2019年 福岡大学 改善報告審議結果
「Ⅳ.大学への提言」に対する改善報告についての審議結果大学名:福岡大学薬学部本評価実施年度:2019 年度2025 年 1月 10 日一般社団法人 薬学教育評価機構 総合評価評議会「改善すべき点」に対する改善報告への審議結果※検討所見以外は提出された改善報告書のまま記載しています。- 1 -■改善すべき点への対応について改善すべき点(1)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 2.カリキュラム編成(2)指摘事項4 年次後期の「薬学特別講義」(新カリで 6 科目、旧カリでは 5 科目)、「薬学演習」、ならびに、6 年次前期から開講される「総合薬学特別講義」(旧カリで 10 科目)、「総合薬学演習」は、薬学共用試験、および薬剤師国家試験に向けた時期に開講される復習的な要素が強い科目であり、薬学共用試験や薬剤師国家試験対策に偏っているので、改善する必要がある。(3)本評価時の状況4 年次後期の「薬学特別講義」、「薬学演習」、ならびに 6 年次前期から開講される「総合薬学特別講義」、「総合薬学演習」は、シラバスにおいて薬学共用試験や国家試験対策に偏った講義と見なされやすい表記であった。(4)本評価後の改善状況4 年次「薬学特別講義」と 6 年次「総合薬学特別講義」は以下の講義から構成される。4 年次「薬学特別講義」: 物理系薬学特別講義、化学系薬学特別講義、生物系薬学特別講義、衛生薬学特別講義、医療薬学特別講義Ⅰ、医療薬学特別講義Ⅱ6 年次「総合薬学特別講義」: 物理系薬学総合講義、 化学系薬学総合講義、生物系薬学総合講義、 衛生薬学総合講義、 臨床薬学総合講義Ⅰ、 臨床薬学総合講義Ⅱ、医療薬学総合講義Ⅰ、 医療薬学総合講義Ⅱ、 医療薬学総合講義Ⅲ、医療薬学総合講義Ⅳ、薬事・医事関係法規総合講義4 年次「薬学特別講義」及び 6 年次「総合薬学特別講義」(2020 年度から「薬学総合講義」に名称変更)の中には、確かに低学年次に教えた内容や試験対策のための問題演習を実施している講義もあるものの、低学年次の講義内容を更に発展させたアドバンスト的な内容の講義も多く含まれている。2022 年度シラバスから、講義担当教員へ上記科目の各授業計画の欄に試験対策的な要素が強い「問題演習」とアドバンスト的な講義要素の強い「講義」とを、その授業内容により区別して記載するよう依頼した。その結果、2022 年度は、4 年次後期の「薬学特別講義」では「講義」:「問題演習」=7:3 であり、6 年次「総合薬学特別講義」(「薬学総合講義」)では「講義」:「問題演習」=8:2であったため、両講義は薬学共用試験や国家試験対策に偏った講義にならないよう改- 2 -善している(資料 1~4)。特に、2024 年度から、4年次の「医療薬学特別講義Ⅱ」については生理学・薬理学・病態薬物治療学・薬物動態学・製剤学の視点から多面的に症例解析を行うアドバンスト的授業内容に一部を変更し、6 年次の「医療薬学総合講義Ⅰ」については、大学病院などの実務経験者から各種疾患の最先端医療を学ぶ授業内容に変更する予定である(資料 5・6)。両講義については今後も授業内容を精査し、アドバンスト的な内容を充実させた講義に改善する。また、4 年次「薬学演習」は、薬学共用試験対策と見なされた薬学中間試験を授業内容及び成績評価から除き、卒業研究の要素の強い科目へ改善した(資料 7・8)。さらに、6 年次「総合薬学演習」は、6 年間で学習した断片的な薬学専門知識をまとめて、体系化させることを目的に、卒業試験に相当する必修科目として設定している。これまでに学んできた薬学の知識全般について、総合的な知識を深め、問題解決能力を修得する内容として実施する。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 1:2022 年度薬学部シラバス4 年次薬学特別講義 6 科目、p97~102資料 2:2023 年度薬学部シラバス4 年次薬学特別講義 6 科目、p119~124資料 3:2022 年度薬学部シラバス6 年次薬学特別講義 11 科目、p145~155資料 4:2023 年度薬学部シラバス6 年次薬学特別講義 11 科目、p167~179資料 5:2024 年度薬学部シラバス医療薬学特別講義Ⅱ(4年次)、p134資料 6:2024 年度薬学部シラバス医療薬学総合講義Ⅰ(6年次)、p183資料 7:2022 年度薬学部シラバス薬学演習(含薬学研究基礎)、p103資料 8:2023 年度薬学部シラバス薬学演習(含薬学研究基礎)、p125資料 9:2021 年度薬学部シラバス総合薬学演習(含卒業試験)、p231資料 10:2022 年度薬学部シラバス総合薬学演習(含卒業試験)、p167資料 11:2023 年度薬学部シラバス総合薬学演習(含卒業試験)、p191- 3 -検討所見改善すべき点(1)は、本評価時において、4年次後期の「薬学特別講義」、「薬学演習」、ならびに、6年次前期から開講される「総合薬学特別講義」、「総合薬学演習」は、薬学共用試験、および薬剤師国家試験に向けた時期に開講される復習的な要素が強い科目であり、薬学共用試験や薬剤師国家試験対策に偏っていた状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、2022 年度シラバスから、講義担当教員へ上記科目の各授業計画の欄に試験対策的な要素が強い「問題演習」とアドバンスト的な講義要素の強い「講義」とを、その授業内容により区別して記載し、4年次後期の「薬学特別講義」では「講義」:「問題演習」=7:3であり、6年次「総合薬学特別講義」(「薬学総合講義」)では「講義」:「問題演習」=8:2と薬学共用試験や国家試験対策に偏った講義にならないよう改善した。また、2024 年度から、4年次の「医療薬学特別講義Ⅱ」については生理学・薬理学・病態薬物治療学・薬物動態学・製剤学の視点から多面的に症例解析を行うアドバンスト的授業内容に一部を変更し、6年次の「医療薬学総合講義Ⅰ」については、大学病院などの実務経験者から各種疾患の最先端医療を学ぶ授業内容に変更する予定としており、両講義については今後も授業内容を精査し、アドバンスト的な内容を充実させた講義に改善するとしている。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、求められている改善に向けた取り組みが進められていると判断する。今後、指摘の趣旨に沿った改善がさらに進むことを期待する。- 4 -改善すべき点(2)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 2.カリキュラム編成(2)指摘事項学年によって講義 1 単位の授業時間(コマ数)が異なる体制をとっており、学部としての単位の設定基準が統一されていないので、改善する必要がある。(3)本評価時の状況1、2 年次科目は、共通教育科目との単位数を合わせるために、講義科目については基本的に 2 単位に設定していた。3 年次以上の講義に関する専門科目は、基本的に 1 単位に設定していた。このように、学年により 1 単位の講義と 2 単位の講義が存在していた。(4)本評価後の改善状況現時点で単位数変更はできないため、2024 年度のカリキュラム改正時に、講義科目については、2 単位、実習・演習科目については、1 単位に変更する予定である。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 12:教授会資料 2023/10/20 資料 9資料 12-1:2024 年度薬学部学修ガイド P136 福岡大学学科履修規程第 3 条検討所見改善すべき点(2)は、本評価時において、学年によって講義1単位の授業時間(コマ数)が異なる体制をとっており、学部としての単位の設定基準が統一されていなかったことに対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、2024 年度のカリキュラム改正時に、講義科目については2単位、実習・演習科目については1単位に変更する予定としている。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。- 5 -改善すべき点(3)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 3.医療人教育の基本的内容(2)指摘事項ヒューマニズム教育・医療倫理教育において、関連科目の学習成果を総合した目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価する必要がある。(3)本評価時の状況ヒューマニズム教育・医療倫理教育に対して、学習成果に関する総合的な目標達成度を評価する指標が設定できておらず、これに基づく評価が行えていなかった。(4)本評価後の改善状況教務委員を中心にワーキンググループを設置し、ディプロマ・ポリシーを踏まえて、ヒューマニズム教育・医療倫理教育のアウトカム、これを評価するための科目及び目標達成度を評価するルーブリック評価について検討した。定義したアウトカムについて以下に示す。ヒューマニズム・医療倫理教育〜薬剤師としてふさわしい人間性〜アウトカム幅広い教養と基礎的科学力を身につけ、高度な薬学の知識を理解し、生命の尊厳についての深い認識を基盤としたうえで、常に患者・生活者の立場に立ち、これらの人々の命と健康な生活を守る使命感、責任感及び倫理観を持ちながら、臨床に係る高い実践的な能力を備えている。以下の表に薬学部においてヒューマニズム・医療倫理教育に関連する科目を整理した。ヒューマニズム・医療倫理について、1 年から 6 年生まで継続的に学ぶことのできる科目設定である。1 年次 2 年次 3 年次 4 年次 5 年次 6 年次ヒューマニズム・医療倫理教育・早期臨床体験 I(2)・薬学概論(2)・コミュニケーション学(1)・ 薬学演習( 含薬学研究基礎)(2)・実務実習(20)・ 薬学研究II(1)・薬学特別研究(1)カッコ内は単位数。下線科目はルーブリック評価を成績評価に取り入れる科目。1 年次の「早期臨床体験 I」、4 年次の「薬学演習」そして 6 年次の「薬学研究 II」においては、ルーブリック評価を単位認定の際の成績評価に取り入れることとし、2022 年度から実施している。ルーブリック評価についてはアウトカムを踏まえ、2 つの観点を設定し、6 年- 6 -間で到達が期待される水準を段階的に示すものとした。2 つの観点は、「生命の尊厳」と「薬剤師としての使命感・責任感」とし、4 段階の水準を設定することでヒューマニズム・医療倫理教育に関連した科目の学習成果に関する総合的な目標達成度を評価する指標とした(資料 13〜15)。2022 年度シラバスから、該当 3 科目の成績評価の欄には、ルーブリック評価による医療倫理・ヒューマニズム教育の評価を明示している(資料 16〜18)。さらに 2022 年度シラバスから、冒頭ページに「薬学部における医療倫理・ヒューマニズム、コミュニケーション・自己表現能力、問題解決能力の教育について」記載することにより、当該教育の継続的な学習の重要性、上記のルーブリック評価について、倫理教育に深く関わる共通教育科目の履修の奨め等をまとめ、学生に広く周知するよう努めている(資料19)。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 13:2022 年度薬学部シラバス早期臨床体験 I ルーブリック評価表、p17-18資料 14:2022 年度薬学部シラバス薬学演習(含薬学研究基礎)ルーブリック評価表、p110-111資料 15:2022 年度薬学部シラバス薬学研究 II ルーブリック評価表、p163-164資料 16:2022 年度薬学部シラバス早期臨床体験 I、p15資料 17:2022 年度薬学部シラバス薬学演習(含薬学研究基礎)、p103資料 18:2022 年度薬学部シラバス薬学研究 II、p156資料 19:2022 年度薬学部シラバス薬学部における医療倫理・ヒューマニズム、コミュニケーション・自己表現能力、問題解決能力の教育について、巻頭 p12- 7 -検討所見改善すべき点(3)は、本評価時において、ヒューマニズム教育・医療倫理教育に関連する科目の学習成果を総合した目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価されていなかった状況に対して改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、ヒューマニズム・医療倫理教育に関連する科目を整理し、「早期臨床体験Ⅰ」、「薬学演習」、「薬学研究Ⅱ」については、ルーブリック評価を単位認定の際の成績評価に取り入れることとし、2022 年度シラバスからルーブリック評価により成績評価することを明示した。さらに、2022 年度シラバスの冒頭ページに「薬学部における医療倫理・ヒューマニズム、コミュニケーション・自己表現能力、問題解決能力の教育について」を記載することにより、当該教育の継続的な学習の重要性の周知に努めている。以上のことは上記(5)の根拠資料からヒューマニズム教育・医療倫理教育に関する科目が目標とする薬剤師像が設定されていることは確認できたので、求められている改善に向けて取り組みが進められていると判断する。しかしながら、いずれのルーブリック評価も、科目ごとの評価に留まっているので、今後、ディプロマ・ポリシーの運用を含め、ヒューマニズム教育・医療倫理教育関連科目の学習成果を総合した目標達成度を評価するための指標を定め、それに基づき総合的に評価されるよう指摘の趣旨に沿った改善をさらに進めることを期待する。- 8 -改善すべき点(4)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 3.医療人教育の基本的内容(2)指摘事項コミュニケーション能力および自己表現能力を身に付けるための教育において、関連科目の学習成果を総合した目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価するよう改善が必要である。(3)本評価時の状況コミュニケーション能力および自己表現能力を身に付けるための教育に対して、学習成果に関する総合的な目標達成度を評価する指標が設定できておらず、これに基づく評価が行えていなかった。(4)本評価後の改善状況教務委員を中心にワーキンググループを設置し、ディプロマ・ポリシーを踏まえて、「コミュニケーション・自己表現能力」についてのアウトカム、これを評価するための科目及び目標達成度を評価するルーブリック評価について検討した。定義したアウトカムについて以下に示す。コミュニケーション・自己表現能力アウトカム相手の考えや意見を尊重しながら傾聴し、理解しがら、自分の考えや意見を相手が理解出来るように表現し意思疎通する。相互に心が開けるコミュニケーションの場を築くよう努め、相手と良好な信頼関係を保ちながら、自然に受け入れ合うことができる関係を構築する。以下の表に薬学部においてコミュニケーション・自己表現能力に関連する科目を整理した。コミュニケーション・自己表現能力について、1 年から 6 年生まで継続的に学ぶことのできる科目設定である。1 年次 2 年次 3 年次 4 年次 5 年次 6 年次コミュニケーション・自己表現教育・早期臨床体験 I(2)・コミュニケーション学(1)・ 薬学演習( 含薬学研究基礎)(2)・実務実習事前学習(4)・実務実習(20)・薬学研究I(12)・ 薬学研究II(1)カッコ内は単位数。下線科目はルーブリック評価を成績評価に取り入れる科目。1 年次の「早期臨床体験 I」、4 年次の「薬学演習」そして6年次の「薬学研究 II」において- 9 -は、ルーブリック評価を単位認定の際の成績評価に取り入れることとし、2022 年度から実施している。ルーブリック評価についてはアウトカムを踏まえ、2 つの観点を設定し、6 年間で到達が期待される水準を段階的に示すものとした。2 つの観点は、「傾聴」と「意思伝達力」とし、4 段階の水準を設定することでコミュニケーション・自己表現能力に関連した科目の学習成果に関する総合的な目標達成度を評価する指標とした(資料 20〜22)。2022 年度シラバスから、該当 3 科目の成績評価の欄には、ルーブリック評価によるコミュニケーション・自己表現能力の評価方法を明示している(資料 23〜25)。さらに 2022 年度シラバスから、冒頭ページに「薬学部における医療倫理・ヒューマニズム、コミュニケーション・自己表現能力、問題解決能力の教育について」記載することにより、当該教育の継続的な学習の重要性、上記のルーブリック評価についてまとめ、学生に広く周知するよう努めている(資料 26)。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 20:2022 年度薬学部シラバス早期臨床体験 I ルーブリック評価表、p17-18資料 21:2022 年度薬学部シラバス薬学演習(含薬学研究基礎)ルーブリック評価表、p110-111資料 22:2022 年度薬学部シラバス薬学研究 II ルーブリック評価表、p163-164資料 23:2022 年度薬学部シラバス早期臨床体験 I、p15資料 24:2022 年度薬学部シラバス薬学演習(含薬学研究基礎)、p103資料 25:2022 年度薬学部シラバス薬学研究 II、p156資料 26:2022 年度薬学部シラバス薬学部における医療倫理・ヒューマニズム、コミュニケーション・自己表現能力、問題解決能力の教育について、巻頭 p12- 10 -検討所見改善すべき点(4)は、本評価時において、コミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育に関連する科目の学習成果を総合した目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価されていなかった状況に対して改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、コミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育に関連する科目を整理し、「早期臨床体験Ⅰ」、「薬学演習」、「薬学研究Ⅱ」については、ルーブリック評価を単位認定の際の成績評価に取り入れることとし、2022 年度シラバスからルーブリック評価により成績評価することを明示した。さらに、2022 年度シラバスの冒頭ページに「薬学部における医療倫理・ヒューマニズム、コミュニケーション・自己表現能力、問題解決能力の教育について」を記載することにより、当該教育の継続的な学習の重要性の周知に努めている。以上のことは上記(5)の根拠資料からコミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育に関連する科目が目標とする薬剤師像が設定されていることは確認できた。しかしながら、改善すべき点(3)同様、いずれも科目ごとの総合的評価に留まっているので、今後、コミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育関連科目の学習成果を総合した目標達成度を評価するための指標を定め、それに基づき総合的評価されるよう指摘の趣旨に沿った改善をさらに進めることを期待する。- 11 -改善すべき点(5)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 4.薬学専門教育の内容(2)指摘事項薬学教育モデル・コアカリキュラムのSBOsを実施する科目が選択科目となっているため、すべてのSBOsを修得しなくても卒業できる制度は改善する必要がある。(3)本評価時の状況薬学教育モデル・コアカリキュラムのSBOsを実施する科目が選択科目となっているため、すべてのSBOsを修得しなくても卒業することができていた。本学では、分野ごとにある一定以上の単位を修得しなければ卒業できない制度になっており、薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠していると考えている。実際に登録時には、ほぼ全員が選択科目をすべて登録し、単位取得率は 2019 年度では 85.4%であったが、3 月の履修登録ガイダンスなどで学修指導を行った結果、2021 年度では 92.6%まで上昇した。(4)本評価後の改善状況現時点で選択科目を必修科目に変更はできないため、2024 年度のカリキュラム改正時にアドバンスト科目を除く選択科目をすべて選択必修科目に変更する予定である(資料 27)。2023 年度以前の入学生に対しては、3 月の履修登録ガイダンスにおいて、すべての科目を登録し、単位を取得するように指導する。(資料 27-1)(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 27:教授会資料 2023/10/20 資料 9資料 27-1:2024 年度薬学部履修登録ガイダンス資料- 12 -検討所見改善すべき点(5)は、本評価時において、薬学教育モデル・コアカリキュラムのSBOsを実施する科目が選択科目となっているため、すべてのSBOsを修得しなくても卒業できる制度に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、2024 年度のカリキュラム改正時にアドバンスト科目を除く選択科目をすべて選択必修科目に変更する予定としている。また、2023 年度以前の入学生に対しては、3月の履修登録ガイダンスにおいて、すべての科目を登録し、単位を取得するように指導するようにした。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、求められている指摘は改善されたものと判断する。- 13 -改善すべき点(6)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 4.薬学専門教育の内容(2)指摘事項大学独自のアドバンスト専門科目については、その内容が具体的にわかる到達目標を記載し、独自科目であることをわかりやすく明示する必要がある。(3)本評価時の状況シラバスにおけるアドバンスト科目の到達目標が明確ではなく、到達目標及び授業計画とSBOsとを関連づけて表記していた。(4)本評価後の改善状況現在、アドバンスト科目は 6 年次科目として設定しており、「臨床診療科概論」、「薬剤師職能論」、「薬学特別研究」、「今日の薬学研究」、「薬事行政論」、「医薬品開発論」の6 科目を開講している。該当科目の作成にあたっては、教務委員から各科目担当教員に対して、学生にとって分かりやすい到達目標を明示するよう指示した(資料 28)。加えて、これらの科目は、大学独自の科目内容であることを学生に明示するため、2022 年度シラバスから、「一般目標」の欄に「本科目は薬学教育モデルカリキュラムにおけるアドバンスト教育として、福岡大学薬学部の独自性の高い、特徴ある講義を実施する」の文言を明示した(資料 29〜34)。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 28:2021 年 12 月7日教授会資料 11資料 29:2022 年度薬学部シラバス臨床診療科概論、p169資料 30:2022 年度薬学部シラバス薬剤師職能論、p171資料 31:2022 年度薬学部シラバス薬学特別研究、p172資料 32:2022 年度薬学部シラバス今日の薬学研究、p173資料 33:2022 年度薬学部シラバス薬事行政論、p175資料 34:2022 年度薬学部シラバス- 14 -医薬品開発論、p176検討所見改善すべき点(6)は、本評価時において、大学独自のアドバンスト専門科目については、その内容が具体的にわかる到達目標が明確でなく、また、独自科目であることをわかりやすく明示していなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、2022 年度のシラバスから、到達目標を明示し、アドバンスト教育として大学独自の薬学専門教育科目の「一般目標」の欄に「本科目は薬学教育モデルカリキュラムにおけるアドバンスト教育として、福岡大学薬学部の独自性の高い、特徴ある講義を実施する」の文言を明示した。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。- 15 -改善すべき点(7)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 5.実務実習(2)指摘事項実務実習事前学習は、実習項目ごとの評価はされているものの、総合的な目標達成度を評価する指標を設定して、適切に評価されているとは言い難いので、改善する必要がある。(3)本評価時の状況実務実習事前学習は、実習項目ごとの評価はされているものの、総合的な目標達成度を評価する指標が設定されていなかった。(4)本評価後の改善状況総合評価について、態度技能の各項目のレーダーチャートによる評価シートと振返りシートによるフィードバックを行うことを 2022 年度シラバスから、「成績評価基準および方法」に記載した(資料 35)。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 35:2022 年度薬学部シラバス実務実習事前学習、p112~114検討所見改善すべき点(7)は、本評価時において、実務実習事前学習全体としての総合的な目標達成度を評価するための指標の設定と、それに基づく適切な評価が行われていなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、実務実習事前学習全体の総合的な目標達成度を評価するため、態度技能の各項目のレーダーチャートによる評価シートと振返りシートによるフィードバックを行うことを 2022 年度シラバスから、「成績評価基準および方法」に記載した。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、求められている改善に向けた取り組みが進められていると判断する。依然、項目ごとのルーブリック評価を合わせたレーダーチャートによる評価シートと振返りシートによるフィードバックに留まっているので、今後、指摘された問題点の改善をさらに進めることを期待する。- 16 -改善すべき点(8)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 6.問題解決能力の醸成のための教育(2)指摘事項4年次「薬学演習(含中間試験)」の評価には、シラバスの到達目標に記載されていない、卒業研究とは全く関係のない中間試験(40%)が含まれていることから、科目の設定を見直すことが必要である。(3)本評価時の状況4年次「薬学演習(含中間試験)(2018 年度から「薬学演習(含薬学研究基礎)」に名称変更)」の成績評価に、シラバスの到達目標に記載されていない卒業研究とは全く関係のない中間試験(40%)が含まれていた。当該科目のシラバスの成績評価は、「ヒューマニズムとコミュニケーション能力を 20%、平常点(演習に取り込む姿勢や理解度など)を 40%、中間試験の成績を 40%としてルーブリック評価を用いて行う。」であった。(4)本評価後の改善状況2022 年度から当該科目の成績評価基準および方法の内容を変更して、卒業研究と関係のない項目による成績評価をしないこととした。2022 年度からの成績評価は、「演習に取り組む姿勢や理解度などを 70%、医療倫理・ヒューマニズムの理解度・習得度を 10%、コミュニケーション・自己表現能力を 10%、問題解決能力を 10%としてルーブリック評価を用いて行う。」である(資料 36)。なお、改善前の成績評価にはない「医療倫理・ヒューマニズムの理解度・習得度を 10%、コミュニケーション・自己表現能力を 10%、問題解決能力を 10%」の項目は、改善すべき点(3)、(4)、(9)に対応するために新たに加えられた項目である。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 36:2022 年度薬学部シラバス薬学演習(含薬学研究基礎)、p103~111- 17 -検討所見改善すべき点(8)は、本評価時において、4年次「薬学演習(含中間試験)」の評価に、シラバスの到達目標に記載されていない卒業研究とは全く関係のない中間試験(40%)が含まれていることに対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、2022 年度から当該科目の成績評価基準および方法の内容を変更して、卒業研究と関係のない項目による成績評価をしないこととし、「演習に取り組む姿勢や理解度などを 70%、医療倫理・ヒューマニズムの理解度・習得度を 10%、コミュニケーション・自己表現能力を 10%、問題解決能力を 10%としてルーブリック評価を用いて行う。」に変更した。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。- 18 -改善すべき点(9)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 6.問題解決能力の醸成のための教育(2)指摘事項問題解決能力の醸成に向けた科目の成績評価において、関連した科目を総合した問題解決能力の醸成に関わる目標達成度を評価する指標が設けられていないので、指標を設けて、それに基づいて適切に評価するよう改善する必要がある。(3)本評価時の状況問題解決能力に対して、学習成果に関する総合的な目標達成度を評価する指標が設定できておらず、これに基づく評価が行えていなかった。(4)本評価後の改善状況教務委員を中心にワーキンググループを設置し、ディプロマ・ポリシーを踏まえて、「問題解決能力」についてのアウトカム、これを評価するための科目及び目標達成度を評価するルーブリック評価について検討した。定義したアウトカムについて以下に示す。問題解決能力アウトカム問題点を的確に抽出し、それを整理・分析したうえで関連する情報を収集し、論理的な思考をもって、いくつかの解決策を立案する。状況的要因等を考慮することで、それらの解決策の中から実施可能な方法を選定して実行し、その過程及び結果を分析・評価することで、次なる問題の発見やその解決に生かす。以下の表に薬学部において問題解決能力に関連する科目を整理した。問題解決能力について、1 年から 6 年生まで継続的に学ぶことのできる科目設定である。1 年次 2 年次 3 年次 4 年次 5 年次 6 年次問題解決能力・ 早期臨床体験 I(2)・ 薬学演習( 含薬学研究基礎)(2)・実務実習(20)・薬学研究 I(12)・薬学研究II (1)カッコ内は単位数。下線科目はルーブリック評価を成績評価に取り入れる科目。1 年次の早期臨床体験 I、4 年次の薬学演習そして 6 年次の薬学研究Ⅱにおいては、ルーブ- 19 -リック評価を単位認定の際の成績評価に取り入れることとし、2022 年度から実施している。ルーブリック評価についてはアウトカムを踏まえ、2 つの観点を設定し、6 年間で到達が期待される水準を段階的に示すものとした。2 つの観点は、「問題の定義」と「解決策の提案」とし、4 段階の水準を設定することで問題解決能力に関連した科目の学習成果に関する総合的な目標達成度を評価する指標とした(資料 37〜39)。2022 年度からこの 3 科目の成績評価の方法には、ルーブリック評価による問題解決能力の評価方法を明示した(資料 40〜42)。さらに 2022 年度シラバスから、冒頭ページに「薬学部における医療倫理・ヒューマニズム、コミュニケーション・自己表現能力、問題解決能力の教育について」記載することにより、当該教育の継続的な学習の重要性、上記のルーブリック評価についてまとめ、学生に広く周知するよう努めている(資料 43)。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 37:2022 年度薬学部シラバス早期臨床体験 I ルーブリック評価表、p17~18資料 38:2022 年度薬学部シラバス薬学演習(含薬学研究基礎)ルーブリック評価表、p110~111資料 39:2022 年度薬学部シラバス薬学研究 II ルーブリック評価表、p163~164資料 40:2022 年度薬学部シラバス早期臨床体験 I、p15資料 41:2022 年度薬学部シラバス薬学演習(含薬学研究基礎)、p103資料 42:2022 年度薬学部シラバス薬学研究 II、p156資料 43:2022 年度薬学部シラバス薬学部における医療倫理・ヒューマニズム、コミュニケーション・自己表現能力、問題解決能力の教育について、巻頭 p12- 20 -検討所見改善すべき点(9)は、本評価時において、問題解決能力の醸成に向けた科目の評価において、関連した科目を総合した問題解決能力の醸成に関わる目標達成度を評価する指標の設定と、それに基づく適切な評価が行われていなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、問題解決能力の醸成に向けた科目を整理し、「早期臨床体験Ⅰ」、「薬学演習」、「薬学研究Ⅱ」については、ルーブリック評価を単位認定の際の成績評価に取り入れることとし、2022 年度シラバスからルーブリック評価により成績評価することを明示した。さらに、2022 年度シラバスの冒頭ページに「薬学部における医療倫理・ヒューマニズム、コミュニケーション・自己表現能力、問題解決能力の教育について」を記載することにより、当該教育の継続的な学習の重要性の周知に努めている。以上のことは上記(5)の根拠資料から問題解決能力の醸成に関連した科目が目標とする薬剤師像が設定されていることは確認できたので、求められている改善に向けた取り組みが進められていると判断する。しかしながら、いずれも科目毎の評価に留まっているので、今後、問題解決能力の醸成を身に付けるための教育関連科目の学習成果を総合した目標達成度を評価するための指標を定め、それに基づき総合的評価されるよう指摘の趣旨に沿った改善をさらに進めることを期待する。- 21 -改善すべき点(10)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 8.成績評価・進級・学士課程修了認定(2)指摘事項学士課程の修了判定において、判定基準が実施した試験の難易により変化することがあるので、あらかじめ定めた判定基準に従って修了判定を厳格に行う必要がある。(3)本評価時の状況6 年次科目である総合薬学演習(含卒業試験)のシラバスには、その成績評価を「ヒューマニズムとコミュニケーション能力を 10%、卒業論文を 30%、卒業試験の成績を60%としてルーブリック評価を用いて行う」と記述されており、学士課程の修了判定に用いる卒業試験の判定基準が明示されていなかった。(4)本評価後の改善状況2020 年度において、総合薬学演習(含卒業試験)の成績評価から、ヒューマニズムとコミュニケーション能力、更に卒業論文の評価を削除し、当該科目の成績評価は卒業試験の結果のみとした。さらに、シラバスには、卒業試験の判定基準を以下のように明示した(資料 44・45)。「卒業試験を3回(各345問)実施し、その成績で評価する。第1回目及び第2回目の卒業試験の平均正答率が65%以上を合格とする(1次卒)。3回目の受験者の合格点は、第1回目から第3回目までの平均正答率が60%以上を目安とする(2次卒)。評価基準に変更があった場合には、迅速に連絡する。」その後 2021 年度において、更なる厳格な判定基準を実施するために、2 次卒の判定基準を以下のように変更し、シラバスに明示した(資料 46・47)。なお、1 次卒の判定基準は変更していない。「卒業試験を3回(各345問)実施し、その成績で評価する。第1回目及び第2回目の卒業試験の平均正答率が65%以上を合格とする(1次卒)。3回目の受験者の合格点は、第3回目の点数が210点以上を合格とする(2次卒)。評価基準に変更があった場合には、迅速に連絡する。」卒業試験の判定基準はシラバスに明示するのみならず、毎年3月に実施される新6年次生に対する履修ガイダンス、薬学部掲示板、FUポータルにおいても学生への周知を徹底している。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)- 22 -資料 44:2020 年度薬学部シラバス総合薬学演習(含卒業試験)、p212資料 45:2020 年 2 月 12 日開催 第 12 回薬学部教授会資料 6資料 46:2021 年度薬学部シラバス総合薬学演習(含卒業試験)、p231資料 47:2020 年 12 月 14 日開催 第 9 回薬学部教授会資料 1検討所見改善すべき点(10)は、本評価時において、学士課程の修了判定基準が試験の難易により変化することがあり、あらかじめ定めた判定基準に従って厳格に行なわれていなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、総合薬学演習(含卒業試験)の成績評価は卒業試験の結果のみとし、シラバスに判定基準を明示するとともに、履修ガイダンス、薬学部掲示板、FUポータルにおいて学生への周知を徹底した。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたが、依然、1次卒で合格しなかった学生の2次卒においては、合格基準が異なっており、さらに合格基準が変更される場合がある旨の判定基準となっているため、厳格な判定基準に沿った成績評価が必要であるという指摘を踏まえた改善を進めることを求める。また、「総合薬学演習(含卒業試験)」という科目名は、「総合薬学演習」などとし(含卒業試験)という表記を削除することが望ましい。- 23 -改善すべき点(11)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 8.成績評価・進級・学士課程修了認定(2)指摘事項「総合薬学演習(含卒業試験)」の単位認定は、卒業論文 30%、ヒューマニズム・コミュニケーション 10%、卒業試験 60%で行われているが、卒業論文の評価が国家試験対策を行う授業科目の一部として行われているので、改善すべきである。(3)本評価時の状況卒業論文の評価が、国家試験対策を行う授業科目「総合薬学演習(含卒業試験)」の中で実施されていた。(4)本評価後の改善状況2020 年度シラバス「総合薬学演習(含卒業試験)」から、成績評価からヒューマニズム・コミュニケーション及び卒業論文の評価項目を削除し、卒業試験の成績を 100%として評価するよう改善した(資料 48・49)。なお、削除した卒業論文およびヒューマニズム・コミュニケーションについては、新設した 6 年次科目「薬学研究 II」において評価するよう改善した(資料 48・50)。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 48:2020 年 2 月 12 日開催 第 12 回薬学部教授会資料 6資料 49:2020 年度薬学部シラバス総合薬学演習(含卒業試験)、p212資料 50:2020 年度薬学部シラバス薬学研究 II、p206検討所見改善すべき点(11)は、「但し書き」で指摘したもので、下記の改善がすでに完了している。(2022 年6月)卒業論文の成績評価(6年次「薬学研究Ⅱ」)と卒業試験の評価(総合薬学演習)を「再クラス」も含めて分離し、総合薬学演習については卒業試験成績を 100%として評価するように変更してその旨をシラバスに記載した。なお、削除した卒業論文およびヒューマニズム・コミュニケーションについては、新設した6年次科目「薬学研究Ⅱ」において評価するよう改善した。- 24 -改善すべき点(12)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 8.成績評価・進級・学士課程修了認定(2)指摘事項卒業延期者の卒業判定が事実上、「総合薬学演習(含卒業試験)」の試験の成績のみでなされているので、改善すべきである。(3)本評価時の状況シラバスにおいて卒業延期者の卒業判定は、卒業論文 30%、ヒューマニズム・コミュニケーション 10%、卒業試験 60%で実施すると記載されていたが、事実上、「総合薬学演習(含卒業試験)再クラス」の卒業判定は、卒業試験の成績のみで実施していた。(4)本評価後の改善状況「総合薬学演習(含卒業試験)再クラス」の 2020 年度シラバスにおいては、成績評価からヒューマニズム・コミュニケーション及び卒業論文の評価項目を削除し、卒業試験の成績を 100%として評価するよう変更した。変更の具体的な内容は、2020 年 2 月12 日開催の薬学部教授会(資料 51)において教授会構成員に周知した。またこれらの変更は、2020 年度シラバスから当該科目に記載している(資料 52)。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 51:2020 年 2 月 12 日開催 第 12 回薬学部教授会資料 6資料 52:2020 年度薬学部シラバス総合薬学演習(含卒業試験)再クラス、p210検討所見改善すべき点(12)は、「但し書き」で指摘したもので、下記の改善がすでに完了している。(2022 年6月)卒業論文の成績評価(6年次「薬学研究Ⅱ」)と卒業試験の評価(総合薬学演習)を「再クラス」も含めて分離し、総合薬学演習については卒業試験成績を 100%として評価するように変更してその旨をシラバスに記載した。なお、削除した卒業論文およびヒューマニズム・コミュニケーションについては、新設した6年次科目「薬学研究 II」において評価するよう改善した。- 25 -改善すべき点(13)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 13.自己点検・評価(2)指摘事項自己点検・評価結果による改善事例のほとんどが外部評価に対応するものであり、これらをPDCAサイクル実施による教育研究活動の改善に反映する必要がある。(3)本評価時の状況これまでに実施された自己点検・評価結果による改善事例が、教育研究活動の改善に反映されていなかった。(4)本評価後の改善状況薬学部では、毎年自己点検・評価実施委員会が自己点検・評価結果を検討し、教授会で審議することで改善につなげる体制であった。本指摘を受けて、この委員会の運営方針を改善し、毎年開催される委員会において外部評価に対応するだけでなく、全学的な授業アンケート(FURIKA)や各学部行事後の学生・教員へのアンケート結果等を精査することで教育研究活動全般を見直し、PDCAサイクルを機能させることをもって内部質保証の推進に努めるようにした。最近の改善事例を以下に示す。基本的には、4 月に前年度の自己点検評価シートを作成し、5 月の教授会に諮るようにした。さらに、それをもとに 12 月のシラバス作成時に講義内容などの改善を促すようにした。1. シラバス内容の周知徹底のためのスタートアップ授業の導入学生が履修した科目のシラバスを読み、成績評価基準や授業内容を事前に理解して講義に臨むことは重要であるが、実際には多くの学生のシラバス認知度や理解度は極めて低く、このことは薬学部のみならず全学的な問題であった。この問題を改善するための全学的な試みとして、2021 年度からシラバス説明動画(スタートアップ授業)を、WEB シラバス内で学生に広く公開している。薬学部においても自己点検・評価実施委員会を中心に積極的にこの試みを取り入れ、現状、薬学部の全科目においてシラバス説明動画を設置・公開している(資料 53、54)。今後学生からスタートアップ授業に対する評価を確認し、更なる改善を実施する。2. 講義担当教員による積極的な講義改善の取り組み福岡大学では、学生に対して履修科目のシラバスに記載されている到達目標の理解度や達成度を評価するためのアンケート(FURIKA)が前後期に実施されている。また薬学部 6 年生においては、年 5 回の外部模試を実施しており、その成績ファイルには各科目の項目ごとに正答率が記載され、学生の苦手領域を知ることができる。しかしながら、これらのデータは薬学部教育改善に十分反映されていなかった。そこで自己点検・- 26 -評価実施委員会から薬学部全教員に対して、毎年、これらのデータを用いて担当科目の講義内容を見直し、前年度からの改善点をシラバスに明記するよう指示した(資料 55)。その講義改善点は、2021 年度シラバスから「履修上の留意点」の欄に明示しており、学生への周知を徹底している(資料 56)。3. 教員と学生のための効果的な福岡大学薬学部教育支援クラウドシステムの構築日々の教育活動から効果的な教育効果をもたらすためには、教員間の教育関連情報の共有はもちろんのこと、教員と学生間との情報・教材共有が不可欠である。自己点検・評価実施委員会では、利便性の高い情報・教材共有システムを構築するため、コロナ禍をきっかけに学部内の ICT 教育システムを見直し、薬学部内でクラウドによる情報・教材共有のための教育支援クラウドシステムを構築した(資料 57)。クラウドにはセキュリティに強く、アクセス権限の変更自由度が高い BOX Drive を採用した。この学部内のクラウドシステムにおいて、薬学部全教員がアクセス可能なフォルダを設置し、そこに個人情報を除いた模試などの成績情報、講義情報、教授会資料等を保存することで、全教員間で容易に情報共有が可能となった。教員学生間では、教員と学生双方からアップロードとダウンロードが可能なフォルダを設置することで、時間に制限されることなく教員学生間で講義資料や課題のやり取りが可能となった。薬剤師や創薬開発を目指す薬学部の講義内容は複雑で講義数も多いためか、これまで学生の知識の定着は決して十分とは言えない状況であった。そこで自己点検・評価実施委員会では、講義担当教員に自身の講義を録画し、その録画ファイルを教育支援クラウドシステム上のフォルダに保存するよう依頼した(資料 58)。この講義動画は、時間及び場所に制限されない学生による講義の復習を可能とし、学生の知識の定着に多大な貢献をもたらしている。事実、この講義動画の存在は学生からも非常に高い評価を得ている。現在、この教育支援クラウドシステムは更なる用途を模索しながら改善を続けており、今後、このシステムの教育効果を継続的に評価するつもりである。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 53:2021 年 1 月 26 日作成 FU プラスアップ授業 教員用マニュアル資料 54:2021 年度薬学部シラバス公衆衛生学(一例として)、p122資料 55:2020 年 12 月 14 日開催 第 9 回薬学部教授会資料 12資料 56:2021 年度薬学部シラバス公衆衛生学(一例として)、p122 資料 57:2020 年 9 月 11 日開催 第 5 回薬学部教授会資料 9資料 58:2021 年 10 月 22 日開催 第 6 回薬学部教授会資料 12- 27 -検討所見改善すべき点(13)は、本評価時において、自己点検・評価結果による改善事例のほとんどが外部評価に対応するものであり、これらをPDCAサイクル実施による教育研究活動の改善に反映していなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、全学的な授業アンケートや学生・教員へのアンケート結果等を精査することで教育研究活動全般を見直し、PDCAサイクルを機能させることをもって内部質保証の推進に努めるようにしたとしている。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、求められている改善に向けた取り組みが進められていると判断する。しかし、科目の講義内容や講義実施方法の改善に留まっているため、今後、新たな委員会の運営方針の適正な活動を通して、6年制薬学教育が向上・発展する教育プログラム全体を恒常的に自己点検・評価し、それに基づいて薬学教育プログラムが改善されることを期待する。
