2017年 長崎国際大学 改善報告審議結果
「Ⅳ.大学への提言」に対する改善報告についての審議結果大学名:長崎国際大学薬学部本評価実施年度:2017(平成 29)年度2022 年1月 17 日一般社団法人 薬学教育評価機構 総合評価評議会「改善すべき点」に対する改善報告への審議結果※検討所見以外は提出された改善報告書のまま記載しています。1■改善すべき点への対応について改善すべき点(1)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』1.教育研究上の目的(2)指摘事項学則第3条の3にある「薬学科の目的」は、薬学教育の一般的な定義を述べているだけで、本評価の基準が求める「教育研究上の目的」とは言えないので、「長崎国際大学の理念」、「薬剤師養成教育に課せられた基本的な使命」、および「薬学部に課せられた研究の使命」を端的に表現する「教育研究上の目的」を策定して学則に明記するよう、早急に改善する必要がある。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、学則第3条の3(4)の条文では、「長崎国際大学の理念」、「薬剤師養成教育に課せられた基本的な使命」、および「薬学部に課せられた研究の使命」の要素を端的に表現する文章としては不十分であった。(4)本評価後の改善状況改善指摘を受けた学則上の条文(学則第 3 条の 3:学科の目的)「薬学科は、薬学に関する専門的知識・技能を修得し、医療薬学の分野で実践的に活動できる薬剤師を育成する。」を、①「長崎国際大学の理念」、②「薬剤師養成教育に課せられた基本的な使命」、および ③「薬学部に課せられた研究の使命」の 3 要素を端的に表現する「教育研究上の目的」として策定し、次のように学則に明記した。(学科の目的)第 3 条の 3(4)薬学科は、人間尊重を理念に薬学に関する専門的知識・技能を修得し、医療薬学分野の研究を遂行できかつ実践的に活動できる薬剤師を育成する。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 1: 令和元(2019)年度第 1 回薬学部自己点検・評価委員会議事録・資料 2: 令和元(2019)年度第 8 回定例薬学部教授会議事録・資料 3: 令和元(2019)年度 12 月定例運営会議議事録・資料 4: 令和元(2019)年度第 9 回定例全学教授会議事録・資料 5: 令和元(2019)年度第 6 回理事会議事録(理事会承認)2検討所見改善すべき点(1)は、本評価時の学則に定められていた「薬学科の目的」が本評価の基準が求める「教育研究上の目的」とは言えないものであったことに対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、「教育研究上の目的」に相当する学則第3条の3(4)の記述に、“人間尊重を理念に”という文節によって「長崎国際大学の理念」を、また“医療薬学分野の研究を遂行でき”という文節によって「薬学部に課せられた研究の使命」を追記する改訂を加えた。以上のことは、上記(5)の根拠資料から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。3改善すべき点(2)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』2.カリキュラム編成(2)指摘事項時間割上の学習時間配当が「卒業研究」より国家試験受験対策教育を重視したものになっていることから、学生に対して国家試験受験対策教育が卒業研究より重要であるという認識を与えることが懸念されるので、「卒業研究」の時間割上の配当を改善することが必要である。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、卒業研究のコマを(便宜上)月曜日 6 時限目に置き、出欠を記入していた。(4)本評価後の改善状況平成 29(2017)年度後期以降の時間割では、卒業研究の時間を毎日 2 コマ確保した。その結果、学生に対して卒業研究の重要性をより一層意識づけることになった。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 6: 平成 29(2017)年度第 5 回定例薬学部教授会資料(平成 29 年度後期時間割)・資料 7: 平成 30(2018)年度第 1 回定例薬学部教授会資料(平成 30 年度時間割)・資料 8: 令和元(2019)年度第 1 回定例薬学部教授会資料(2019 年度時間割)検討所見改善すべき点(2)は、本評価時の時間割が「卒業研究」より国家試験受験対策教育を重視した時間配当になっており、学生に国家試験受験対策教育が卒業研究より重要であるという認識を与える懸念があったことに対して、「卒業研究」の時間割上の配当を改善することを求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、本評価時には月曜日6時限目のみであった卒業研究のコマを、平成 29(2017)年度後期以降は毎日2コマ確保する形に「卒業研究」の時間割上の配当を改善した。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。4改善すべき点(3)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』3.医療人教育の基本的内容(2)指摘事項ヒューマニズム教育・医療倫理教育を行っている科目の多くが講義科目であり、目的に合った効果的な学習方法が用いられていると言えないので、学習方法の改善を図ることが必要である。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、医療全般を概観し、薬剤師としての倫理観、使命感、職業観を醸成する科目としている「教養セミナーA」、「教養セミナーB」、「生命倫理」、「治験コーディネート論」「臨床心理学」では、授業の一部に能動学習など効果的な学習方法を取り入れているとしているが、講義による教育が多く十分とは言えなかった。「在宅医療概論」、「総合基礎学習Ⅰ」、「介護概論」、「臨床心理学」などが挙げられているが、「総合基礎学習Ⅰ」以外は講義による授業であり、相互の信頼関係を構築するために必要な教育が効果的な学習方法を用いて行われているとは言えなかった。(4)本評価後の改善状況今回の指摘を受けて、効果的なヒューマニズム・医療倫理教育の方略の見直しを検討し、以下のような新たな改善を図った。 「生命倫理」では、これまでも講義内で SGD を実施しているが、さらにアンケート・ツールを用いた双方向性授業も導入している。 「在宅医療概論」では、平成 29 年度より一部の授業の中で SGD を実施している。 「治験コーディネート論」では、平成 30 年度よりインフォームドコンセントの取得補助に関する SGD と発表を通じて治験業務における倫理観、使命感の醸成を図っている。 「臨床心理学」では、平成 30 年度より授業内で実施したワークに対する課題レポートで学生の自発的な発言を求め、それを基にディスカッションを行うなど参加型の学修に取り組んでいる。 「総合演習ⅢA」では、令和元年度より本学のモットーである「ホスピタリティ」を具現化した茶道教育授業(4 コマ)によるヒューマニズム教育(倫理感、コミュニケーション力、多様性理解力の醸成)を実施している。茶道教育で亭主と客との接遇の在り方と「おもてなし」の心を学ぶことで、様々な患者や協働医療従事者の異なるバックグラウンドを理解し、より良い関係を構築する上で薬剤師に必要な人間性(ヒューマニティ)の向上を図っている。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 9:「教養セミナーA」および「教養セミナーB」シラバス(2017 年度、2018 年度、2019 年度)・資料 10:「生命倫理」シラバス(2017 年度、2018 年度、2019 年度)・資料 11:「在宅医療概論」シラバス(2017 年度、2018 年度、2019 年度)・資料 12:「治験コーディネート論」シラバス(2018 年度、2019 年度)5・資料 13:「臨床心理学」シラバス(2018 年度、2019 年度)・資料 14:「総合演習ⅢA」シラバス(2019 年度)検討所見改善すべき点(3)は、本評価時においてヒューマニズム教育・医療倫理教育を行っている科目の多くが講義科目であり、科目の目的に合った効果的な学習方法となっていなかったことに対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、指摘の対象になったヒューマニズム教育・医療倫理教育に対応する5科目の授業について、SGDをはじめとする参加型学習を組み入れるなど、科目の目的に合った学習方法に改善した。以上のことは上記(5)の根拠資料である対象科目のシラバスに記載されている授業内容の説明から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。6改善すべき点(4)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』3.医療人教育の基本的内容(2)指摘事項ヒューマニズム教育・医療倫理教育に対応する科目において、総合的な目標達成度を評価するための指標が設定されていないので、それらを設定してそれに基づく適切な評価を行うことが必要である。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、ヒューマニズム教育・医療倫理教育に対応するとしている諸科目は、シラバスに評価方法、評価比率は明記されているが、評価指標は明確ではなく、「総合基礎学習Ⅰ」は、グループ学習を主な授業形態としているにもかかわらず評価が基礎学力確認試験となっているなど、評価方法が適切とは言えないものもある。また、ヒューマニズム教育・医療倫理教育の総合的な目標達成度の評価については、大学自身も「学修成果を総合した目標達成度の評価指標を策定する必要がある。」と指摘している(「自己点検・評価書」p12)ように行われていなかった。(4)本評価後の改善状況ヒューマニズム教育・医療倫理教育の総合的な目標達成度を評価するために、各年次において医療教育プログラム(別表 1)を実施し、各プログラムの成果をレポート等で評価している。レポートは、平成 27(2015)年度の入学生から WEB 上のポートフォリオ(「医療人育成のためのポートフォリオ」等)に保管して、学生自身の振返りと卒業時の省察に活用することとしている。《別表 1》医療教育プログラムに対応する科目一覧医療教育プログラム名 対象年次 時間数 実施科目名早期体験学習(病院・薬局・研究機関) 1 年次 1.5 日 教養セミナーB臨床体験学習(リハビリテーション病院) 2 年次 1 日 総合基礎学習Ⅰ医療倫理教育 3 年次 2 コマ 総合基礎学習Ⅱ参加型医療教育(寄付講座) 3 年次 2 コマ 総合基礎学習Ⅱ地域の期待に応える実践活動 4 年次 4 コマ 総合演習Ⅰ施設訪問研修(寄付講座) 5 年次 4 コマ 総合演習Ⅱ茶道教育 6 年次 4 コマ 総合演習ⅢA(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 15: 医療人育成のためのポートフォリオ等(WEB サイトのハードコピー)・資料 16: 別表 1 記載科目のシラバス(2019 年度)7検討所見改善すべき点(4)は、本評価時においてヒューマニズム教育・医療倫理教育に対応する科目において、総合的な目標達成度を評価するための指標の設定と、それに基づく適切な評価が行われていなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、ヒューマニズム教育・医療倫理教育の総合的な目標達成度を評価するために、全学年にわたる「医療教育プログラム」を実施し、その成果をレポート等で評価し、レポートはポートフォリオに保管して、学生自身の振返りと卒業時の省察に活用するとしている。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できるが、医療教育プログラムとしてあげられている科目のシラバスの「評価基準及び評価手段・方法の補足説明」を見ると、必ずしも全ての科目においてヒューマニズム教育・医療倫理教育の評価が適切に行われているとは言えず、またこういった教育の評価を行うことを学生に周知しているとは言えないので、指摘された問題点は改善の途上にあるものと判断する。今後指摘の趣旨を踏まえた改善をさらに進めることを期待する。8改善すべき点(5)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』3.医療人教育の基本的内容(2)指摘事項コミュニケーション能力および自己表現能力を育成に対応する科目において、総合的な目標達成度を評価するための指標が設定されていないので、それらを設定して、それに基づく適切な評価を行うことが必要である。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、コミュニケーション能力および自己表現能力を育成する教育に関わる科目のシラバスには、到達目標、評価手段、方法、評価比率が記載され、それに基づく評価が行われているが、それら諸科目の成果を総合して、その目標達成度を評価することは行われていなかった。(4)本評価後の改善状況「改善すべき点4」での改善状況と同様に、コミュニケーション能力および自己表現能力の総合的な目標達成度を評価するために、各年次において医療教育プログラム(別表 1:改善すべき点4-(5)参照)を実施し、各プログラムの成果をレポート等で評価している。レポートは、平成 27(2015)年度の入学生からは WEB 上のポートフォリオ(「医療人育成のためのポートフォリオ」等)に保管して、学生自身の振返りと卒業時の省察に活用することとしている。また、本学では平成 29 年度のディプロマ・ポリシー制定に伴い、「ホスピタリティを構成する能力」として「専門力」、「情報収集、分析力」、「コミュニケーション力」、「協働・課題解決力」、「多様性理解力」の 5 つが提示(設定)され、この 5 能力(5 領域)で学習領域を構成するよう平成 29 年度よりシラバスの記載方法が変更された。これに伴い、カリキュラムマップでコミュニケーション能力および自己表現能力を育成する科目シラバス中の「コミュニケーション力」に、その到達目標、評価手段・方法、評価比率を示している。また、カリキュラムマップでコミュニケーション能力および自己表現能力を育成する科目の位置付けが確認できる。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 15: 医療人育成のためのポートフォリオ等(WEB サイトのハードコピー)・資料 16: 別表 1 記載科目のシラバス(2019 年度)・資料 17: カリキュラムマップ(2019 年度)9検討所見改善すべき点(5)は、本評価時においてコミュニケーション能力および自己表現能力の育成に対応する科目の総合的な目標達成度を評価するための指標の設定と、それに基づく適切な評価が行われていなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、コミュニケーション能力および自己表現能力の育成に対応する科目の総合的な目標達成度を評価するために、全学年にわたる「医療教育プログラム」を実施し、その成果をレポート等で評価し、レポートをポートフォリオに保管して、学生自身の振返りと卒業時の省察に活用するとしている。また、ディプロマ・ポリシーに対応する5つの「ホスピタリティを構成する能力」を定め、その1項目に「コミュニケーション力」を設定し、コミュニケーション能力および自己表現能力の育成に関わる内容を含む科目では、シラバスに「コミュニケーション力」に関する到達目標、評価手段・方法、評価比率を明示している。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できるが、医療教育プログラムとしてあげられている科目のシラバスの「評価基準及び評価手段・方法の補足説明」を見ると、必ずしも全ての科目においてコミュニケーション能力および自己表現能力を育成する教育の評価が適切に行われているとは言えず、またこういった教育の評価を行うことを学生に十分周知しているとは言えないので、指摘された問題点は改善の途上にあるものと判断する。今後指摘の趣旨を踏まえた改善をさらに進めることを期待する。10改善すべき点(6)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』4.薬学専門教育の内容(2)指摘事項到達目標の学習領域(知識・技能・態度)と学習方法とが整合していない科目が散見されるので、各授業科目に含まれる到達目標を精査し、それぞれの到達目標の学習領域にあった学習方法による授業を行うように改善する必要がある。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、「技能」や「態度」の領域に関わる到達目標を講義科目に含めている例が多数みられ、それらの科目では多くの場合学習方法が「講義」のみになっていた。「技能」や「態度」に関わる到達目標を達成するための学習を「講義」のみで行うことは不適切なので、授業科目に含まれている個々の到達目標に対する学習方略を再検討する必要があった。(4)本評価後の改善状況本学では平成 29 年度のディプロマ・ポリシー制定に伴い、「ホスピタリティを構成する能力」として「専門力」、「情報収集、分析力」、「コミュニケーション力」、「協働・課題解決力」、「多様性理解力」の 5 つが提示(設定)され、この 5 能力(5 領域)で学習領域を構成するよう平成 29 年度よりシラバスの記載方法が変更された。それを機に、各授業科目の到達目標が精査(再設定)されて、学習領域と学習方法の関係が改善された。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 18:<別冊> 講義概要(シラバス)(2017 年度、2018 年度、2019 年度)検討所見改善すべき点(6)は、本評価時において到達目標の学習領域(知識・技能・態度)と学習方法とが整合していない科目が散見されていた状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、全ての授業科目について「到達目標」を「ホスピタリティを構成する能力」の領域と対応させてシラバスに明記することとし、授業科目の到達目標の学習領域と学習方法を改善した。シラバスの改善状況を上記(5)の根拠資料によって検討した結果、①各授業科目で用いる学習方法が「アクティブラーニングの類型」(授業の形式を 12 の型に分類したもの)として明示されているので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。11改善すべき点(7)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』4.薬学専門教育の内容(2)指摘事項大学独自の薬学専門教育を行う科目のシラバスに、大学独自科目であることが明記されていないので、学生に独自の教育であることが分かるように明示する必要がある。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、大学独自の薬学専門教育に関わる科目について、シラバスには独自科目であることが明記されていなかった。(4)本評価後の改善状況2019 年度シラバスより、「はしがき (2) 長崎国際大学薬学部アドバンスト教育」の中に薬学部アドバンスト教育専門科目名を明記すると共に、各科目のシラバスの授業のねらいの欄に、【本学薬学部独自のアドバンスト科目】の記載を追加した。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 19: 薬学部アドバンスト教育専門科目のシラバス(2019 年度)検討所見改善すべき点(7)は、本評価時において大学独自の薬学専門教育を行う科目のシラバスに大学独自科目であることが明記されておらず、学生に独自の教育であることが分かりにくかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、大学独自の科目をシラバスに明記した。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。12改善すべき点(8)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』6.問題解決能力醸成のための教育(2)指摘事項「卒業研究」の時間がさまざまな理由で分断されているために、落ち着いて実質的な研究に継続して取り組むことができる時間が不足し、「薬学教育モデル・コアカリキュラム」のE1が求めている到達目標とシラバスの趣旨に叶う教育が十分に行われていないことが懸念されるので、「卒業研究」の実施時期、実施時間、「総合演習」との時間配分などを検討し、「卒業研究」を充実したものにする必要がある。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、「卒業研究」の実施時期および実施時間がさまざまな理由で分断されていた。実施時期の分断の主な原因は実務実習であり、実施時間の分断の主な原因は総合演習であった。(4)本評価後の改善状況5年次「卒業研究」の実施時期の分断については、令和元年度より実務実習が 4 期制へ変更されたのに伴い、連続した 11 週間以上の卒業研究が実施できる実習スケジュールを設定し、継続的な卒業研究を実施できるようにした。実施時間の分断については、総合演習との時間配分がほぼ等しくなるよう時間割の見直しを行い、平成 29 年度後期より月〜金の午後2コマを卒業研究に充てて、まとまった時間を確保し、研究に継続して取り組めるようにした。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 6: 平成 29(2017)年度第 5 回定例薬学部教授会資料(平成 29 年度後期時間割)・資料 7: 平成 30(2018)年度第 1 回定例薬学部教授会資料(平成 30 年度時間割)・資料 8: 令和元(2019)年度第 1 回定例薬学部教授会資料(2019 年度時間割)13検討所見改善すべき点(8)は、本評価時において「卒業研究」の時間が分断されて実質的な研究に継続して取り組む時間が不足し、「薬学教育モデル・コアカリキュラム」が「卒業研究」に求める到達目標とシラバスの趣旨に叶う教育が十分に行われていなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、令和元年度から5年次「卒業研究」の実施時期を連続した 11 週間以上となるスケジュールとした。また、「卒業研究」と「総合演習」との時間配分がほぼ等しくなるよう時間割の見直しを行い、平成 29 年度後期より月〜金の午後2コマを卒業研究に充ててまとまった時間を確保し、研究に継続して取り組めるようにしたとしている。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたが、5年次、6年次の何れにおいても、時間割上の「卒業研究」のコマ数は最大でも一日あたり2コマで、一部の曜日では「卒業研究」の時間が別の授業科目で分断されている。この状況は、指摘が求めている、落ち着いて実質的な研究に継続して取り組むことができる時間を十分に確保して「卒業研究」を充実したものとする改善が十分なされているとは言えないので、指摘の趣旨を踏まえた改善をさらに進め、「卒業研究」を充実したものにすることを期待する。14改善すべき点(9)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』6.問題解決能力醸成のための教育(2)指摘事項「卒業研究発表会」は、広い範囲からの質疑を受けることで考察の幅を広げ、大学が目指す教育研究上の意義に合致するものとなるよう、研究室単位ではなく学部全体で行う形に改める必要がある。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、研究室単位で卒業研究発表会を開催していた。また、卒業研究の内容をポスターとして各研究室前に掲示し、すべての教職員や学生が閲覧・討論できるようにしていた。(4)本評価後の改善状況令和元年度(2019 年度)より、学部全体でポスター形式での卒業研究発表会を開催している。また、他学部の教員にも開催の案内をし、自由に質疑・討論できるようにしている。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 20: 令和元(2019)年度第 5 回定例薬学部教授会資料(2019 年度卒業研究発表会割振り)・資料 21: 令和元(2019)卒業研究発表会 発表者・発表演題一覧・資料 22: 大学 HP(https://www1.niu.ac.jp/topics/course/2019/2978.html)検討所見改善すべき点(9)は、本評価時において「卒業研究発表会」が学部全体ではなく、研究室単位で行われていた状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、令和元年度(2019 年度)から、学部全体でポスター形式での卒業研究発表会を開催している。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。15改善すべき点(10)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』6.問題解決能力醸成のための教育(2)指摘事項問題解決能力の醸成を目指す教育全体としての目標達成度を評価するための指標の設定とそれに基づく評価が行われていないので、指標を設定し、それに基づく評価を行うことが必要である。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、問題解決能力の醸成を目指す実習も含めた科目に関しては、個々に、思考・判断・関心・意欲・態度など、問題解決に必須の要素をシラバスに示していた。一方、総合的に目標達成度を評価するための指標を設定していなかった。(4)本評価後の改善状況本学では平成 29 年度のディプロマ・ポリシー制定に伴い、「ホスピタリティを構成する能力」として「専門力」、「情報収集、分析力」、「コミュニケーション力」、「協働・課題解決力」、「多様性理解力」の 5 つが提示(設定)され、この 5 能力(5 領域)で学習領域を構成するよう平成 29 年度よりシラバスの記載方法が変更された。これに伴い、問題解決能力の醸成を目指す科目シラバス中の「協働・課題解決力」にその到達目標、評価手段・方法、評価比率を示している。また、カリキュラムマップで問題解決能力の醸成を目指す科目の位置付けが確認できる。また、卒業研究についても、「卒業研究中間発表会」、「卒業研究発表会」および「卒業論文」評価シートに指標を明示した。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 17: カリキュラムマップ(2019 年度)・資料 23: 「卒業研究中間発表会」、「卒業研究発表会」および「卒業論文」の評価シート(2019 年度)16検討所見改善すべき点(10)は、本評価時において問題解決能力の醸成を目指す教育において、学修成果の目標達成度を評価するための指標の設定と、それに基づく評価が行われていなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、カリキュラムマップに問題解決能力の醸成を目指す科目の位置付けを示し、問題解決能力の醸成を目指す科目のシラバスの「協働・課題解決力」にその到達目標、評価手段・方法、評価比率を示し、卒業研究についても、「卒業研究中間発表会」、「卒業研究発表会」および「卒業論文」評価シートに指標を明示したとしている。以上のことは上記(5)の根拠資料から確認できたが、それらは「問題解決能力の醸成を目指す教育」全体としての目標達成度を評価するための指標を設定した評価ではなく、それぞれの科目の到達度評価にとどまっている。指摘が求めていることは、「問題解決能力の醸成を目指す教育」全体の学修成果を総合した目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づく適切な評価を行うことであるので、この趣旨を踏まえた改善を進めることを求める。17改善すべき点(11)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』7.学生の受入れ(2)指摘事項入学試験で入学志願者の適性および能力が適確かつ客観的に評価されていないことが懸念されるので、入学者選抜の方法と基準を検討し、入学者の基礎学力の改善を図ることが必要である。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、入学試験は、推薦入学試験、社会人入学試験、AO 入学試験、一般学力入学試験、センター試験利用入学試験、編入学試験、外国人留学生入試の 7 区分から構成され、多様な人材を受け入れることが可能な入学者選抜を実施している。薬学教育評価において、学力検査の無い「AO 入学試験」や学力検査が1教科のみの「社会人入学試験」などでは、入学後の教育に求められる基礎学力が適切に評価できているか否かが懸案事項であった。(4)本評価後の改善状況入学志願者の適性および能力の適確な評価を行うため次のとおり改善を図った。① AO 入試、社会人入試は、それぞれ総合型選抜(一般)、総合型選抜(社会人)と改め、活動報告書の提出を義務付けた。② 総合型選抜(一般)では基礎学力検査を導入した。③ 一般学力 A 日程について、数学と理科 3 科目の理数 4 科目からの 2 科目選択とし、理数2 科目のうち得点の高い方を 2 倍の 200 点で評価する方法に改めた。④ センター試験利用入試について、理数3科目のうち点数の高い科目を他の科目の倍の200点に換算し評価する方法に改訂した。⑤ 言語能力の高い学生を選抜する目的でセンター試験利用入試において国語を選択必須とする制度変更を行った。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 24:<別冊>長崎国際大学 2020(令和 2)年度 入学試験 INFORMATION・資料 25:<別冊>長崎国際大学 2020(令和 2)年度 学生募集要項検討所見改善すべき点(11)は、本評価時において入学試験で入学志願者の適性および能力が適確かつ客観的に評価されていない懸念があった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、入学志願者の適性および能力の適確な評価を行うために入試制度について 5 点に及ぶ改善を図っている。以上のことは上記(5)の根拠資料で確認でき、本評価で指摘を受けた AO 入試を総合型選抜(一般)として基礎学力検査を導入するなど、指摘が求める改善は進められていると判断できるので、これらの改善が入学者の基礎学力の実質的な向上に結び付くことを期待する。18改善すべき点(12)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』8. 成績評価・進級・学士課程修了認定(2)指摘事項「総合演習ⅢB」の単位認定に関わる評価基準につけられている「(外部)模擬試験の成績を受験資格判定に用いる」という条件は早急に削除する必要がある。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、学生の国家試験への意識向上のためそのような文言にしたが、「総合演習ⅢB」の単位認定において、模擬試験の成績は実際には使用していない。(4)本評価後の改善状況平成 29 年度より「総合演習ⅢB」シラバスの「評価基準及び評価手段・方法の補足説明」の項目から「模擬試験の成績を受験資格判定に用いる」という記載を削除し、単位認定試験の成績のみで判定することをシラバスおよび年度初めのオリエンテーションにて周知している。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 26: 「総合演習ⅢB」シラバス(2017 年度)検討所見改善すべき点(12)は、「総合演習ⅢB」の単位認定に関わる評価基準に「(外部)模擬試験の成績を受験資格判定に用いる」という条件を早急に削除するよう求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、平成 29 年度より「総合演習ⅢB」の成績を「単位認定試験の成績」のみで評価することとしている。以上のことは上記(5)の根拠資料で確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。19改善すべき点(13)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』8. 成績評価・進級・学士課程修了認定(2)指摘事項必修科目である「総合演習ⅢB」の合否を、2回の試験の成績に基づく教授会での審議結果を受けて学長が決定することによって卒業の可否を決めていることは、ディプロマ・ポリシーに基づく学士課程修了認定の趣旨にそぐわないので、是正する必要がある。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、指摘事項のとおり、必修科目である「総合演習ⅢB」の合否を、2回の試験の成績に基づく教授会での審議結果を受けて学長が決定することによって卒業の可否を決めていた。(4)本評価後の改善状況平成 30 年度より、総合演習科目(総合演習Ⅰ・Ⅱ・ⅢA・ⅢB)の科目担当者(助教以上の教員)のみが出席する会議(科目担当者会議)において単位認定を行い、その結果を薬学部教授会で報告する運用に変更した。なお、学士(薬学)課程修了は、従来通り、在学年数、卒業要件単位数以上の単位取得をもとに薬学部教授会での審議を経て学長が認定している。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 27: 平成 30(2018)年度第3回定例薬学部教授会資料(総合演習科目の単位認定について)検討所見改善すべき点(13)は、本評価時において「総合演習ⅢB」の合否を2回の試験の成績に基づく教授会での審議結果を受けて学長が決定することで卒業の可否が決められており、学士課程修了認定がディプロマ・ポリシーの趣旨に合致するものとなっていなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、指摘された科目を含む、総合演習科目の単位認定を科目担当者会議で行い、結果を薬学部教授会に報告する運用とした。以上のことは上記(5)の根拠資料で確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断する。20改善すべき点(14)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』13.自己点検・評価(2)指摘事項「薬学教育第三者評価・実施検討委員会(薬学部自己点検評価委員会)」を、第三者評価への対応目的ではなく、薬学教育プログラムの向上と発展を目的に自己点検・評価を行うことができる組織に改善し、恒常的な点検・評価を行うことが必要である。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、授業改善を図るため全学の自己点検・評価委員会において、「授業アンケート」「在学生アンケート」「卒業生アンケート」を実施しており、改善すべき事項を各学科又は各種委員会で協議し改善に努めている。しかしながら、薬学部自己点検評価委員会においては、薬学教育に係わる項目に関して定期的な点検・評価が十分に実施できているとは言えなかった。(4)本評価後の改善状況平成 29 年度より、薬学部自己点検・評価委員会の傘下に設置された「薬学部改善計画策定ワーキンググループ」は、学部長諮問委員会として「薬学部改善計画策定委員会」に変更され、薬学教育プログラムの問題点を自己点検・評価委員会に上程、協議し改善策を立案し、さらに教授会で協議する体制を構築した。その後、「薬学部改善計画策定委員会」が中心となり、3次カリキュラムの問題点を検証し、より良い薬学教育プログラム策定を目的として4次カリキュラムを作成、自己点検・評価委員会に上程、教授会で協議を経て、令和2年度より施行することとした。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 28: 平成 29(2017)年度第 1 回~第 5 回薬学部改善計画策定委員会議事録・資料 1: 令和元(2019)年度第 1 回薬学部自己点検・評価委員会議事録・資料 29: 令和元(2019)年度第 2 回薬学部自己点検・評価委員会議事録21検討所見改善すべき点(14)は、本評価時において「薬学教育第三者評価・実施検討委員会(薬学部自己点検評価委員会)」が、第三者評価への対応を目的とし、薬学教育プログラムの向上と発展を目的に自己点検・評価を行う組織ではなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、学部長諮問委員会である「薬学部改善計画策定委員会」を設け、薬学教育プログラムの問題点を自己点検・評価委員会に上程、協議し改善策を立案し、さらに教授会で協議する体制を構築し、本評価時に適用されていたカリキュラム(3次カリキュラム)の問題点を検証し、自己点検・評価委員会、教授会の協議を経て令和2年度より改定したカリキュラム(4次カリキュラム)を施行する実績を上げたとしている。以上のことは上記(5)の根拠資料で確認できたので、指摘された問題点は改善されたものと判断されるので、この体制をさらに充実させて恒常的な点検・評価を継続することを期待する。22改善すべき点(15)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』13.自己点検・評価(2)指摘事項個々の教員や委員会単位で行った自己点検・評価の結果を、それぞれに関わる個別の改善に生かすだけでなく、学部として行った薬学教育プログラム全般に対する自己点検・評価の結果を、学部の教育研究の改善に生かす取組みを行うことが必要である。(3)本評価時の状況本評価時の状況は、個々の教員や委員会単位で行った自己点検・評価を教員へのフィードバックを行ってきたが、学部として行った薬学教育プログラム全般に対する自己点検・評価の結果を、学部の教育研究の改善に生かす取組みを十分に行ってきたとは言えない。(4)本評価後の改善状況薬学教育プログラムを発展的に自己点検・評価し、教育・研究活動の改善策を講じるために、平成 29 年度より、学部長諮問委員会として教育研究活動における問題点を抽出する若手教員を中心とした「薬学部改善計画策定委員会」を設置するとともに、それらの問題点を自己点検・評価委員会に上程、協議し改善策を立案し、さらに教授会で協議する体制を構築した。その後、「薬学部改善計画策定委員会」が中心となり、3次カリキュラムの問題点を検証し、より良い薬学教育プログラム策定を目的として4次カリキュラムを作成、自己点検・評価委員会に上程、教授会で協議を経て、令和2年度より施行することとした。また、学部の教育研究の改善に生かす取組みとして、平成 29 年度より各学期末に、学生による授業アンケートの評価結果にもとづき、教員と学部長、学科長、薬学部自己点検・評価委員との面談を実施し、問題点を共有するとともに改善策を協議している。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・資料 30: 平成 29(2017)年度 第 4 回定例薬学部教授会議事録・資料 28: 平成 29(2017)年度第 1 回~第 5 回薬学部改善計画策定委員会議事録・資料 31: 平成 29(2017)年度 第 7 回定例薬学部教授会議事録・資料 32: 平成 30(2018)年度 第 2 回定例薬学部教授会議事録・資料 33: 平成 30(2018)年度 第 5 回定例薬学部教授会議事録・資料 34: 授業アンケートの結果に関する面談(報告)平成 29(2017)年度前期~令和元(2019)年度後期23検討所見改善すべき点(15)は、本評価時において個々の教員や委員会単位で行われた自己点検・評価結果が個別の改善に生かされていたが、学部としての薬学教育プログラム全般に対する自己点検・評価と、学部の教育研究の改善に生かされていなかった状況に対して、改善を求めたものである。この指摘に対して、大学は上記(4)の対応をとり、「薬学部改善計画策定委員会」で抽出した教育研究活動における問題点を自己点検・評価委員会で協議し改善策を立案し、さらに教授会で協議する体制を構築すると共に、学部の教育研究の改善に生かす取組みとして、各学期末に学生授業アンケートの評価結果にもとづいて、教員と学部長、学科長、薬学部自己点検・評価委員との面談を実施し、問題点を共有するとともに改善策を協議している。以上のことは上記(5)の根拠資料で確認できた。これらによって指摘された問題点は改善されたと判断されるので、この体制が継続され、学部の教育研究の改善に活用されることを期待する。
