一般社団法人 薬学教育評価機構

menu

2018年 九州大学 改善報告審議結果

「Ⅳ.大学への提言」に対する改善報告についての審議結果大学名:九州大学薬学部本評価実施年度:2018(平成 30)年度2024 年1月 15 日一般社団法人 薬学教育評価機構 総合評価評議会「改善すべき点」に対する改善報告への審議結果※検討所見以外は提出された改善報告書のまま記載しています。1■改善すべき点への対応について改善すべき点(1)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』1. 教育研究上の目的(2)指摘事項4 年制の創薬科学科と 6 年制の臨床薬学科の「教育研究上の目的」は、「修学のてびき」に記載されているのみであるので、それらを薬学部の「教育研究上の目的」と併せて九州大学薬学部規則で規定するよう改善することが必要である。(3)本評価時の状況九州大学学則第 3 条 2 に従って、薬学部規則第 1 条 2(目的)に「教育研究上の目的」を「本学部は、医療に直接携わる薬剤師、薬の創製に関する基礎および応用研究者、さらにこれらの分野で指導的役割を担う人材を組織的に養成する。」と定めていた。また、薬学部は創薬科学科(4 年制)と臨床薬学科(6 年制)の 2 学科を設置しており、学科別の「教育研究上の目的」を「修学のてびき」に記載していたが、 それらは規則によって定められていなかった。(4)本評価後の改善状況九州大学では、全学的な教育改革の方針・計画等の企画・立案等を行うための教学マネジメント組織として、「教育改革推進本部」を設置している。同本部では、学修者本位の教育を推進する全学指針として「九州大学教学マネジメント枠組み」を策定し、2018年度から 2019 年度にかけて同枠組みの理念の実現に向けて既存の 3 ポリシーおよびカリキュラム・マップの見直しと更新を行ってきた。その過程の中で薬学部に置く各学科及び創薬科学科国際コースの教育研究上の目的を以下のように定め、薬学部規則第 1 条2 及び第 5 条に掲げた(資料 1)。(1) 創薬科学科 創薬研究に関する教育を強化し進めることで、最先端の創薬研究に対応できる高い能力を持った国際的に活躍できる研究者や指導者の養成(2) 臨床薬学科 薬剤師としての基礎知識、技術や高い倫理観、医療従事者としての教養、医療現場での通用する実践力などを持つ医療薬学の将来を担う人材の養成(3) 創薬科学科国際コース 人類の健康への貢献を目指し、薬学に関する基礎的な知識・技術を授け、創薬に係わる研究・開発・教育に関して高い能力を持つとともに、即戦力として、国際化する創薬研究を牽引できる十分な英語運営能力を有する人材の養成(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 1:2022 修学のてびき P.31〜P.33(令和 4 年 4 月 1 日改定 九州大学薬学部規則)2検討所見改善すべき点(1)は、本評価時において、4年制の創薬科学科と6年制の臨床薬学科の「教育研究上の目的」が、「修学のてびき」に記載されているのみであった状況に対して、それらを九州大学薬学部規則で規定するよう改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、薬学部の2学科及び創薬科学科国際コースの教育研究上の目的をそれぞれ定め、薬学部規則第1条2及び第5条に掲げることにした。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。3改善すべき点(2)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』3.医療人教育の基本的内容(2)指摘事項ヒューマニズム教育・医療倫理教育において、関連科目の学習成果を総合した目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づく評価を行うことが必要である。(3)本評価時の状況医療人として生命に関わる薬学専門家に相応しい行動を身につけるためのヒューマニズム教育・医療倫理教育は、1 年次の「創薬科学総論Ⅰ~Ⅳ」にはじまり、2 年次の「早期体験学習」、「医療における倫理」、3 年次の「薬害」、4 年次の「実務実習プレ講義・プレ演習・プレ実習」「インフォームド・コンセント」、「チーム医療演習」、「臨床倫理」、5~6 年次の「薬局実務実習」、「病院実務実習」、「卒業実習(アドバンスト実務実習)」として体系的に構築しており、科目ごとに到達目標を設定し、それに基づいた目標達成度の評価を行っていた。しかしながら、ヒューマニズム教育・医療倫理教育の学習成果を総合した目標達成度を評価する指標の設定とそれに基づく総合的な評価はできていなかった。(4)本評価後の改善状況ヒューマニズム教育・医療倫理教育は、1 年次から 6 年次にかけて実施するものであるため、1 年次から開講する科目ごとの到達目標に基づいた目標到達度の評価に加え、6年間の学習成果を総合した目標達成度を評価する指標として「医療人としてのヒューマニズム・医療倫理 概略評価表」を作成し(資料2)、低学年時より目標到達度の評価を行うこととした。6 年間の学習成果についての総合的な最終評価は、2022 年度(令和 4年度)より、6 年次の「卒業実習(アドバンスト実務実習)」において、ヒューマニズム教育・医療倫理教育の学習成果を総合した目標達成度を評価することとした(資料3)。従来まで使用していた概略評価表との違いとして、新たに作成した概略評価表では、本学で定めたディプロマポリシーを達成するため学修目標を明記し、その目標に対する到達度を 5 段階で評価するようにした。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 2:医療人としてのヒューマニズム・医療倫理 概略評価表資料 3:2022 年度(令和 4 年度)「卒業実習(アドバンスト実務実習)」シラバス4検討所見改善すべき点(2)は、本評価時において、ヒューマニズム教育・医療倫理教育に関連する科目の学習成果を総合した目標達成度を評価するための指標の設定とそれに基づく評価が行われていなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、1年次から開講する科目ごとの到達目標に基づいた目標到達度の評価に加え、6年間の目標達成度を評価する指標として「医療人としてのヒューマニズム・医療倫理 概略評価表」を作成し、6年間の最終評価は、2022年度より、6年次の「卒業実習(アドバンスト実務実習)」にて評価することとした。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。5改善すべき点(3)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』3.医療人教育の基本的内容(2)指摘事項コミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育全体を通して、目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づく評価を行うことが必要である。(3)本評価時の状況医療人としてコミュニケーション能力や自己表現能力は不可欠であり、学年進行に伴うトレーニングの機会が必要であることから、1 年次の「基幹教育セミナー」、「課題協学科目」、2 年次の「早期体験学習」、3 年次の「薬学基礎実習 I~IV」、4 年次の「実務実習プレ講義・プレ演習・プレ実習」、「インフォームド・コンセント」、「チーム医療演習」、「臨床倫理」、5 年次の「薬局実務実習」、「病院実務実習」として体系的なカリキュラムを構築し、科目ごとに到達目標を設定して、それに基づいた目標達成度の評価を行っていた。しかしながら、コミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育全体を通して目標達成度を評価する指標の設定とそれに基づく総合的な評価はできていなかった。(4)本評価後の改善状況1 年次から開講する科目ごとの到達目標に基づいた目標到達度の評価に加え、1 年次から 6 年次にかけて実施したコミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育全体を通しての目標達成度を評価する指標として「医療人としてのコミュニケーション能力 概略評価表」を作成し(資料 4)、低学年時より目標到達度の評価を行うこととした。6 年間の学習成果についての総合的な最終評価は、2022 年度(令和 4 年度)より、6 年次の「卒業実習(アドバンスト実務実習)」において目標達成度を評価することとした(資料 3)。従来まで使用していた概略評価表との違いとして、新たに作成した概略評価表では、本学で定めたディプロマポリシーを達成するため学修目標を明記し、その目標に対する到達度を5段階で評価するようにした。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 3:2022 年度(令和 4 年度)「卒業実習(アドバンスト実務実習)」シラバス資料 4:医療人としてのコミュニケーション能力 概略評価表6検討所見改善すべき点(3)は、本評価時において、コミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育全体を通して目標達成度を評価するための指標の設定と、それに基づく適切な評価が行われていなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、1年次から開講する科目ごとの到達目標に基づいた目標到達度の評価に加え、1年次から6年次にかけて実施したコミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育全体を通しての目標達成度を評価する指標として「医療人としてのコミュニケーション能力 概略評価表」を作成し、6年間の学習成果についての総合的な最終評価は、2022 年度より、6年次の「卒業実習(アドバンスト実務実習)」にて評価することとした。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。7改善すべき点(4)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』4. 薬学専門教育の内容(2)指摘事項評価指標について、シラバスへの記載不備がある科目があるので、改善が必要である。(3)本評価時の状況「基幹教育セミナー」(1 年次)、「課題協学科目」(1 年次)、「自然科学総合実験」(1 年次)、「早期体験学習」(2 年次)、「薬学基礎実習 I~IV」(3 年次)の各科目については、ルーブリック評価法により測定することをシラバスに記載し、学生に明示していたが、評価の指標がシラバスに記載されていなかった。その他の薬学専門教育科目のシラバスについては、記載内容の修正を要するような点は認められなかった。(4)本評価後の改善状況薬学専門科目である「早期体験学習」(2 年次)、「薬学基礎実習 I~IV」(2020 年度入学者から 2 年〜3 年次に実施)については、シラバスに評価指標を記載するようにした(資料 5-1, 5-2, 6-1, 6-2, 7-1, 7-2, 8-1, 8-2)。一方、「基幹教育セミナー」(1 年次)、「課題協学科目」(1 年次)、「自然科学総合実験」(1 年次)については、1 年次に履修する基幹教育科目(一般教養科目)であり、薬学部以外の教員が担当するためシラバス評価指標の改善対象からは除外した。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 5-1:2022 年度(令和 4 年度)「早期体験学習」シラバス資料 5-2:2022 年度(令和 4 年度)「早期体験学習」ルーブリック資料 6-1:2022 年度(令和 4 年度)「薬学基礎実習 I+II」シラバス資料 6-2:2022 年度(令和 4 年度)「薬学基礎実習 I+II」ルーブリック資料 7-1:2022 年度(令和 4 年度)「薬学基礎実習 III」シラバス資料 7-2:2022 年度(令和 4 年度)「薬学基礎実習 III」ルーブリック資料 8-1:2022 年度(令和 4 年度)「薬学基礎実習 IV」シラバス資料 8-2:2022 年度(令和 4 年度)「薬学基礎実習 IV」ルーブリック8検討所見改善すべき点(4)は、本評価時において、評価指標のシラバスへの記載不備がある科目があった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、一般教養科目である「基幹教育セミナー」(1年次)、「課題協学科目」(1年次)、「自然科学総合実験」(1年次)を除き、薬学専門科目である「早期体験学習」(2年次)、「薬学基礎実習Ⅰ~Ⅳ」(2020 年度入学者から2年~3年次に実施)については、シラバスに評価指標を記載した。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。9改善すべき点(5)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』5.実務実習(2)指摘事項実務実習事前学習全体を通しての総合的な目標達成度を評価する指標の設定やそれに基づく適切な評価はされていないため、改善することが必要である。(3)本評価時の状況実務実習事前学習は「実務実習プレ講義」、「実務実習プレ演習」、「実務実習プレ実習」、「チーム医療演習」、「臨床倫理」から構成されており、科目ごとにルーブリック評価表を作成し目標達成度を評価していたが、実務実習事前学習全体を通しての総合的な目標達成度を評価する指標の設定やそれに基づく適切な評価はできていなかった。(4)本評価後の改善状況薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成 25 年度改訂版)の F 薬学臨床では、実務実習事前学習、薬局実務実習、病院実務実習を通して、学習成果基盤型教育の考え方に基づいて、実習修了時の目標到達度を適正に評価することが必要である。そこで実務実習事前学習開始から病院実務実習終了までの実務実習全体を通しての総合的な目標達成度を評価するための指標として「実務実習 概略評価表」を作成した(資料 9)。実務実習事前学習全体を通しての総合的な目標到達度を評価は、2022 年度(令和 4 年度)より、実務実習事前学習の最後に期末試験を実施する「実務実習プレ講義」において、「実務実習 概略評価表」の第 1 段階まで到達できているかを評価することとした(資料 10)。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 9:実務実習 概略評価表資料 10:2022 年度(令和 4 年度)「実務実習プレ講義」シラバス10検討所見改善すべき点(5)は、本評価時において、実務実習事前学習全体を通しての総合的な目標達成度を評価する指標の設定やそれに基づく適切な評価はされていないこと対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、実務実習全体を通しての総合的な目標達成度を評価するための指標として「実務実習 概略評価表」を作成し、実務実習事前学習全体を通しての総合的な目標到達度の評価は、2022 年度より、実務実習事前学習の最後に期末試験を実施する「実務実習プレ講義」において評価するとしている。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。11改善すべき点(6)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』6. 問題解決能力の醸成のための教育(2)指摘事項問題解決能力の醸成に向けた総合的な目標達成度の指標や評価基準が設定されていないので、適切な指標と評価基準を設定してそれに基づく評価を行うよう改善することが必要である。(3)本評価時の状況本学では「自ら問いを立て主体的な学びのできるアクティブ・ラーナー」を育成するという目標のもと、1 年次から全学部の学生を対象として問題解決能力を醸成するための教育を開始している。問題解決能力の醸成に向けた教育とする科目の中で「基幹教育セミナー」(1 年次)、「課題協学科目」(1 年次)、「自然科学総合実験」(1 年次)、「早期体験学習」(2 年次)、「薬学基礎実習 I~IV」(3 年次)については、ルーブリックをシラバスに記載し、目標到達度を明示していた。また、科学的根拠に基づいて問題点を解決する能力の修得は「卒業研究(4 年次前期から 6 年次後期まで:必修 7 単位)」として実施していた。学生を各研究分野に配属して研究テーマを設定し、「卒業研究」の成果は学術論文・博士論文等の形式に準じて卒業論文としてまとめ、論文の考察部分では科学的根拠に基づいて議論を展開し、研究成果の医療や薬学における位置づけを明確にしながら議論を進めるよう指導していた。卒業研究に対する評価は、個々の学生について主査と副査の2 名の教員が発表時の質疑応答などに基づいてシラバスに示された評価方法に従い、問題解決能力・プレゼンテーション力・ものごとのまとめ力などについて総合的かつ適切に評価するとしていたが、それぞれの項目を客観的に評価するための評価基準は定めていなかった。また、問題解決能力の醸成に向けた総合的な目標達成度の指標や評価基準が設定されておらず、卒業研究を含めた問題解決能力の醸成に関する科目を総合した目標達成度の指標も設定されていなかった。(4)本評価後の改善状況1 年次から 6 年次にかけて実施した問題解決能力の醸成に向けた教育全体を通しての目標達成度を評価するための指標として「卒業研究・中間演習 概略評価表」を作成し(資料 11)、2022 年度(令和 4 年度)より、「卒業研究」の開始時期を 3 年後期からとし、目標達成度を評価することとした(資料 12)。また、問題解決能力の醸成度を評価するため、2020 年度以降の入学生から卒業研究中間演習(5 年生後期 1 単位)を実施し、上記の「卒業研究・中間演習 概略評価表」に従って、配属分野以外の教員からも評価・助言を受けるようカリキュラムを改定した(資料 13, 14)。卒業研究の成果についても、より客観的な評価を行うため、主指導教員及び他分野を含む副指導教員2名で評価するように運用方法を改定した(資料 13)。12(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 11:卒業研究・中間演習 概略評価表資料 12:臨床薬学科「卒業研究」の評価運用に関する申し合わせ資料 13:改訂版 薬学部臨床薬学科 カリキュラム・マップ(2020 年入学者から適用)資料 14:2022 年度(令和 4 年度)「卒業研究」シラバス検討所見改善すべき点(6)は、本評価時において、問題解決能力の醸成に向けた教育の総合的な目標達成度を評価するための指標の設定と、それに基づく適切な評価が行われていなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、問題解決能力の醸成に向けた教育全体を通しての目標達成度を評価するための指標として「卒業研究・中間演習 概略評価表」を作成し、2022 年度より「卒業研究」の評価に用いている。また、2020 年度以降の入学生からは、5年次の「卒業研究中間演習」の評価に「卒業研究・中間演習 概略評価表」を用いることにしている。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。13改善すべき点(7)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』8.成績評価・進級・学士課程修了認定(2)指摘事項「アドバンスト実務実習期末試験」の再試験に不合格であった者に対して薬剤師国家試験受験申請を行わせないとする指導(「アドバンスト実務実習期末試験の詳細と合格基準」に記載)は適切なものとは言えず、廃止する必要がある。(3)本評価時の状況「卒業実習(アドバンスト実務実習)」の一環として、国家試験模擬試験で低得点の科目について重点的に講義を行い、期末試験の再試験に不合格であった者に対して薬剤師国家試験の受験申請を行わないように指導していた。期末試験の内容は、薬剤師国家試験の過去問から出題しており、本科目の学習成果の評価として適切ではなかった。(4)本評価後の改善状況2019 年度までは、「卒業実習(アドバンスト実務実習)」の一環として国家試験模擬試験で低得点の科目についての講義および期末試験を実施(資料 19)していたが、2020 年度(令和 2 年度)より廃止した。国家試験対策としての講習会および薬剤師国家試験の過去問から出題する試験は継続して実施するが、再試験に不合格であった者に対して薬剤師国家試験の受験申請を行わないようにする指導は廃止した(資料 20)。本科目では、臨床現場における問題点を解決できる能力の醸成を目的としているため、薬局・病院実務実習での体験に加え、医療を取り巻く国内外の事例の中からも学生自身が問題点を抽出し、科学的根拠に基づいて解決策を提案し議論するように授業内容を改め、レポートおよびプレゼンテーション、出席により目標到達度を評価することとした(資料 3)。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 3:2020 年度(令和 2 年度)「卒業実習(アドバンスト実務実習)」シラバス資料 19:2019 年度「薬剤師国家試験対策説明会」資料資料 20:2020 年度「薬剤師国家試験対策説明会」資料14検討所見改善すべき点(7)は、本評価時において、「アドバンスト実務実習期末試験」の再試験に不合格であった者に対して薬剤師国家試験受験申請を行わせないとする指導が行われていた状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、「卒業実習(アドバンスト実務実習)」の期末試験を 2020 年度より廃止し、レポート、プレゼンテーション、出席により評価することとした。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたが、評価に出席を入れるべきではなく、求められている改善の取り組みが十分と言い難いので改善をさらに進めることを期待する。15改善すべき点(8)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』13. 自己点検・評価(2)指摘事項6 年制薬学教育プログラムを継続的に自己点検・評価することを目的とする組織が薬学部内に設置されているとは言い難いので、「学部教授会」、「教務委員会」、「入試委員会」と不定期開催の「自己点検・評価委員会」によって教育上の個々の課題に対応する体制ではなく、薬学部内に 6 年制薬学教育プログラムの自己点検・評価を行う独立した組織を設けて、恒常的な自己点検・評価を行うことが必要である。(3)本評価時の状況九州大学では自己点検・評価のため、総長を委員長とする「大学評価委員会」を設置しており、この委員会の下に「教員活動評価委員会」、「大学評価専門委員会」、「部局評価委員会」で組織する体制が構築されている。薬学部には「部局評価委員会」として「自己点検・評価委員会」が設置され、必要に応じて開催される体制となっていた。薬学部の教育上の課題は、定例開催の「学部教授会」、「教務委員会」、「入試委員会」と不定期開催の「自己点検・評価委員会」において扱われているが、6 年制薬学教育プログラムを恒常的に自己点検・評価する体制が設けられているとは言い難い状況だった。(4)本評価後の改善状況改善すべき点として指摘された事項に従い、6 年制薬学教育プログラムを恒常的に自己点検・評価する組織として、2019 年 4 月に「カリキュラム検討委員会」を設置した(資料21)。これまでに本委員会が主導となって、既存(2018 年度の評価時)のカリキュラムの見直し・整備を行ったとともに(資料 13)、後述するアセスメント・プランに従って学修状況を客観的に評価する体制の構築などを行ってきた(資料 15,16)。新カリキュラムは 2020 年度入学者から適用し、今後の学修状況の評価も新カリキュラムに沿って実施することにしているが、現時点(2022 年度)では、新カリキュラムにおける学修状況のデータ収集と解析が始まったばかりで、改善に結び付いた実績はないため、今後も教育プログラムの改善に向けて持続的な点検を続ける必要がある。《臨床薬学科 カリキュラムの見直し・整備》2020 年度入学者からの「新カリキュラム」は、三つの分節に区分して運用する。第 1分節(1 年~3 年前半)は、基盤的な学びの姿勢と知識・理解を習得する「導入・基礎」期、第 2 分節(3 年後半~4 年)は発展的な知識・理解およびその活用力を習得する「発展」期、第 3 分節(5 年~6 年)は知識・能力の統合と新しい知識の創出に取り組む「統合」期と位置づける。16《アセスメント・プラン》• 「導入・基礎」期の基礎学力評価:導入期に学力調査を実施して学生の基礎学力を評価し、その後、基礎科目の習得度を学生による自己評価と成績分布を通じて確認する。• 「発展」期の評価:専攻教育科目を中心とした重点科目を設定し、各科目の中で焦点化した知識・能力の習得度を学生による自己評価、成績分布、さらに OSCE、CBT を通じて確認する。• 「統合」期の評価:認定指導薬剤師および学生担当教員による実務実習の到達度評価、複数指導教員による「卒業研究」評価(論文査読・口頭発表・質疑応答等)、さらに薬剤師国家試験の結果をもとに、学修状況を客観的に評価する。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 13:改訂版 薬学部臨床薬学科 カリキュラム・マップ(2020 年入学者から適用)資料 15:2022 修学のてびき P.45〜P.55(九州大学薬学部の教育研究上の目的。3つのポリシーについて)資料 16:授業評価アンケート(科目の習得度に対する自己評価項目を含む)資料 21:九州大学薬学部臨床薬学科カリキュラム検討委員会内規検討所見改善すべき点(8)は、本評価時において、6年制薬学教育プログラムを継続的に自己点検・評価することを目的とする組織が薬学部内に設置されているとは言い難かった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、6年制薬学教育プログラムを恒常的に自己点検・評価する組織として、2019 年4月に「カリキュラム検討委員会」を設置したが、2022 年度の時点では、新カリキュラムにおける学修状況のデータ収集と解析が始まったばかりで、改善に結び付いた実績はない。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、求められている改善に向けた取り組みが進められていると判断する。今後、指摘の趣旨に沿った組織による恒常的な自己点検・評価が薬学教育プログラムの改善につながることを期待する。17改善すべき点(9)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』13. 自己点検・評価(2)指摘事項現状の「個人評価通知書」としての通知・フィードバックや、各教員によるシラバスの内容や授業方法における改善などは、個々の教員による担当授業の改善に関するものであり、薬学部として行った自己点検・評価の結果を学部としての教育研究活動の改善等に活用するよう改善することが必要である。(3)本評価時の状況大学評価情報システムを通して作成した教員活動評価(教育研究等活動評価書)の結果を大学評価委員会から「個人評価通知書」として各教員へ通知・フィードバックを行っていたが、学部全体や学修プログラムの点検・評価を行うまでには至っていなかった。また、シラバスの内容や授業方法における改善点も個々の教員による担当授業の改善に関するものであったため、薬学部として行った自己点検・評価の結果を教育研究活動の改善等に活用する活動が不十分だった。(4)本評価後の改善状況改善事項(8)でも述べたとおり、薬学部臨床薬学科の 6 年制薬学教育プログラムを恒常的に自己点検・評価する組織として、新たに「カリキュラム検討委員会」を設置した(資料 21)。これまでに本委員会が主導となって、既存のカリキュラムの見直し・整備を行ったとともに(資料 13)、設定したアセスメント・プランに従って学修状況を評価する体制を構築した(資料 15,16)。新カリキュラムは 2020 年度入学者から適用し、今後の学修状況の評価も新カリキュラムに沿って実施することにしているが、現時点(2022 年度)では、新カリキュラムにおける学修状況のデータ収集と解析が始まったばかりで、改善に結び付いた実績はないため、今後も教育プログラムの改善に向けて持続的な点検を続ける必要がある。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)資料 13:改訂版 薬学部臨床薬学科 カリキュラム・マップ(2020 年入学者から適用)資料 15:2022 修学のてびき P.45〜P.55(九州大学薬学部の教育研究上の目的。3つのポリシーについて)資料 16:授業評価アンケート(科目の習得度に対する自己評価項目を含む)資料 21:九州大学薬学部臨床薬学科カリキュラム検討委員会内規18検討所見改善すべき点(9)は、本評価時において、自己点検・評価が個々の教員による担当授業の改善への活用に留まっており、薬学部として行なった自己点検・評価の結果を学部としての教育研究活動の改善等に活用する活動が不十分であった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、6年制薬学教育プログラムを恒常的に自己点検・評価する組織として、2019 年4月に「カリキュラム検討委員会」を設置したが、2022 年度の時点では改善に結び付いた実績はない。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、求められている改善に向けた取り組みが進められていると判断する。今後、指摘の趣旨に沿った改善が薬学部としての教育研究活動の改善につながることを期待する。