一般社団法人 薬学教育評価機構

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2014年 京都薬科大学 改善報告審議結果

「Ⅳ.大学への提言」に対する改善報告についての審議結果 大学名:京都薬科大学薬学部 本評価実施年度:平成 26 年度 平成 31 年1月 18 日 一般社団法人 薬学教育評価機構 総合評価評議会 1 「改善すべき点」に対する改善報告への審議結果 ※検討所見以外は提出された改善報告書のまま記載しています。 2 ■改善すべき点への対応について 改善すべき点(1) (1)改善すべき点が指摘された『中項目』 1 教育研究上の目的 (2)指摘事項 京都薬科大学の教育目的は、大学概要、シラバス、学生便覧、ホームページなどに記 載されているものと学則の第 1 条に規定されているものが一致していない。学則の変 更により表現を統一することが必要である。(1. 教育研究上の目的) (3)本評価時の状況 京都薬科大学の教育目的について、大学概要、シラバス、学生便覧、ホームページ等 に明示された内容では「臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とする」とい う 6 年制薬学教育の基本的な使命に合致しているが、学則の第 1 条においては、教育目 的が「薬学に関する理論及び応用を教授し、医療、福祉、及び環境衛生の向上に寄与す るとともに社会と平和に貢献しうる有用な人材を養成することを目的とする」と規定さ れており、それぞれの表現が異なっている状況であった。 (4)本評価後の改善状況 2017 年 4 月 1 日付で学則を改正し、「薬学を基盤とした学術的探究心と実践意欲を伴 う思考力及び行動力、さらには多様性に対応できる人間性を兼備した薬剤師の素養を 身につける教育研究をとおして、医療、福祉及び社会の発展に貢献しうる有用な人材 を養成することを目的とする」と定めた。また、教育理念と教育目的もそれぞれ改正 し、それぞれの表現を統一した。 (5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり) ・京都薬科大学学則(2017 年度改正) ・学生便覧(平成 29 年度)・PⅠ.本学の教育理念と教育目的 3 検討所見 改善すべき点1.は、学則の第1条 「薬学に関する理論及び応用を教授し、医療、福祉、及び環境衛生の向上に寄与すると ともに社会と平和に貢献しうる有用な人材を養成することを目的とする」 を変更して、シラバス等に掲載されている教育目的 「臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とする」 と表現を統一することを求めたものである。 この指摘に対して、大学は 2017 年4月1日付で学則第1条を 「薬学を基盤とした学術的探究心と実践意欲を伴う思考力及び行動力、さらには多様性 に対応できる人間性を兼備した薬剤師の素養を身につける教育研究をとおして、医療、 福祉及び社会の発展に貢献しうる有用な人材を養成することを目的とする」 と改正し、教育理念と教育目的もそれぞれ改正し、学則と表現を統一した。 したがって、本機構の指摘に対する改善がなされたものと判断できる。 4 改善すべき点(2) (1)改善すべき点が指摘された『中項目』 3 医療人教育の基本的内容 (2)指摘事項 ヒューマニズム教育・医療倫理教育、コミュニケーション能力及びプレゼンテーショ ン能力を身につける教育において、目標達成度を評価するための指標を設定し、それ に基づいて適切に評価する必要がある。(3 医療人教育の基本的内容) (3)本評価時の状況 ヒューマニズム教育・医療倫理教育、コミュニケーション能力及びプレゼンテーシ ョン能力を身につける教育の学習方法において、これらの科目の目標達成度の評価に ついては、評価指標が設定されていない状況であった。 (4)本評価後の改善状況 2017 年度から「基礎演習」でルーブリックによる評価を導入した。また、2018 年度 から「実務事前実習」で評価表を導入し、授業開始時に学生に配布することで、学生 自身が各学習項目の修得段階を自己評価できるようにした。これらの評価手法をベー スに、「医療の担い手としてのこころ構え B」等、他の科目への展開を検討している。 (5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり) ・「基礎演習」評価ルーブリック(2017 年度) ・「実務事前実習評価表」(2018 年度版) 検討所見 改善すべき点2.は、ヒューマニズム教育・医療倫理教育、コミュニケーション能力及 びプレゼンテーション能力を身につける教育において、目標達成度を評価するための指標 を設定し、それに基づいて適切に評価することを求めた指摘である。 この指摘に対し、大学は改善報告書にあるように、2017 年度から「基礎演習」でルーブ リックによる評価を導入した。また、2018 年度から「実務事前実習」で評価表を導入し、 授業開始時に学生に配布することで、学生自身が各学習項目の修得段階を自己評価できる ようにした。 しかし、他の科目についてはこれらの評価手法をベースに展開を検討している段階であ る。また、これらの学習成果を総合した評価基準の設定には至っていない。 したがって、本機構の指摘に対する改善が十分になされたとは判断できない。今後、指 摘点を踏まえた改善を更に進めることが求められる。 5 改善すべき点(3) (1)改善すべき点が指摘された『中項目』 6 問題解決能力の醸成のための教育 (2)指摘事項 卒業論文を連名で作成しているケースが散見されるが、卒業論文の作成及び卒論発 表会は学生ごとに行う必要がある。(6. 問題解決能力の醸成のための教育) (3)本評価時の状況 3 年次後期~6 年次前期にかけて開講される「総合薬学研究」及び「総合薬学演習」 において、6 年次 6 月にポスター形式での卒業論文発表会を行っているが、同一の研究 テーマを複数の学生で共有している場合や、学生ごとに論文が作成されている場合に おいて、卒業研究発表会において連名でのポスター作成及び発表を認めている状況で あった。 (4)本評価後の改善状況 卒業論文の作成及び発表について共通の評価基準を設けることを検討した結果、「総 合薬学研究 A・B」については、大学全体で統一評価票を導入することを決定した(2016 年 7 月 20 日 教授会承認)。本評価票には「卒業論文および卒業論文発表」の項目にお いて、「自身の研究課題について、卒業論文をまとめ、発表できる。」という項目を設 けたことから、指摘を受けた直近の入学生(2015 年度入学生)から、卒業論文の作成 及び卒論発表を学生ごとに行うことを明確にした。 (5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり) ・2016 年 7 月教授会議事録 ・2016 年 7 月教授会(別紙 10):総合薬学研究評価票(2016 年度) ・「総合薬学研究 A・B」評価票 6 検討所見 改善すべき点3.は、評価時に連名で作成されている場合もあった卒業論文を学生ご とに作成し、研究発表会の発表も学生ごとに行うことを求めた指摘である。 これに対し、大学は卒業研究に関して大学全体で共通の評価基準を設けることを検討 する中で、「総合薬学研究A・B」の評価票の「卒業論文および卒業論文発表」に「自 身の研究課題について、卒業論文をまとめ、発表できる」という項目を導入することを 2016 年7月 20 日教授会で承認し、2015 年度入学生から、卒業論文の作成及び卒論発表 を学生ごとに行うこととした。 したがって、未実施ではあるが、本機構の指摘に対する改善が進められていると判断 できる。 7 改善すべき点(4) (1)改善すべき点が指摘された『中項目』 6 問題解決能力の醸成のための教育 (2)指摘事項 卒業研究の評価は、各分野・センターが独自に設定した評価項目を用いて行われて いるが、評価方法が学内で統一されることが必要である。(6. 問題解決能力の醸成の ための教育) (3)本評価時の状況 卒業研究の評価について、評価項目や観点等に関しては、各分野、センターが独自 に定めて所属学生に周知しており、「出席、レポート、セミナーの発表と質疑応答及び 6 年次での卒論作成、研究課題発表などから総合的に判定する」という評価方法であっ た。 (4)本評価後の改善状況 総合薬学研究の評価については、大学全体で統一評価票を導入することを決定した (2016 年 7 月 20 日 教授会承認)。評価票の導入は、改訂薬学教育モデル・コアカリキ ュラムに対応する 2015 年度カリキュラムからとし、2017 年度 3 年次生から統一評価票 による評価を行うこととしている。 (5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり) ・2016 年 7 月教授会議事録 ・2016 年 7 月教授会(別紙 10):総合薬学研究評価票(2016 年度) ・「総合薬学研究 A・B」評価票 検討所見 改善すべき点4.は、卒業研究の評価方法を学内で統一することを求めた指摘である。 これに対し、大学は 2016 年7月 20 日の教授会で、総合薬学研究(卒業研究)の評価に ついて統一評価票を導入することを決定し、2017 年度3年次生(2015 年度入学生)から統 一評価票による評価を行うこととした。 したがって、未実施ではあるが、本機構の指摘に対する改善が進められていると判断で きる。 8 改善すべき点(5) (1)改善すべき点が指摘された『中項目』 6 問題解決能力の醸成のための教育 (2)指摘事項 問題解決能力の醸成に向けた教育において目標達成度を評価するための指標を設定 し、それに基づいて適切に評価する必要がある。(6. 問題解決能力の醸成のための教育) (3)本評価時の状況 問題解決能力の醸成に向けた教育については、2012 年度入学生からの新カリキュラ ムでは、1 年次配当「基礎演習」、2 年次配当「医療の担い手としてのこころ構え B」、3 年次配当「医療の担い手としてのこころ構え C」、4 年次配当「実務事前実習」、3~4 年 次配当「総合薬学研究 A」及び 5~6 年次配当「総合薬学研究 B」が該当科目とされて いる。これらの科目について、評価基準が明示されていない状況であった。 (4)本評価後の改善状況 2017 年度から「基礎演習」でルーブリックによる評価を導入した。2016 年度 3 年次 生以降の「総合薬学研究 A・B」においては、評価表を導入して明確な評価基準を基に 評価を行うようにした。また、2018 年度から「実務事前実習」で評価表を導入し、授 業開始時に学生に配布することで、学生自身が各学習項目の修得段階を自己評価でき るようにした。これらの評価手法をベースに、「医療の担い手としてのこころ構え B」 等、他の科目への展開を検討している。 (5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり) ・「基礎演習」評価ルーブリック(2017 年度) ・「総合薬学研究 A・B」評価票 ・「実務事前実習評価表」(2018 年度版) 9 検討所見 改善すべき点5.は、問題解決能力の醸成に向けた教育において目標達成度を評価する ための指標を設定し、それに基づいて適切に評価することを求めた指摘である。 これに対し、大学は 2017 年度から「基礎演習」でルーブリックによる評価を、2016 年度 3年次生以降の「総合薬学研究A・B」で評価表による評価を導入している。 しかし、他の科目についてはこれらの評価手法をベースに展開を検討している段階であ る。また、これらの学習成果を総合した評価基準の設定には至っていない。 したがって、本機構の指摘に対する改善が十分になされたとは判断できない。今後、指 摘点を踏まえた改善を更に進めることが求められる。 10 改善すべき点(6) (1)改善すべき点が指摘された『中項目』 8 成績評価・進級・学士課程修了認定 (2)指摘事項 4 年次の実務実習事前学習に相当する「病院・薬局へ行く前に」について、実習の評 価結果に加えて薬学共用試験(OSCE)の合否に基づいて単位認定していることは適切 でないので、改善する必要がある。 (3)本評価時の状況 【基準8-1】の本評価時の状況は、4 年次の実務実習事前学習に相当する「病院・ 薬局へ行く前に」の単位認定の根拠となる成績評価について、「実務事前実習の単位は、 実習の評価と薬学共用試験(OSCE)の成績による。」とするものであった。 (4)本評価後の改善状況 本指摘の根拠となった 2014 年 10 月 29 日(水)・30 日(木)実施の訪問調査講評を受 けて、2014 年 11 月 12 日(水)開催の教務部委員会において本指摘事項について教務 部長が報告を行い、委員会での情報共有を行った。その後、教務部長と科目担当教員 が協議を行い、2015 年度から「4 年次の実務事前実習(旧科目名:病院・薬局へ行く 前に)の評価は、OSCE の成績を除外し、実習の評価のみに基づいて行う。」ことを決定 した。また、学生への周知を、2015 年度シラバスによって行うことも併せて決定した。 本対応については、2015 年 4 月 15 日開催の教授会で報告を行っている。 本指摘への対応については、平成 27 年度に但し書きへの対応として改善報告済みで ある。 (5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり) 省略 検討所見 改善すべき点6.は「但し書き」で指摘したもので、下記の改善がすでに完了している。 (平成28年10月) シラバス2015年度において、4年次の実務事前実習の評価は出席状況、実習態度、実習 試験(筆記試験)をもとに総合的に評価するとし、OSCEの成績を実務事前実習の成績 評価から除外した。 11 改善すべき点(7) (1)改善すべき点が指摘された『中項目』 13 自己点検・評価 (2)指摘事項 「京都薬科大学自己点検・評価運営委員会」が常置委員会となっていない。薬学教育 プログラムを恒常的に自己点検・評価する責任ある常設組織を構築し、PDCA サイクル を回してプログラムの向上に努める必要がある。(13. 自己点検・評価) (3)本評価時の状況 認証評価時(点検・評価年度)の 2 年間において「自己点検・評価運営委員会」が 設置されており、常設ではなかった。 (4)本評価後の改善状況 自己点検・評価運営委員会規定第 2 条第 1 項に「毎年」という文言を加え、自己点検・ 評価運営委員会を常設とした(2016 年 4 月)。また、評価基準に基づく自己点検・評価 を毎年実施し、PDCA サイクルに従い自己点検・評価ができるよう、学内イントラネッ ト構築を検討している。 (5)改善状況を示す根拠となる資料等(以下に記述した資料は別添のとおり) ・自己点検・評価運営委員会規程 検討所見 改善すべき点7.は、薬学教育プログラムを恒常的に自己点検・評価する責任ある常設 組織を構築し、PDCAサイクルを回してプログラムの向上に努めることを求めた指摘で ある。 これに対し、大学は 2016 年4月に自己点検・評価運営委員会規定第2条第1項に「毎年」 という文言を加え、自己点検・評価運営委員会を常設とした。 この取り組みは評価できるが、この委員会による自己点検・評価は評価のシステムを検 討している段階であり、PDCAサイクルを回して教育プログラムの向上に努める段階に は至っていない。 したがって、本機構の指摘に対する改善が十分になされたとは判断できない。今後、指 摘点を踏まえた改善を更に進めることが求められる。