2021年 岡山大学 改善報告審議結果
「Ⅰ総合判定の結果」に対する改善報告についての 審議結果 大学名:岡山大学薬学部 改善報告書提出日:2025 年3月 28 日 本評価実施年度:2021 年度 2025 年7月1日 一般社団法人 薬学教育評価機構 総合評価評議会 1 ※検討所見欄以外は提出された改善報告書のまま記載しています。 ■なお書きへの対応について (1)評価報告書の「総合判定の結果のなお書き」において指摘された事項に関する記載 がある『項目』 1 教育研究上の目的と三つの方針 3−3 学修成果の評価 (2)指摘事項 なお、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げる「学生が身につけるべき能力」の修 得度を評価するために必要となる「学修成果の評価」の在り方とその評価計画が「薬学 科カリキュラム・ポリシー」に記載されておらず、「学修成果の評価」が行われていな いことについては早急に適切な措置を講ずることが必要である。その進捗状況に関する 報告書は、改善が認められるまで毎年提出することを求める。 (3)本評価時の状況 「学修成果の評価」については、授業を担当する専任教員全員が参加する専門分野別 カリキュラム会議(年2回開催)において、個々の教員から意見を収集し、その検証か ら得られた評価に基づき、次年度の改善方法等を教務委員会に上申し、教務委員会が包 括的にまとめたものを教授会・教員会議にフィードバックする体制で行っていた。しか しながら、2019 年度まで運用していた「薬学科カリキュラム・ポリシー」には、上述の 体制を含む具体的な評価計画を明示していなかった。2020 年度に改定した「薬学科カリ キュラム・ポリシー」でも、学修成果の評価方法の概略を示すにとどまり、「薬学科デ ィプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得が段階的に進んでいる状況を、教 育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画は示していなかった。 (4)本評価後の改善状況 これまでに、「学生が身につけるべき能力」の修得度を評価するために必要となる「学 修成果の評価」の基準となるルーブリック表を作成した(表1、資料1)。また、その評 価を誰がどの時期に実施するかについて定めたアセスメント・プランを策定した。しかし ながら、「Ⅰ総合判定」のなお書きに対する改善報告についての審議結果(2024/7/31)で は、評価計画の策定と実施が依然として不十分である旨を指摘された。そこで、カリキュ ラム・ポリシーの別紙2に「学修成果の評価」に関する項目を追加し、年に1回、ルーブ リックを用いて学生と教員がそれぞれ評価し、学年進行に伴って経時的な追跡も行う旨 を記載した(資料2 p4)。また、アセスメント・プランのディグリー・ポリシー評価に 2 も修正を加え、実施時期を毎年1回、科目レベルのディグリー・ポリシー到達度評価の実 施者を学生と教員とすることで、評価計画について明確化を図った(資料2 p5)(資料 3 p12~13)。 さらに、2024 年度6年次生に対して、ルーブリック表に基づくディグリー・ポリシー 到達度の学生自己評価と指導教員による到達度評価を行い、両者の結果を比較検証した。 学生・教員のいずれの評価においても著しく低いものは存在せず、両者の評価結果も概ね 一致していたことから、ディグリー・ポリシーで定めた資質・能力を学生が獲得できてい ることが確認できた(資料4)。 表1.DP 到達度評価のためのルーブリック表 ル ー ブ リ ック 人間性・倫 理観に富 む教養【教 養】 汎用的な 知識と技 能に基づ く基礎的 専門性 【専門性 1】 ヒトの健 康と医薬 品に関わ る知識と 技能に基 づく応用 的専門性 【専門性 2】 臨床・研 究に関わ る専門性 と倫理観 【専門性 3】 情報を 的確に 収集・活 用でき る情報 力【情報 力】 時代と社 会をリー ドする行 動力 【行 動力】 生涯に亘 る自己実 現力【自己 実現力】 修 得 で き る 力 と 、 薬 剤 師 と し て 求 め ら れ る 基 本 的 な 資 質 ・ 能 力 と の 関 係 性 ② ③ ⑨ ⑩ ① ② ⑥ ⑦ ⑨ ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑨ ① ② ⑥ ⑦ ⑨ ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑨ ① ② ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ① ② ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 3 ※ 参 照 達 成 度 A 健康や疾 病のみな らず自然 や社会に 関する多 様な問題 に関心を 持ち主体 的な問題 解決に向 けての思 考力・判断 力・創造力 を有し、医 療に従事 する人に 相応しい 豊かな人 間性や高 い倫理感 に裏打ち された教 養を身に つけてい る。 化学物 質・生体 分子・天 然物質に 関する総 合科学の 基礎的な 知識と技 能を身に つけてい る。 指導的立 場で医薬 品の適正 使用を推 進し、医療 現場で生 じ得る 様々な問 題を発見・ 解決でき る薬剤師 としての 高い専門 的知識と 技能を身 につけて いる。 臨床・研 究に携る ために必 要な基礎 的能力と 倫理観を 身につけ ている。 医療、疾 病、医薬 品のみ ならず、 自然や 社会の 幅広い 地域の 情報を 自ら収 集・分析 し、正し く活用 できる 能力を 有する と共に、 効果的 に情報 発信で きる。 薬剤師と して求め られるコ ミュニケ ーション 能力・グロ ーバル化 に対応し た国際感 覚を有し、 人との共 感的態度 を身につ け、地球規 模から地 域社会に 至るまで、 時代と社 会をリー ドする行 動ができ る。 生涯に亘 って自己 の成長を 追求し、自 立した個 人として 日々を享 受すると 共に、医療 の進歩と 薬学の発 展に寄与 するため、 高い学習 意欲を持 ち 研鑽を 積むこと ができる。 さらに、コ ミュニケ ーション を通じて、 集団の中 で 自己研 鑽の成果 を共有す ることが できる。 4 達 成 度 B 健康や疾 病のみな らず自然 や社会に 関する多 様な問題 に関心を 持ち主体 的な問題 解決に向 けての思 考力・判断 力・創造力 を有し、医 療に従事 する人に 相応しい 豊かな人 間性や高 い倫理感 に裏打ち された教 養を概ね 身につけ ている。 化学物 質・生体 分子・天 然物質に 関する総 合科学の 基礎的な 知識と技 能を概ね 身につけ ている。 指導的立 場で医薬 品の適正 使用を推 進し、医療 現場で生 じ得る 様々な問 題を発見・ 解決でき る薬剤師 としての 高い専門 的知識と 技能を概 ね身につ けている。 臨床・研 究に携る ために必 要な基礎 的能力と 倫理観を 概ね身に つけてい る。 医療、疾 病、医薬 品のみ ならず、 自然や 社会の 幅広い 地域の 情報を 自ら収 集・分析 し、正し く活用 できる 能力を 概ね有 すると 共に、効 果的に 情報発 信でき る。 薬剤師と して求め られるコ ミュニケ ーション 能力・グロ ーバル化 に対応し た国際感 覚を有し、 人との共 感的態度 を身につ け、地球規 模から地 域社会に 至るまで、 時代と社 会をリー ドする行 動が概ね できる。 生涯に亘 って自己 の成長を 追求し、自 立した個 人として 日々を享 受すると 共に、医療 の進歩と 薬学の発 展に寄与 するため、 高い学習 意欲を持 ち 研鑽を 概ね積む ことがで きる。さら に、コミュ ニケーシ ョンを通 じて、集団 の中で 自 己研鑽の 成果を概 ね共有す ることが できる。 5 達 成 度 C 健康や疾 病のみな らず自然 や社会に 関する多 様な問題 に関心を 持ち主体 的な問題 解決に向 けての思 考力・判断 力・創造力 を有し、医 療に従事 する人に 相応しい 豊かな人 間性や高 い倫理感 に裏打ち された教 養を一部 身につけ ている。 化学物 質・生体 分子・天 然物質に 関する総 合科学の 基礎的な 知識と技 能を一部 身につけ ている。 指導的立 場で医薬 品の適正 使用を推 進し、医療 現場で生 じ得る 様々な問 題を発見・ 解決でき る薬剤師 としての 高い専門 的知識と 技能を一 部身につ けている。 臨床・研 究に携る ために必 要な基礎 的能力と 倫理観を 一部身に つけてい る。 医療、疾 病、医薬 品のみ ならず、 自然や 社会の 幅広い 地域の 情報を 自ら収 集・分析 し、正し く活用 できる 能力を 一部有 すると 共に、情 報発信 できる。 薬剤師と して求め られるコ ミュニケ ーション 能力・グロ ーバル化 に対応し た国際感 覚を有し、 人との共 感的態度 を身につ け、地球規 模から地 域社会に 至るまで、 時代と社 会をリー ドする行 動が一部 できる。 生涯に亘 って自己 の成長を 追求し、自 立した個 人として 日々を享 受すると 共に、医療 の進歩と 薬学の発 展に寄与 するため、 高い学習 意欲を持 ち 研鑽を 一部積む ことがで きる。さら に、コミュ ニケーシ ョンを通 じて、集団 の中で 自 己研鑽の 成果を一 部共有す ることが できる。 6 達 成 度 D 健康や疾 病のみな らず自然 や社会に 関する多 様な問題 に関心を 持ち主体 的な問題 解決に向 けての思 考力・判断 力・創造力 を有し、医 療に従事 する人に 相応しい 豊かな人 間性や高 い倫理感 に裏打ち された教 養を若干 身につけ ている。 化学物 質・生体 分子・天 然物質に 関する総 合科学の 基礎的な 知識と技 能を若干 身につけ ている。 指導的立 場で医薬 品の適正 使用を推 進し、医療 現場で生 じ得る 様々な問 題を発見・ 解決でき る薬剤師 としての 高い専門 的知識と 技能を若 干身につ けている。 臨床・研 究に携る ために必 要な基礎 的能力と 倫理観を 若干身に つけてい る。 医療、疾 病、医薬 品のみ ならず、 自然や 社会の 幅広い 地域の 情報を 自ら収 集・分析 し、正し く活用 できる 能力を 若干有 すると 共に、情 報発信 できる。 薬剤師と して求め られるコ ミュニケ ーション 能力・グロ ーバル化 に対応し た国際感 覚を有し、 人との共 感的態度 を につ け、地球規 模から地 域社会に 至るまで、 時代と社 会をリー ドする行 動が若干 できる。 生涯に亘 って自己 の成長を 追求し、自 立した個 人として 日々を享 受すると 共に、医療 の進歩と 薬学の発 展に寄与 するため、 高い学習 意欲を持 ち 研鑽を 若干積む ことがで きる。さら に、コミュ ニケーシ ョンを通 じて、集団 の中で 自 己研鑽の 成果を若 干共有す ることが できる。 7 達 成 度 E 健康や疾 病のみな らず自然 や社会に 関する多 様な問題 に関心を 持ち主体 的な問題 解決に向 けての思 考力・判断 力・創造力 を有し、医 療に従事 する人に 相応しい 豊かな人 間性や高 い倫理感 に裏打ち された教 養を身に つけてい ない。 化学物 質・生体 分子・天 然物質に 関する総 合科学の 基礎的な 知識と技 能を身に つけてい ない。 指導的立 場で医薬 品の適正 使用を推 進し、医療 現場で生 じ得る 様々な問 題を発見・ 解決でき る薬剤師 としての 高い専門 的知識と 技能を身 につけて いない。 臨床・研 究に携る ために必 要な基礎 的能力と 倫理観を 身につけ ていな い。 医療、疾 病、医薬 品のみ ならず、 自然や 社会の 幅広い 地域の 情報を 自ら収 集・分析 し、活用 できる 能力に 乏しく、 情報発 信でき ない。 薬剤師と して求め られるコ ミュニケ ーション 能力・グロ ーバル化 に対応し た国際感 覚を有し、 人との共 感的態度 を身につ け、地球規 模から地 域社会に 至るまで、 時代と社 会をリー ドする行 動ができ ない。 生涯に亘 って自己 の成長を 追求し、自 立した個 人として 日々を享 受すると 共に、医療 の進歩と 薬学の発 展に寄与 するため、 高い学習 意欲を持 ち 研鑽を 積むこと ができな い 。さら に、コミュ ニケーシ ョンを通 じて、集団 の中で 自 己研鑽の 成果を共 有するこ とができ ない。 8 ※薬剤師として求められる基本的な資質・能力 ① プロフェッショナリズム ② 総合的に患者・生活者をみる姿勢 ③ 生涯にわたって共に学ぶ姿勢 ④ 科学的探究 ⑤ 専門知識に基づいた問題解決能力 ⑥ 情報・科学技術を活かす能力 ⑦ 薬物治療の実践的能力 ⑧ コミュニケーション能力 ⑨ 多職種連携能力 ⑩ 社会における医療の役割の理解 (5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり) 資料1:薬学科 DP 到達度評価ルーブリック表 資料2:令和 6 年度 12 月定例教授会議題および議事要旨(該当箇所のみ抜粋) 資料3:薬学部3ポリシー令和 6 年 6 月改定版 資料4:2024 年度卒業予定者 DP 到達度評価 検討所見 上記(2)の『なお書き』に関して、薬学部は、「学生が身につけるべき能力」の修 得度を評価するために必要となる、「学修成果の評価」の基準となるルーブリック表を 作成し、「カリキュラム・ポリシー」に添付された「アセスメント・プラン」の中に評 価計画を明記した。2024 年度は、このルーブリック表を用いた「学修成果の評価」を 4年次と6年次学生に対してのみ実施したが、「アセスメント・プラン」に示された評 価計画の通りに評価が行われてはいない。 以上より、本機構の指摘の趣旨に沿って、改善に向けた取り組みが進められていると 判断するので、策定した「アセスメント・プラン」に従って評価を行うことを期待する。
