2019年 名古屋市立大学 改善報告審議結果
「Ⅳ.大学への提言」に対する改善報告についての審議結果大学名:名古屋市立大学薬学部本評価実施年度:2015(平成 27)年度2020 年1月 17 日一般社団法人 薬学教育評価機構 総合評価評議会「改善すべき点」に対する改善報告への審議結果※検討所見以外は提出された改善報告書のまま記載しています。1■改善すべき点への対応について改善すべき点(1)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 3. 医療人教育の基本的内容(2)指摘事項「ヒューマニズム教育・医療倫理教育」と「コミュニケーション能力と自己表現能力を身につけるための教育」において、それぞれの目標達成度を総合的に評価するための指標を設定し、それらに基づいた適切な評価を行なうことが必要である。(3)本評価時の状況1 年次のコミュニティ・ヘルスケア卒前教育では、ポートフォリオの作成、「チーム力評価」「ピア評価」を実施し形成的評価ならびに採点の基準としていた。2 年次の薬学概論Ⅱではレポート課題による評価を実施していた。4 年次以降の臨床薬学実務実習Ⅰ~Ⅲの評価でもポートフォリオによる評価を実施してきた。しかしながら 卒業時までの一貫した評価については検討課題であった。(4)本評価後の改善状況1 年生で作成し評価したポートフォリオの作成を、卒業時まで継続して実施、評価する新しい評価形式を検討し平成 31 年度からの実施を目標に平成 30 年度トライアルを実施した(資料4)。ポートフォリオは年に 2 回行われるチューター会で各担当教員が確認し、学生自身の自己評価と合わせて、毎年の学生の成長状況を記録することとした(資料5〜7)。4 年次以降では、配属分野教員ならびに実務実習事前学習、実務実習担当教員が評価を継続して確認し、卒業時の評価にも加えることとした。教員ならびに学生自身が評価する観点についても作成した。その他、関連の評価表等を整備した(資料8〜11)。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・薬学科卒業時までの継続した学生成長評価(資料4)・基本的な資質 自己評価表(資料5)・ポートフォリオ・レポート評価(資料6)・1年間の基本的な成長目標と報告(資料7)・F 薬学臨床 評価表 名市大(資料8)・地域参加型学習 チーム力評価(資料9)・地域参加型学習 ピア評価(資料10)2・地域参加型学習 プレゼンテーション評価(資料11)検討所見改善すべき点(1)は、本評価時には「ヒューマニズム教育・医療倫理教育」と「コミュニケーション能力と自己表現能力を身につけるための教育」で目標達成度に対する総合的な評価が行われていなかったため、それぞれの目標達成度を総合的に評価するための指標を設定し、それらに基づいた適切な評価を行う必要があると指摘したものである。この指摘に対して大学は、上記(4)にあるように、関連科目の評価に入学時からの「ポートフォリオ」「成長目標の設定と振返り」「PBLのルーブリック評価」等を導入して、薬学科学生の医療人教育の充実を図るという対応をとり、その具体的な内容は上記(5)の諸資料で確認できる。上記の対応に基づく評価は、平成 30 年度にトライアルが実施され、平成 31 年度入学者から適用されており、指摘に対する改善が進んでいるものと判断される。3改善すべき点(2)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 5.実務実習(2)指摘事項実務実習事前学習の目標達成度評価のための適切な指標を設定し、それに基づいて評価する必要がある。(3)本評価時の状況実務実習事前学習の目標達成評価について、知識については教科書を範囲とした毎週のクリッカー試験と最終筆記試験の評価(成績判定の 70%)、技能、態度については主に学生が提出する週報、ポートフォリオ(同 20%)。発表や演習における学生相互ならびに教員による観察評価(同 10%)で評価を行なっていたが、実務実習に対応できることを担保する総合的な目標達成評価について整備するよう指摘があった。(4)本評価後の改善状況平成 30 年度からの新しい評価方法1)教科書を中心とした知識評価(成績判定の 35%)「調剤指針」「スタンダードシリーズ」等 教科書として指定した書籍の内容を中心とした「クリッカー試験」を、授業の進行に合わせ週 1 回実施し、知識の到達度合いを評価する。2)ポートフォリオ評価(同 35%) 実務実習事前学習の演習等で作成するポートフォリオを採点する。臨床系教員が「週報」と同時に毎週確認・評価する。採点基準の観点を予め提示する。ポートフォリオの一環として「F薬学臨床の概略評価」の自己評価を加える(資料8)。事前学習開始時、その後3週間毎に概略評価表を用いて各自の能力の成長度合いを評価し、その評価を基に各自の学習分析をポートフォリオに記録する。3)「目標シート・成長報告シート」「週報」「課題」での評価(同 20%)「目標シート・成長報告シート」「週報」を臨床系教員が毎週確認を行ない、未提出、記載が不適切あった場合は減点(資料12)。 実務実習事前学習内で定期的に提示する「課題」について各自が調査したレポートを提出し臨床系教員が評価する。4)授業での積極性、プレゼンテーション等の総合的な態度評価(同 10%) 医療系学部 1 年次地域参加型学習で実施している「チーム力評価」「ピア評価」「プレゼンテーション評価」を実務実習事前学習でも実施して、学生の成長と4チームへの貢献度合を形成的評価として行うとともに、優れたリーダーシップ、プレゼンテーション、チーム貢献評価については加点対象とする。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・実務実習事前学習目標シート・週報シート(資料12)・F 薬学臨床 評価表 名市大(資料8)検討所見改善すべき点(2)は、本評価時の実務実習事前学習の評価が、知識についてはクリッカー試験と最終筆記試験の評価、技能と態度については週報とポートフォリオの評価、および学生相互ならびに教員による観察評価を行っているのみであったため、実務実習事前学習の目標達成度評価のための適切な指標を設定し、それに基づく評価を行う必要があると指摘したものである。この指摘に対して大学は、上記(4)にあるような改善を行った。これらの改善は、上記(5)の資料8にある「F 薬学臨床 評価表」の内容、および資料 12 の「目標シート・成長報告シート」と「週報」による学生の自己評価とそれに対する臨床系教員からの評価の実施と共に、授業の進行に合わせて実施される「クリッカー試験」による知識の到達度の評価を総合するもので、「学生が実務実習に対応できることを担保する」という事前学習の目標の達成度を総合的に評価できるものであると判断する。薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂によって実務実習事前学習が「F 薬学臨床」に組み込まれたため、カリキュラムは指摘の対象となったものとは異なる内容となっているが、指摘が求める改善がなされていると判断する。5改善すべき点(3)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 6.問題解決能力の醸成のための教育(2)指摘事項「研究成果報告書」等の総合評価が指導教員の裁量に任されており、「卒業研究実習」による問題解決能力の向上が適切に評価されていると結論づけることができない。「研究成果報告書」の評価に基準を設けて複数の教員で行い、卒業論文発表会における発表・質疑応答結果に評価基準を設けることなど、「卒業研究実習」による問題解決能力の向上を評価するための適切な指標や基準を設定することが必要である。(3)本評価時の状況卒業研究の評価について、指導教員が卒業論文や卒業研究発表会における質疑応答(発表会での質疑担当教員による評価を含む)をふまえて、学生個々人の問題解決能力の向上を評価して行う状況であった。(4)本評価後の改善状況「卒業研究実習」について、問題解決能力向上を適切に評価するため、卒業研究の成果である「卒業研究発表」および「卒業論文」について、評価項目を設け、それぞれ基準を定めて定量化し、3 人の教員(指導教員、学生の所属分野以外の教員2 名)による評価を行うことを決定し、具体的な基準策定した。これに基づき、H29年度卒業研究開始学生から当該評価基準による評価を実施した。さらに、「卒業研究実習」の履修について、4年次・5年次についてそれぞれ修得必要単位を設定し、当該期間中の卒業研究の成果ならびに問題解決能力の向上について基準を設け、それぞれ2人の教員により、定量的な評価を行うことを決定した。この評価基準による評価を H30 年度卒業研究開始学生から実施することを決定した。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・平成 30 年度履修要項(薬学部)(p176)(資料1)・成績評価基準(評価票)(資料13)6検討所見改善すべき点(3)は、本評価時における卒業研究の評価が、卒業論文や卒業研究発表会における質疑応答などを基にして、指導教員が単独で行う体制であったため、「研究成果報告書」の評価に基準を設けて複数の教員で行い、卒業論文発表会における発表・質疑応答結果に評価基準を設けることなど、「卒業研究実習」による問題解決能力の向上を評価するための適切な指標や基準を設定することが必要であると指摘したものである。この指摘に対して大学は、上記(4)にあるような改善を行った。すなわち、平成 29 年度には「卒業研究発表」および「卒業論文」に対する評価について評価項目と評価基準を定め、指導教員と学生の所属分野以外の教員2名による評価を実施した。次に、平成 30 年度に卒業研究を開始する学生からは、「卒業研究実習」について4、5年次のそれぞれに修得必要単位を設定し、当該期間中の卒業研究の成果ならびに問題解決能力の向上について基準を設け、それぞれ2人の教員が定量的な評価を行うよう改善した。平成 30 年度の4年生から始められた方式による卒業研究の評価は完了していないが、改善の実態が上記(5)の資料によって確認できることと、平成 29 年度から教員2名による評価を導入していることから、指摘が求める改善がなされていると判断する。7改善すべき点(4)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 6.問題解決能力の醸成のための教育(2)指摘事項問題解決能力の醸成に向けた教育科目において、目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価を行うことが必要である。(3)本評価時の状況問題解決能力の醸成に向けた教育として、必修8単位、選択 12 単位が設定され、医薬看連携地域参加型学習・基礎薬学演習の成績判定は、出席やコミュニケーション態度(発言や人の話の聞き方)などの態度と、発表された資料を提出してもらい評価している状況であった。(4)本評価後の改善状況「卒業研究実習」以外の「問題解決能力の醸成に向けた教育科目」のうちで評価指標の設定が不十分であった医薬看連携地域参加型学習、基礎薬学演習について、評価基準を科目ごとに策定した。密接に関連する臨床薬学実務実習の評価基準についても、同様の観点から再整備した。さらに、これらの科目で設定した基準を踏まえながら、全学年を通しての形成的評価を H30 年度入学生より開始した。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・薬学科卒業時までの継続した学生成長評価(資料4)薬学科学生形成的学習評価票(下記のもの)・1 年次:地域参加型学習 チーム力評価(資料9)・1 年次:地域参加型学習 ピア評価(資料10)・1 年次:地域参加型学習 プレゼンテーション評価(資料11)・2 年次・3 年次:基本的な資質 自己評価表(資料5)・2 年次・3 年次:ポートフォリオ・レポート評価(資料6)・2 年次・3 年次:1年間の基本的な成長目標と報告(資料7)・2 年次・3 年次:基礎薬学演習評価票(評価ルーブリック)(資料14)・4 年次・5 年次:F 薬学臨床 評価表 名市大(資料8)・4 年次・5 年次:実務実習事前学習目標シート・週報シート(資料12)8検討所見改善すべき点(4)は、本評価時には問題解決能力の醸成に向けた教育(必修8単位、選択 12 単位)の評価が科目単位で行われていたため、それらを総合した目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価を行うことが必要であると指摘したものである。この指摘に対して大学は、上記(4)にあるような改善を行い、「卒業研究実習」以外の対応科目の評価方法について上記(5)に示されている資料にあるような改善を加えると共に、平成 30 年度入学生からそれらの科目で設定した基準に基づいた全学年を通しての形成的評価を導入している。これらの対応は、昨年度から導入されたものであるため、全学年への適用は完了していないが、指摘が求める改善が進んでいると判断する。9改善すべき点(5)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 8.成績評価・進級・学士課程修了認定(2)指摘事項シラバスに「成績判定基準」が定量的な数値で示されていない科目が少なからず存在する。評価の厳正さを高めるため、全ての科目について、「成績判定基準」を定量的な数値で明示するよう、早急に改善する必要がある。(3)本評価時の状況評価手段とその比重が成績判定基準として定められシラバス中に記載されているが、科目によって差異がある、という状況であった。(4)本評価後の改善状況全専門科目について、「成績判定基準」を明確にし、評価項目の算定割合を数値で示すよう、授業担当教員に指示し、H30 年度シラバスにおいて、全ての科目について「成績判定基準」を定量的な数値で表示し掲載した。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・平成 30 年度履修要項(薬学部)(p53-p177) (資料1)検討所見改善すべき点(5)は、本評価時のシラバスには「成績判定基準」が定量的な数値で示されていない科目が少なからず存在したので、全ての科目について「成績判定基準」を定量的な数値で明示するよう、シラバスを早急に改善する必要があると指摘したものである。この指摘に対して大学は、上記(4)の対応をとり、平成 30 年度のシラバスには全ての科目について「成績判定基準」を定量的な数値で記載した。この対応がなされていることは上記(5)の資料1によって確認でき、指摘が求める改善がなされていると判断する。10改善すべき点(6)(1)改善すべき点が指摘された『中項目』 13.自己点検・評価(2)指摘事項作成されている「自己点検・評価書」の記載内容は現状の説明に留まっているので、自己点検・評価の意義を全教員が再認識し、その結果を教育研究活動の改善に反映できる体制作りが必要である。(3)本評価時の状況自己点検・評価書(年報形式)の記載内容は現状の説明に留まり、組織的に教育研究活動の改善を実施するための体制や運用が不十分であった。(4)本評価後の改善状況自己点検・評価の体制及び運用の改善の取り組みとして、薬学教育評価対応のための「薬学教育評価委員会」を新たに設置し(平成 29 年度)、この委員会に外部委員を加えた(平成 30 年度)。平成 30 年度は、2 回の会議を開催し、「提言に対する改善報告書」の取りまとめを中心に取り組んだ。平成 31 年度以降は、第 2 期薬学教育評価の基準・観点を踏まえつつ、薬学教育評価委員会が学部内各種委員会間の連携・調整を図りながら全体の取りまとめを行い、学部全体で組織的・継続的に自己点検・評価に取り組む予定である。(5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり)・薬学教育評価委員会議事録(第 1 回)(資料15)・薬学教育評価委員会議事録(第 2 回)(資料16)・薬学教育評価委員会規定(資料17)検討所見改善すべき点(6)は、本評価時に作成されていた年報形式の「自己点検・評価書」の記載内容が現状の説明に留まっていたため、自己点検・評価の意義を全教員が再認識し、その結果を教育研究活動の改善に反映できる体制を作ることが必要であると指摘したものである。この指摘に対して大学は、上記(4)の対応をとり、自己点検・評価の体制および運用の改善の取り組みに着手していることが上記(5)の資料で確認できるので、指摘が求める改善がなされていると判断する。
