教育評 価評価報告書受審大学名 福山大学薬学部(本評価実施年度)2021 年度(作成日)2022 年3月2日一般社団法人 薬学教育評価機構- 1 -Ⅰ.総合判定の結果福山大学薬学部(薬学科)(6年制薬学教育プログラム)は、薬学教育評価機構が定める「薬学教育評価 評価基準」に適合していると認定する。認定の期間は、2029 年3月 31 日までとする。Ⅱ.総 評福山大学薬学部は、建学の精神、大学の教育理念、教育指針(三蔵五訓)のもとに、「医療人としての教養と倫理観及び薬剤師としての確かな専門知識・技能を身に付け、医療や社会のニーズに対して強い責任感と探求心を持って対応し、自らの能力と専門性を高めていくことができる人材を育成すること」を「教育目的」として定め、教育研究上の目的に基づいた「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。なお、カリキュラム・ポリシーとは別に、学修成果の評価のあり方は、アセスメント・ポリシーとして策定されている。とりわけ、ディプロマ・ポリシーでは、「卒業時に必要とされる8つの資質」が設定されており、それらの資質を評価するための仕組みであるアセスメント・ポリシーをしっかりと構築し、卒業時の学修成果の解析結果から学生レベル、学科レベル、ならびに大学レベルの評価を行い、質的・量的に教育課程の適切性を検証する仕組みを構築しており、第1期の薬学教育評価以降、著しい進捗が確認できる。さらに、ディプロマ・ポリシーに掲げた8つの資質についての学修成果の達成度は、アセスメント・ポリシーで定めた 25 の資質(中項目)を、質的・量的に解析し評価していること、また教育研究活動の改善が、自己点検・評価結果等に基づいて恒常的に行われていることも評価できる。他方で、これらの到達点を踏まえた発展課題もある。資質の形成的評価を行うために、GPA(Grade Point Average)に基づく「資質(中項目)修得度」を算出しているが、GPAは累積的であることから、資質の修得度を評価するのに必ずしも適しているとは言えない。ほかの評価方法も用いて多面的な評価法を構築するように改善することを期待したい。なお、全学共通の自己点検の評価では、薬学教育プログラム自体を質的・量的に十分解析しているとは言えない。特に、ストレート卒業率が未だ改善途上にあることから、教- 2 -育カリキュラムの編成・実施及び評価、受け入れ学生の基礎学力の向上、学生支援など様々な観点から検証を行い、具体的な対策を取ることが望まれる。Ⅲ.『項目』ごとの概評1 教育研究上の目的と三つの方針本項目は、適合水準に達している。福山大学薬学部は、建学の精神、大学の教育理念、教育指針(三蔵五訓)のもとに、「医療人としての教養と倫理観及び薬剤師としての確かな専門知識・技能を身に付け、医療や社会のニーズに対して強い責任感と探求心を持って対応し、自らの能力と専門性を高めていくことができる人材を育成すること」を「教育目的」として定めている。なお、福山大学では、大学の教育は研究に裏打ちされたものであり、教育理念には研究理念も含まれるという観点から、「教育研究上の目的」は「教育目的」と表現している。福山大学薬学部の教育目的1.薬学の確かな知識・技能とともに、幅広い視野を持って医療の最前線で活躍する薬剤師を養成する。2.医療人としての倫理観・使命感とともに、豊かな人間性に基づいて行動する薬剤師を養成する。3.科学的な思考力及び問題解決のための実践力を持って、多様な薬学関連分野で活躍する人材を育成する。4.豊かな創造力を持って医療の発展に貢献する人材を育成する。5.向上心を持ち、たゆまず自己研鑽を続ける人材を育成する。これらの教育研究上の目的は、医療を取り巻く環境、薬剤師に対する社会のニーズを適確に反映しており、ホームページ及び大学要覧で公表している。教育研究上の目的に基づいて、薬学部の三つの方針である「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー;DP)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー;CP)」、「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー;AP)」が策定されている。ただし、CPに記載すべき学修成果の評価のあり方は、アセスメント・ポリシー(AsP)として別途策定されている。- 3 -三つの方針1)ディプロマ・ポリシー(DP)薬学部に所定の期間在学し、薬学部の目的に沿って編成した教育課程における授業科目を履修して、所定の単位を取得した者に卒業を認定し、学士(薬学)の学位を授与する。また、卒業時に必要とされる以下の8つの資質が設定されている。資質1.臨床で活躍するための薬剤師としての心構え資質2.医薬品・化学物質等が生体及び環境に及ぼす影響を理解するための科学力資質3.医薬品の適正使用を実施するための処方せん調剤を実践する能力資質4.チーム医療の中で最適・安全な薬物療法を提供するための実践的能力資質5.医療の進歩と改善に寄与するための研究能力資質6.地域住民の健康を守るための実践的能力資質7.医療の進歩と社会のニーズに対応するための自己研鑽と教育能力資質8.薬剤師に求められる総合的な知識2)カリキュラム・ポリシー(CP)CPは、DPを踏まえ、学修の到達目標である「8つの資質」を学修者が最も効果的に修得するためのカリキュラムを編成することを基本方針とし、「学修成果基盤型」教育をカリキュラム編成の考え方の中心に置いている。学修者が各資質を修得できるよう、教育課程を編成し実施するとともに、学修成果の評価については、別途、AsPを明示し実施している。CPの概要は以下のとおりである。1~6年次において、資質1~8の基盤となる幅広い教養を身に付けるため、「初年次教育科目」、「共通基礎科目」、「教養教育科目」、「キャリア教育科目」が配置されている。1~4年次では、資質1~8をそれぞれ修得するための専門教育科目が配置され、4年次ではこれらを統合して実践に向けたシミュレーション教育を実施する授業(「臨床推論」、「事前学習」など)が配置されている。5~6年次では、8つの資質を統合して実践し、さらに深く身に付ける教育するための授業(「病院・薬局実務実習」、「実務実習後学習」、「ファーマシューティカルケア総合演習」、「薬学総論」、「課題研究」など)が配置されている。- 4 -3)アセスメント・ポリシー(AsP)DPに掲げる資質の修得度に関しては、①学生レベルの評価(科目の成績評価と資質の修得状況評価)、②学科レベルの評価(卒業生の学部DP規定の資質修得状況に基づいた学部教育プログラム評価)、③大学レベルの評価(卒業生の大学DP規定の資質修得状況に基づいた学部教育プログラム評価)の3つのレベルで評価している。学生レベルの評価では、①科目の成績評価のあり方と評価基準、②資質の評価の在り方と評価基準を明記している。科目の成績評価は秀~不可の5段階で評価している。資質は、薬学部在学中の特定学期・学年修了時などに行う学修成績に関する形成的評価とともに、卒業論文における卒論ルーブリック評価、試験・レポートによる評価、ならびに予め定めたDPに照らして全在学期間にわたる学修状況について行う総括的評価により、学修成果を評価している。具体的には、DPで設定した8つの資質を構成する25の資質(下記参照、資質(中項目)という)を設定している。この資質(中項目)の達成度の形成的評価のために、GPAと科目の各資質との関連性から大学独自に「資質(中項目)の修得度」を設定している。また、総括的評価は、パフォーマンス評価を用いることとしているが、一部の科目はGPAを用いている。資質は4段階評価している。学科ならびに大学レベルの評価についても、学生レベルの評価で用いている方法を使って評価している。中項目1) 幅広い教養 2) 倫理観 3) 使命感・責任感 4) ホスピタリティーを兼ね備えたコミュニケーション能力 5) 生命の恒常性と人体の成り立ち 6) 生体内化学反応 7)医薬品の作用 8) 医薬品・化学物質の構造と性質 9) 化学物質と微生物の生体及び環境への影響 10) 処方せん監査と疑義照会 11) 医薬品の調製,供給と管理,安全管理12) 服薬指導 13) 患者情報の把握 14) 医薬品情報の把握 15) 薬物療法の問題点の評価と問題解決・個別最適化 16) 薬物療法の効果と副作用モニタリング 17) 医療機関におけるチーム医療 18) 実験・研究能力 19) 法令遵守 20) プライマリケア・セルフメディケーション 21) 地域保健(公衆衛生,学校薬剤師,啓発活動等)22) 在宅医療・介護・薬薬連携等の地域におけるチーム医療,災害時医療 23) 自己研鑽 24) 教育力 25) 薬剤師に求められる総合的な知識4)アドミッション・ポリシー(AP)薬学部は、医療人としての教養と倫理観及び薬剤師としての確かな専門知識・技能を身- 5 -に付け、医療や社会のニーズに対して強い責任感と探求心を持って対応し、自らの能力と専門性を高めていくことができる人材を育成することを目的としている。そのため、薬学部は、DPに掲げた「薬学部の8つの資質」を修得することができる学生を求めるために、以下の3つの素養を掲げている。1.基礎学力【知識、思考力、判断力】2.コミュニケーション能力【技能、表現力、態度】3.自己研鑽と社会貢献の姿勢【態度】多様な人材を受け入れるため、5種類の入学試験(AO、指定校推薦、一般推薦、一般入試前・後期、大学入試センター試験利用前・後期)により3つの素養の視点を組み合わせて評価し、選抜している。以上のように、AsPを含む三つの方針はそれぞれ具体的に設定され、一貫性・整合性のあるものとして策定されている。しかし、CPは教育課程の編成方針を中心に、資質ごとに学ぶ科目の配置が記されており、実施の方針における重要な要素である学習方法については、講義、実習、演習と記載されているのみであるので、さらに主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)の方法に関しても記載し、実施の方針を明確にすることが望ましい。また、学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動が十分に整合するように設定されていないので、学習・教授方法及び成績評価のための課題をさらに検討していくことが望まれる。三つの方針(AsPを含む)は、学生便覧に記載して教職員及び学生に周知するとともに、年度初めのオリエンテーションにおいて全学生に説明されている。また、福山大学ガイドブックや薬学部ホームページで公表されている。教育研究上の目的及び三つの方針は、薬学部の自己点検評価委員会において毎年検証し、修正などの必要が生じた場合には薬学部教授会での審議を経て改訂している(「自己点検・評価書」92ページ、付属資料(資料19、表1-3-1))。最近の検証としては、改訂モデル・コアカリキュラムに提示された「薬剤師として求められる基本的資質」などを考慮し、2015年以降に教育目的及びDP、CPが順次改訂された。続いて、「中央教育審議会による三つの方針の策定及び運用に関するガイドライン」(2016(平成28)年3月31日公示)に則って検証を開始し、2017(平成29)年度にCPが見直されている。さらに、学修成果の評価の在り方について検証を続けてAsPを策定し、全学的な調整を行ってDP、CP、APを改訂して2019年度に学生及び教職員に周知・公表されている。- 6 -2 内部質保証本項目は、おおむね適合水準に達しているが、教育活動に対する質的・量的な解析に基づく自己点検・評価、及び自己点検評価委員会の体制の整備に懸念される点が認められる。福山大学としての全学的な教育研究内容については、福山大学自己点検評価規程を定め、福山大学自己点検評価委員会及び各学部にも自己点検評価委員会を設置して、毎年、自己点検・評価を実施しており、評価結果は大学改革及び教育改革の資料としている。薬学部独自の教育研究内容については、薬学部自己点検評価委員会において、全学的に共通である、使命・目的、学生、教育課程、内部質保証などの基準に従って、自己点検・評価を実施し(訪問時27 2019(令和元)年度自己点検評価委員会議事録)、自己点検・評価書を福山大学自己点検評価委員会に提出している。また、学外の6年制課程の卒業生1名に薬学部の自己点検評価委員会委員を委嘱している。2019(令和元)年度よりAsPを導入し、学生レベルの評価、学科レベルの評価、ならびに大学レベルの評価を行うことを明記し、それに基づいて卒業時の学修成果の解析結果から質的・量的に教育課程の適切性を検証する仕組みを構築している。資質の評価については、各資質を構成する能力として25の資質(中項目)を設定し、これらの修得度によって「卒業時に必要とされる8つの資質」の評価を行うこととしている。資質(中項目)の修得度は、中項目に関連する授業科目の成績、単位数、各中項目との関連度から算出している。また、学生の留年・休学・退学や卒業状況を含めた学修状況、「学生による授業評価アンケート」を用いて教育研究活動の自己点検・評価を行っている。基礎資料3-1~基礎資料3-3の学修状況に基づき、2019年度の1年次~5年次までの学生の過年度在籍率は10%未満、直近5年間の1年次~5年次までの各学年の進級率は88%~100%、標準修業年限内の卒業者の割合は2016(平成28)年度を除き70%を超えており、薬学部の教育プログラムは概ね適切であると自己点検している。薬学部の自己点検評価委員会で毎年実施している自己点検・評価の結果は、大学のホームページで自己点検・評価書として公表している。また、「学生による授業評価アンケート実施報告書」も毎年度ホームページに公開している。しかし、全学共通の自己点検の評価では質的・量的解析は十分に行われているとは言えない。薬学教育プログラム自体を十分に自己点検・評価することが望まれる。また、ストレート卒業率が未だ改善途上であり、教育カリキュラムの編成・実施及び評価、受け入れ学生の基礎学力の向上、学生支援など様々な観点から検証を行い、具体的な対策を取ることが望まれる。- 7 -教育研究活動の改善に関しては、自己点検評価委員会が自己点検・評価書を作成し、その結果をカリキュラム・教育評価検討委員会及び教務委員会と連携して、三つの方針の見直しと改訂ならびにAsPの策定、学修成果の評価方法の策定、カリキュラム・ツリーの作成、臨床実習後OSCE(Objective Structured Clinical Examination)のトライアル実施による検証、卒業判定ルーブリックの策定などの改善が行われている。また、薬学教育評価機構の第1期「薬学教育評価」で改善すべき点として指摘された項目についてはおおむね改善が認められたが、一部引き続き改善が図られている。以上のように、自己点検・評価結果等を学部全体の教育研究活動の改善と向上に反映させているものの、3.教育カリキュラム(後述)の中で指摘しているように、カリキュラム編成、卒業論文の執筆、シラバスの記載などに問題点が散見されるので、自己点検・評価結果等を学部全体の教育研究活動の改善と向上に反映する自己点検評価委員会の体制を整備することが望まれる。3 薬学教育カリキュラム(3-1)教育課程の編成本項目は、おおむね適合水準に達しているが、教育課程及びその内容、方法の適切性についての検証方法、選択科目や時間割の設定などのカリキュラムの体系性、及びシラバスの記載について懸念される点が認められる。福山大学薬学部のカリキュラムは、「卒業時に必要とされる8つの資質」(「1.教育研究上の目的と三つの方針」に記載)を修得するために、CPに基づいて編成されている。学生が8つの資質の基盤となる幅広い教養を身に付けるために必要な全学共通教育科目を配置して、教養教育と語学教育を行っている。教養教育は「共通教育科目」として実施しており、「初年次教育科目」(教養ゼミ)、「共通基礎科目」(日本語表現、情報リテラシー、英語、初修外国語)、「教養教育科目」(A群「自然と科学」17科目、B群「社会構造と生活」9科目、C群「歴史と文化」13科目、D群「思索と創造」6科目、E群「芸術と健康スポーツ」19科目、及びF群「地域学」6科目の6群70科目)及び「キャリア教育科目」で構成されている。英語教育は、1年次に「英語Ⅰ」、「英語Ⅱ」、2年次に「英語Ⅲ」、「英語Ⅳ」を必修科目として開講しており、学年進行に伴って「読む」、「書く」、「聴く」、「話す」の各要素を学修するプログラムとなっている。3年次、4年次には、より高度な内容として「アカデミック・スキル」科目や「TOEIC」科目、「TOEFL/IELTS」科目を履修することができる。5年次、6年次には必修科目の「薬学英語演習」(必修1単位)を開講- 8 -している。2020年度から「薬学英語演習Ⅰ」を新設し、英語で服薬指導を行うための学習を行っている。「薬学英語演習」は「薬学英語演習Ⅱ」とし、専門的な文献の講読を行っている。人の行動と心理に関する教育は、主に資質1を培う教育として授業科目を配置している。「専門教育科目」である「薬学入門Ⅰ」、「薬学入門Ⅱ」、「コミュニケーション交流学習」、「生命倫理」、「患者の視点に立った行動」を中心に1年次~4年次にかけて学修している。これらの科目では、改訂コアカリのSBOs(Specific Behavioral Objectives)に加え、人の行動と心理に関する独自の到達目標を掲げて実施している。改訂コアカリの各項目(基本事項・薬学と社会・薬学基礎・衛生薬学・医療薬学・薬学臨床・薬学研究)について、すべてのSBOsを1~6年次に配置された授業科目に設定し、科目間の関連性や順次性を考慮して配置している。大学独自の教育は、効果的に資質の修得ができるよう各学年で実施している。専門教育科目24科目(54単位)で実施し、そのうち独自教育は実質16.6単位である。主な独自科目として、代表的な8疾患のうち4疾患(高血圧、糖尿病、パーキンソン病、関節リウマチ)をPBL(Problem Based Learning)-チュートリアルで学習する統合型授業である「臨床推論演習」(4年次前期)、「病院・薬局実務実習」の成果のポスター発表や臨床実習後OSCE(pccOSCE)を実施している「実務実習後学習」(5年次)、実務実習で体験したファーマシューティカルケアに関する20のプログラムから2〜3プログラムを選択して、学生が主体となって履修する「ファーマシューティカルケア総合演習」などがある。特に、5年次「実務実習後学習」及び6年次「ファーマシューティカルケア総合演習」は、臨床での実践能力の定着のための独自の取り組みとして高く評価できる。問題発見・解決能力の醸成のための教育は、主に資質3、資質4、資質5を培う教育として授業科目を配置している。資質3、資質4では、低学年において基本的知識・技能・態度を習得する各種科目を配置し、その後それらを統合して臨床で問題を発見し、それを解決するための実践力の向上を志向したシミュレーション教育の授業として「臨床推論演習」、「事前学習」、「地域薬局」、「患者の視点に立った行動」を配置している。5年次では、医療現場での薬剤師業務を実践し(「病院・薬局実務実習」)、資質(中項目)の総括的評価を行う授業(「実務実習後学習」)を配置している。資質5においても、低学年において基本的な知識・技能・態度を習得する科目を配置し、3年次後期から6年次では所属研究室で「課題研究」を実施している。6年次には、5年次までの薬学教育で修得してきた知識を統合する科目として、2019- 9 -(令和元)年度には旧カリ科目の「特講」6科目(6単位)と「薬学総論」(6単位)を開講している。「特講」72コマ、「薬学総論」85コマを実施し、学力が不足している学生に対しては補講43コマを実施している。「薬学総論」は、資質8「薬剤師に求められる総合的な知識」を認定する科目となっている。以上のように教育カリキュラムが体系的に整理され、DPに示されている「卒業時に必要とされる8つの資質」を修得するために効果的に編成されている。科目の順次性や資質との関連性については、資質別に作成されたカリキュラム・ツリー(基礎資料1)とカリキュラム・マップとしてまとめ、大学ホームページに公開している。また、学生便覧には、教育プログラムを俯瞰するカリキュラム・マップを示している。カリキュラム・ツリーは資質別に複数作成されており全体像がやや分かりにくかったが、2020年度に一部の資質に関するカリキュラム・ツリーが修正されている。しかし、依然としてカリキュラム・ツリーの全体像が明確でないので、資質別カリキュラム・ツリーとは別に、資質全体を俯瞰するカリキュラム・ツリーを作成して、薬学教育カリキュラムが体系的に整理され、効果的に編成されているかを検証することが必要である。なお、学生便覧のカリキュラム・マップに資質8の記載漏れがあったが、2020年度学生便覧で修正されている。また、シラバスを精査すると、一部の科目に下記のような不備が散見される。これらは、2020年度あるいは、2021年度にはかなり改善されているが、更に丹念に改善されることが望まれる。・「共通教育科目」のなかで、ほとんど履修者がいない科目がある。・薬剤師教育で重要な「セルフメディケーション」が教養教育科目に位置づけられている。・一部のコアカリSBOsが必修科目で学習するよう位置づけられていない。・多職種連携を意識させるためのプログラム(資質4)が低学年時に重視されていない。・大学独自科目または大学独自のSBOが明示されていない。・独自科目として社会的ニーズに応じた観点からのものが少ない。・必修・選択科目の区別及び、授業方法が明示されていない科目がある。・成績評価の方法に、試験の種類及び、比率が明示されていない科目がある。全体として薬学共用試験、薬剤師国家試験の合格率の向上のみを目指した編成にはなっていない。3年次後期から6年次では所属研究室で「課題研究」を実施しているとしているが、4年次では前後期の時間割はほとんどが講義・演習にあてられ「課題研究」を行う時間が限られている。また、国家試験対策と思われる6年次の「薬学総論」157コマ(12- 10 -単位)に加え、補講43コマが実施されており、「課題研究」を行う時間に影響することが懸念される。教育課程及びその内容、方法の適切性についての検証は、薬学部も全学の検証システムにより行っている。すなわち、①CPの策定と学内外への周知、②CPとDPとの間の一貫性、③CPに沿った教育課程の体系的編成、④教養教育と専門教育の実施状況、⑤教授方法の工夫・開発(ICTの活用を含む)の効果的な実施、⑥DPと卒業判定の整合性の6つの項目で、毎年教育研究活動について自己点検・評価を実施している。学科レベルの教育プログラムのアセスメントは、卒業時の科目の成績から算出した「資質(中項目)の修得度」を用いて行っており、すべての中項目で達成度3あるいは4を達成していることから、学部DP及び大学DP規定の資質修得において大きな問題はないと判断している。しかし、改訂コアカリの項目のうち薬学と社会、薬学基礎、衛生薬学に係る10科目弱において、評価点数の分布が優以上に偏っており、これは試験問題の内容や形式によることが考えられる。そのため、これらの科目の成績によって算出した「資質(中項目)の修得度」は、資質の修得を適切に反映していないことが懸念される。また、科目レベルの検証は、全学的組織である大学教育センター主管の「学生による授業評価アンケート」で実施しているが、質問事項が教授法に関するもので占められていたり、回収率の低い科目がある。このように、教育課程及びその内容、方法の適切性についての検証に関して問題があるので、「資質(中項目)の修得度」の評価における試験問題の内容や形式の変更、及び「学生による授業評価アンケート」における質問事項の追加(例えば、該当科目のカリキュラムの中での位置づけの評価に関する質問事項)とアンケート回収率の向上などの改善を行って検証を行うことが望まれる。(3-2)教育課程の実施本項目は、おおむね適合水準に達しているが、成績評価において懸念される点が認められる。福山大学薬学部では、専門教育科目94科目を配置し、講義形式または、講義形式が適さないSBOsに関してはSGD(Small Group Discussion)、演習、実習などの工夫した学習方略を用いて教育を実施している。さらに、主体的又は対話的に学習するためには、グループワークやロールプレイが用いられている。卒業研究は、新カリキュラムにおいては3年次後期から6年次に「課題研究」で実施している。評価基準に準じて卒業研究が実施され、学生ごとに論文が作成されている。「課- 11 -題研究」で得られた研究成果について、6年次の9月に課題研究発表会を行い、他の研究室の教員と指導教員の審査を受け、1月に課題研究論文を提出する。学生は当該研究の医療や薬学における位置づけを考察している。ただし、2020年度については新型コロナウイルス感染拡大の影響により課題研究発表会は中止し、代わりに学生はコメンテーターの教員(所属研究室以外の教員)にあらかじめ課題研究論文のドラフト及び発表資料を提出して審査を受けた。しかし、複数の学生が共同で卒業研究を行った結果に基づいて作成された卒業論文のなかに、全く同一の内容の卒業論文があったので、個別に論文を作成するように改善が望まれる。薬学臨床における実務実習は、「薬学実務実習に関するガイドライン」を踏まえて以下のように実施されている。すなわち、1年次授業科目の「薬学入門Ⅰ」、「薬学入門Ⅱ」でF薬学臨床「(1)薬学臨床の基礎①早期臨床体験」を実施し、4年次前期までに改訂コアカリA~E領域の基本的内容を修得する。4年次前期には、「臨床推論演習」において代表的8疾患のうち4疾患に関して症例検討を行い、薬物療法の実践について学習している。残りの4疾患を後期の「事前学習」で実施している。しかし、8疾患の授業内容は1科目として設定し、教授方法や評価方法に一貫性をもたせるように今後検討していくことが望ましい。実務実習直前の4年次後期には、より実践的な内容を「事前学習」、「患者の視点に立った行動」、「地域薬局」で学習したのち、実務実習を実施している。実務実習の概略評価表は、実務実習に関する連絡会議から提示された「薬学実務実習の評価の観点について(例示)」に準拠したものを使用している。大学の独自の取り組みとして、「実務実習レポート」と「疾患学習記録」を学生に課している。ルーブリック形式のパフォーマンス評価の記載がない領域である(4)チーム医療への参画、(5)地域の保健・医療・福祉への参画については、その体験を「実務実習レポート」としてまとめ、指導薬剤師に提出するとともに、担当教員が評価している。また、薬物療法への関与は実務実習の中で最も重要な実習項目と位置づけており、薬学部が独自に作成した「疾患学習記録」に、代表的な8疾患に関する「薬物療法の実践」をどの程度の深さまで実施できたのかを患者ごとに記録することを課している。薬局実習で作成した「疾患学習記録」については、病院実習開始時、学生が病院に必ず持参し指導薬剤師に提示している。実務実習期間は、Webシステム、施設訪問によって大学、学生と実習施設の間で連携をはかっている。薬局実習や病院実習が終了した学生は、それぞれ薬物治療の実践に関する実習成果の発表ポスターを作成し、「実務実習後学習」でプレゼンテーションを行っている。- 12 -「病院・薬局実務実習」では、ふるさと実習を推進しており、学生の希望を考慮して九州、中国、四国、近畿まで幅広い地域で実習を行っている。140名中約1/3の46名がふるさと実習を行っており、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会及び薬学教育協議会が推進しているふるさと実習に積極的に取り組んでいることは評価できる。学生の資質・能力を向上させるための学習・教授・評価方法については、以下のような取り組みを行っている。1年次「薬学入門Ⅰ」、「薬学入門Ⅱ」では、KJ法、マインドマップ作成、イメージマップ作成などの手法を取り入れ、学生が効果的にSGDを実施できるように工夫している。「コミュニケーション交流学習」では、保育施設の幼児または高齢者施設の高齢者と1対1の交流を毎週木曜日の午後に連続8週間行い、その交流中の日誌作成や振り返りにより学習効果を高める工夫をしている。「患者の視点に立った行動」では、コーチングによって学生自身の生活習慣に関する行動変容を体験させ、プロセスレコードによる振り返りを行うことで学習効果を高める工夫をしている。「実務実習後学習」では、薬剤師としての能力を評価するために臨床実習後OSCE(pccOSCE)を受験する。pccOSCEは、学生一人の課題実施時間を35分間として、薬局での患者応対・処方せん受付から処方せん監査、疑義照会、調剤、服薬指導を連続して行う。その後、PCを用いて応対した患者の薬歴をSOAP形式により作成する。これら一連の薬剤師業務のパフォーマンスをルーブリック評価することにより、資質1「臨床で活躍するための薬剤師としての心構え」の中項目4と、資質3「医薬品の適正使用を実施するための処方せん調剤を実践する能力」の中項目10、11、12の評価を行っている。また、学生の資質・能力の向上に資するため、目標達成度を評価するための指標(ルーブリック評価表)を開発し、学生が「卒業時に必要とされる8つの資質」をどの程度修得できているかを評価している。学修成果の年次進行に伴う形成的評価は、AsPに基づいて「資質(中項目)の修得度」として数値化し、レーダーチャートで可視化しており、学生にわかりやすく提示するする方法を開発していることは評価できる。以上、福山大学薬学部では、教育課程の編成及び実施に関する方針に基づいた教育が概ね適切に行われているが、シラバス、卒業論文の執筆、科目編成、などに不適切な点が散見されるので、更に向上に努めることが望まれる。各科目における成績評価方法についてはシラバスに明記し学生に周知している。評価の基準は薬学部を含め全学的に秀、優、良、可、不可に統一し、学年初めに行われる学年別オリエンテーション等で学生に周知している。- 13 -学期(前期・後期)毎にシラバスに記載された成績評価の方法及び学生便覧に記載された基準に従って成績評価を公正かつ厳格に行っている。複数の科目で中間試験を設けて、学期末の定期試験と合わせて成績評価している。教務課では各学生の前・後期毎に科目の単位修得状況を記した成績表を作成し、学生本人・保証人に配付している。全学共通の学生ポータルシステム「ゼルコバ」によっても成績評価を前期分は9月下旬、後期分は3月下旬に閲覧することができるようになっている。成績評価に異議がある場合には、成績確認期間内に学生本人が授業担当教員に直接申し出ることができることを「教務のてびき」に明記して周知している。しかし、学生に不利益がないように、成績に関する異議を申し出る仕組みを改善する必要がある。福山大学薬学部は学年制を取っており、進級に係る制度と基準は学生便覧に明記し、進級要件は毎年学年初めのオリエンテーション及びクラス担任による履修指導で学生に周知している。留年生に対しては、クラス担任による履修指導の際に再履修が必要な科目を当該学生に周知している。留年生への特別措置として上級学年の科目を履修(前期・後期通じて5科目を上限とする)できる制度を設けており、学生便覧に記載して学生に示すとともに、年度最初のオリエンテーション時に担任が説明することで学生に周知している。上級学年の科目の試験に合格すれば、進級した上で単位を認定している。進級判定の手順については、薬学部教務委員会が単位修得状況を確認した段階で進級基準に従って進級判定の原案を作成し、薬学部教授会で審議し(訪問時1-3 2019 年度第13 回薬学部教授会議事録)、進級判定案を3月の全学教授会で説明後、学長が決定している。以上のことから、進級判定は、公正かつ厳格に行われている。福山大学薬学部では所定の期間在学し、薬学部の目的に沿って編成した教育課程における授業科目を履修して、所定の単位を修得することを学位授与の要件としており、卒業認定基準を適切に設定し(「自己点検・評価書」126ページ、付属資料(資料93、表3-2-4-1))、学生便覧に記載している。学生には、年度初めのオリエンテーション時や履修指導の際に周知している。卒業認定の手順については、はじめに薬学部教務委員会が学生便覧に記された卒業に必要な累積単位数の修得を確認し、卒業認定の判定基準に従って卒業判定の原案を作成する。この原案を2月中旬に開催する薬学部教授会で審議し学長が卒業を決定している。なお、卒業延期となった学生については、学則の規定に従い、9月の卒業が可能である(「自己点検・評価書」126ページ、付属資料(資料93、表3-2-4-1))。この場合、未習得科目を次年度前期に開講し、学生が卒業に必要な累積単位数を修得した場合、7月下旬に開催す- 14 -る薬学部教授会で審議し、学長が卒業を決定している。2020年度からは、薬学部の教務委員会が学生便覧に記された卒業に必要な累積単位数の修得を確認するとともに、6年次までに行ったDPに関する総括的評価に基づき、8つの資質を学生が修得していることを確認し、卒業認定の判定基準に従って卒業判定の原案を作成している。この原案を2月中旬に開催する薬学部教授会で審議し、学長が卒業を決定している。新入生に対して全学及び学部・学科別のオリエンテーションを実施している。さらに、科目履修の理解を深めることと新入生同士の新しい人間関係の構築が大きな目的で、学外施設での1泊2日の合宿オリエンテーションを行っている。2年次生以上の在学生に対しても、4月にオリエンテーションを実施している。1年次~3年次前期(留年生含む)にはクラス担任が、3年次後期~6年次(留年生を含む)には配属先の研究室教員が、個々の学生に対して学習状況に基づいた日々の学習相談と履修指導を行っている。実務実習開始前には、複数回の実務実習オリエンテーションを開催し、概略評価表、実務実習レポート、教員による評価表、疾患学習記録、実務実習セミナー、担当教員による事前訪問・施設訪問、実務実習の進め方などについて、「薬学実務実習ガイドライン」を踏まえた説明をしている。以上のことから、履修指導は適切に行われている。(3-3)学修成果の評価本項目は、おおむね適合水準に達しているが、学修成果の評価方法及び評価基準について懸念される点が認められる。福山大学薬学部では、DPに掲げる資質の修得度に関しては、①学生レベルの評価(科目の成績評価と資質の修得状況評価)、②学科レベルの評価(卒業生の学部DP規定の資質修得状況に基づいた学部教育プログラム評価)、③大学レベルの評価(卒業生の大学DP規定の資質修得状況に基づいた学部教育プログラム評価)の3つのレベルで評価している。また、DPに示されている8つ資質を構成する能力として25個の「資質(中項目)」を設定している。「①学生レベルの評価」において、AsPに基づいて、中項目単位で、年次進行に伴う資質(中項目)の形成的評価、及び資質(中項目)の総括的評価を行い、学修成果の評価を実施している。年次進行に伴う資質(中項目)の形成的評価については、中項目1の「幅広い教養」と中項目25の「薬剤師に求められる総合的な知識」では、すべての学年を通じて、GPA- 15 -を用いて評価している。また、中項目2~24については、GPAの算出方法に準じ、評価を受けた科目の評価点にその科目の単位数と関連度を乗じた総計を算出し、これを科目の単位数と関連度の合計で除した値を「資質(中項目)の修得度」として、低学年における形成的評価を実施している。しかし、GPAは累積的であることから、資質の修得度を評価するのに必ずしも適しているとは言えない。ほかの評価方法も用いて多面的な評価法を構築するように改善することが必要である。高学年においては、観察記録、実地試験、レポート、プレゼンテーションなどにおいて、中項目ごとにパフォーマンス評価を行い、その評価点を「資質(中項目)の修得度」として形成的評価を実施している。また、資質1、資質3、資質4、資質5、資質6、資質7に関わる低学年の授業科目の中で、資質醸成に重要なアクティブラーニングを取り入れている科目については、プレゼンテーションなどの適切な方法で形成的評価を行っている。資質(中項目)の総括的評価は、特定の年次・授業科目・方法により評価している。中項目1の「幅広い教養」、中項目5「生命の恒常性と人体の成り立ち」、中項目25の「薬剤師に求められる総合的な知識」では、筆記試験で総括的評価を実施している。中項目1、中項目5、中項目25以外の中項目では、観察記録、実地試験、レポート、プレゼンテーションなどのパフォーマンス評価を行い、総括的評価を実施している。これらの方法による評価は、ルーブリックを用いた目標達成度を評価するための指標に基づいて、修得度0~4の5段階で評価している。総括的評価の合格基準は「資質(中項目)の修得度」1.0以上としている。しかし、比較的深くないレベルの知識をレポートで評価するなど、資質の目標達成度を評価するための評価方法及び課題として必ずしも適切ではないと考えられる評価があるので、評価方法及び課題をさらに検討していくことが望まれる。AsPは、改訂コアカリが導入された2015(平成27)年度以降の入学生(2019(令和元)年度1年次生~5年次生)に適用しているため、2019(令和元)年度の6年次生は、AsPに基づいた高学年における中項目ごとのパフォーマンス評価を実施していない。実務実習を履修するために必要な資質・能力は、薬学共用試験センターの提示したOSCE及びCBT(Computer Based Testing)の合格基準(OSCEは細目評価70%以上かつ概略評価5以上、CBTは正答率60%以上)によって確認している。薬学共用試験(OSCE及びCBT)の実施時期、実施方法、受験者数、合格者数及び合格基準は薬学部のホームページにて公表している。「②学科レベルの評価」(卒業生の学部DP規定の資質修得状況に基づいた学部教育プ- 16 -ログラム評価)において、卒業時の中項目ごとの「資質(中項目)の修得度」を測定し、基準値(「資質(中項目)の修得度」2.5)を超えた卒業生の割合から学部教育の適切性を達成度として評価することにしている。2019年度における「資質(中項目)の修得度」のアセスメントの基準は、2.5以上の卒業生の割合が75%以上(達成度4)、50%以上75%未満(達成度3)、25%以上50%未満(達成度2)、25%未満(達成度1)となっている。2019(令和元)年度の6年次生は、AsPに基づいた高学年における中項目ごとのパフォーマンス評価を実施していないため、トライアル的に低学年と同様の方法で科目の成績から「資質(中項目)の修得度」を算出して評価を行った。その結果、学部教育プログラムは、すべての中項目で達成度3あるいは4を達成していたことから、学部DP及び大学DP規定の資質修得において概ね適切であると自己点検している。しかし、ほとんどの資質の達成度が最高の「4」であったことから、この学修成果の評価結果を用いて教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用するための問題点を抽出することは難しい。したがって、2020年度の卒業生の結果も加味して「資質(中項目)の修得度」から達成度を判定する基準を見直すことが望まれる。4 学生の受入れ本項目は、おおむね適合水準に達しているが、入学者受入れの改善・向上について懸念される点が認められる。学生の受入れに当たっては、入試戦略委員会が入学者の選抜に関する基本方針を企画・立案し、福山大学入学試験委員会が具体的な実施方法を定めている。入学志願者の評価と受入れの決定は、全学教授会での審議を経て学長が決定しており、責任ある体制の下で適切に行っている。合否判定原案の策定については、AO入学試験では薬学部長を含む薬学部教員が行い、指定校入学試験では薬学部長及び学科長が行う。一般入学試験(推薦入学試験、前期及び後期入学試験)、大学入試センター試験利用入学試験(前期及び後期)では、薬学部長が参加する入試調整会議で合否判定の原案が策定されている。入試方法として、AO入学試験、指定校推薦入学試験、推薦入学試験、前期及び後期入学試験、大学入試センター試験利用入学試験を実施している。いずれの入試においても調査書を審査し、学力試験のみに偏らない入試選抜を実施している。特に、AO入学試験、指定校推薦入学試験、推薦入学試験では、事前審査や面接試験などを導入し、コミュニケーション能力、自己研鑽と社会貢献の姿勢及び医療人を目指す者としての資質・能力の評価に重点を置いている。しかし、募集定員の最も多い前期及び後期入学試験では面接が実- 17 -施されていないので、アドミッション・ポリシーに掲げている素養の1つであるコミュニケーション能力が十分評価されず、医療人を目指す者としての資質・能力が適切に評価されていない懸念があるので、改善が望まれる。合理的な配慮が必要な受験生に対しては、公平な入学者選抜を受験できるように支援する体制を整えている。入学者の資質・能力については、学生の留年・休学・退学や卒業状況を含めた学修状況などから薬学部の教務委員会やIR委員会の資料をもとに自己点検評価委員会で毎年点検・評価されている。2019年度の学生の過年度在籍率は10%未満である。直近5年間の各学年の進級率は88%から100%、各年度における退学率は2.0~3.5%、標準修業年限内の卒業者の割合は70%を超えており、薬学部で学ぶための資質・能力を備えた学生が入学してきていると自己点検している。しかしながら、標準修業年限内の卒業者の割合は十分に高いとは言えず、薬学部で学ぶための資質・能力を備えていない学生が入学していることが懸念されるので、さらに検証を行い、入学者受入れの改善・向上等を図ることが必要である。2017年(平成30)年度以降、充足率は減少傾向であるが、2014~2019年度の平均充足率は94%である。しかし、最近の2017年度以降、入学定員充足率は毎年度経年的に低下しており、乖離が起きている。これに対して、入学者数の充足に関する改善について薬学部が改善計画書を作成し、学長に提出しているが、入学者数充足に向けた改善の更なる努力が望まれる。5 教員組織・職員組織本項目は、適合水準に達している。薬学部の教育研究上の目的(教育目的)に沿った教員組織の編成方針は「薬学部の将来人事構想」として定めており、毎年検証して「薬学部採用人事要望書」として学長へ提出している(訪問時17 薬学部採用人事要望書)。専任教員数39名(教授21名)を配置しており(基礎資料5)、大学設置基準で定められる必要な福山大学薬学部の専任教員数31名(教授16名以上)を上回っている。また、臨床系実務家教員は設置基準の必要人数6名を上回る8名を配置している。専任教員の職階別構成は教授21名(53.8%)、准教授8名(20.5%)、講師8名(20.5%)、助教2名(5.1%)となっている。年齢別構成は60歳代13名(33.3%)、50歳代8名(20.5%)、40歳代12名(30.8%)、30歳代6名(15.4%)となっている。女性教員は3名(7.7%)で、2021年度は6名に増員したが、女性教員の比率が低いので、女性教員の割合を増やすこ- 18 -とが望まれる。2019(令和元)年5月現在の専任教員数は39名で、学生収容定員900名(150名/学年;在籍者816名)から計算すると、専任教員1人あたり学生数は23.1名であった。2013年度の第1期「薬学教育評価」時では23.7名だったため改善の指摘を受け、改善を図った結果、2020(令和2)年4月で専任教員数が43名に増員となり、教員1名あたりの学生数は20.9名になっている。しかし、教員1名あたりの学生数が、依然、望ましいとされる10名以下になっておらず、さらに教員の増員が望まれる。教育研究活動の実施に必要な教員組織の編成方針に基づいて、それぞれの専門分野において専任教員を配置し、カリキュラムにおいて重要と位置づけた必修科目を含めてすべての専門教育科目は専任の教授または准教授が担当している。薬学部教員は「福山大学教員選考基準」及び「福山大学薬学部教員選考基準」に基づいて、教育、研究能力において優れた実績を有する教授、准教授、講師、助教を採用している。教員の募集は原則として公募制で行い、採用にあたっては模擬講義や面接などを行い、教育研究の能力や見識を評価している。採用の選考にあたっては、学長の許可を得て薬学部人事教授会で薬学部教員選考委員会(選考委員会)を組織し、その選考委員会には副学長1名が委員として加わる。その選考委員会での答申について、学長の許可を得て薬学部人事教授会で審議し(訪問時1-7 2019 年度薬学部人事教授会議録)、さらに福山大学評議会(評議会)の承認を得て、学長が決定する。薬学部教員の昇任については、「福山大学教員選考基準」及び「福山大学薬学部教員選考基準」に基づいて薬学部教授会メンバーの中の研究室責任教授で構成する「薬学部人事教授会」で審議して学長に答申審議する。審議の経緯や結果、及び学長により決定された事項については学部長が薬学部教授会で報告している。定期的に教員の教育研究業績を審査し、将来性のある教員は学部長が学長に積極的に昇任の推薦を行い、次世代を担う教員の養成に努めている。昇任も評議会の議を経て学長が決定する。また、将来大学で活躍することを啓発するために、大学院生を非常勤助手として採用している。教員は、教育研究活動、教育研究内容とそれに伴う教育研究業績を教員紹介としてホームページに公表している。さらに教員の研究活動の多くは「福山大学薬学部研究年報」にまとめて公表している。20の研究室を設けていて、各研究室の占有スペースは平均109.6㎡である(基礎資料8)。その他に、共同利用研究室3室及び教授、准教授、講師に対しては教員室をそれぞれ配置している。薬学部教員の講義、演習、実習に係る時間は年間を通して1週当たり平- 19 -均8.0 ± 3.0時間となっている。専任教員の担当授業時間数は、2018年度に報告した「改善すべき点」の改善結果からはほとんど進展はなく、依然として教員間の格差が残っている。担当授業時間数が週10時間を超える教員が10名いるが、そのうち6名が実務家教員であり、特に臨床系教育の教員数を改善することが望まれる。教育研究活動の活性化を図るための全学的取り組みとして、各教員が教育研究における年度目標を設定し、毎年自己点検評価を行って改善につなげている。また、各教員は授業改善報告書を大学教育センターに提出し、薬学部で集計・精査ののち改善が必要と認められた場合には学科長が対応している。このように、教育研究活動の向上を図るための組織的な取組みが積極的に行われており評価できる。さらに教育研究活動の質的向上を図るために、全学的には大学教育センターの教育開発部門、薬学部内にはFD・SD(ファカルティ・ディベロプメント及びスタッフ・ディベロプメント)委員会があり、FD・SD研修会やワークショップが企画・実施されている(「自己点検・評価書」134~135ページ、付属資料(資料106、表5-2-1))。しかし、2019年度のFD・SD研修会への専任教員の参加率が低下傾向であるので改善が望まれる。なお、2020年度からオンデマンドで視聴できるようになっており、今後参加率が改善されることが期待される。大学教育センターでは「学生による授業評価アンケート」を前期、後期に各1回、原則各回2科目で実施し、各教員が授業改善計画書を作成して大学教育センターに提出している。2019(令和元)年度に「福山大学実務家教員研修(薬学部)に関する細則」の原案を策定し、2020(令和2)年度から施行している。実務家教員の研修に関する規程・細則「福山大学実務家教員研修(薬学部)に関する細則」を策定し、実務の経験を有する専任教員が常に新しい医療に対応するための研鑽ができるように努めている。しかし、現在のところ研修制度を利用した実績はない。今後、研修制度を積極的に活用し、新しい医療を教育に還元することが必要である。職員組織として、事務局があり、総務部(庶務課、企画・文書課)、経理部(用度課、経理課、施設課)、学務部(教務課、学生課、就職課、国際交流課)、学部事務室などで構成している。薬学部の事務室は、上記の全学組織と共同して薬学部教員の教育活動や研究活動を支援している。また、薬学部には教育上及び研究上の職務を補助するための補助者として助手9名と非常勤助手5名を配置している(基礎資料5)。これらの助手全員が学士以上の学位を有しており、実習など、実技を伴う授業科目の補助をしている(基礎資料7 表2)。- 20 -6 学生の支援本項目は、適合水準に達している。薬学部では個々の学生について1年次~3年次前期はクラス担任が、3年次後期以降は所属する研究室の教員が、学部内の教務委員、学生対応委員と連携して履修の指導と確認及び学習・生活相談を行っている。全学の取り組みとして、大学教育センターに「学修支援室」を設け学生の基礎学力向上を支援している。特徴的な取り組みとして、上級生が後輩に学習指導するメンター制度を導入し、中間・定期試験の2週間前より、上級生による学習支援を実施している。メンターになる資格は設けていないが、毎回、10名前後の5年生がメンターになっている。2019年度は、試験ごとに100名前後の学生が利用している。利用学生のアンケートでは、90%が役に立ったと評価している。以上のような実績からメンター制度は、学生への学習支援とともに、教える学生の自己研鑽の効果もあると考えられ、評価できる。学生の進路選択については、進路支援体制として薬学部に就職委員会を設け、その委員会が就職課と連携して就職に関するオリエンテーションや説明会の開催、学生ポータルシステム「ゼルコバ」による就職情報の発信、就職ガイダンス、進路状況の把握を行っており、学生が主体的に進路を選択するための支援体制を整えている。学生の意見を教育に反映させるための組織・取り組みとして、大学教育センターが主管する「学生による授業評価アンケート」、「共通教育アンケート」、「フクトーーク」により教育に関する学生の意見を収集している。「共通教育アンケート」の実施報告書において、薬学部1年生についてカリキュラム・マップの理解の乏しい学生の比率が多いことが指摘されており、アンケート結果をガイダンスにおける指導などに反映させていくことが望まれる。学生生活に関しては、全学的な取り組みとして学生課ならびに学生委員会が「学生生活アンケート」を実施し、学生生活の向上のために活用している。さらに大学では、「学長と学生の懇談会」を設定し、各学部の学生と学長が直接意見交換を行っている。福山大学では、「福山大学危機管理規程」、「福山大学危機管理・対応規程」、「福山大学安全衛生管理規程」及び「福山大学防火防災管理規則」を定めており、これらの規程に基づいて危機管理委員会、安全衛生委員会、防火・防災管理委員会を設置している。各委員会では「福山大学危機管理基本マニュアル」、「福山大学自然災害対応マニュアル」及び「福山大学安全衛生管理の手引き」を作成し、発生し得る様々な事象にともなう危機に迅速かつ的確に対処する体制を整えている。各種保険の管理は主に学生課が行い、加入指導については薬学部学生委員及びクラス担- 21 -任が年度初めのオリエンテーションの中で行って、各種保険(傷害保険、損害賠償保険など)に関する情報の提供と指導を適切に行っている。学生自身が怪我をした時などのための保険である「学生教育研究災害傷害保険」は全学生が入学時より加入している。また、学生が他人を怪我させた時や高価な機器を壊した時などのための任意保険である「学研災付帯賠償責任保険」や「学研災付帯学生生活総合保険」については、全員がいずれかに加入している。心身の健康保持・増進のために、保健管理センターに保健管理室とカウンセリング室を設け、保健管理センター長(医師)、看護師、常勤カウンセラー(臨床心理士)をそれぞれ1名、非常勤カウンセラー(臨床心理士)を2名配置し、定期健康診断の実施、保健指導、健康相談、応急処置、医師への紹介、及び学生の悩みに対応してカウンセラーによる相談受付などを行っている。キャンパスハラスメント防止体制としてキャンパスハラスメント対応委員会を設置し、「福山大学キャンパスハラスメントの防止等に関する規定」及び「福山大学キャンパスハラスメントの防止等に関するガイドライン」を策定している。学生への経済的支援制度としては、大学独自の奨学生制度、入学金減免制度及び災害等により被災した受験生に対する支援措置があり、学外諸団体のものとして独立行政法人日本学生支援機構による奨学金制度などがある。2020年度はコロナ禍が発生したため、学生に一律5万円を給付し、学習の支援を行った。学習に配慮が必要な学生に対しては、「障害のある学生への対応に関する規則」及び「障害のある学生の支援に関するガイドライン」に従って、障害のある学生対応委員会が関連部署や担任教員などと連携して支援を行う体制を整備している。7 施設・設備本項目は、適合水準に達している。教室(講義室、実験実習室、ICT関連施設)は、定員900人に対して適正な規模と数が設置されている(基礎資料11-1、11-2)。コンピュータを利用できる医薬品情報室とTDM演習室が設置されている。また、動物実験施設、薬用植物園が設置されている。図書室に資料閲覧室・自習室が設置されている。それ以外の学生自習室として、自己学習室1~4、ロビーラウンジ、ホールに加え、授業時間帯以外は研修室、プレナリーセッション室、模擬病室、OSCE演習室、さらには講義室、演習室、マルチメディア室などが自習室として開放されている。これらは能動的学習が効果的に実施できる施設・設備で- 22 -あり、適切な利用時間が設定されている。臨床準備教育のための施設・設備として、調剤実習室、製剤実習室、クリーンルーム、クリーンベンチ、安全キャビネット、総合演習室、医薬品情報室、模擬病室、医療薬学演習室、医療薬学演習室、TDM演習室、OSCE演習室を完備しており、必要な施設・設備が適正に整備されている。卒業研究等の薬学教育研究のための施設・設備としては、各研究室や学部内の共同機器室だけでなく、学内共通施設であるグリーンサイエンス研究センターや共同利用センターを利用でき、課題研究の実施に十分な施設・設備が整備されている。また、附属図書館本館と附属図書館分館に適切な規模の図書室や閲覧室を整備するとともに、電子ジャーナルの導入を積極的に行い、教育研究活動に必要な学術雑誌、図書の閲覧が可能となっている。なお、講義室の一部や研究実験室、動物飼育施設の老朽化が進んでいたが、新棟「未来創造館」及び研究動物棟の建設(2020年12月に竣工)により整備された。2021年4月から新棟が稼働し、ほとんどの施設が集約されて教育研究が行われている。臨床準備教育のための施設は新棟と隣接している。これらの施設のバリアフリーについても問題はない。以上のように、教育研究上の目的に沿った教育研究活動の実施に必要な施設・設備が整備されている。8 社会連携・社会貢献本項目は、適合水準を超えている。生涯学習プログラムとして「福山大学薬学部・福山市薬剤師会シリーズ研修会」を月2回程度、年間で20回以上開催している。テーマは基礎から臨床応用まで幅広く、主として薬学部教員が講師を務めている。そのほかに「福山大学薬学部卒後教育研修会」、「広島びんごフィジカルアセスメント研究会」、「薬学教育者ワークショップ(中国・四国)in福山)」、「薬局実務実習フォローアップ研修会」を実施している。ただし、「薬局実務実習フォローアップ研修会」に参加する地域薬剤師の人数が減少傾向であるので、大学と地域薬局の連携をより推進するために、この研修会がさらに発展することを期待する。医療・薬学の発展を目指し、薬学部教員は企業と大学間で共同研究を行っている。また、多くの公的機関や医療機関などにおいて評議員や各種委員などとしても活動している。薬学部では、地域への社会貢献として以下のような活動を行っている。「公開講座」は、大学開学以来、地域住民に対して実施している。薬物乱用防止啓蒙活動である「劇団危防」は学生と教員による創作劇で、年に1回中学校で披露している。2019年度は近隣の小中- 23 -学校対して、「喫煙・飲酒防止等啓発活動」を9回行っている。「府中学びフェスタ」には、2014(平成26)年度から健康イベント支援活動の一環として教員と学生が参加し、来場者を対象に肺年齢や血圧などの簡易検査を無料で行っている。「大学祭薬学部健康イベント」では、地域の人々に対する調査発表や参加型のイベントを行っている。また、地方自治体・薬剤師会などが主催する「健康ふくやま21フェスティバル」、「健康サポートフェア」、「福山市食育講習会」及び「神村歴史散策ウオーク」などのイベントに、学生及び教員が支援協力あるいは運営スタッフとして参加している。以上のように、長年、主幹校として医療・薬学の発展、薬剤師の資質・能力の向上、及び地域における保健衛生の保持・向上に貢献していることは高く評価できる。薬学部の英文ホームページを作成するとともに、全学的に米国や中国など27の大学と学術教育研究協定を締結し、国際交流に努めている。薬学部学生は、主に米国での語学研修に行っている。また、薬学部生の留学、薬学部への留学生の受入れ、教員の海外研修会・発表への参加、海外研究員の受入れなどが行われており、国際交流の推進に努めている。福山大学では、専任教員の「外国留学に関する細則」が規定されている。ただし、6年制薬学教育課程開始以降、薬学部教員の海外留学の実績はないので、教員の海外留学を奨励することが望まれる。Ⅳ.大学への提言1)長所1. ディプロマ・ポリシーに示されている8つ資質を構成する能力として25個の「資質(中項目)」を設定し中項目単位で、形成的評価、及び総括的評価を行い、学修成果の評価を実施することをアセスメント・ポリシーとして設定していることは、評価できる。(1.教育研究上の目的と三つの方針)2. 5年次に「実務実習後学習」を設置し、臨床実習後OSCE(pccOSCE)を実施している。また、6年次に「ファーマシューティカルケア総合演習」を開講している。これらの科目は、臨床での実践能力の定着のための独自の取り組みとして評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成)3. 140名中約1/3の46名が他地区である近畿、四国・九州・山口地区で実務実習を行っており、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会及び薬学教育協議会が推進しているふるさと実習に積極的に取り組んでいることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム- 24 -3-2教育課程の実施)4. 各教員が教育研究における年度目標を設定し、毎年自己点検評価を行って改善につなげている。また、各教員は授業改善報告書を大学教育センターに提出し、薬学部で集計・精査ののち改善が必要と認められた場合には学科長が対応している。このように、教育研究活動の向上を図るための組織的な取組みが積極的に行われており評価できる。(5.教員組織・職員組織)5. 5年生が後輩に学習指導するメンター制度は、学生への学習支援とともに、教える学生の自己研鑽の効果も考えられ、評価できる。(6.学生の支援)6. 長年、主幹校として薬学教育者ワークショップを開催し指導薬剤師養成に尽力すると共に、福山大学薬学部・福山市薬剤師会シリーズ研修会や広島びんごフィジカルアセスメント研究会などを通して、医療・薬学の発展、薬剤師の資質・能力の向上及び地域における保健衛生の保持・向上に貢献していることは高く評価できる。(8.社会連携・社会貢献)2)助言1. カリキュラム・ポリシーにおける学習方法については、講義、実習、演習と記載されているのみなので、さらに主体的・対話的で深い学び(アクティブラーニング)の方法に関しても設定することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針)2. カリキュラム・ポリシーは、学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するように設定されていることが望まれる 。(1.教育研究上の目的と三つの方針)3. 全学共通の自己点検の評価では質的・量的解析は十分に行われているとは言えないので、薬学教育プログラム自体を十分に自己点検・評価することが望まれる。(2.内部質保証)4. ストレート卒業率が未だ改善途上であり、教育カリキュラムの編成・実施及び評価、受け入れ学生の基礎学力の向上、学生支援など様々な観点から検証を行い、具体的な対策を取ることが望まれる。(2.内部質保証)5. カリキュラム編成、卒業論文の執筆、シラバスの記載などに問題点が散見されるので、自己点検・評価結果等を学部全体の教育研究活動の改善と向上に反映する自己点検評価委員会の体制を整備することが望まれる。(2.内部質保証)6. 教育課程及びその内容、方法の適切性についての検証に関して問題があるので、「資- 25 -質(中項目)の修得度」の評価における試験問題の内容や形式の変更、及び「学生による授業評価アンケート」における質問事項の追加(例えば、該当科目のカリキュラムの中での位置づけの評価に関する質問事項)とアンケート回収率の向上などの改善を行って検証を行うことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成)7. 資質(中項目)の総括的評価において、資質の目標達成度を評価するための評価方法及び課題として必ずしも適切ではないと考えられる評価があるので、評価方法及び課題をさらに検討していくことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価)8. 教育プログラムに対する評価で、ほとんどの資質で達成度が最高の「4」であったことから、この学修成果の評価結果を用いて教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用するための問題点抽出は難しいので、2020 年度の卒業生の結果も加味して、「資質(中項目)の修得度」から達成度を判定する基準を見直すことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価)9. FD・SD研修会は定期的に開催されているが、専任教員及び職員の参加率が低下傾向であるので改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織)10. 「共通教育アンケート」の実施報告書において、薬学部1年生についてカリキュラム・マップの理解の乏しい学生の比率が多いことが指摘されており、アンケート結果をガイダンスにおける指導などに反映させていくことが望まれる。(6.学生の支援)3)改善すべき点1. カリキュラム・ツリーの全体像を分かりやすくするために、資質別カリキュラム・ツリーとは別に、資質全体を俯瞰するカリキュラム・ツリーを作成して、薬学教育カリキュラムが体系的に整理され、効果的に編成されているかを検証することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成)2. 学生に不利益がないように、成績に関する異議を申し出る仕組みを改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施)3. 資質の形成的評価を行うために、GPAに基づく「資質(中項目)修得度」を算出しているが、GPAは累積的であることから、資質の修得度を評価するのに必ずしも適しているとは言えない。ほかの評価方法も用いて多面的な評価法を構築するように改- 26 -善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価)4. 標準修業年限内の卒業者の割合は十分に高いとは言えず、薬学部で学ぶための資質・能力を備えていない学生が入学していることが懸念されるので、さらに検証を行い、入学者受入れの改善・向上等を図ることが必要である。(4.学生の受入れ)- 27 -Ⅴ.認定評価の結果について福山大学薬学部(以下、貴学)の第2期の第三者評価(以下、本評価)は、2020年度に実施する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行のため、薬学教育評価機構(以下、本機構)は急遽、本評価の実施を1年間延期することとしました。これにより貴学の本評価は、自己点検・評価の対象年度は2019年度とし、2020年度に行われた変更点も含めた「自己点検・評価書」について、2021年度に評価を実施しました。Ⅰ~Ⅳに記載した内容は、貴学が自己点検・評価の結果により作成し本機構に提出した「調書」(「自己点検・評価書」及び「基礎資料」)と添付資料に基づいて行った本評価の結果をまとめたものです。1)評価の経過本評価は、本機構が実施する研修を修了した4名の評価実施員(薬学部の教員3名、現職の薬剤師1名)で構成する評価チームによるピア・レビューを基本にして行いました。まず、個々の評価実施員が「調書」に基づいて「評価基準」の達成状況を検証して所見を作成し、それらを評価チーム会議で検討して評価チームの所見をとりまとめる書面調査を行いました。評価チームは、書面調査の所見を整理した結果に貴学への質問事項などを加えた「評価チーム報告書案」を作成し、これを貴学に送付して、質問への回答と「評価チーム報告書案」に対する貴学の意見(第1回目のフィードバック)を求めました。評価チームは、貴学からの回答と追加された資料、並びに「評価チーム報告書案」に対する意見を検討して「評価チーム報告書案」の所見を修正し、その結果を踏まえて、書面調査では十分に評価できなかった点を含めて貴学の6年制薬学教育プログラムの状況を確認することを目的に、訪問調査を実施する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大状況を鑑み、オンラインで実施することとなりました。「訪問時閲覧資料」のうち、可能なものは事前に電子媒体としてご提供いただいて閲覧し、貴学との意見交換、並びに学生及び若手教員との意見交換をオンラインで行いました。また、「訪問時閲覧資料」のうち、電子媒体でお送りいただく事が困難であった資料の調査のため、評価実施員1名が貴学を直接訪問し、追加の訪問調査を行いました。訪問調査を終えた評価チームは、訪問調査で得た情報と書面調査の所見を総合的に検討し、「評価チーム報告書」を作成して評価委員会に提出しました。「評価チーム報告書」の提出を受けた評価委員会は、評価チームの主査を含めた拡大評価委員会を開いて、評価チームの判断を尊重しつつ、大学間での「評価結果」の偏りが- 28 -生じないことを目指して「評価チーム報告書」の内容を検討し、その結果をもとに「評価報告書(評価委員会案)」を作成しました。次いで、評価委員会は「評価報告書(評価委員会案)」を貴学に送付し、事実誤認及び誤解を生じる可能性がある表現などに対する「意見申立て」(第2回目のフィードバック)を受けました。評価委員会は、申立てられた意見を検討し、その結果に基づいて「評価報告書(評価委員会案)」を修正するための拡大評価委員会を開催し、「評価報告書原案」を確定しました。本機構は「評価報告書原案」を、外部有識者を含む評価の最高意思決定機関である総合評価評議会において慎重に審議し、「評価報告書」を確定しました。本機構は、「評価報告書」を貴学に送付するとともに社会に公表し、文部科学省及び厚生労働省に報告します。なお、評価の具体的な経過は「3)評価のスケジュール」に示します。2)「評価結果」の構成「評価結果」は、「Ⅰ.総合判定の結果」、「Ⅱ.総評」、「Ⅲ.『項目』ごとの概評」、「Ⅳ.大学への提言」で構成されており、それらの意味は以下の通りとなっています。「Ⅰ.総合判定の結果」には、貴学の薬学教育プログラムが総合的に本機構の「評価基準」に適合しているか否かを記しています。「Ⅱ.総評」には、「Ⅰ.総合判定の結果」の根拠となった貴学の薬学教育プログラムの本機構の「評価基準」に対する達成状況を簡潔に記しています。「Ⅲ.『項目』ごとの概評」には、「評価基準」を構成する項目1、2、3-1、3-2、3-3、4、5、6、7、8について【基準】に対する充足状況の概要を記しています。「Ⅳ.大学への提言」は、「評価結果」に関する本機構からの特記事項で、「1)長所」、「2)助言」、「3) 改善すべき点」に分かれています。「1) 長所」は、貴学の特色となる優れた取り組みと評価されたものを記載しています。「2)助言」は、「評価基準」を達成する最低要件は充たしているが、目標を達成するためには改善が望まれることを示すものです。「助言」の内容に対する改善の実施は貴学の判断に委ねますが、個々の「助言」への対応状況についての報告書の提出が必要です。「3)改善すべき点」は、「評価基準」が求める最低要件を充たしていないと判断された問題点で、貴学に対して「評価基準」を達成するための改善を義務づけるものです。「改善すべき点」については、早急に改善に取り組み、「評価基準」を達成したことを示- 29 -す成果を「提言に対する改善報告書」として所定の期限内に本機構に提出することが必要です。本「評価結果」は、貴学の「自己点検・評価書」及び「基礎資料」に記載された、評価対象年度である2019年度における薬学教育プログラムを対象にし、書面調査ならびに訪問調査において確認した状況を考慮して作成したものであるため、現時点ではすでに改善されているものが提言の指摘対象となっている場合があります。なお、別途提出されている「調書」の誤字、脱字、数値の誤記などに関する「正誤表」は、本「評価報告書」、「調書」を本機構のホームページに公表する際に、合わせて公表します。3)評価のスケジュール貴学の薬学教育プログラム評価を以下のとおり実施しました。2019年2月1日 日本薬学会長井記念館会議室において、本評価説明会を実施2020年3月9日 貴学より調書の草案の提出。機構事務局は内容を確認4月8日 機構事務局より貴学へ草案の確認終了を通知新型コロナウイルス感染拡大防止のため本評価の1年延期を通知2021年2月15日 貴学より調書の草案の提出。機構事務局は内容を確認3月8日3月30日機構事務局より貴学へ草案の確認終了を通知貴学より「薬学教育評価申請書」、評価資料(調書及び添付資料)の提出4月9日 評価実施員は評価所見の作成を開始~5月末 主査は各実施員の評価所見を基に「評価チーム報告書案」の素案を作成6月2日 評価チーム会議を開催し、主査の素案を基に「評価チーム報告書案」を作成 7月8日 評価チームは「評価チーム報告書案」を機構事務局へ提出。機構事務局より貴学へ「評価チーム報告書案」を送付 7月29日 貴学より「評価チーム報告書案に対する確認および質問事項への回答」の提出9月1日 評価チーム会議を開催し、貴学からの「評価チーム報告書案に対する確認および質問事項への回答」を検討し、訪問時の調査項目を確認10月6日・7日10月22日貴学とのオンライン面談を実施(訪問調査)評価チーム会議を開催し、「評価チーム報告書」を作成11月2日 主査1名による貴学への訪問調査を実施11月24日 「評価チーム報告書」を評価委員会へ提出- 30 -11月30日 評価委員会(拡大)を開催し、「評価チーム報告書」を検討12月14日 評価委員会(拡大)を開催し、「評価報告書(評価委員会案)」を作成2022年1月6日 機構事務局より貴学へ「評価報告書(評価委員会案)」を送付1月20日 貴学より「意見申立書」の提出2月4日 評価委員会(拡大)を開催し、意見申立てに対する「回答書」を作成2月9日 評価委員会(拡大)を開催し、「評価報告書原案」を作成2月10日 機構事務局より貴学へ意見申立てに対する「回答書」を送付2月16日 「評価報告書原案」を総合評価評議会へ提出3月2日 総合評価評議会を開催し、「評価報告書」を決定3月16日 機構事務局より貴学へ「評価報告書」を送付*評価チーム会議、評価委員会、総合評価評議会は全てオンラインで実施しました。4)提出資料一覧(調書) 自己点検・評価書 薬学教育評価 基礎資料(根拠資料)提出資料一覧(様式2-1、 2-2)を以下に転載追加資料一覧 を以下に転載様式 2-12020 (令和2) 年度の大学ホームページ更新に伴い、資料URLが変更になったので、URLの新旧対比表を冒頭に示す。2020(令和2)年度の大学ホームページ更新に伴い、以下の添付資料のURLが変更になったので新旧対比表を示す。資料No.旧URL新URL (2020年11月28日現在)資料21 福山大学ホームページ(https://www.fukuyama- u.com/pharm/pharm-policy/ )薬学部の4つのポリシー https://www.fukuyama-u.ac.jp/pharm/pharm-policy/資料31 自己評価委員会・学生授業評価 自己点検・評価書(HP): https://www.fukuyama-u.com/disclosure/self-evaluation/ https://www.fukuyama-u.ac.jp/disclosure/self-evaluation/資料32 自己評価委員会・学生授業評価 学生による授業評価(HP): https://www.fukuyama-u.com/disclosure/self-evaluation/ https://www.fukuyama-u.ac.jp/disclosure/self-evaluation/資料33福山大学薬学部6年制学科における入学年度別の修学状況(HP):https://www.fukuyama-u.com/wp-content/uploads/2019/11/全学年の修学状況.pdfhttps://www.fukuyama-u.ac.jp/wp-content/uploads/2019/11/全学年の修学状況.pdf資料45 コミュニケーション交流学習(HP): http://web.fukuyamau.ac.jp/pharm/htmls/humanisum/exchange.htmlhttp://web.fukuyamau.ac.jp/pharm/htmls/humanisum/exchange.html資料952019年度薬学共用試験結果(HP):https://www.fukuyamau.ac.jp/wp-content/uploads/2020/04/2019-薬学共用試験結果.pdf 差し替え?https://www.fukuyama-u.ac.jp/wpcontent/uploads/2020/04/2019-薬学共用試験結果.pdf資料99 福山大学編入学試験(HP):https://www.fukuyama- u.com/entrance/entrance-examination-incorporation/ https://www.fukuyama-u.ac.jp/entrance/entrance- examination-incorporation/資料100 福山大学研究者一覧薬学部(HP): https://www.fukuyama- u.com/faculty/researchers_pharm/ https://www.fukuyama-u.ac.jp/faculty/researchers_pharm/資料102 福山大学薬学部研究室構成(HP): http://web.fukuyamau.ac.jp/pharm/htmls/Labo/labo.html http://web.fukuyama-u.ac.jp/pharm/htmls/Labo/labo.html資料110 大学教育センター学修支援部門(HP):https://www.fukuyama- u.com/edu-center/study-support/ https://www.fukuyama-u.ac.jp/edu-center/study-support/資料118大学教育センター 「新しい共通教育について語り合う会 フクトーーク」(HP):https://www.fukuyama-u.com/edu-center/fukutalk/ https://www.fukuyama-u.ac.jp/edu-center/fuku-talk/資料121福山大学危機管理基本マニュアル_第1版(HP):https://www.fukuyama-u.com/wpcontent/themes/fukuyama_uni/assets/pdf/fu-pdf/福山大学危機管理基本マニュアル_第1版.pdf(表紙と目次)https://www.fukuyama-u.ac.jp/wpcontent/themes/fukuyama_uni/assets/pdf/fu-pdf/福山大学危機管理基本マニュアル_第1版.pdf表 ホームページ資料のURL新旧対比表資料122福山大学 自然災害対応マニュアル(HP):https://www.fukuyamau.com/wp-content/themes/fukuyama_uni/assets/pdf/fu-pdf/福山大学自然災害対応マニュアル.pdf(1ページ目のみ:全12ページ)https://www.fukuyama-u.ac.jp/wpcontent/themes/fukuyama_uni/assets/pdf/fu-pdf/福山大学自然災害対応マニュアル.pdf資料123 福山大学 安全衛生管理について(HP):https://www.fukuyama- u.com/safety-health/ https://www.fukuyama-u.ac.jp/safety-health/資料124福山大学安全衛生管理の手引き(HP):https://www.fukuyamau.com/wp-content/uploads/2019/09/Fukuyama-University-SafetyManagement-Guide.pdf(表紙と目次) https://www.fukuyama-u.ac.jp/wp- content/uploads/2019/09/Fukuyama-University-Safety- Management-Guide.pdf資料128 ハラスメント相談委員名簿(HP):https://www.fukuyama- u.com/wp-content/uploads/2019/11/menberH31.pdf https://www.fukuyama-u.ac.jp/wp- content/uploads/2019/11/menberH31.pdf資料129 奨学金制度(HP):https://www.fukuyama-u.com/student- affairs/scholarship/ https://www.fukuyama-u.ac.jp/student-affairs/scholarship/資料130福山大学 障害のある学生の支援に関するガイドライン(HP):https://www.fukuyama-u.com/wpcontent/themes/fukuyama_uni/assets/pdf/education/guideline.pdfhttps://www.fukuyama-u.ac.jp/wpcontent/themes/fukuyama_uni/assets/pdf/education/guideline.pdf資料131 共同利用センター教育・研究機器設備部門全学共通設備・機器 (HP):https://www.fukuyama-u.com/crc/crc_common-facilities/ https://www.fukuyama-u.ac.jp/crc/crc_common-facilities/資料132グリーンサイエンスセンター主な研究設備(HP):https://www.fukuyama-u.com/green-science-cet/green_commonfacilities/ https://www.fukuyama-u.ac.jp/green-science- cet/green_common-facilities/資料139FukuyamaUniversity-English(HP)p44~47:https://www.fukuyama-u.com/wpcontent/themes/fukuyama_uni/assets/pdf/en/FukuyamaUniversity.pdfhttps://www.fukuyama-u.ac.jp/wpcontent/themes/fukuyama_uni/assets/pdf/en/FukuyamaUniversity.pdf-