薬学教育評価報告の結果と公表
各年度の「薬学教育(6年制)評価」結果報告書
各年度の改善報告の審議結果一覧(大学別)
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| 大学名 | 設置形態 | 所在地 | 評価基準 | 実施年度 | 判定 | 大学の自己点検評価 | 評価結果 | 評価後の対応 改善報告 その他 |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 大阪医科薬科大学 | 私 | 大阪府 | 第2期 |
2024年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
大阪医科薬科大学 総評 大阪医科薬科大学は、2021 年度に大阪医科大学と大阪薬科大学が統合することで設置され、薬学部薬学科の目的は、大学の理念「建学の精神及び学是(至誠仁術)に基づき、国際的視野に立った教育、研究或いは良質な医療の実践をとおして、人間性豊かで創造性に富み人類の福祉と文化の発展に貢献する医療人を育成する」及び、薬学教育モデル・コアカリキュラム平成 25 年度改訂版に示された「薬剤師として求められる基本的な資質」を踏まえて設定されている。また、それに合わせてディプロマ・ポリシー(DP)、カリキュラム・ポリシー(CP)、アドミッション・ポリシー(AP)が設定されている。
大学では、医学部・薬学部・看護学部を有することから、3学部合同で実施する多職種連携教育(Interprofessional Education、“IPE”)科目群を設定し、超高齢化が進む地域の特性や多職種が連携して行われる地域医療の実際を学ぶ機会などを提供し、また、初年次においては、グループに分かれてのローテーション形式で、医療現場におけるさまざまな技術、手技等について実習形式で学ぶ授業を必修化するなど、医系大学の特徴を活かした教育を展開している。さらに、語学教育は、1年次前期から4年次前期まで多様な学習方略を取り入れて必修科目としており、医療現場で活用できる語学力を身につける教育として優れている。 しかしながら、学修成果の評価の在り方等については、CPには具体的な記載はないのでそれを明確に示す必要がある。また、特に能動的な学習経験と質的評価が必要な「ヒューマニズム教育・医療倫理教育」、「コミュニケーション・プレゼンテーション教育」、「問題解決能力の醸成に向けた教育」などについて、編成を適正化し、関連した各科目の学習目標達成度の評価と、それらにおける学びが総合した学修成果の教育課程の進行に対応した評価をさらに進めていくとともに、その結果を教育課程の改善に活用していくことが求められる。 大阪医科薬科大学薬学部は、医系大学の特徴を活かし、様々な魅力的な教育を展開しているが、その効果を質的・量的の両面で十分に評価できる段階には至っていない。アセスメントプランの有効化に取り組むことで、学修成果の適正な評価と評価に基づくカリキュラムの改善がなされていくことを期待する。
大学への提言
大阪医科薬科大学 大学への提言1)長所
1. 大学の特色として医学部・薬学部・看護学部の3学部合同で実施する多職種連携教育(Interprofessional Education、“IPE”)に関わる科目群があり、超高齢化が進む地域の特性や多職種が連携して行われる地域医療の実際を学ぶなど、良い取り組みが行われている。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 第2外国語を必修化するなど語学教育は充実しており、1年次前期から4年次前期まで必修科目を多様な学習方略を取り入れて隙間なく配置して実施されている語学教育のカリキュラムは、医療現場で活用できる語学力を身につける教育として優れている。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 3. 1年次の「医療薬学導入学習」では、グループに分かれてのローテーション形式で、医療現場におけるさまざまな技術、手技等について実習において学んでおり、1年次生に対する薬学臨床の導入授業として良い取り組みである。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 2)助言 1. 教育課程の編成が、各科目における学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が想定された学習活動に整合したものになるように、CP及びアセスメントプランを修正することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. CPについての学生の認知度・理解度の調査は行われておらず、また、教職員への3ポリシーの周知についてもその機会が十分ではないので、学生・教職員が共に3ポリシーをよく理解して活動できるように、必要な調査や、ガイダンス・FD研修会を活用していくことが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. ホームページの「教育」から参照できる「薬学部 薬学科」に「内部質保証」のページを設け教育研究内部質保証評価会議の検証結果報告を掲載し公表しているが、薬学部の薬学教育の現状を全体にわたり内部質保証の観点から点検・評価した結果を公表したものになるように、例えば「教育年報」、「学生支援年報」を公開するなど、公開内容を再検討することが望ましい。(2.内部質保証) 4. 薬学教育評価機構からの指摘事項(第1期評価報告書「改善すべき点1」など)への対応で導入されたルーブリックを用いた評価などが、薬学科のアセスメントプランに反映されていないなど、大学独自に行う内部質保証としての点検・評価と第三者評価への対応に一部乖離が認められるので、大学が行う内部質保証活動が全体として機能するように改善に取り組むことが望まれる。(2.内部質保証) 5. 教養教育については、現時点でも、薬学部規程別表2により、卒業要件単位として4科目4単位以上の修得が必要と定められているだけであり、学生に多様な学びを提供するように単位数を増やすなど改善することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 現行のカリキュラムでは、1~3年次にかけて基礎・応用・医療薬学に関する事項を実習形式で学習する科目において、問題発見・解決能力の醸成を科目の目標として設定しておらず、4年次から卒業研究に該当する「特別演習・実習」においてのみ問題発見・解決能力の実習を通しての醸成が図られていることから、学生の段階的成長を促し、確認していく上で好ましくなく、改善することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 問題発見・問題解決能力の醸成のための教育について全面的に点検を行い、2024年度以降入学者用CPに整合する形でその適正化に努めるとともに、カリキュラムマップとカリキュラム・ツリーにその全体像をわかりやすく示すことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. 大学の教育研究上の目的の実現に向けて設定された3ポリシーを含む各方針に基づいて、より主体的な内部質保証活動に取り組み、教育課程及びその内容、方法の改善・向上が行われることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 9. 卒業研究の実施において、研究成果の医療や薬学における位置づけの考察がなされるよう指導を行っていないので、ガイダンスなどで指導することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. いくつかの科目での評価方法の妥当性、特に実習科目での「技能」の評価の方法・基準については適正ではないものもあるので、現状の評価の検証に基づいた適切な設定が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 11. 学位授与の方針に掲げる学修成果の到達度を、レーダーチャート形式で学生に示し、学修ポートフォリオに掲載する取り組みを始めているが、その元となる各授業科目のDP項目に対する寄与率の設定は十分な根拠に基づいてなされていないので、それらに関する検証を行った上で、2024年度以降入学生用DP及びCPに整合する形で、卒業認定基準の設定に取り組むことが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 12. 各授業科目のDP項目に対する寄与率、各科目で行われる各評価方法の成績評価への寄与率、各評価結果の絶対値としての妥当性などの十分な検証に基づいて、学修成果の評価は、2024年度以降入学生用CPに整合する形で、評価計画を設定して、なされることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 13. 「薬学部入試委員会等において、筆記試験の問題作成における工夫、提出書類の活用や面接の実施など様々な評価手法の検証を行い、本学部の一般選抜における「思考力・判断力・表現力」や「主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度」の適切な評価方法を検討する」と一般選抜の状況を自己点検・評価しているが、全ての入試形態について、学力の3要素を多面的・総合的に評価するように改善することが望まれる。(4.学生の受入れ) 14. 「医療人を目指す者としての資質・能力」の評価については十分になされていないので、全ての入学者選抜において何らかの評価を行うよう工夫することが望まれる。(4.学生の受入れ) 15. 専任教員1名あたりの学生数(S/T比)については、2015(平成27)年度は28.4名、2023年5月1日時点では22.3(1,850/83)名となっており、改善計画は策定されているが、望ましいとされている10名以内には達していないので、改善することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 16. 研究もしくは教育業績が乏しい教員が認められ、大学としていくつかの対応策を行ってはいるものの不十分であるので、さらに実効性のある対策が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 17. 健康診断受診率が100%になるようにさらなる取り組みが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. 2024年度改定される前のCPは、学修成果の評価の在り方等について、求める資質・能力それぞれに対応する形で、教育の内容・方法、評価の在り方を具体的に示しておらず、2024年度以降入学者用のCPにおいても、学習及び学修成果の評価の方法が列挙されているだけなので、CPに具体的な記載を行う、もしくはアセスメントプランにその内容とDPとの関係を明確に示すなどの改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学自己点検・評価委員会での検証活動は、大学のアセスメント・ポリシー及び薬学部のアセスメントプランに基づき、入学時、在学時、卒業時の各種データを課程レベルで解析して実施されているが、質的な解析が不足しているので、質的・量的両面での解析が必要である。(2.内部質保証) 3. 「ヒューマニズム・医療倫理教育」及び「コミュニケーション・プレゼンテーション教育」に関連する科目全体を見た場合、その設定や選択必修の区分、各科目の方略については、現時点でも不十分な点が見受けられる。特に、重要な科目が選択科目のままである点が問題であり、2024年度以降の入学生向けカリキュラムマップやカリキュラム・ツリーにも、その構築が示されていない。そのため、これらの編成について、新CPと整合性を持たせる形で改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 「ヒューマニズム教育・医療倫理教育」、「コミュニケーション・プレゼンテーション 教育」、「問題解決能力の醸成に向けた教育」に関連する科目では、教育課程の進行に 対応した評価方針が定められていない。学習目標達成度や総合的な学修成果の評価においては、学生による自己評価のみが行われ、教員による評価が実施されていないため、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. 学修成果の評価の適正化に取り組んだ上で、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用すべきである。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 金沢大学 | 国 | 石川県 | 第2期 |
2024年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
金沢大学 総評 金沢大学では、金沢大学<グローバル>スタンダード(KUGS)を踏まえ、人類の健康増進並びに医薬品等の創製と適正使用につながる先端的な基礎研究、応用研究、医療薬学研究の拠点として、健康な長寿社会の実現に貢献することを理念と定め、薬学関連の知識・技能・態度を修得した上で、人類が抱える健康や医療に関わる諸課題の解決に挑戦し、持続可能社会の実現に貢献できる、多様な専門性を身につけた薬学高度専門人材の養成を教育目標としている。
薬学類の教育課程は、KUGSに基づく共通教育科目、薬学教育モデル・コアカリキュラムに基づく導入的・基礎的科目、基礎薬学、応用薬学、医療薬学を中心とする科目、実務実習、卒業研究・卒業演習などが体系的・階層的に配置され、さらに大学独自の特徴的なカリキュラムを加えた編成となっている。早期から研究マインド、国際性、ティーチングスキルの醸成を目標として、1、2年次にラボローテーション、短期海外留学プログラム、クラスラーニングアドバイザーが設けられている。ディプロマ・ポリシーに掲げた5項目の学修成果について、『ディプロマ・ポリシーで掲げる「学生が身につけるべき資質・能力」醸成ルーブリック』を用いて、形成的・総括的に資質・能力の醸成を評価しようとしている。実務実習では、地元薬剤師会等と連携して独自の実務実習計画により実施している。アドバイザー教員による学生相談体制の他に、ハラスメント、障がい、就職に関する支援体制なども整備されている。施設・設備においては、自主学習のためのアカデミックプロムナードを設置するとともに、卒業研究の実施に適した環境を整備している。社会貢献・社会連携では、教員だけでなく、学生も地域住民の保健衛生の保持・向上に向けた取り組みを実施している。また、金沢大学の教員経験者や帰国後母国の大学で活躍している留学生等をコラボラティブ・プロフェッサーとして委嘱することにより、海外の高等教育機関との国際交流を推進している。 他方で、カリキュラム・マップがカリキュラム・ポリシーやディプロマ・ポリシーに対応していない、教育課程及びその内容、方法の適切性の検証が科目レベルに留まっている点などは、さらなる改善が求められる。シラバスには、担当教員名、概要、授業計画などの情報が記載されているが、フォーマットが統一されておらず、学習内容とSBOs(Specific Behavioral Objectives)との関連性も明示されていないため、学生の視点に立ったシラバスの作成が必要である。さらに、アドミッション・ポリシーとディプロマ・ポリシーの適切な表記、一般選抜入試への「学力の3要素」の評価の導入、6年制薬学教育プログラムの分析と活用などの改善が必要である。 地域医療の発展に貢献しつつ、海外の高等教育機関との国際交流を推進している金沢大学には、引き続き、多様な専門性を身につけた薬学高度専門人材の育成・輩出を期待する。
大学への提言
金沢大学 大学への提言1)長所
1. 「大学教員」や「薬学研究者」などの人材育成目標の実現に向け、研究マインドを醸成する低学年次のラボローテーションや、短期海外留学プログラム、学士課程と博士課程を合わせた「博士一貫プログラム」を設けている。短期海外留学プログラムにおいては、帰国後に1年生を対象とした報告会を開催するなど、海外派遣学生だけでなく在学生の国際性の醸成にもつなげている点は高く評価できる。 (3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 実務実習は、「実務実習に関するガイドライン」に準拠しつつ、学修効果を高めるために地元薬剤師会等と連携し、アカンサス薬局、金沢大学附属病院薬剤部、市中薬局、市中病院という独自の実務実習計画により実施していることは、ディプロマ・ポリシー到達目標達成の観点から高く評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 3. 研究室に併設される学生用の居室は廊下との仕切りがなく、学生数に応じてスペースの変更ができるようになっており、卒業研究の実施に適した環境が整備されている点は、高く評価できる。(7.施設・設備) 4. 自主学習のための場所として、図書館だけでなく講義室に隣接して『アカデミックプロムナード』と呼ばれる開放的なスペースが設置され、常時学生が利用できる点は、高く評価できる。(7.施設・設備) 5. 教員による各種公開講座だけでなく、学生による「地域薬局レジデント体験」や地域住民に対する薬の使い方等の説明会など、地域住民の保健衛生の保持・向上に向けた取り組みを実施している点は、高く評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 6. 大学コンソーシアム石川2023年度地域課題研究ゼミナール支援事業に採択され、石川県野々市市と連携して薬の多剤重複の解消やお薬手帳の活用を目的とした「くすりと健康プロジェクト」を実施している点は、高く評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 実習科目においては、いずれの科目も概略的なパフォーマンス評価に留まっているので、各実習(各実験)項目の技能(SBOsに掲げられている技能)に関して評価する指標(ルーブリックなど)を設定して評価することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 2. ルーブリックには到達レベルを評価できる基準を具体的に策定し、その基準に基づいた評価を実施するよう改善が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 3. 個別学力検査のボーダー層の志願者は主体性等が評価されているが、他の一般選抜の評価が基礎学力の評価のみで、学力の3要素が多面的・総合的に評価されているとはいえないため、改善が望ましい。(4.学生の受入れ) 4. 薬学類・高大院接続入試の募集定員は10名であるが、定員割れしているため、適切に入学者を選考できるよう改善が望まれる。(4.学生の受入れ) 5. 「実務実習Ⅱ」と「チーム医療実習」には専任教員が担当者に含まれていないため、適切に教員を配置するよう改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 6. 授業評価アンケートは、演習や実習を含めすべての授業を対象に実施するよう改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 7. 定期健康診断の受診率が5年次以外の学年においては100%になっていないため、全員が受診するよう改善を図ることが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. 教育研究上の目的、理念・人材育成目標、三つの方針は、年度始めのガイダンス等で周知されているが、ガイダンスが実施されていない学年があるため、各学年のガイダンス等で全学生に周知するように、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. カリキュラム・ポリシーに教育課程の編成、教育内容・方法、学修成果の評価の在り方が具体的に設定されているが、「学生の手引き」には改正されたカリキュラム・ポリシーが反映されていないため、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 入試区分ごとの評価される項目やその評価方法がアドミッション・ポリシーに明記されていないため、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 教育研究活動に関するデータを収集しているが、質的・量的な解析に基づく分析と活用が十分になされていないため、改善が必要である。(2.内部質保証) 5. シラバスには、担当教員名、開講年度学期、概要、授業計画、評価方法などの情報は記載されているが、授業概要とスケジュールの記載内容が統一されておらず、学習内容とSBOsとの関連性も明示されていないため、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. カリキュラム・ツリーとカリキュラム・マップが薬学教育モデル・コアカリキュラムに沿った形で作成されており、ディプロマ・ポリシーの到達に向けた科目の順次性が不明確、カリキュラム・ポリシーやディプロマ・ポリシーに対応していない、大学独自の科目が不明確といった問題点があるため、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 点検・検証・改善に必要なデータを収集されているが、教育課程及びその内容、方法の適切性の検証が科目レベルに留まっているため、多角的な分析に基づいて検証し、必要に応じて教育課程及びその内容、方法の改善・向上を図ることが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. シラバスの学習(学修)到達目標に記載されていない出席を評価基準に含めている科目、レポート未提出であると試験の得点から減点する科目、実習試験の割合が高い科目など、適切とはいえない評価基準を含んでいる科目があるため、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 現行の『ディプロマ・ポリシーで掲げる「学生が身につけるべき資質・能力」醸成ルーブリック』では3年次の学年末からのルーブリックになっており、1年次末から設定されていないため、形成的な評価を実施しにくく、1年次から教育課程の進行に対応した評価がなされていないため、学年進行に対応して評価するように改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 10. 『ディプロマ・ポリシーで掲げる「学生が身につけるべき資質・能力」醸成ルーブリック』に基づく評価が始まったばかりで、学修成果の評価結果が教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用されているとはいえないため、さらなる改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. 共通テスト及び個別学力検査の合計点から導き出された合格ボーダー層の受験者に対 し、調査書の主体性等評価を行い、共通テスト及び個別学力検査の合計点に加算して評価しているが、他の受験者との公平性が担保できないため、改善が必要である。(4.学生の受入れ) |
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| 慶應義塾大学 | 私 | 東京都 | 第2期 |
2024年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
慶應義塾大学 総評慶應義塾大学は福澤諭吉創業の精神を建学の理念とし、同大学薬学部薬学科はこの理念に従い、薬学教育と研究は勿論のこと、地域を含む社会貢献と国際交流に熱心に取り組んでいる。総合大学の強みを活かし、充実した教養教育と英語教育及び海外研修プログラムを提供していることは特筆に値する。「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)CP」に基づいた教育が適切に行われ、各科目の成績評価、進級判定、卒業認定等は公正かつ厳格に行われ、また履修指導も適切に行われている。研究環境も良く整備されており、学部学生や若手教員の研究へのモチベーションは高く、学内外で多くの共同研究が実施されている。同薬学科の目的に沿った卒前の人材育成のみならず、医療薬学・社会連携センターが中心となって、卒後の質の高い薬剤師育成に貢献している。
一方、教学マネジメントと内部質保証の観点からは、PDCAサイクルのPとDが熱心に実施されているものの、教育研究活動に対する質的・量的な分析が自主的に行われておらず、学修成果に基づいた教育プログラムの改善・向上は一部で認められるにとどまっている。特に、「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)DP」に記載された資質・能力の段階的かつ総合的な達成度評価は不十分であるので、現行の教育プログラムの適性が適切に検証されているとはいえない。また、DPとCPを踏まえて設定されるべき「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)AP」には、選抜の趣旨や求める人材像、多様な学生を評価できるような入学者選抜の在り方などが具体的に示されていないので、2022 年度に改訂された薬学教育モデル・コア・カリキュラム(以下、R4改訂コアカリ)に沿ったDPとCPに適切に整合したAPの作成が必要である。さらに、CPに記載された教育方法と学修成果の評価の在り方等が科目レベルの設定にとどまっているので、改善が必要である。 今後、教学マネジメントと内部質保証の観点からPDCAサイクルを主体的に回し、その成果を薬学教育プログラムに反映させることにより、さらに大学の強みを伸ばして発展することを期待する。
大学への提言
慶應義塾大学 大学への提言1)長所
1. 豊かな人間性の涵養を目指して、他学部の学生と一緒に幅広い教養を修得させ、他者理解力を醸成するために、多種多様な科目を多数用意し、自由に選択できる環境を整えている。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 1~6年次にかけての英語教育と低学年と高学年での海外研修が充実している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 医療系三学部合同教育では、医学部、看護医療学部及び薬学部薬学科の全学生が参加し、初期教育(1年次)、中期教育(4年次)、後期教育(6年次)はそれぞれ半日から1日かけて学部混合の少人数チームで、チーム医療と多職種連携について学んでいる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 薬学部サイエンスカフェでの交流が盛んで、専門領域横断的に共同研究に発展して研究成果につながっており、今後も成果が期待される。(5.教員組織・職員組織) 5. 薬剤師としての実務経験を有する専任教員が、常に新しい医療に対応するために研鑽できる体制が整備されている。(5.教員組織・職員組織) 6. 薬学部附属薬局は保険薬局と健康サポート薬局の機能を有している。薬局実務実習生を他大学生も含めて受入れ、教育施設としても機能している。薬学科生の「実務実習事前学習(実習)」における外来患者に対する服薬指導の実習にも附属薬局の投薬カウンターが活用されている。(7.施設・設備) 7. 薬学部の専任教員が、多くの団体や機関で役員や委員として活動しながら医療・薬学の発展に貢献している。(8.社会連携・社会貢献) 8. 医療薬学・社会連携センターを中心に生涯学習プログラム(公開講座と研修認定薬剤師制度)を提供して、薬剤師の資質や能力の向上に貢献している。(8.社会連携・社会貢献) 9. 薬学部附属薬局と体育研究所が協働して、地域住民向けの「健康づくり教室」を年7回開講し、教員による健康講話を実施している。薬学部附属薬局は、健康サポート薬局として、自動血圧計、検体測定室及び無菌製剤室を設置しており、無菌製剤室を近隣薬局に開放して共同利用している。(8.社会連携・社会貢献) 10. 海外協定校5校と連携し、充実した海外臨床研修プログラムを提供している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 薬学科の教育研究上の目的が現在の医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズを反映しているか、内部質保証の観点から自ら点検・検証していないので、改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 自己点検・評価委員会に外部委員や6年制課程の卒業生は含まれていないことを改善する計画であるので、速やかに実行されることが望まれる。(2.内部質保証) 3. 春学期後半(第2クオーター)に大学独自の教育内容を含む選択必修科目と選択科目が合計41科目(53単位)開講されているが、多くの学生は卒業に必要な9単位を低学年次に修得し、4年次と6年次に開講される科目の履修者が少ないので、改善が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 一般選抜と塾内進学制度において、学力の3要素が多面的・総合的に評価されていないので、改善が望まれる。(4.学生の受入れ) 5. 一般選抜と塾内進学制度において、医療人を目指す者としての資質・能力の評価が不十分であり、面接や小論文等を取り入れるなど、さらなる工夫や改善が望まれる。(4.学生の受入れ) 6. 専任教員1名に対する学生数は19.2名であり、10名を大きく超えているので、改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 7. 若手教員の育成と研究環境の整備という観点から、助教の教育負担を軽減することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 8. 修学支援に関わる面談記録等を含む必要な情報を、修学指導に関わる担当者間で適切に引き継ぐ仕組みがないので、学習ポートフォリオ等の導入が望まれる。(6.学生の支援) 9. 健康診断の受診率は高いものの、100%になるようにさらなる改善が望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーに示されている教育方法と学修成果の評価方法は科目レベルにとどまっており、ディプロマ・ポリシーの達成に向けて学修成果を教育課程の進行 に対応して総合的に評価する方法が記載されていないので、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学部薬学科のアドミッション・ポリシーは、入学者選抜に求められる学力の3要素のすべてを含んだ具体性のある表記になっていないので、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーを踏まえて設定されるべきアドミッション・ポリシーとしては不十分であり、多様な学生をどのように評価・選抜するのか具体的に示されていないので、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 教育研究上の目的や三つの方針について、薬学部が定期的かつ主体的な分析・点検・検証を行うよう、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. 自己点検・評価委員会が、「教育・研究年報」で講座等を点検・評価する際に指標となる明確な評価基準を定めて、自己点検・評価委員会や教授会が点検・評価を計画的に継続するよう、改善が必要である。(2.内部質保証) 6. 自己点検・評価委員会が中心となって、質的・量的な解析に基づく自己点検・評価を行い、内部質保証のPDCAサイクルを主体的に機能させて教育研究活動の向上・発展を目指すよう、改善が必要である。(2.内部質保証) 7. カリキュラム・マップはDP1とDP2についてのみ作成されており、シラバスでは個々の授業科目の「到達目標」にディプロマ・ポリシーが関連付けられていないので、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. 6年次の選択必修科目の履修の有無により、卒業研究の単位数が17単位から27単位まで変動する点は問題であるので、基礎とする卒業研究の科目を必修科目として単位数を固定化する等、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 9. 実務実習の評価に、薬局出欠(14点)と病院出欠(14点)が含まれていることは不適切であるので、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 一部の科目のシラバスにおいて、成績評価方法・基準の一部に「授業(演習・実習)への参加(20~60%と科目により異なる)」と記載されている。また、他の科目では、「授業(演習・実習)への参加態度(10~60%と科目により異なる)」と区別して記載されている。よって、「授業(演習・実習)への参加」は「出席点」ではないことが学生に明確に伝わる表記にするよう、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム3-2教育課程の実施) 11. 「未了単位取得試験(4年生)」と「再度試験」は、再度履修することなく、試験のみで単位を取得できる制度になっているので、講義や補講等を実施したうえで成績評価を行うよう、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 12. 「再度試験」により学業成績の評語Bを取得できることは問題であるので、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 13. 学生と教員の両者が達成度を確認できる学習ポートフォリオ等を活用して、学修成果の達成度を段階的にかつ卒業時に評価するよう、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 14. 学修成果の評価結果がカリキュラム・ポリシーの改善・向上に活用された事例はあるものの、DP4とDP5が卒業研究だけで評価されていたり、DP6とDP7が低学年で評価されていない等、教育課程の進行に対応したディプロマ・ポリシーの達成度評価が不十分であるので、学修成果の評価をさらに充実させ、その結果を教育プログラムの改善・向上に主体的に活用するよう、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 15. 入学者の資質・能力の評価は進級率の検証だけでは不十分であるので、選抜区分ごとに評価基準を設定して質的・量的分析を行い、試験科目も含めた選抜方法の適性を検証するよう、改善が必要である。(4.学生の受入れ) |
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評価報告書
総評
神戸学院大学 総評神戸学院大学薬学部は、建学の精神「真理愛好・個性尊重」すなわち「学びと知の探究を通じて、普遍的な学問体系の英知に触れる喜びを実感し、その過程で自己と他者の個性に気づき、互いの存在をこよなく尊重すること」に基づき、「自主的で個性豊かな良識ある社会人」の育成を目指す中で、教育研究上の目的を「医療人としての薬剤師に必要な知識及び技術を修得させ、社会の求める医療のニーズに応えうる問題解決能力を持った学士(薬学)の育成を行うとともに、高度の専門知識技能を持った薬剤師の養成を行う。」と定め、一貫性のある三つの方針を設定している。
三つの方針に基づく教育においては、特に学生の自主性を伸ばすための配慮が認められる。例えば、カリキュラムツリーとカリキュラムマップは、6年間の学修の参考になるよう、入学直後の学生にもわかりやすく書かれている。次に、先進的かつ挑戦的な事例として、学生自身の自己評価のためコンピテンシーアンケートを実施し、学年進行に伴う能力的な成長を学生自ら評価することによって、ディプロマ・ポリシー(DP)への到達度を確認できるように設定されている。さらに、汎用的技能を評価する取り組みにおいては、客観性が高い外部試験を導入し、学生の自己評価・改善に活用されている。自己点検・評価を教育研究運営組織レベルから、系部門・連携教育グループ(分野)レベル、ユニットレベル、及び教員(科目)レベルの四つのレベルに分類して実施することにより、迅速な問題抽出、可視化へ繋げている。 神戸学院大学薬学部は、学生が海外の薬剤師業務について、来訪した海外の薬剤師から直接学ぶ機会を提供し、多くの学生が受講している。さらに、若手教員の育成を図るためのセミナー、実務経験を有する専任教員が常に新しい医療に対応するための医療機関における研鑽体制並びに若手教員が海外の大学等に留学し研鑽を積む制度を提供し、いずれも成果を上げている。 改善すべき点としては、まず、自己点検・評価の結果の公表が十分に行われていない。また、教育研究上の目的及び三つの方針の妥当性についての検証は、定期的なスケジュールを定めておらず、自己点検・評価の結果が教育プログラムの改善に活かせていない。さらに、休学者と退学者、及び留年者が増加傾向にあることから入試制度見直し等の改善策を多角的に実施しているが、十分な改善には至っていない。以上のように薬学部薬学科の教育研究活動の点検・評価、改善・向上を計画的に継続していく必要がある。 懸念が示された点への対応によりさらなる発展が期待される。
大学への提言
神戸学院大学 大学への提言1)長所
1. 外部試験による学生の汎用的技能について全体的傾向を把握する取組みは、客観性が高いという点で学生の自己評価・改善に有用であると判断される。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 2. 薬学部の専任教員、助手(リサーチャー)、実験助手、実習助手を対象に、「ファカルティセミナー」と「知の創造セミナー」を定期的に開催し、この取り組みを通じて、次世代を担う教員の養成に努めている。(5.教員組織・職員組織) 3. 実務経験を有する専任教員が、常に新しい医療に対応するために医療機関において研鑽できる体制を整え、教員が学外で研鑽を行っている。(5.教員組織・職員組織) 4. 学生の食生活等の改善を目的とした『100円朝食』並びに『100円夕食』を提供していることは、高く評価される。(6.学生の支援) 5. 過去に大きな震災を経験した神戸の大学・薬学部として、消防局と連携した防災教育を行っている。(8.社会連携・社会貢献) 6. 若手教員が海外の大学等に留学し、研鑽を積む制度が創設されており、教員の研究レベルの向上や、国際交流の活性化に貢献している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. ディプロマ・ポリシーのうち、「医療人としての資質」「コミュニケーション能力と連携能力」「医療における課題対応能力」「薬学における探求能力」は卒業判定において評価されていないので、評価方略の検討が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーの見直しを実施する中で、年度途中に改定したポリシーを、その年度の入学生に遡及して適用したことは好ましくないので、今後は遡及して適用しないようにすることが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズの変化をアドミッション・ポリシーに反映させるために、卒業生や薬剤師などの外部委員等の意見を踏まえた検証を実施することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. カリキュラム・ポリシーに基づき科目間の関連性や順次性を考慮して授業科目を配置しているが、一部のSBOsについては対応できていないので改善することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 5. 「原著論文」「卒業研究Ⅰ」「卒業研究Ⅱ」の評価については、評価基準が明確ではないことから、教員間や分野間の評価の差が生じないよう、客観性を担保するための評価基準を設定することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. 1年次から3年次の実習・演習科目におけるパフォーマンス評価は、体系的とは言いがたいので改善することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 「卒業研究」での研究活動並びに卒業論文作成・発表において、学生が共同で実施した例が一組あったので、学生一人ひとりが独立して実施することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 公募制推薦入試、一般選抜入試、大学入学共通テスト利用入試では、アドミッション・ポリシーの5項目の内3項目について評価していない。さらに、医療人を目指す者としての資質・能力については、2025 年度入試より「総合型選抜型入試」を導入するなど改善に努めているが、すべての入試制度において評価できているわけではないので、今後適切に評価することが望まれる。(4.学生の受入れ) 9. 1年次の休学者・退学者・留年者の割合は、2021 年度より増加傾向にあるので、成績不振者のプレイスメントテスト及びアセスメントテストの結果を検証し、これに基づいた改善に取り組むことが望ましい。(4.学生の受入れ) 10. 専任教員1名あたりの学生数は、薬学教育評価機構の推奨値である10名以内には及んでいないので、改善することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 11. 研究発表をしていない教員がやや増加している傾向にあるので改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 12. 学生による授業評価や学生対象の各種アンケートの回答率が低く、アンケートの実施方法等の改善が望まれる。(6.学生の支援) 13. 定期健康診断の受診率は100%に達していないので改善が望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. 薬学部薬学科では教育研究上の目的及び三つの方針の妥当性についても自己点検・評価を行っているものの、その定期的なスケジュールを定めていないことは問題であるので、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 自己点検・評価の結果を教育プログラムにフィードバックして改善に活かすには至っていないので、薬学部内部質保証推進委員会の下、薬学部薬学科の教育研究活動の点検・評価、改善・向上を計画的に継続して改善する必要がある。(2.内部質保証) 3. 自己点検・評価の結果を、ホームページで公表できていないので、改善が必要である。(2.内部質保証) 4. 複数の評価項目を設定している薬学実務実習など一部の科目において、シラバスにそれぞれの評価の割合が明示されていない科目及び評価の説明が適切でない科目があるため、改善が必要である。 (3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 休学者と退学者、及び留年者を減少させる対策として、入試制度の見直しが必要であると認識し、改善策を多角的に実施しているが、十分な改善には至っていないので、今後も改善を継続することが必要である。(4.学生の受入れ) |
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評価報告書
総評
神戸薬科大学 総評神戸薬科大学は、1930(昭和5)年に設立された神戸女子薬学校をその母体とし、1949(昭和 24)年には神戸女子薬科大学となり、1994(平成6)年4月より男女共学制を導入し、大学名が神戸薬科大学と変更されて 2006(平成 18)年4月からは6年制薬学教育を実施している。
学生の利便性を最優先に考慮した教育設備を完備し、1年次から4年次まではクラス担任制により学生一人ひとりに手厚い対応を行い、質の高い薬学教育が実施されている。また、大学内に設置されたエクステンションセンターで薬剤師の生涯研修事業を行うだけでなく、2017(平成 29)年には神戸薬科大学地域連携サテライトセンターを竣工して市民向けセミナーも活発に実施しており、地域社会に対する薬学系大学としての多大なる貢献を続けている。 学長のリーダーシップの下で自己点検・評価が継続的に実施され、2022 年からは授業時間の変更を含む大幅なカリキュラム改定により教育のさらなる質の向上を目指している。2016(平成 28)年実施開始のカリキュラムとの並行進行でやりくりが大変なところであるが、成果が期待される。自己点検・評価は広範囲かつ詳細に行われており、フィードバックも行っているが、結果は学内での共有のみであり公表はされていない。内容の選択は必要であろうが、外部機関による評価結果と同様に公表する必要がある。学則に「高い教養と専門的能力を培うことによって、医療人としての使命感と倫理観を十分に理解し、高度な薬学の知識を身につけた薬剤師並びに教育・研究者を育成すること、さらに医療と薬事衛生の向上に貢献すること」を教育研究上の目的として定め、それに従って、「教育目標」「学位授与の方針」(DP、ディプロマ・ポリシー)「教育課程編成・実施の方針」(CP、カリキュラム・ポリシー)及び「入学者受入の方針」(AP、アドミッション・ポリシー)を定めて公表している。「学位授与の方針」は、教育目標と方向性は同じであるが、到達度を評価するためには具体性が不足しており、学生が理解したうえで学習していくためにも改善が必要である。また、「教育課程編成・実施の方針」は、評価の在り方の記載がないので加えることが必要である。入学者選抜として、学校推薦型選抜(指定校制、公募制)、一般選抜(共通テスト利用、前期、中期、後期)を行っており、学校推薦型選抜ではグループディスカッションによる思考力・判断力・表現力の評価も行っているものの、「入学者受入の方針」として定められているものを部分的に評価している選抜が多く、入学者の受入れに関する方針としては十分なものではない。2024 年度入試から導入した一般選抜(地域枠選抜)では学科試験に加えて面接を実施し、2025 年度からはプレゼンテーションを課す新規選抜方法を加えることを行ってきているので、さらなる改良が望まれる。 神戸薬科大学薬学部は、学長を中心に大学全体で効率的に薬学教育に取り組んでおり、この体制を維持して今後のさらなる発展を期待する。
大学への提言
神戸薬科大学 大学への提言1)長所
1. 学長のリーダーシップの下、自己点検・評価委員会が動き、カリキュラムの大幅な改善を自ら行ったことは評価出来る。(2.内部質保証) 2. 毎年1月に学長から教員に対して、研究業績による研究費の配分額を決定するための基礎資料提出を求め、提出された資料を基に、学長が配分を決定し、研究費配分を決めている。さらに、優れた共同研究を推進・支援するため、学長裁量経費による研究費の追加支援も行っている。(5.教員組織・職員組織) 3. 価格が50,000千円以上の大型・中型機器の購入に備えて毎年25,000千円を積み立て、購入を希望する複数の研究室で合議の上、要望書を研究設備等充実委員会に提出し、必要度及び優先順位を議論したうえで、大学運営会議で審議を行うシステムが構築されている。(7.施設・設備) 4. 2024年4月から使用開始された新教育棟は、学生の利便性ばかりでなく、効率的な教育を行うために最大限の配慮をもって設計・建築されており、今後の教育成果が期待される。(7.施設・設備) 5. 薬剤師を対象とした生涯教育研修プログラムの提供ばかりでなく、地域住民を対象としたセミナーをさまざまな内容で開催し、地域貢献に大きく寄与している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 医療関係者、企業などの他職種や、卒業生などを自己点検・評価委員会に加えて、より客観的な自己点検・評価を目指すことが望ましい。(2.内部質保証) 2. 2022年度から開始した、科目としての学修成果の評価結果を用いた改善・向上の取り組みとして、評価主体となる「ロジカル思考演習」における教育課程の改善が始められたところであり、まだ教育課程の編成の改善・向上に活用するには至っていないため、今後の運用方針の検討が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 3. 学力の3要素及び医療人を目指すものとしての資質・能力の評価は、入試全体としては含まれているが、各選抜方法においてはそれらの一部しか満たされていないので、すべての選抜方法での導入が望ましい。(4.学生の受入れ) 4. 専任教員1名あたりの学生数は、2023 年5月1日時点では教員数は 84 名(教授 31 名、准教授 17 名、講師 24 名、助教7名、助手5名)であるので、10 名以内とすることが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 5. 全学生を対象にした定期健康診断は、全員が受診することが望まれる。(6.学生の支援) 6. 防災避難訓練の参加者が少ないので学生の参加者を増やすことが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. 教育目標は、学外者が理解するには具体性に乏しいため、学外へのアンケートなどにより、学内では気づきにくい社会のニーズを積極的に取り入れて見直すとともに、ディプロマ・ポリシーに基づいた学修成果の到達度評価を容易にするために具体的なものに改変することが必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. ディプロマ・ポリシーが、学外者が理解するには具体性に乏しいため、学生が卒業までに修得を目指す学習成果を明確にするよう、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. カリキュラム・ポリシーに挙げた各項目の学修成果の評価の在り方について具体的に記載がされていないため改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. アドミッション・ポリシーには、評価・選抜に関する具体的な記載がないため、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. これまで実施してきている自己点検・評価の結果を文書化して、外部機関による評価結果と同様に公表していくことが必要である。(2.内部質保証) 6. 語学教育(英語)が必修科目として実施されているのが1~3年次までであるが、医療人としての活動に必要な英語力を有し、グローバル化に対応した国際感覚を身につけることをディプロマ・ポリシーとしてあげてあり、カリキュラム・ポリシーにも「国 際化に対応できる人材の養成を図るため、6年間を通じて英語を学べる環境を構築するとともに、医療、薬学に関わる英語科目を編成し、実施する」と記載されていることから、科目として全員が履修する形態の英語教育を高学年まで継続することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 「総合的に評価」を行う場合、シラバスに評価の基準の詳細まで記載することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. シラバスの成績評価に関する記載で、「平常点」の中に出席を含めている科目が散見されるので、授業態度などを評価するよう改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 実務実習(病院・薬局)の成績評価は、実習先の指導薬剤師の評価(35 点分)を加味しながら実習記録の内容を精査するなどして 65 点分を評価して合計 100 点満点で成績評価としているが、点数の内訳をシラバスに記載するよう改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 成績評価に対しての学生からの異議申立の仕組みは、科目担当者が窓口ではなく、学部として受け付けて対応するよう改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 11. 「留年年次の翌年次科目(1学年上の開講科目)のうち、再履修科目と時間割が重複しない講義科目に限り、5科目まで履修することができる」という規定は、科目の開講年次の規定と矛盾するので改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 12. 「留年年次科目の既修得科目を再履修することができ、評定が高い方を最終成績として認定する」というのは既修得科目の同時履修登録での成績の上書きであり公正・厳格なシステムとはいい難いので改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 13. 学生が身につけるべき資質・能力の評価を行うための体制は段階的に構築されているが、適切な評価基準を作成し、教育課程の進行に対応して評価を行えるように改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 新潟薬科大学 | 私 | 新潟県 | 第2期 |
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評価報告書
総評
新潟薬科大学 総評 新潟薬科大学薬学部薬学科は、大学の理念及び目的、並びに薬剤師養成教育に課せられた基本的な使命を受けて、教育研究上の目的を「「実学一体」の精神のもと、薬学に係る専門知識を習得し、医療人に適う倫理観と豊かな人間性をもち、問題解決能力と実践力を身に付け、医療の進展に資する研究心を有し、地域における人々の健康増進や公衆衛生の向上に貢献する薬剤師を育成することを目的とする。」と定め、三つの方針を設定している。内部質保証に関しては、教育研究活動に対する質的・量的な解析に基づいた自己点検・評価が実施されている。薬学教育カリキュラムは、教育課程の編成及び実施に関する方針に基づいて構築され、薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠し、大学独自に設定した授業科目を取り入れた特色ある教育課程を編成している。学修成果の評価では、2021 年度から毎年、学生による自己評価と各資質・能力の修得に関連する授業科目の成績平均値を用いた評価を実施するとともに、本評価法の検証作業を継続して、さらなる改善に取り組んでいる。学生の支援においては、手厚い修学支援が行われ、社会連携・社会貢献では、大学の理念・目的を踏まえて「新潟薬科大学社会連携・社会貢献に関する方針」を定め、社会のニーズを反映した社会連携・社会貢献に積極的に取り組んでいる。
一方、卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)に基づいた卒業認定が行われていない、「ディプロマ・ポリシー」に基づく総合的な学修成果の評価結果を学生にフィードバックできていない、現行の学修成果の評価方法は、教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)に記載されたものと異なっている、「成績表確認願い」の扱いについては学生に不利益になることが懸念される等の問題点が認められるため、内部質保証の組織的かつ計画的な実施について、今後の改善が求められる。また、これまで入学生の資質・能力の検証から入試改革が行われてきたが、留年率・退学率の改善は十分とは言えないので、引き続き検証とその結果に基づく入学者受け入れの改善・向上の取り組みを継続することが期待される。本評価結果が、新潟薬科大学薬学部薬学科における内部質保証に積極的に活かされ、薬学教育プログラムのさらなる改善と向上が図られることが期待される。
大学への提言
新潟薬科大学 大学への提言1)長所
1. 4年次の「多職種連携Ⅰ・Ⅱ」(選択科目)では、看護師や検査技師ら医療職を目指す学生が大学や学部の垣根を越えて協働・連携し、チームワークについて理解を深める機会が設けられている。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 大学独自に設定した授業科目として、薬学の専門領域を相互に関連づけることを意識した統合型科目群を1年次~6年次に配置し、薬物治療を体系的に学べるよう工夫している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 1年次~4年次の「社会貢献活動Ⅰ」では、学生が自らの専門分野を活かして地域社会や社会全体に貢献する方法を学び、3年次の選択科目「地域医療の実践」では在宅治療患者への訪問薬剤業務を体験することができるなど、早期から地域貢献や地域医療に係る体験型学習を取り入れている。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 臨床系実務家教員の研鑽については、新潟薬科大学薬学部臨床研修実施要項を作成し、臨床研修の関する協定を締結した病院や薬局を研修先として、複数の臨床系実務家教員が研修を行っている。(5.教員組織・職員組織) 5. 「新潟薬科大学薬学部薬用植物園」、「新潟薬科大学薬用植物園五頭分園」、「新潟薬科大学薬草・薬樹交流園」など、薬草園に係わる施設が充実し、一般公開やワークショップ、体験教室などの社会還元活動を実施している。(7.施設・設備) 6. 「地域連携推進室」、「産官学連携推進センター」、「教育連携推進センター」及び「高度薬剤師教育研究センター」設置するとともに、地元の自治体、教育機関、地域企業、県外機関と包括連携協定を締結し、社会ニーズを反映した社会連携・社会貢献活動を積極的に実施している。(8.社会連携・社会貢献) |
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| 姫路獨協大学 | 私 | 兵庫県 | 第2期 |
2024年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
姫路獨協大学 総評 姫路獨協大学薬学部では、教育研究上の目的に基づいて三つの方針が策定されている。例えば、ディプロマ・ポリシーでは、卒業までに学生が身につけるべき資質・能力として、薬剤師としての使命等の8項目を設定している。また、自己点検のPDCAサイクルを機能的に推進するため、教授会、FD委員会(FD:Faculty Development)、そして構成員に学外委員及び卒業生が含まれる自己点検・評価委員会の三つの組織を薬学部に常置している。教育カリキュラムに関しては、学生参加型の自己研鑽・参加型学習科目として、2年次以降にPBL(Problem Based Learning)形式の統合演習科目を数多く配置するなど、カリキュラム・ポリシーに基づいて、教育課程が適切に編成されている。また、薬学教育支援室を設置するなど、学生に対する細やかな履修指導や学修支援も行われている。薬学部あるいは薬学部の教員は、兵庫県の薬剤師会や病院薬剤師会などとの密接な連携を図り、医療・薬学の発展、薬剤師の資質・能力の向上、及び地域の保健衛生の保持・向上に貢献している。また、地元の酒造会社との産学協同研究も行っている。これらの取り組みについては評価できる。しかしながら、カリキュラム・ポリシーに関しては、教育課程全般の教育内容や方法、具体的な学修成果の評価の在り方、各項目における学修の質を重視した評価方法が記載されていないため、ディプロマ・ポリシーとの一貫性や整合性が明確ではない。一方、内部質保証に関しては、全学組織との連絡・連携体制は確立されているが、学習ポートフォリオ等を活用した学習達成度、ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果の達成度等、教育研
究活動に対する質的・量的な解析に基づいた自己点検・評価を実施する必要がある。また、学生の学修成果の達成度を網羅的かつ経年的に評価するシステムを構築する必要もある。これらの問題点ついては改善が求められる。姫路獨協大学薬学部が、今後、内部質保証や学生一人ひとりの学修成果の評価等に関する本評価の指摘事項に対する対応を検討し、薬学教育プログラムの改善とさらなる向上に 努めることを期待する。
大学への提言
姫路獨協大学 大学への提言 1)長所
1. 姫路市ゆかりの草花から単離した酵母を用いて日本酒を開発するなど、地元の酒造会社との産学協同研究を活発に行っていることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 「履修の手引」が大学全体で一つの冊子となっているため、利便性の観点からは、学部別の冊子とすることが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 就職状況の調査、卒業時学生アンケート、及び就職先の企業アンケートの結果を教育課程の編成や実施の改善・向上に活用する体制を確立することが望ましい。 (3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 3. 教授、准教授・講師と比較して助教の割合が少ないので、教育研究上の目的に沿った教育研究活動の継続の観点からは、助教の割合を増やすことが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 4. 緊急性の高い事案への対応が遅れるなどの懸念があるので、教育研究業務の円滑な実施のためには、薬学部にも事務組織を整備することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 5. 学生が安全かつ安心して学習に専念できるように、実験室等での事故・災害の発生時や被害防止のためのマニュアルを整備すると共に、防火・防災訓練の学生への周知方法を定めることが望ましい。(6.学生の支援) 6. 健康診断の受診率が 100%になるように、さらなる改善が望まれる。(6.学生の支援) 7. セミナー等に使用できる教室やゼミ室が薬学部棟に整備されていないので、その整備 が望まれる。(7.施設・設備) 8. ホームページ上に英文サイトが設けられているが、発信されている情報量は十分ではない。世界への情報発信のためには、ホームページの英文サイトを拡充することが望まれる。(8.社会連携・社会貢献) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーとして必要な教育課程全般の教育内容や方法、学修成果の評価の在り方などが具体的に記載されていないので、それらを記載する必要がある。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. カリキュラム・ポリシーの8項目のそれぞれにおいて、学修の質を重視した評価方法を設定し、具体的に記載する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 全学での自己点検・評価においては、薬学部が独自の基準を設定する必要がある。(2.内部質保証) 4. 学習ポートフォリオ等を活用した学習達成度、ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果の達成度、在籍及び卒業状況の入学年次別分析等、教育研究活動に対する質的・量的な解析に基づいた自己点検・評価を行う必要がある。(2.内部質保証) 5. 教育課程及びその内容や方法の適切性に関する検証が十分に行われていないので、十分な検証を行うと共に、その結果に基づいた改善・向上を図る必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 再試験の評価が「可」もしくは「不可」であるため、稀ではあるが、再試験で合格となった学生の評価点が 60 点を超えることがある。定期試験で合格した学生に対して不公平な制度となっているため、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 成績評価の異議申し立てについては、透明性を確保するためにも事務部(教務課等)を介して照会する制度とする必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 卒業認定の際の学生が身につけるべき資質・能力の到達度の総合的な評価については、より適切な評価指標を策定し、その指標に基づいた評価の実施が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. ディプロマ・ポリシーを満たす学生を輩出するためには、大学の教学マネジメントの方針に従い、学生の学修成果の到達度を網羅的かつ経年的に評価する指標や方法を定め、学生一人ひとりの学修成果や成長度を総合的に把握・評価するシステムを確立し、その評価結果を教育課程の編成や実施方法の改善に活用する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 星薬科大学 | 私 | 東京都 | 第2期 |
2024年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
星薬科大学 総評 星薬科大学は、薬学部に6年制の薬学科と4年制の創薬科学科を併設し、建学の精神「本学は、薬学を通じて、世界に奉仕する人材育成の揺籃である」の下、教育研究上の目的を「薬学に関する学理及び応用を教授、研究し人格の陶冶を図り、医療、福祉及び環境衛生の向上に寄与するとともに、文化の創造と発展に貢献すること」と定めている。薬剤師を養成するための薬学部薬学科における教育研究上の目的は、薬剤師養成教育に課せられた基本的な使命を踏まえて設定しており、学則にも「臨床の現場において高い倫理観と高度な専門性を発揮できる薬剤師の養成を目指すものとする」と規定し、それに基づいた「ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)」、「カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施
の方針)」、「アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)」を制定している。これらは、医療を取り巻く環境、薬剤師に対する社会のニーズを反映したものとなっている。しかし、カリキュラム・ポリシーには、教育課程における教育内容・方法、学修成果の評価の在り方等が具体的に設定されておらず改善する必要がある。内部質保証については、改善計画の策定と実行、検証及び改善の提言を経て、再び改善計画の検討を行うサイクルとなっており、自己点検・評価が組織的に行われている。教育課程の編成では、ディプロマ・ポリシーと授業科目との関係性を「ディプロマ・ポリシー対応表」によって示しており、ディプロマ・ポリシーの浸透を図っている。また、多くの独自科目を配置していることは評価できる。学修成果の評価については、新たに設定されたアセスメント・ポリシーに基づき、指導教員と学生とが面談を通して、ディプロマ・ポリシーの達成度をルーブリック評価表で評価している。しかしながら、学修成果の達成度を年次進行に伴って総合的に評価するためには、より詳細なルーブリックを作成する必要がある。また、アセスメント・ポリシーは策定されたばかりなので、適切なものであるか を検証していくことが望まれる。学生支援において、24 時間の電話相談サービス「星薬科大学こころとからだの相談ダイヤル」を運用し、電話、もしくはインターネットで 24 時間、健康相談やメンタルヘルスのカウンセリング、法律に関する相談ができるようにしている点は優れた取り組みとして高く評価できる。また、多くの大学・医療機関との連携や地域住人を対象とした講演会・薬草見学会等の社会貢献にも努めている。本評価の結果を生かして、星薬科大学における薬学教育プログラムが今後、さらに充実することを期待したい。
大学への提言
星薬科大学 大学への提言1)長所
1. 5、6時年次に、アドバンスト・コースとして、問題解決能力の醸成に重きを置いた多くの独自科目を選択科目として設置していることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. すべての実務家教員に対して実務研修を義務付ける規程が整備されており、実務家教員全員が、病院及び保険薬局で週1回程度の研修を継続しており、実務に関わる臨床体験を通じて、知識・技能等の向上に努めている。(5.教員組織・職員組織) 3. 電話、もしくはインターネットで 24時間、健康相談やメンタルヘルスのカウンセリング、法律に関する相談ができるようにしている。(6.学生の支援) 4. 学内における様々な悩みや相談を受け付ける最初の窓口として「学生支援窓口」を学生支援部に設置し、ヘルスケア、メンタルケア、生活、修学等の日常的な学生や指導教員からの相談について、適切な対応部署の紹介等を行っている。(6.学生の支援) 5. 「公益社団法人薬剤師認定制度認証機構(CPC)」により認証された生涯研修認定制度の実施機関として各種研修プログラムを実施しており、生涯学習を通じて自己研鑽に努める薬剤師を支援している。(8.社会連携・社会貢献) 6. 東京慈恵会医科大学、昭和大学及び上智大学と大学院連携がんチーム医療ワークショップを毎年開催しており、がん医療分野において活躍する人材の育成も行っている。(8.社会連携・社会貢献) 7. 薬用植物園は、年2回の薬草見学会の他にも随時見学を受け入れるなど、地域交流の場として貢献している。(8.社会連携・社会貢献) 8. 「留学生を囲む会」や留学生によるプレゼンテーションを開催するほか、学生の留学体験レポートをホームページ上の「国際交流」のページに「星薬生の体験レポート」として掲載するなど、国際交流を進めていることは評価できる。(8.社会連携・社貢献) 2)助言 1. 大学評価委員会のメンバーは全員が学内の教職員であるため、外部の有識者や6年制課程の卒業生が含まれることが望ましい。(2.内部質保証) 2. アドバンスト・コースの科目は、シラバス上では独自科目であることが不明確なので、シラバスに明記することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. アセスメント・ポリシーは策定されたばかりなので、適切なものであるかを検証していくことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 4. 一般選抜はマークシートで実施しており、調査書を評価に加えているものの、学力の3要素を適切に評価できているとはいいがたいので、それらを適切に評価できる選抜方法にすることが望ましい。(4.学生の受入れ) 5. 専任教員1名あたりの学生数は20.8名と 10名以内にはなっていないばかりでなく、第1期薬学教育評価時の18.5名から更に悪化しており、専任教員の増員が望まれる。 (5.教員組織・職員組織) 6. 教員(教授~講師)の週当たりの授業担当時間は、教授は約4.25~10.90時間、准教授は約4.20~10.07時間、講師は1.40〜10.72時間となっており、いずれの職位においても教員間の格差を是正することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 7. ほとんどの学生が健康診断を受診しているが、受診率が100%になるように、さらなる改善が望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシー(教育課程編成・実施の方針)には、教育課程における教育内容・方法、学修成果の評価の在り方等を具体的に設定する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)は、多様な学生をどのように評価・選抜するか等が具体的に設定されていないので、具体的に示す必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 自己点検・評価の評価項目には、教育研究上の目的や三つの方針に沿った項目など、星薬科大学独自の観点を評価に加えるように改善する必要がある。(2.内部質保証) 4. 単位を修得済みの科目を留年生に限定して再受講させ、前年度の成績を上回った場合のみに成績評価を上書きすることは、公正な成績評価とはいえないので、留年生に対する再受講に関する規定について改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-2教育課程の実施) 5. 「DP対応ルーブリック」は、ディプロマ・ポリシーに掲げた各項目の到達目標を5段階で評価しているにすぎず、年次進行に伴った総合的な達成度を評価するためには、各ディプロマ・ポリシーの構成要素を細分化して評価できるようにするなど、より詳細なルーブリックを作成する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 6. 大学設置基準によって、大学全体の必要教員数は60名であり、教授数は原則として31名以上とすることが求められているが、教授数についてはその数を満たせていないので、改善する必要がある。(5.教員組織・職員組織) |
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| 北海道医療大学 | 私 | 北海道 | 第2期 |
2024年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
北海道医療大学 総評 北海道医療大学薬学部薬学科は、「幅広く深い教養に基づく豊かな人間性と高度で正確な専門知識・技術を有し、保健・医療・福祉を中心とする多様な分野と連携・協調して行動し、地域社会や国際社会で活躍できる専門職業人の養成」を教育目的として、三つの方針を策定し、6年制薬学教育を実施している。
卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー、以下DP)では、卒業までに身につけるべき「五つの資質」が設定されている。「五つの資質」を修得するために教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー、以下CP)が設定されており、その方針に沿って、薬学教育カリキュラムが構築されている。2024 年度より、「ディプロマ・ポリシー到達度可視化システム」が導入され、卒業判定の資料として試行的に利用されている。 学部教育の自己点検・評価に関するPDCAサイクルとしては、「薬学部点検・評価委員会」が中心となり、学部長、教授会、各種委員会が連携して評価、改善するシステムが構築されている。 教育課程は、DP並びにCPに基づき、教育プログラムが体系的かつ順次性をもって構築されている。カリキュラムの順次性についてはカリキュラムマップとして、DPの5項目と科目群との関係性についてはカリキュラムツリーとして提示されており、CPに基づいた教育がおおむね適正に行われている。学習環境としては適切に整備されている。特徴的な事項として、全学部の学生を対象とした「多職種連携入門」「全学地域包括ケア実践演習」のような学部横断型の科目を配置し、他学部の学生と共に多職種連携の基礎を学ぶことができることは評価できる。これら科目については、受講者数がさらに増加することが期待される。 学生からの意見収集に関しては、低学年においては学生担任が、4年次以降は指導教員があたっており、またSCP(Student Campus President:学生キャンパス副学長)制度が2008(平成20)年より設けられ、学生の意見を集約して学習環境向上等の改善に取り組んでいる。さらに、入学後の修学を支援するために、スクーリング事業をはじめ、入学前教育に力を入れている。 地域連携・社会貢献に関しては、地域包括ケアセンター(あいの里キャンパス)を開設し、研修及び公開講座、地域住民の健康増進、在宅医療の推進、多職種連携などが図られている。 しかしながら、内部質保証については、現段階では教育研究活動に対する質的・量的な解析に基づいた改善が組織的、自主的に行われているとはいえず、6年間の総合的な学修成果の評価についても、学生が身につけるべき資質・能力が、教育課程の進行に対応して評価されているとはいえない。また、前回の受審時に指摘された入試に関する事項への対応がなされていないことや、未だ国家試験合格率の向上に重きをおいた教育から脱却したとはいえないなどの課題もある。これらの点については、さらなる改善が求められる。 北海道医療大学薬学部は、地域密着型の実践的な薬剤師養成を行っている。一方で、改善が望まれるいくつかの点を助言として指摘した。これらの点について適切に対応することによって、6年制薬学教育プログラムをさらに充実させることが期待される。
大学への提言
北海道医療大学 大学への提言1)長所
1. 成績に関わらず、より専門的な内容の科目をアドバンスト科目として4年次と6年次に設定し、学生の「高度専門知識を学びたい」といった要望に対応していることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 学生が北海道医療大学附属の病院で診察を受けた場合、診療費の保険給付内の自己負担に関して、後援会による全額補助を行う制度が設けられていることは評価できる。(6.学生の支援) 3. 少人数で実施する参加型学習のSGD及びPBL教育に活用している教室(小ゼミ室及び中ゼミ室)が学生定員に対して十分に確保され、それらが自習スペースとしても利用でき、さらに学内の様々な所に自習できるスペースが整備されていることは評価できる。(7.施設・設備) 4. 地域包括ケアセンター(あいの里キャンパス)を開設し、さらに当別町をはじめとして近隣の滝川市などと包括連携協定を締結して、地域社会や関連機関などを対象とした研修及び公開講座の実施、地域住民の健康増進や交流促進、在宅医療の推進、多職種連携などを図っていっていることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 教育研究上の目的などに反映させるために、学部として組織的に社会のニーズなどを把握する取り組みをすることが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 問題発見・解決能力の醸成のための教育としては、主に学内で行われる実習と、「総合薬学研究」が充てられているが、他には用意されておらず、さらなる充実が望まれる。 (3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 進級率が高いとはいえない状況が続いていることから、入学生の学力確認、入学前教育や入学後の補充教育の充実、カリキュラムの見直しなど、さらなる努力が望まれる。 (3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 志望理由書・活動報告書の提出や面接の実施を行わない一般選抜と共通テスト利用選抜では、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」や「医療人を目指す者としての資質・能力」の評価が不十分であり、これらの評価方法の導入が望まれる。(4.学生の受入れ) 5. 前回の評価においても指摘されているが、高校での理科の履修については化学が必須ではなく、入学試験でも「化学」は理科科目の選択の一つであることは、低学年次の留年、退学を生む一因となっている可能性があるため、入試科目の見直しが望まれる。(4.学生の受入れ) 6. 教員1名あたりの学生数は15.5名となっており、薬学教育評価基準で求められている10名以内には達しておらず、さらなる充実が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 7. 各教員の研究業績は薬学部のホームページを通して公表されているが、教育業績については教員の自己評価を通じて学部長のみが閲覧できる状態になっており、公表されてはいないので、適切な対応が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 8. 「学生委員会」が実施している学生生活全般に関するアンケート調査について、薬学部では4年生以下の回収率が非常に悪く、全体的にも他学部と比べて低くなっている。また、年一回だけの調査であり、学生の意見を教育や学生生活に反映するための体制の整備としては不十分と思われる。アンケート調査の実施方法の改善や全学年の回答率を向上させる取り組みが望まれる。(6.学生の支援) 9. 健康診断の受診率は高いものの、医療人養成機関であることを鑑みると100%受診が望ましく、さらに学生通則第9条に「学生は、学校保健法により、毎年大学で実施する健康診断を受けなければならない」とされていることからも、受診率100%の達成が望まれる。(6.学生の支援) 10. 薬学部棟の冬期暖房設備の運転時間が平日17時までと制限され、また土日・祝日には稼働しないため、配属学生の研究活動に支障を来すことがないよう、特に平日の方は、さらなる充実が望まれる。(7.施設・設備) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーの新旧ともに6年間の学習についての展開の流れは見えるものの具体的な教育内容と方略との関係性についての記載は見当たらず、評価方法についても具体性に欠けているので改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 教育研究活動に対する質的・量的な解析に基づいた改善が組織的、自主的に行われているとはいえず、改善が必要である。(2.内部質保証) 3. 2016(平成28)年度に受審した薬学教育評価で指摘された改善すべき点・助言に対して、2021年の『「Ⅳ.大学への提言」に対する改善報告についての審議結果』で改善不十分と指摘された6項目及びさらなる改善を期待された2項目については、「教員の研究業績を点検・評価する体制の整備」を除いて、明確な対応が認められないため、改善が必要である。(2.内部質保証) 4. 留年生が前年度合格した科目の講義を再び履修して試験を受験し、前年度より高い評価を得た場合はその科目の最終評価とする再履修制度が設けられているのは、既修得科目の同時履修登録での成績の上書きを行うことになるので改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 卒業延期となった学生に対して、4~6月に開催される予備校講師(一部大学教員)による「特別講義」が実施されているのみであり、卒業判定も「薬学総合演習」の未修得科目再試験の結果のみで行われていることは、学部教育としては不十分であるといわざるを得ず、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. ディプロマ・ポリシー到達度可視化システムが導入されたが、現在は試行段階のため、学生が身につけるべき資質・能力が、教育課程の進行に対応して評価されているとはいえず、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 7. 学修成果の評価が実施されていないため、評価の結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用されているとはいえず、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 8. プレイスメントテストを含め、種々の状況把握は転学科を含めた学生個人に対する個別対応には役立っているものの、入学者受入れの改善・向上等に十分に活かされておらず、さらなる改革が必要である。(4.学生の受入れ) 9. 研究室への学生の配属は4年次4月に行われるものの、6年制開始後も薬学部棟の研究室スペースの増設などが行われておらず、4年生が研究室配属後に活用できる場所が限られているので改善が必要である。(7.施設・設備) |
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| 武庫川女子大学 | 私 | 兵庫県 | 第2期 |
2024年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
武庫川女子大学 総評 武庫川女子大学は、教育目標に「常に真理を追い求める、優れた知性」、「感性豊かな、潤いのある心」、「人を思いやり、人のために尽くす精神」の三つを有して社会に貢献できる女性の育成をかかげ、これを基に薬学部薬学科は「薬剤師として高度な臨床能力と実践力を有し、医療人としての使命感を持ち、病院・薬局などの医療機関をはじめ、薬の専門家としてあらゆる場面で活躍できる有為な女性を養成すること」を教育研究上の目的として定め、「卒業認定・学位授与の方針」、「教育課程編成・実施の方針」、「入学者受入れの方針」を制定し、6年制薬学教育を行っている。評価項目の「学生の受入れ」、「施設・設備」、「社会連携・社会貢献」は基準に適合している。学生の受入れに関しては、2024 年度入学生から入学定員が大幅に削減され、入学定員充足率が改善した。また、講義形式の必修科目は講義ビデオとして収録され、学生の学習支援に活用されていること、また、クラス担任制度により学生と教員の緊密な連携がとられ、学習環境や学生生活が円滑に行われるよう十分に配慮されていることは、武庫川女
子大学薬学部の優れている点といえる。しかしながら、内部質保証体制に関して、薬学部自己評価委員会が十分に機能しているとはいい難い。第1期で改善すべき点として指摘された「総合的な目標達成度」に関する複数の事項は、3年後の改善報告でも改善されていない。さらに、それに関係する今回の評価項目「学修成果の評価」においても十分な検討がされていない。また、カリキュラムに関する指摘についても一部が改善されないまま、薬学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版)に基づく新カリキュラムが 2024 年度から開始されている。「総合的な目標達成度」や「学修成果の評価」は、カリキュラムを設定するうえで重要な指標になるものであり、これらの意義を十分理解することは医療人の育成に資する薬学教育カリキュラムの構築に不可欠である。薬学部自己評価委員会は、薬学教育プログラム全体が適切に実施されているかを客観的に点検・評価する重要な組織であることを再認識する必要がある。 今後、改善された入学定員充足率を維持し、内部質保証体制を整えて自主的に薬学教育プログラムを自己点検・評価して、より質の高い教育をめざすことを期待する。
大学への提言
武庫川女子大学 大学への提言 1)長所
1. 低学年の多くの科目において習熟度別授業を行い、薬学専門科目の理解に必要な基礎学力を修得できるようにしていることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム3-1教育課程の編成) 2. 講義形式の必修科目は講義ビデオとして収録され、学生が自由にアクセスでき、復習ツールとして活用することができる学習支援が行われていることは評価できる。 (3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 3. 実務家教員7名が臨床薬学教育センターに所属し、そのうち6名が毎週金曜日に臨床現場で研鑽しており、薬学科として積極的に常に新しい医療に対応することに取り組んでいることは評価できる。(5.教員組織・職員組織) 4. 複数の給付型奨学金制度など大学独自の奨学金制度を設け、経済的学生支援が充実していることは評価できる。(6.学生の支援) 5. ボランティア活動を奨励し、単位化制度の設置など自主性と社会性を涵養する環境を提供していることは評価できる。(6.学生の支援) 2)助言 1. ディプロマ・ポリシーは、「知識・理解」「技能・表現」「思考・判断/態度・志向性」からなる三つの属性と、九つからなる資質・能力に整合性がないものがあるので、改善することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. カリキュラム・ポリシーに記載されている教育方法は、カリキュラム・ポリシー全体でまとめて設定されているので、カリキュラム・ポリシーに設定されている項目別に具体的に設定することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. カリキュラム・ポリシーに記載されている学修成果の評価の在り方は、2科目を用いた総括的評価のみが記載されており不十分であるので、科目レベル及びプログラムレベルの学修成果の評価の在り方をそれぞれ具体的に設定することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 自己評価委員会のメンバーは、外部委員がいるものの大半が学部運営に関係している学部運営会議のメンバーによって構成されているので、学部運営会議メンバー以外の委員もさらに加えて、客観的な視点から自己点検・評価を行うことが望まれる。(2.内部質保証) 5. 学部の自己点検・評価に重要な役割を担う薬学部教務委員会や薬学部自己評価委員会では、委員会活動報告書を作成していないので、改善することが望まれる。(2.内部質保証) 6. アセスメントポリシー等で質的・量的な解析をすべき項目を明確にして、自己点検・評価を行うことが望まれる。(2.内部質保証) 7. 5年次「卒業研究Ⅱ」(2単位)は実務実習期間外に合計30コマ実施しているとのことであるが、実際は授業時間以外にも多くの時間が「卒業研究Ⅱ」にあてられているので、「卒業研究Ⅱ」の単位数を実態にあわせるように改善が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. 人の行動と心理に関する教育及び薬剤師としての使命感を身につけるための教育の到達目標を達成するためには、アクティブラーニングの時間数を増やすことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 卒業研究の配属決定に関して、累積GPA2.30 未満の学生の研究内容を調査研究に限定する指導は、国家試験の合格率の向上のためと考えられ、卒業研究の目的にひずみを与えかねないので、学生の希望により実験研究か調査研究を選択できるように改善することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 現在行われているパフォーマンス評価は卒業研究及び実務実習事前学習に対するものであり、基準で求めている学生の資質・能力の向上に資する学習・教授・評価方法の開発としては不十分な状況であるので、学生の資質・能力の向上に資する学習方法並びに教授方法についても開発していくことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 11. 併設附属高校からの推薦入試、公募制推薦入試、指定校推薦入試及び MUKOJO 未来教育総合型選抜では学力の3要素が評価されているが、一般選抜及び大学入学共通テスト利用型入試では学科試験のみで「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」や医療人を目指す者としての資質・能力が評価されていないので、適切に評価することが望まれる。(4.学生の受入れ) 12. 入学者の知識・技能についての検証は行われているが、思考力・判断力・表現力等の能力や主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度については十分な検証は行われていないので、それらについても検証を行い、その結果に基づき、必要に応じて入学者受入れの改善・向上等をさらに図ることが望まれる。(4.学生の受入れ) 13. 原著論文が最近5年間においてない教員が2名いる。この点に関して第1期薬学教育評価でも指摘されており、全教員が教育・研究の業績をあげるように改善することが望まれる。 (5.教員組織・職員組織) 14. 1名の専任教員に対する学生数が極めて多いため、教育研究活動の向上を図るために教員数を増員することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 15. 研究費が十分ではなく、機器の更新などに影響がでているので、研究費を改善して教育研究活動の向上を図ることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 16. 健康診断の未受診者へのフォローアップ体制を整えてはいるものの、受診率が 100%にはなっていないので改善が望まれる。(6.学生の支援) 17. 薬学部キャンパスにおいて、火災などに対する防災避難訓練が実施されていないので、実施することが望まれる。(6.学生の支援) 18. 薬学部別館の実習室は2階以上に設置されているので、バリアフリー化を実現することが望まれる。(7.施設・設備) 19. 薬学部のオリジナルのホームページは日本語のみであるので、英語版を作成することが望まれる。(8.社会連携・社会貢献) 3)改善すべき点 1. 学則には依然として改善前の教育目的が掲載されているので、速やかに学則を変更することが必要である。また、大学ホームページの「大学情報の公表」にも、学則と同様に研究上の目的が入っていない教育目的が掲載されているので変更することが必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. カリキュラム・ポリシーは学年ごとのカリキュラムを主眼として設定されているため、ディプロマ・ポリシーに設定されている九つの資質・能力との整合性に欠けているので改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. アドミッション・ポリシーには多様な学生をどのように評価・選抜するかについて記載がないので、記載することが必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 三つの方針は薬学部運営会議等において検証されているが、各ポリシーには不備が見られるので、十分な検証を行うことが必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. 薬学教育プログラムを自己点検・評価するための基準がなく、自己点検・評価が十分に行われているとはいえないため、適切な「基準」を設定し、それに基づいて自己点検・評価することが必要である。(2.内部質保証) 6. ホームページで公開されている自己点検結果は、教育課程や学修成果に相当する内容のみであるので、薬学部の教育研究活動全体の自己点検・評価を定期的に実施し、その結果を公表する必要がある。(2.内部質保証) 7. 薬学部自己評価委員会は毎月開催され問題点を検討しているが、深い議論や基準に沿った点検の不足など、委員会が十分に機能していないため、責任をもって自己点検・評価を行える体制を整え、教育研究活動の改善を適切に行うことが必要である。(2.内部質保証) 8. コミュニケーション能力を醸成するための必修科目を設置して、薬剤師養成教育に必須であるコミュニケーション能力醸成のための教育をさらに充実させるよう改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 9. 6年次の必修科目は「総合演習Ⅱ」のみであるので、6年次において、実務実習での学修を深化させる科目や、卒業研究のような問題発見・問題解決能力の醸成のための科目などを必修科目または選択必修科目として配置するなどによって、カリキュラム・ポリシーに則ったカリキュラム編成にする必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-1教育課程の編成) 10. 2016(平成28)年度の第1期薬学教育評価において「総合演習Ⅱ」の科目単位数当たりの授業時間が、学則の規定に比べ極端に多いことが指摘されているが、改善が行われていないので、至急改善を行うことが必要である。また、4年次「総合演習Ⅰ」も同様の状態であるので改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 11. 4年次「総合演習Ⅰ」と6年次「総合演習Ⅱ」のシラバスの「授業計画」に1回ごとの授業内容が記載されていないので、記載する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-1教育課程の編成) 12. 第1期薬学教育評価の指摘事項で未改善の課題を含めて、教育課程及びその内容、方法の適切性について検証し、その結果に基づき必要に応じて改善・向上を図ることが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 13. 卒業研究の成績評価に用いられているルーブリック表は、最低基準でも合格になる配点になっているので、配点または尺度を変更する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 14. 「卒業研究Ⅱ」と「卒業研究Ⅲ」において、複数の学生がほぼ同一の卒業論文を提出しており、適切ではない。卒業研究を共同で実施していても、卒業論文は学生が個々に執筆し、それに基づいて成績評価を行わなければならないので、各学生が独立して卒業論文を執筆するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 15. 「臨床薬学基本実習Ⅰ」では出席点、「総合演習Ⅰ」と「総合演習Ⅱ」では「授業への積極的参加度」が評価基準に含まれており、「総合演習Ⅲ」では「演習への積極的取り組み」のような抽象的な表現が用いられている。また、「総合演習Ⅱ」の成績評価は、大学の履修規程で定められているS、A、B、Cの4段階ではないので、履修規程に則って成績評価を行うことが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 16. 留年生が上級学年の科目履修によって単位取得できる制度は、履修上限科目数が定められておらず履修指導のみで実施されているので、上級学年の科目履修に関する事項を規定し薬学部履修要項に明記するように改善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 17. 学修成果基盤型教育を実現するために重要である学修成果の評価について理解を深め、資質・能力の達成度を評価するための指標を設定し、教員による客観性が高い評価方法によって、学生が身につけるべき資質・能力を教育課程の進行に対応して評価することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 18. 教育課程の編成及び実施の改善・向上に関しては、授業アンケートや科目成績等の解析による教員の授業改善やDP1の「知識・理解」に関する学修達成度の改善にとどまっているので、ディプロマ・ポリシーに示されている資質・能力を達成できるカリキュラムへ改善できるように、学修成果の評価結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 19. 薬学部生全員が入学時に、教育研究活動中に起きた事故に対して補償できる保険に加 入するよう改善することが必要である。(6.学生の支援) |
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| 静岡県立大学 | 公 | 静岡県 | 第2期 |
2024年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
静岡県立大学 総評静岡県立大学薬学部薬学科(6年制)における教育研究上の目的は、静岡県立大学の「大学理念」を踏まえ、「静岡県立大学学則」第 1 条にて規定された「教育研究上の目的」に加えて、薬学部独自の「人材養成等教育研究上の目的」として同学則に定められ、そこには「薬剤師としての臨床能力および倫理観を修得し、医療薬学に根ざした研究者や高度専門職薬剤師として、医療の質向上を通して人類の健康長寿に貢献できる先導的な人材を育むための薬学基礎・専門教育を行う。」と設定され、公表されている。これに基づき「学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー:DP)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー:CP」、「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー:AP)」が策定され、公表されている。
静岡県立大学薬学部薬学科では、教員の教育・研究レベルの維持向上に努めており、静岡県立総合病院内に設置された薬学教育・研究センターには、5年以上の実務経験を有する教員 11 名を兼務教員として配置し、病院実務実習の指導及び診療科・薬剤部との臨床共同研究を行い、常に新しい医療に対応するために研鑽できる体制・制度の整備に努めている。 一方、学生に対しては、基本教育として静岡特有の歴史・文化、防災医療システムや地域産業を取り扱う「しずおか学」が設定され、公立大学の教育目的を踏まえた教育体制としている。また、グローバル化を目指し英語ディベート教育を取り入れ、語学能力の醸成にも努めている。さらに、バーチャルリアリティー映像を活用した服薬指導やワクチン注射体験実習など、最新の教育ツールを用いて拡大する薬剤師業務へ対応するとともに、社会貢献も視野に入れた過疎地域でのアドバンスト実習を実施するなど、DPに則した教育を実施している。 しかしながら、重要な項目である「学修成果の評価」が適切に実施されているとはいえず、教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用されるには至っていない。すなわち、学生が身につけるべき資質・能力が、教育課程の進行に対応して評価されていない。その原因のひとつとして、シラバスに掲載される多くの科目において、カリキュラムの体系性及び順次性を考慮した適切な学修成果を評価するための基準や指標が設定されていないことが挙げられる。また、DP達成のためにCPに基づいた教育課程及びその内容、方法の適切性について検証するための到達目標があらかじめ設定されていないことから、学生が身につけるべき資質・能力を評価する学修成果の評価の在り方について具体的に示されていない。 静岡県立大学薬学部薬学科においては、今後指摘した問題点の改善に取り組み、「人材養成等教育研究上の目的」に掲げる医療薬学に根ざした研究者や高度な専門性を持つ薬剤師を目指す人材の育成、また、医療の質向上を通じて人類の健康長寿に貢献できる先導的な人材を育むよう薬学教育プログラムの充実を図られることを期待する。
大学への提言
静岡県立大学 大学への提言1)長所
1. 静岡県の公立大学としての特徴を活かし、公立大学として地域への貢献を大学理念及び教育研究上の目的として掲げ、地域社会へ貢献する能力を養う目的で大学独自の教育として「しずおか学」科目群の履修を必修として開講している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 「臨床薬学演習」は医療人としての倫理観、使命感、コミュニケーション能力を低学年から育成し、学年進行の知識レベルに配慮した臨床症例を題材に問題発見・問題解決能力を醸成できるように工夫されている。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 大学独自の教育である「静岡救命連携演習」がチーム医療に貢献するための医療従事者間の連携や協働、災害時や緊急時の症例検討を通じて、緊急時対応に特化した問題解決能力を醸成するために配置されていることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 「科学演習」では、参加型学習等を実施し、情報の集計・加工、情報発信能力及び問題解決能力の育成と共に、薬学及び医療に関連する諸問題について、少人数グループで日本語及び英語でのディベート教育を取り入れ、語学能力の醸成に努めている。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 「実務事前実習」では、バーチャルリアリティー映像を活用した服薬指導、フィジカルアセスメント実習、静脈注射・皮下注射・筋肉内注射・ワクチン注射体験実習を実施し、拡大する薬剤師業務へ対応するとともに、希望者を対象に過疎地域(静岡県榛原郡川根本町ほか)でのアドバンスト実習を実施している。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. 静岡県立総合病院内に設置した薬学教育・研究センターでは、実務経験を有する教員を配置し、病院実務実習をはじめ、先端の医療薬学系の教育及び研究を行える環境を整備している。(5.教員組織・職員組織) 7. 実務家教員は、「静岡県立大学・病院・地域薬局連携薬物療法研修会」の定期的な開催、並びに病院や薬局、薬学教育・研究センターにおける臨床実務・臨床研究の実践等を通して自己研鑽を行っている。この取り組みは、薬剤師としての実務経験を有する専任教員が、常に新しい医療に対応するために研鑽できる体制・制度として優れている。(5.教員組織・職員組織) 8. 静岡県の公立大学という特徴を活かし、地域の医療界、薬剤師会、病院薬剤師会、行政機関、産業界との連携を通じて、地域における医療・薬学の発展及び薬剤師の資質・能力の向上に貢献している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. カリキュラム・ポリシーに基づく学習・教授方法及び成績評価のための課題が、ディプロマ・ポリシーの実現のために想定された学習活動に整合するようにカリキュラム・ポリシーを設定することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 各ディプロマ・ポリシーと科目の連結がカリキュラム・ツリー及びカリキュラム・マップとして明示されたことから、今後、ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーと各科目の関連性について、組織的な点検・検証に向けた取り組みが実施されることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 多くの科目においてシラバスの成績評価の項目に出席に関する記載が併記されていることから、「履修に関する注意事項」等、別項目に記載することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. ディプロマ・ポリシーに掲げた資質・能力の達成度の適切な評価を実施した上で、ディプロマ・ポリシーの達成度を含めた卒業認定を実施することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 面接のない入試制度においては、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」や「医療人を目指す者としての資質・能力」も含めた多面的かつ総合的な評価ができるように、面接や小論文などの評価方法を取り入れるなど工夫することが望まれる。(4.学生の受入れ) 6. 専任教員数に対する女性教員の割合(11%)が少ない。また、教授20名のうち女性の教授は現在1名であるため、教授会構成メンバーにおける女性教員(女性の教授)の割合を増やすように努めることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 7. 実務家教員の授業担当時間が多く、それ以外の専任教員とに大きな差があることから、負担を軽減することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 8. 授業評価アンケートの結果や教員相互による授業評価の結果が、学部教育プログラムレベルでの組織的な授業改善・向上の取り組みに活用されることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 9. 薬学部専任の事務職員数が4名と少なく、職員及び教員の事務作業の負担が増えることのないよう、職員数を増員することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 10. アドバイザー教員による個別の相談体制については、面談内容が記録されていないことから、対応内容の第三者による確認とその対応の解析、改善に結びつくための体制を構築することが望まれる。(6.学生の支援) 11. 健康診断の受診率が2年、3年及び、5年次の学年においては100%になっていないため、全員が受診するよう改善が望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーでは、ディプロマ・ポリシーに示された資質・能力を踏まえた学修成果の評価の在り方が具体的に設定されていないので、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 「教育研究上の目的(人材養成等教育研究上の目的)」及び三つの方針は、各項目の点検・評価にとどまっており、医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズの変化を調査した結果等を踏まえた計画的・定期的な検証が実施されていないため、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「教育研究上の目的(人材養成等教育研究上の目的)」及び三つの方針に基づく教育研究活動の自己点検・評価は、点検・評価し検証する体制が適切に運用されていないので、組織的かつ計画的に実施できるように改善が必要である。(2.内部質保証) 4. 教育研究活動に対して適切な基準や指標等を設定するとともに、学習ポートフォリオ等を活用して学習達成度を評価するなど、質的・量的な解析に基づいた自己点検・評価を実施するように、改善が必要である。(2.内部質保証) 5. 教育課程及びその内容、方法の適切性については、解析やその解析結果に基づく検証が十分にできているとはいえないので、組織(教育プログラム)レベルで検証し、必要に応じて改善・向上に活用していくよう、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. アクティブラーニングを実施する科目については、学習方略及びその評価方法をシラバスに明記するように、早期の改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 各科目において適切な成績評価の方法・基準が設定され、学生が理解しやすいように周知が図られているとはいえない。特に、実務実習の評価の比率がシラバスに記載されていないので、早急な改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 100点を超える採点や、あらかじめ受講生全員に実施した課題点を試験の不合格者に対してのみ上乗せするなど、一部の科目で適切とはいい難い評価が散見され、成績評価が公正かつ厳格に行われているとはいえないので、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 学修成果の評価については、カリキュラム・ポリシーに基づく適切な評価計画を策定し、教員による客観性が高い評価方法等によって、学生が身につけるべき資質・能力を教育課程の進行に対応して評価するよう、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 10. 授業評価アンケートや教員による授業相互評価は、科目レベルにおける教育活動の実施の改善・向上にとどまっており、プログラムレベルに活用できていない。したがって、学修成果の評価結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用するよう、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 東北医科薬科大学 | 私 | 宮城県 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
東北医科薬科大学 総評 東北医科薬科大学薬学部薬学科は、医療の担い手である薬剤師に対して医療における幅広い分野で活躍する適応力を求めていることから、教育研究上の目的を「医療人としての心豊かな人間性と倫理観を持ち、先進的な薬物療法を探究するとともに疾病の予防・治療及び健康増進に積極的に貢献する意識と実践力を備えた薬剤師の養成」と定め、三つの方針を設定している。教育課程の編成では、倫理教育や臨床現場での実践的な学びに関する体系的で充実したプログラムが特色といえる。教育プログラムの内部質保証については、教学IR(Institutional Research)における解析結果を授業の改善に生かし、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)の到達度の可視化に利用している。これらは、先進的
な取り組みとして評価できる。また、授業の改善、教員の教育研究活動の向上、若手教員の育成等を図るためのFD活動が組織的に行われ、さらに、産学共同研究活動において、地域特性のある共同研究を実施している点は、優れた取り組みである。しかしながら、ディプロマ・ポリシーと教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)の整合性が十分ではなく、カリキュラム・ポリシーには学生が身につけるべき資質・能力を評価する学修成果の評価の在り方が具体的に示されていない。また、「成績評価確認願」の扱いについては学生に不利益になることが懸念され、「教員組織の編成方針」については明文化されていない。これらの点については、改善が必要である。東北医科薬科大学薬学部薬学科は、在宅医療、訪問看護・介護、地域医療及び公衆衛生、並びに医療技術及び薬物治療戦略や医療のデジタル化にも対応する適応力を持つ人材を輩出するために、先進的かつ独自性のある教育研究活動を展開している。本評価の結果を生かして、さらなる教育プログラムの充実に努められることが期待される。
大学への提言
東北医科薬科大学 大学への提言 1)長所
1. 教学IR委員会では、ディプロマ・ポリシーで設定されている自己研鑽に関する到達度を可視化する指標の導入に向けた解析を行っている。こういった解析により、ディプロマ・ポリシーに沿ったルーブリック評価による自己評価との相関を確認しており、教務委員会により自己研鑽の到達度が低い学生を早期に発見し、学習態度の改善を目的に教務委員長らによる面談を実施していることは優れた取り組みとして評価できる。(2.内部質保証) 2. 新採用教員担当の授業、初めて授業を担当する教員の授業、FD・SD推進委員会が指定した教員の授業に対して、複数の委員による授業参観を実施している。(2.内部質保証) 3. 科目別系列会議において授業内容について意見交換を行うとともに、定期試験問題、得点分布(ヒストグラム)データを持ち寄り、適正な評価が実施されているか等について点検・検討し、今後の授業改善に向けた活動を行っている。こういった授業改善に向けた薬学部FD部会の活動や授業参観、科目別系列会議による点検・検討は、優れた取り組みとして評価できる。(2.内部質保証) 4. 医療人としての高い倫理観を備えた人材を養成するための科目として「医療倫理入門」では、医学部解剖学教室の協力を得て医学科2年次の解剖学実習を薬学科3年次の学生が見学するプログラムがあり、事前に解剖献体提供団体の講演を聴講する等十分な倫理教育を受けた上で医学部生との質疑応答を含めた実地研修を行っている。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 5. 1年次~4年次の学生は半期ごとに「薬学・生命科学を修得するための行動指針」を用いた行動の振り返りと学修ポートフォリオの作成を行うことにより、入学時から常にディプロマ・ポリシーと向き合い、その到達を目指している。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 6. 次世代を担う若手教員の育成について、十分な授業経験を有する複数の委員が、初めて授業を担当する教員の授業を参観して積極的に助言する、科研費などの外部研究資金への応募を積極的に奨励する、さらに40歳未満の専任教員を海外に派遣する(海外研究員制度)など、教員の教育研究活動の向上、若手教員の育成を図るための組織的な取り組みや手厚いサポートが実施されている。(5.教員組織・職員組織) 7. 防災対策の立場から、名刺サイズの「大地震初動マニュアル」を入学時に配付し、学生が常時携帯できるように配慮し、全学生及び全教職員分の3日分の非常食・飲料水並びに毛布・ブルーシート・ヘルメット等の防災用品を備蓄し、さらに緊急連絡システムをスマートフォンで確認できるよう改良を進めるなどし、運用している。(6.学生の支援) 8. 宮城県加美町との間で行われている加美町産紫根(ムラサキ)の利活用に係る研究のように一般的な企業との共同研究だけではなく地域との共同研究も実施している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. カリキュラム・ポリシーに示された学習内容の多くにおいて、総合演習試験を用いた総括的評価が行われていることから、それぞれの学習の成果に対して適切な評価方法を具体的に示すように改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーの整合性について懸念される点が認められるため、改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. それぞれの入学試験において多様な学生を入試区分ごとにどのように評価・選抜するかについて、募集要項に記載して公表しているが、その内容はアドミッション・ポリシーにも明記されることが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 三つの方針は、学生便覧に記載され、学生及び教職員に周知されている。また、大学ホームページを通して広く公表しているが、オリエンテーション等での説明が十分ではないので充実が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. 自己点検・評価に基づく報告書を毎年作成するとしているが、2021年度から開始されたものである。こういった自己点検・評価は高等教育評価機構の基準項目によるものであり、薬学教育評価機構が設定した評価基準に基づいた自己点検・評価も継続的に行うことが望まれる。(2.内部質保証) 6. 独自の薬学専門教育科目について、独自性をシラバスに明示することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 「実務実習Ⅰ(病院)」及び「実務実習Ⅱ(薬局)」の評価において、無断欠席あるいは正当な理由のない欠席・遅刻等に対して、医療人としての態度の評価としての減点5点が設定されているが、実務実習の欠席等については、補習等補充措置をシラバスに記載して適正に実施することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 一般選抜試験及び大学入学共通テスト利用選抜において「思考力・判断力・表現力」及び「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価できる方法の導入について改善が望まれる。(4.学生の受入れ) 9. 学校推薦型選抜(指定校制)、学校推薦型選抜(公募制)以外の入試区分(一般選抜、大学入学共通テスト選抜)においては学力による評価のみとなっており、医療人を目指す者としての資質・能力を評価することは十分とはいえないので改善が望まれる。(4.学生の受入れ) 10. 第1期の薬学教育評価で指摘された改善すべき点「留年者、退学者数が多いことは、薬学教育に必要な学力が不足する学生が入学している可能性が高いことを示唆しているので、選抜方法の見直しなどの改善が必要である。」については、選抜方法の見直しを実施し、改善報告書を提出した時点で減少に向かっていた留年者・退学者数が、コロナ禍以降、再び増加傾向となっているため、さらなる改善策の検討が望まれる。(4.学生の受入れ) 11. 教員一人当たりの学生数については、約32名、生命薬科学科、教養教育センター教員を含む薬学部教員としての学生数は約19名となっている。1名の専任教員に対して学生数が10名以内であることが望ましいとされているため、改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーには、学習する内容及び到達目標とその評価については示されているが、学生が身につけるべき資質・能力を評価する学修成果の評価の在り方について具体的に示されていないので、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学教育カリキュラムの体系性及び科目の順次性については、カリキュラム・ツリーを用いて説明されているが、ディプロマ・ポリシーと科目との関連性に不明瞭な点があり、関連性を理解できない可能性が懸念されることから、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 「成績評価確認願」は、科目担当教員(教員が不在の場合は学務部教務課)に提出することとなっているが、科目担当教員への直接提出は、学生にとっては不利益になる可能性もあるため、教務課窓口等で受け付けるよう改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 「薬学科ディプロマ・ポリシー対応ルーブリック評価表」を用いた学生による自己評価は、運用開始から4年目であり、この結果を教育課程の編成や改善に資するまでには至っていないため、今後有効性や適切性の検証と改善への活用を進める必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. ディプロマ・ポリシーの達成度評価において、学生が身につけるべき資質・能力の修得について、総括的な評価を客観試験で行っている点は、パフォーマンス評価等により適切に習得度の評価ができるよう、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム3-3学修成果の評価) 6. 「教員組織の編成方針」が明文化されていないため、策定が必要である。(5.教員組織・職員組織) |
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| 北陸大学 | 私 | 石川県 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
北陸大学 総評 北陸大学薬学部は、北陸大学の建学の精神である「自然を愛し 生命を尊び 真理を究める人間の形成」を基として、「医療人としての倫理観、使命感、責任感及び高度な薬学の知識・技能を身につけ、臨床の現場で実践的な能力を発揮できる薬剤師を養成する」を人材養成の目的として定め、「卒業認定・学位授与の方針」、「教育課程編成・実施の方針」、「入学者受入れの方針」を制定し、6年制薬学教育を行っている。ほとんどすべての講義は撮影され、動画が公開されて学生の自学自習に利用されていること、及び上級生が下級生に教える「ピアサポート体制」が導入されていることなど学修支援体制の整備に努力している点は、北陸大学薬学部の特色と言える。しかしながら、内部質保証体制に関して、薬学部自己点検・評価委員会が十分に機能し
ているとは言い難い。「学修成果の評価指標(アセスメント・ポリシー)」に基づいて、薬学教育研究センターが主体となり、データ収集と検証に取り組んでいるものの、定期的な自己点検・評価は全学組織の主導のもとで行われているため評価基準は機関別評価の基準にとどまっており、薬学教育プログラムの自己点検・評価が不十分である。また、自己点検・評価において重要な位置をしめる学修成果の評価については、パフォーマンス課題で評価するなどの評価方法は構築されているが、学生の自己評価のみで実施されており、教育課程の編成及び実施の改善・向上への活用に至っていない。このような不備は、自己点検・評価の目的が薬学教育プログラムの改善・向上のためであることへの理解不足に起因しており、薬学部自己点検・評価委員会の役割を明確にしてチェック機能が十分に働くように改善する必要がある。薬学教育評価機構による第1期本評価及び再評価において入学定員充足率が低い点が指摘され、入学定員が段階的に削減されたが、依然低い状況である。2024年度入学者選抜では、さらに入学定員が大幅に削減されることになっており、今後の改善状況に期待したい。北陸大学薬学部は、人材養成の目的に基づいて熱意をもって教育研究に取り組む姿勢があり、第三者評価の指摘を真摯に受け止め改善する姿勢もうかがえる。今後、内部質保証体制を整え、自主的に薬学教育プログラムを自己点検・評価して、さらなる発展に努めることを期待する。
大学への提言
北陸大学 大学への提言 1)長所
1. 上級生が下級生に教える「ピアサポート体制」は、低学力者の学修支援だけでなく、教える側の学生の学力向上にもつながる特色のある学修支援方法として評価できる。(6.学生の支援) 2. 主要な講義室の5室にハイフレックス型授業撮影システムが整備され、撮影した授業は薬学部授業アーカイブで公開し、学生の復習や自学自習に利用されていることは、設備が学修支援に有効に活用されていることとして評価できる。(7.施設・設備) 3. 北陸三県の薬剤師会との連携及び市民講座等による啓蒙活動を行い、医療・薬学の発展と地域における保健衛生の保持・向上に積極的に取り組んでいることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 4. 学生が海外で学修できる教育プログラムを設定していることは、グローバルな視野を持った薬剤師の育成を行っている特色ある教育として評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. カリキュラム・ポリシーにおける学修成果の評価の在り方の記載が不明確であるので、科目レベル及びプログラムレベルの学修成果の評価の在り方をそれぞれ具体的に設定することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 教育研究上の目的及び三つの方針の定期的な検証について、学外識者の意見聴取を行い、薬学部教授会へ報告を行っているものの、教授会及び薬学部自己点検・評価委員会で十分議論するには至っていないので、薬学部として主体的に検証していくことが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 全学教務委員会における学外識者からの意見聴取のみでは、薬学教育プログラムの自己点検としては不十分であるので、カリキュラムの体系性、学習内容など具体的な薬学教育プログラムに関する意見を十分に聴取できるように、薬学部自己点検・評価委員会に外部委員を含めることが望まれる。(2.内部質保証) 4. 教育研究活動の改善は、主に薬学部教務委員会の主導の下で行われ、薬学部自己点検・評価委員会の関与が十分でないので、今後、各ワーキンググループ等の改善案に対するチェックなどを通じて薬学部自己点検・評価委員会が主体となって改善のための活動を行うことが望まれる。(2.内部質保証) 5. 1年次「基礎ゼミⅠ」と2年次「基礎ゼミⅡ」は人の行動と心理に関する教育を主眼とした内容になっていないので、低学年における人の行動と心理に関する教育が体系的に行われるように改善することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 1年次の人の行動と心理に関する教育における中心科目の1つである「医療人」は講義と演習が実施されているが、SGDが1回しか実施されていないので、態度教育に適したアクティブラーニングを積極的に取り入れることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 「薬学演習Ⅰ・Ⅱ」で行われているTBL/PBLでは知識レベルの課題が多用されているので、複数領域の知識・技能・態度を総合して活用するという当該科目の学修目標に適した課題・評価方法を開発して、深い学びをするようにアクティブラーニング型授業を行うことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 学生間の相互評価及び自己評価等の間接評価を成績評価に用いる場合は、客観性・正確性を持たせる工夫をして用いることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 「アセスメント・マップ」に従った学修成果の評価の解析は緒についたところで、結果の活用までに至っていないので、学修成果の評価結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 10. 総合型選抜方式の受験生のほとんどが選抜試験において合格となっていることや、プレイスメントテストの得点が他の選抜方式の学生より低いことから、学力の3要素に係る十分な学力を有しているとは言えないので、当該学生の資質・能力については、卒業まで注意深く検証していくことが望まれる。(4.学生の受入れ) 11. 入学定員の削減等の方策によって入学定員充足率は改善傾向であるが、入学者数と入学定員数との乖離をさらに改善することが望まれる。(4.学生の受入れ) 12. 助教の比率が低く50歳代以上の教員の割合が61.2%と年齢構成にもやや偏りがあるので、助教の増員などによって是正することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 13. 過去5年間において学術論文及び学会発表がまったくない教員が散見され、また、研究活動を積極的に行うべき准教授、講師、助教の担当授業時間は、教授と同等もしくは超えており、研究活動の低下が懸念されるので、教育研究活動の向上を図るために負担の軽減を検討することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 14. ハラスメントに関する研修会は3~5年ごとしか実施されていないので、ハラスメントが教育研究に及ぼす影響の重大さに鑑み、研修会開催の頻度を高めることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 15. 卒業研究における各研究室への学生配属はおおむね3~5名でほぼ均等であるにもかかわらず、研究室の面積にやや大きな差があるのは、卒業研究の遂行や安全性に問題が生じる可能性があるので、卒業研究を実施する研究室の面積を是正することが望まれる。(7.施設・設備) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーのうち薬学専門科目などの項目において教育方法が記載されていないので、教育方法を具体的に設定する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. アドミッション・ポリシーには多様な学生をどのように評価・選抜するか等が具体的に設定されていないので、設定することが必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「北陸大学薬学部自己点検・評価委員会規程」の改訂などを行って、薬学部自己点検・評価委員会が十分に機能するように改善することが必要である。(2.内部質保証) 4. 薬学部自己点検・評価委員会が自主的に評価基準を設け、組織的かつ計画的、定期的に自己点検・評価を行い、その結果を公表するように改善することが必要である。(2.内部質保証) 5. 一部の科目のシラバスにおいて記載の不備があるので、必要事項が記載されているかを精査してシラバスを改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 6年次「総合薬学演習」において、実務領域に割り当てられているコマすべてと生物領域の一部を、予備校教師が担当しているので、専任教員が授業を行うように改善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 教育課程及びその内容、方法の適切性の検証は、個々の科目の内容にとどまらず、カリキュラムの体系性、順次性及び学修成果の評価結果も考慮して実施するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. 一部の科目(下記1)~3))の成績評価に問題があるので、各科目において適切な成績評価の方法・基準を設定し、成績評価を公正かつ厳格に行うよう改善が必要である。 1)3年次「衛生環境系実習」は、実習科目にもかかわらず筆記試験70%で評価が行われている。 2)複数の科目において、追再試験及び最終試験の出題問題が、本試験と同一である。 3)1科目の再試験において、60点未満の学生を教員の裁量で合格としている。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 留年生に再履修を認めることの意義は理解できるが、既修得科目の成績の上書きについては公正な成績評価とは言えないので、この規程については改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 「学修ポートフォリオ」と「卒業認定コモンルーブリック」を用いた学修成果の評価方法は、学生が自己評価を行っており間接的な評価にとどまっているので、学生が身につけるべき資質・能力の評価として教員による客観性が高い評価も行うよう改善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. 実習室及び研究室には有機溶剤による中毒が発生したときの応急処置等の事項に関する掲示がないので、それを掲示する、または安全データシートを準備するなどによって、適切に安全管理するよう改善することが必要である。(6.学生の支援) |
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| 名古屋市立大学 | 公 | 愛知県 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
名古屋市立大学 総評 名古屋市立大学薬学部薬学科は、教育研究上の目的を「医療薬学及び関連分野の教育研究を通じ、適正な医療・保健衛生等の推進に貢献できる人材を養成すること及び情報発信を行うこと」とし、人材の養成に関する目的を「医薬品と薬物療法に関わる医療科学を総合的に修得し、薬剤師をはじめ、医療に係る様々な分野で薬の専門家として貢献できる人材を養成すること」と規定している。これらに基づき、三つの方針は策定され、公表されている。「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)DP」は3項目に分けて卒業までに身につけるべき能力を具体的に示している。「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)CP」は、DPを達成するための教育課程編成の方針を年次ごとに明示し、また、教育実施の方針において学修成果の評価の在り方を示している。「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)AP」は、DPを満たす人材になるために入学前に必要とされる能力について記載し、入学者選抜試験ごとに選抜方法を明記している。「教育課程の編成」では、特色ある科目として医学部、看護学部の学生とともに地域医療、チーム医療を学ぶ「医薬看連携地域参加型学習」や地域の他大学との連携による「コミュニティ・ヘルスケア卒前教育科目群」等を配置していることに特徴がある。しかしながら、「内部質保証」については、教員個人の教育研究活動の点検・評価は実施しているものの、薬学部における自己点検・評価として、教育研究活動に対する質的・量的な解析が十分とは言い難い。また、「学修の成果」の評価については、教育課程の進行に対応したCPに基づいた評価計画が示されておらず、DPへの到達度の段階的かつ総合的な評価と、その結果に基づいた改善・向上が十分に行われているとは言えない。薬学教育プログラムの内部質保証体制を適切に整備し、学修成果の評価等の教育研究活動の自己点検・評価と、これに基づく改善・向上を図る必要がある。名古屋市立大学薬学部薬学科は、大学の教育理念や人材養成目的に即した薬剤師の養成に向けて、熱心に教育研究に取り組む姿勢がうかがえる。今後は、本評価結果を踏まえ、教育プログラムの内部質保証の充実等を進めることによって、さらなる発展を図られることを期待したい。
大学への提言
名古屋市立大学 大学への提言 1)長所
1. 英語以外の言語については、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語、スペイン語、日本手話、ポルトガル語、ロシア語、イタリア語、アラビア語、日本語(留学生のみ)など多様な言語から選択することができる。これらの言語の基礎を学ぶことによって、グローバル化が進む現代社会での他文化への豊かな視点を獲得し、国際的に多様なニーズに対応できる人材育成につながるプログラムを提供している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 1年次の必修科目として学部横断で開講している「医薬看連携地域参加型学習」では、医学部と看護学部の同学年の学生でグループを組み(薬学部3人、医学部4人、看護学部3人の計 10 人)、地域の病院や離島、福祉施設などに直接出向いて課題を探索し、それを解決する医療系学部連携の医療人教育を実施している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 2014(平成26)年度に文部科学省・未来医療研究人材研究養成拠点事業(地域と育む未来医療人「なごやかモデル」)に採択され、医療系学部との連携のみならず、名古屋学院大学や名古屋工業大学とも連携して発展した「コミュニティ・ヘルスケア卒前教育科目群(コミュニティ・ヘルスケア基礎・応用・発展・実践)」を選択科目として開講している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 自己点検・評価委員会が教員評価表を作成し、研究科長(学部長)による教員評価を行って、特に優秀者を理事長表彰候補者として推薦する制度を設けている。(5.教員組織・職員組織) 5. 学部間交流協定を締結している大学として、ミシガン大学薬学部、香港浸会大学中医薬学部、梨花女子大学薬学部、香港大学薬学部があり、それぞれ教員の相互訪問、学生の派遣と受け入れを実施し、研究と教育の両面において交流に力を入れている。特に、南カリフォルニア大学薬学部とは毎年学生の相互派遣を実施している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 一般選抜試験の入学者選抜方法では 大学のアドミッション・ポリシーに掲げている「主体性を持ち、幅広い視野で多様な人々と協働して学ぶ態度」「豊かな人間性と、地域や社会で活躍できる適性」あるいは薬学部のアドミッション・ポリシーに掲げる態度に相当する意欲・使命感・倫理観・コミュニケーション能力等の具体的な評価・選抜方法は設定されておらず、評価を行っていないので改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学部共通のAP5「大学院への進学意欲を持つ人」の選抜について、学校推薦型選抜では面接試験時に大学院進学の意思を質問する場合があるが具体的な評価指標はなく、一般選抜試験では具体的な評価・選抜方法は設定されておらず、評価を行っていないので改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 選抜方法ごとに評価する事項は示されているが、アドミッション・ポリシーと整合しないものもあるので、アドミッション・ポリシーに掲げた各項目をどの選抜方法で評価するのかを分かりやすく示すよう改善することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 教育研究上の目的と三つの方針の検証は必要時にのみ行われていて、薬学部として主体的に“定期的”な検証をしていない。教育研究上の目的と三つの方針を定期的に検証する体制を整備する改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. 「薬学実務実習」等の一部の科目では、個別に医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズの変化を実習や講義内容へ反映させているが、薬学部全体として教育研究上の目的と三つの方針の検証には活かされていない。従って、薬学部として医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズの変化を調査した結果等を踏まえ、教育研究上の目的と三つの方針の検証を行う体制を整備するよう改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 6. 自己点検評価委員会には外部委員や6年制課程薬学科卒業生は含まれていないので、参画できるような体制に改善することが望まれる。(2.内部質保証) 7. 公表されている自己点検・評価報告書は、薬学部の教育研究の業績に限局されたものであるため、三つのポリシーに基づく教育研究活動についての自己点検・評価の結果を公表することが望まれる。(2.内部質保証) 8. シラバスにおいて、「薬学英語Ⅰ」も「薬学英語Ⅱ」も到達目標が全く同じであることは順次性や系統性において問題であり、それぞれの講義内容を反映したシラバスに改善することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 9. 履修要項では「薬学英語Ⅰ-Ⅳ」はすべて選択科目であり、選択科目だけで教養教育から専門教育へ順次的かつ系統的に英語能力の向上を図るカリキュラム編成とは言えないので、必修科目にする等の改善をすることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム3-1教育課程の編成) 10. 卒業時にディプロマ・ポリシーで学生に求めている信頼関係構築力は、「コミュニティ・ヘルスケア基礎・応用」で十分に教育効果を達成できるプログラムとなっている。一方、「コミュニティ・ヘルスケア発展・実践」は薬剤師レベルの高度な内容であるが、履修者は少ないので、履修者を増やすように改善することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 11. 履修規程に定める卒業要件(必要単位の修得)とディプロマ・ポリシーに掲げる卒業要件が異なるので、統一することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 12. ポートフォリオの評価を卒業認定にどのように活用するのか、カリキュラム改編に合わせて検討中の段階であり、現時点では具体的な基準はない。ディプロマ・ポリシーに掲げる資質・能力を適切に評価できる評価方法・基準を整えて、卒業認定に活用することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 13. 教育課程の進行に対応した学修成果の評価基準は示されておらず、ディプロマ・ポリシーへの到達度を適切に段階的・総合的に評価しているとは言えないので、改善が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 14. 一般選抜では学科試験のみで学力の3要素を多面的に評価していないので、改善することが望まれる。(4.学生の受入れ) 15. 受験者が700人前後になる薬学科の一般選抜において、実効性ある面接試験を導入することは困難と認識されているが、大学入学共通テストと個別学力検査による学力だけで医療人の資質や能力を評価できるとは考えにくい。従って、それぞれの入試区分において学力の3要素が多面的・総合的に評価できるように入試制度の改善が望まれる。(4.学生の受入れ) 16. 教員の男女構成は、男性40名(93.0%)に対して女性は3名(7.0%)と女性教員の比率が極端に低いので、女性教員を増やすことが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 17. 教員は教育内容・方法の改善に向けて継続的に工夫を重ね、その質の向上に努めるとともに、教員(科目)レベルでのPDCAサイクルを機能させて、教育研究上の優れた実績を適正に評価する体制を構築することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 18. 教育研究上の目的に沿った教育研究活動を継続するために、次世代を担う教員の養成のためのキャリアアップ体制がないので、体制や制度を構築することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 19. 大型(高額)の共通機器・研究設備の更新は十分行われておらず、陳腐化・老朽化が進んでいる機器類があることは問題であり、改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 20. 臨床薬学教育研究センターの実務家教員が研鑽できる体制や制度が整備されていないので改善することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 21. 事務職員数が実質11名と少なく、職員及び教員の事務作業の負担増が懸念されるので、改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 22. 2022年度の各学年の健康診断受診率が、4年次は96%、5年次は97%といずれも100%でなく、特に6年次では85%と最も低くなっているのは問題であり、改善することが望ましい。(6.学生の支援) 23. 共同研究棟のRI実験施設と動物実験施設の老朽化が進んでいる。近年の実験動物を用いた研究の発展や、今後予想される法令・規制の変化に対応した動物実験施設そのもののリニューアル及び拡張が望まれる。(7.施設・設備) 3)改善すべき点 1. 「自己点検・評価報告書」で述べられている自己点検・評価は、単に教員業務評価であって、本項目の基準2-1で求められている「教育研究上の目的及び三つの方針に基づく教育研究活動の自己点検・評価」の一部に過ぎず、薬学部を対象とした自己点検・評価とは言えないので改善する必要がある。(2.内部質保証) 2. 学習ポートフォリオの達成目標の設定が、ディプロマ・ポリシーで求める学修目標を完全に包含できていない。また、教員の定期的な学生への形成的評価や学習の到達度に関して、教員による確認方法や対応する組織体制も整備されていない。ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果の達成度について、質的・量的な解析に基づいた自己点検・評価が十分に行われていないので、質的・量的な解析に基づいた点検・評価できる体制を構築するように改善する必要がある。(2.内部質保証) 3. カリキュラム・マップ及びカリキュラム・ツリーの不備は、学生が理解しづらく、修学上の不利益となるので、早急に改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-1教育課程の編成) 4. 学修成果の評価結果が、教育課程の編成及び実施の改善・向上に十分に活用されているとは言えない。教育課程の進行に応じて、質的・量的な解析に基づいて評価できる体制を構築する改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. 教育研究活動の実施に必要な教員組織の編成方針を定めていないので改善が必要である。(5.教員組織・職員組織) 6. 全学及び薬学部が開催するFDについて、研究授業参観以外にないことは問題である。また、教育プログラムの体制・制度について、整備及び改善すべき課題も見受けられる。今後、すべての学位の教育研究活動に内部質保証の考え方を浸透させ、取り組むべきFDやスタッフ・デベロップメント(SD)の拡大と実施に努めるように改善する必要がある。(5.教員組織・職員組織) |
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| 東京理科大学 | 私 | 東京都 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
東京理科大学 総評 東京理科大学薬学部薬学科では、「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」という建学の精神のもと、生命創薬科学科と協同して「医薬分子をとおして人類の健康を守る」志をもった優れた人材を育成することを基本理念と定め、薬学科は薬の性質と作用、薬物治療、医薬品の適正使用、公衆衛生等の薬剤師の職能の基盤となる専門的知識及び関連する技能、態度を習得し、臨床・公衆衛生における問題を基礎研究に結びつけることのできる問題解決能力と研究心を兼ね備えた薬剤師を育成することを目的としている。卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)からみた達成度の評価では、学修ポートフォリオを活用して学習達成度を可視化し、学修状況の分析に努めている。修学支援体制では、薬学の基礎となる数学、物理、化学の科目について、総合大学の強みを活かし、薬学科の上級生だけでなく、それぞれの科目を専攻する理工学部数学科、物理学科、先端化学科等の上級生も担当する学習相談体制を構築している。社会連携・地域貢献では、社会連携講座や生涯学習講座を開講し、アーカイブ配信によって講義資料を提供することにより、地域の医療・薬学の発展及び薬剤師の資質・能力の向上に貢献する多様な活動を行っている。また、在外研究員の支援制度を規定し、薬学部の若手教員の利用を推進することにより国際交流の推進に努めている。これらの点は、優れた取り組みとして評価できる。しかしながら、ディプロマ・ポリシーに設定された資質・能力の修得が卒業要件にあたることが明記されておらず、また教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)に学修方略や学修成果の評価の在り方が具体的に示されていないので、改善が必要である。シラバスには、一部の科目で評価基準、配点などが明示されておらず、パフォーマンス評価(ルーブリック・レポートなど)の記載が曖昧である。学修成果の評価は、各授業における能力評価の積み上げに留まっているため、教育課程の進行に対応した学生の資質・能力の測定による形成的評価及び、学修成果の適切な総括的評価ができておらず、さらにその結果に基づいて教育課程のさらなる改善・向上が図られているとは言い難い。これらの点についても改善する必要がある。東京理科大学薬学部薬学科は、地域の医療・薬学の発展に貢献しつつ、問題解決能力と研究心を兼ね備えた薬剤師の養成教育を行っている。今後、本評価の結果を教育プログラムの内部質保証に生かして、優れた資質を有する薬剤師の育成・輩出に努められることを期待する。
大学への提言
東京理科大学 大学への提言 1)長所
1. 1年次から6年次、さらに大学院においても、専門科目と並行して一般教養科目を配置するとともに、専門教育が深まった3年次以降の段階においても教養科目の単位修得が可能になっている点は、高く評価される。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. ディプロマ・ポリシーに示す資質・能力等の修得状況がTUSルーブリックのレーダーチャートで可視化されており、教員と学生が常に確認することができる点は、高く評価される。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 3. 薬学の基礎となる数学、物理、化学の科目について、総合大学の強みを活かし、薬学科の上級生だけでなく、それぞれの科目を専攻する理工学部数学科、物理学科、先端化学科等の上級生も担当する学習相談体制を構築している点は、高く評価できる。(6.学生の支援) 4. 生涯学習講座はアーカイブ配信され、全国の薬剤師に対して講義資料が提供される点は、高く評価される。(8.社会連携・社会貢献) 5. 在外研究員の支援制度が規定されており、薬学部の若手教員の利用を推進している点は、高く評価される。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 「専門分野の枠を超えて横断的にものごとを俯瞰できる能力」、「薬剤師の専門的知識と技能を発揮する者としてふさわしい態度」といった表現は具体性に欠けているため、学生が理解しやすい表現となるようにディプロマ・ポリシーの改善が望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 入試形態ごとに選抜方法などが記載されているが、その内容は入試制度の概要に留まっており、それぞれの入学試験においてアドミッション・ポリシーの各項目をどの選抜方法で評価するのかが具体的に示されていないので、改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. カリキュラム・ツリーは教育課程の体系性と構造を示すものであるが、カリキュラム・ポリシーで求めている学修成果と整合性がとれないため、改善が望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. ディプロマ・ポリシーで国際的な視野をもって活躍できる能力を求めているため、全学生の国際的な視野を広げるには、「薬学英語」の必修科目を開設することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 5. 大学独自科目であることを特徴づけるために、シラバス中にモデル・コアカリキュラム以外のSBOsを含めて記載しているが、大学独自科目の設定が分かりにくいので、改善が望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 一部の授業科目では、SGDやPBLが適切に評価されていないので、評価方法や評価基準を適切な評価ができるように改善することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 学修ポートフォリオは自己評価に留まっており、学生が身につけるべき資質・能力が、教育課程の進行に対応して教員によって評価されていないため、改善が望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 8. 卒業時の学修成果が単位の積み上げ式で評価されており、総括的評価が適切に実施されているとはいえないため、現在の評価方法の妥当性を検証し、ディプロマ・ポリシーに設定した資質・能力の修得状況を評価するように、改善が望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 9. 「学力の3要素」、「医療人を目指す者としての資質・能力」を入学試験で評価しているが、すべての入試形態において、学力の3要素を評価しているとはいえないため、改善が望ましい。(4.学生の受入れ) 10. 1名の専任教員に対して学生数が10名以内となるように、専任教員数を増員することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 11. 薬剤師としての実務の経験を有する専任教員が、常に新しい医療に対応するために研鑽できる体制・制度を整備することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 12. 健康診断の受診率は平均で95%程であるため、100%になるように改善が望まれる。(6.学生の支援) 13. 英語版の薬学部ホームページが作成されていないため、英文によるホームページを作成することが望ましい。(8.社会連携・社会貢献) 3)改善すべき点 1. 生命創薬科学科のディプロマ・ポリシーには、「教育目標に沿って編成された授業科目を履修し、次のような能力を身に付けた上で、所定の単位を修得した学生に対して卒業を認定し、学士(薬科学)の学位を授与する。」との記述であるのに対し、薬学科のディプロマ・ポリシーは「本学科の教育目標に沿って編成された授業科目を履修した学生に対して、卒業を認定し、学士(薬学)の学位を授与する。」と記述されており、能力評価や単位修得に関する記述がないため、統一した記述内容となるよう、改善が 必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. カリキュラム・ポリシーに、学修方略や学修成果の評価の在り方が具体的に設定されていないため、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 6年制薬学教育プログラムに関する内容が質的・量的に十分に自己点検・評価され、継続的な改善につながっているとは言えないため、薬学部薬学科としての6年制薬学教育プログラムに対応した自己点検・評価を実施するように、改善が必要である。(2.内部質保証) 4. 薬学部(薬学科)の独自の自己点検評価の結果をホームページ等で公開するよう、改善が必要である。(2.内部質保証) 5. 薬学教育プログラムの全体像を示したカリキュラム・ツリーなどが明示されておらず、カリキュラム・ポリシーとディプロマ・ポリシーの関連性が不明なため、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. シラバスには、担当教員名、開講年度学期、概要、授業計画などの情報は記載されているが、各科目とディプロマ・ポリシーとの関係性が不明、必修科目・選択科目・選択必修科目の区別がわかりにくい、一部の科目では評価基準や配点が明確に記載されていない、パフォーマンス評価(ルーブリック・レポートなど)の記載が曖昧、といった問題があるため、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 異議申し立ての仕組みが学則や履修規定等に整備されていないため、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 学習達成度が各科目の寄与度によって設定されており、ディプロマ・ポリシーで求める学修成果に対する形成的な評価がなされていないため、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 9. 学修成果の評価結果が、教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用されているとはいえないため、さらなる改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 東京薬科大学 | 私 | 東京都 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
東京薬科大学 総評 東京薬科大学薬学部は、創立以来 142 年の間に薬剤師の基本的使命を重視し、医療を取り巻く環境並びに社会のニーズの変遷に沿いながら、教育研究上の目的を「医療を担う薬学人に相応しい充分な知識と技術、及び人類の福祉に貢献できる豊かな人間性と広い視野を持つ人材の育成を目的とする。」と設定し、これに基づき三つの方針が策定されている。現時点では薬学部に3学科を設定しており、学科ごとのディプロマ・ポリシー、並びにカリキュラム・ポリシーを掲げている。内部質保証については、資する評価体制、及びその評価に基づき改善に取り組む体制の整備が進められている。教育プログラムとしては、2022 年度から新しいカリキュラムで進められており、授業科目、実習科目についてはさまざまな工夫がなされ、特にルーブリック表を用いた学習成果の評価も適切に行われている。研究においては、共同研究センターの設置や、外部機関と種々の提携を締結し、次世代型の薬学教育・研究活動を行うための環境を積極的に整備している。若手研究者の登用比率及び若手研究者の育成、活躍推進の目標を定め、公表し、若手研究者の育成に努めている。また、産業界及び地域の関係団体等と協定を締結して、地域医療の課題解決や、医療・医薬品情報の適切な提供と医療人材の育成を積極的に進めている。これらの点は優れた取り組みとして高く評価できる。しかしながら、カリキュラム・ポリシーでは、学科ごとに求められる特徴的な資質を評価する方法については記載が不十分であり、またそれぞれの学科のディプロマ・ポリシーと整合性が取れていない部分がある。また、成績評価については、履修要項と一致していないものが散見され、一部の科目では科目独自の評価基準が設けられており、公正性、厳格性に欠ける。これらの点については改善が必要である。学修成果の評価については、アセスメント・プランは作成されたばかりであり、今後は教員の評価を含めた総合的評価とし、その評価結果を教育プログラムの改善・向上に活用するための取り組みが必要である。東京薬科大学薬学部は、カリキュラム改革や次世代型の薬学教育・研究活動を行うための環境整備などに取り組み、教育研究上の目的を達成するための薬学教育プログラムの設定に努めている。今後、本評価での指摘を活かし、特にアセスメント・プランの実施体制を強化し、適切かつ総合的な学修成果の評価方法を設定することにより、教育プログラムの改善と充実が図られることを期待する。
大学への提言
東京薬科大学 大学への提言1)長所
1. 「DPを基盤とした卒業コンピテンスとコンピテンシー」及び「各コンピテンシーの達成レベル」を設定し、年次進行に伴う単位修得との関連性を「授業計画」(シラバス)やガイダンス、ホームページを通じて学生に周知していることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 若手研究者の登用比率及び若手研究者の育成、活躍推進の目標を定めている点は評価できる。(5.教員組織・職員組織) 3. 若手教員や博士課程大学院生を組織的に支援し、次世代を担う教員の養成に積極的に取り組んでいると評価できる。(5.教員組織・職員組織) 4. 外部機関と種々の提携を締結し、次世代型の薬学教育・研究活動を行うための環境を積極的に整備していることは評価できる。(5.教員組織・職員組織) 5. 臨床研修留学規程が制定され、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)等での研修を実施していることは評価できる。(5.教員組織・職員組織) 6. 産業界及び地域の関係団体等と協定を締結して、地域医療の課題解決や、医療・医薬品情報の適切な提供と医療人材の育成に積極的に取り組んでいることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 各学科のカリキュラム・ポリシーの冒頭に示された薬剤師養成に係る記述(・・・薬剤師の養成)がそれぞれの学科のディプロマ・ポリシー(・・・薬剤師としての素養を身につけている)と整合性が取れていない部分があり、ディプロマ・ポリシーとの関係が理解しにくいので、整合性が取れるように改善することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. アドミッション・ポリシーでは、それぞれの入試方式ごとに、求める学生像と、それをどのように評価・選抜するかについても具体的に記載することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 各種委員会の活動報告書を精査するのが学部長一人であり、より効果的に点検・評価を行える体制の構築が望まれる。(2.内部質保証) 4. 調査研究コースの実質的な課題研究は6単位であり、実験研究コースの12単位に比べて少なく、基礎調査(2単位)、アドバンス調査(4単位)の実施内容、並びに評価方法についてさらに工夫して、課題研究に有効に繋げるカリキュラムとすることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 5. 「卒論ディプロマ・サプリメント」における課題研究に対する主査、副査のコメントの記載が半数程度であり、本システムをさらに有効に活用することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. 学科ごとに設定されたディプロマ・ポリシーに関する特徴的な資質についても評価することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 7. 一般選抜(A方式、B方式)では、学力の3要素のうち知識に偏った評価をしているので、学生の表現力や主体性について高校からの調査書に加えて評価する方法を工夫することが望まれる。(4.学生の受入れ) 8. 入学定員充足率が複数年で110%を上回っているので、合否判定方法等を見直し、適正な入学者数となるように改善することが望まれる。(4.学生の受入れ) 9. 標準修業年限内の卒業者の割合は直近5年間の平均として76.4%であり、教育課程の検証とともに、入学者の選抜方法、定員等の検証もさらに進めることが望まれる。(4.学生の受入れ) 10. 2022年5月時点での専任教員数は134名であり、この時点での在籍学生数を専任教員数で除した学生数は、専任教員1名に対して20.1名と多く、学生数を10名以内とすることが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 11. 定期健康診断を年1回実施しているが、受診率は高いものの100%になるようにさらに改善が望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーにおいて、教育の方法、学修成果の評価については、科目ごとの評価方法を総括的に記載しているだけで、資質・能力ごとの評価方法、特に学科ごとに特徴的な資質を評価する方法については記載が不十分であり、改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. アセスメント・プランは作成されたばかりであり、客観的な評価・測定結果を教育課程の編成及び改善・向上に活用する体制の構築は未だ不十分と言える。今後適切な体制の構築を進め、教育課程の編成及び改善・向上を図ることが必要である。(2.内部質保証) 3. 定期試験結果の評価において、履修要項にある成績評価基準と一致しない科目が散見され、さらに「総合演習Ⅱ」、「総合薬学演習Ⅰ及びⅡ」では、科目独自の評価基準を設けている。履修要項に成績評価基準をより明確に記載し、それに従った評価をすることが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 成績評価に対する異議の申立ての窓口は現在教科担当教員だけとなっているため、教科担当教員以外の教職員が審査、対応する体制の構築が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 学修成果の評価として、年次進行による単位取得と総合薬学演習により知識修得の確認をしているものの、それ以外の資質については、学生自身による自己評価と、課題研究でのルーブリック評価に限定されている。各資質の年次的な進行を教員が評価し、総合的な学修成果を適切に評価して教育課程の編成及び実施の改善・向上につなげ、教育プログラムを改善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 崇城大学 | 私 | 熊本県 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
崇城大学 総評 崇城大学薬学部薬学科では、教育研究上の目的に基づいて三つの方針が策定されている。ディプロマ・ポリシーでは、卒業までに学生が身につけるべき資質・能力として4項目が設定され、項目ごとに学習アウトカムも設定されている。ディプロマ・ポリシーの到達度の総合的評価については、各ディプロマ・ポリシーを5つの観点に分類し、各授業科目の質的・量的な評価結果をレーダーチャートとして可視化している。こういった学生の成長度の視覚的かつ客観的な評価が個々の学生の指導に役立つことを期待する。毎年度、卒業生も加わった評価委員会を開催し、独自の自己点検・評価を組織的かつ計画的に実施していることは評価できる。学生の自律学修の支援のために薬学 Self-AccessLearning Center が組織され、上級生から下級生への学習指導、学習アプリの利用法に関するセミナーなどの活動を行っている。また、学生が脱落することなくディプロマ・ポリシーを達成できるように、低年次生へのきめ細かな学修支援も行われている。教員組織に関しては、全教員が「教育研究等計画調書」に基づいて教育と研究を行い、その実績を自己評価して「実績調書」を作成している。また、熊本県の薬剤師会や病院薬剤師会などとの密接な連携を図り、医療・薬学の発展、薬剤師の資質・能力の向上、及び地域の保健衛生の保持・向上に貢献している。これらの点は、優れた取り組みとして評価できる。しかしながら、カリキュラム・ポリシーについては、ディプロマ・ポリシーとの一貫性・整合性があるとは言えず、また、教育課程全般の教育内容や方法、具体的な学修成果の評価の在り方が記載されておらず、学修成果の評価結果を教育課程の編成、実施方法の改善・向上に活用する体制も整っていない。アドミッション・ポリシーについては、多様な学生の受入れが示されているが、学生を評価・選抜する方法が記載されていない。現在進められている三つの方針の改訂においては、これらの点について十分検証し、改善を図る必要がある。シラバスに関しては、必要事項の不記載や誤った記載のある科目が多く、また、科目の再試験について、制度上、評価に不公平が生じる懸念がある。これらについては、早急な改善が求められる。崇城大学薬学部は、内部質保証の体制は整っているものの、十分に機能しているとは言い難い。今後は、本評価の指摘事項を内部質保証に反映し、三つの方針の適切な設定と、これに基づいた薬学教育プログラムの改善とさらなる向上に努めることを期待する。
大学への提言
崇城大学 大学への提言 1)長所
1. 崇城大学薬学部では、毎年度、外部委員が参加した薬学部評価委員会を定期的に開催しており、独自の自己点検・評価を組織的かつ計画的に実施していることは評価できる。(2.内部質保証) 2. 数理基礎教育科目の1年次前期での開講、専門科目の開講年次の変更、復習講義や補講による基礎学力向上の支援、学生支援教員の配置など、きめ細かな低年次の学生の支援は、学生が脱落することなくディプロマ・ポリシーを達成することに役立つ取り組みであり、評価できる。(2.内部質保証) 3. 学生の自律学修を支援するために、薬学SALCでは、週1回の定期的な上級生から下級生への学習指導の他、学習アプリ利用法に関するセミナーの開催、薬剤師国家試験を終えたばかりの学生から勉強法などについて話を聞く機会の設定などの活動が行われており、評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 教育と研究に関する目標を記した「教育研究等計画調書」を各教員が作成し、それに基づいて教育と研究を行った後、実績を自己評価して「実績調書」を作成しており、評価できる。(5.教員組織・職員組織) 5. 兼業願いの提出により、薬剤師としての実務の経験を有する専任教員が医療現場で研修を行うことができる。また、専任教員が薬剤師として医療現場で研修を行う体制も整備されており、評価できる。(5.教員組織・職員組織) 6. 熊本県の薬剤師会や病院薬剤師会など、関連団体と密接な連携を図り、医療・薬学の発展、薬剤師の資質・能力の向上、及び地域における保健衛生の保持・向上に対して多方面から貢献しており、評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. ホームページに掲載の「教育研究上の目的」を学則の表現と揃えることが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 現在の「教育研究上の目的」には、ディプロマ・ポリシーの「態度・志向性」に関する項目に該当する表現が含まれていない。この項目を含むものに改訂することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 4項目のディプロマ・ポリシー(DP)を5つの観点に分類して各授業科目の質的・量的な評価を行っているが、学習アウトカムやカリキュラムフローにおいてDP2に位置付けされている薬学専門基礎科目の大部分が、DP1にも割り付けられるなど、5つの観点と4項目のディプロマ・ポリシーとの割り付けが適切とはいえないので、互いに整合性を持ったものにすることが望まれる。(2.内部質保証) 4. 1~3年次には大学独自の医療薬学関連科目が配置されていないので、低年次の学生も大学独自の教育を受講できる体制を構築・整備することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 5. 5・6年次には多くの選択必修科目が開講されているが、これらの選択必修科目は1単位修得すればよく、実際には、配属研究室の科目のみの履修となっている。大学独自の教育を広く学生に展開するためには、関連する複数科目の履修を前提としたカリキュラム編成にすることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 問題発見・問題解決能力の醸成に向けた教育においては、目標達成度はルーブリック形式の指標で評価されている。しかし、ルーブリック形式が共通のものとはなっていないため、共通化を図るよう努めることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 教育課程及びその内容や方法の適切性に関する検証については、教務委員会あるいはカリキュラム検討会議で行われているが、未だその結果に基づいた改善・向上には至っていないので、継続的な取り組みが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. 一部の科目においては、シラバス記載の点数配分とは異なる配分での評価、授業計画とは異なる授業が行われており、より正確なシラバスとすることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 学修成果の到達度を総合的に評価する方法は、2021年度に適用が開始されたものである。将来的に学生の年次ごとの成長度を視覚的かつ客観的に評価し、学生個々に応じた指導に役立てると共に、評価と指導の学修成果の到達度に対する効果について検証することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 10. 学生が身につけるべき資質・能力の到達度を総合的に評価する指標や評価方法の検証が、現時点では、十分に行われているとはいえない。したがって、それらの検証を適切な時期に行い、その検証結果に基づいて評価指標や評価方法を見直し、多面的評価を実施することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. 推薦選抜の入試制度を除き、学力の3要素の1つである「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の評価が不十分である。加えて、アドミッション・ポリシーに示された資質を満たす人材を選抜するために、より適切な入試制度への改善が望まれる。(4.学生の受入れ) 12. 面接のない入試制度においても「医療人を目指す者としての資質と能力」を評価できるように改善することが望まれる。(4.学生の受入れ) 13. 入学者の資質・能力の解析結果が、入学者受入れの改善・向上につながるように、継続的な検証が望まれる。(4.学生の受入れ) 14. 入学者数が定員数の1.1倍を超える年度が多いので、合否判定を見直し、適正な入学定員となるように改善することが望まれる。(4.学生の受入れ) 15. 教授、准教授・講師と比較して助教の割合が少ないので、教育研究上の目的に沿った教育研究活動の継続の観点からも、助教の割合を増やすことが望まれる。(5.教員組 織・職員組織) 16. 専任教員一人当たりの学生数が20.6名となっているので、専任教員一人当たりの学生数を10名以内にすることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 17. ほとんどの学生が健康診断を受診しているが、受診率が100%になるように、さらなる改善が望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーが、ディプロマ・ポリシーとして設定されている4項目と一貫性・整合性がある表現になっていないので、一貫性・整合性のあるものに改訂する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. カリキュラム・ポリシーにおいては、学習の質を重視した評価方法を設定し、教育課程全般の教育内容や方法と共に、カリキュラム・ポリシーの各項目に記載する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. ディプロマ・ポリシーに示した学生が身につけるべき資質・能力に関する学修成果の評価の在り方について、具体的に記載する必要がある。(1.教育研究上の目的と三 つの方針) 4. アドミッション・ポリシーにおいては、どのような学生を求め、多様な学生をどのように評価・選抜するのか、その方法が記載されていないので、改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. ディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーの改訂に合わせて、教育研究活動に対する質的・量的な解析を計画的に実施し、得られた解析結果に対する評価を行うための体制を整備する必要がある。(2.内部質保証) 6. 学修成果の達成度に係る卒業時アンケートの結果など、一部の解析結果については自己点検・評価に活用されていないことから、活用するように改善する必要がある。(2.内部質保証) 7. カリキュラム・ポリシーに基づいて、教育カリキュラムが体系的に整理され、効果的に編成されているとは言い難いので、カリキュラム・ポリシーの改訂も含め、教育カリキュラムを適切に整理・編成するよう改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. シラバスに関して、一般目標が記載されていない科目、到達目標が「学修上の注意」などの項目に記載されている科目が数多くある。シラバスの記載内容を再確認し、記載事項の不備について改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 9. 「総合薬学演習Ⅲ」の成績評価試験の多くで、予備校が作成した問題をそのまま使用しているので、独自に作成した問題を用いて実施する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 制度上は、再試験の合格者が「良」となる可能性があり、本試験において「可」で合格した学生との間で不公平が生じる懸念がある。公正な成績判定を行うために、再試験合格者の成績は「可」とするように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 11. 大学として成績評価に関する異議申立期間が設けられており、学生には大学のポータルシステムで周知が図られている。しかし、科目担当教員に直接問い合わせるのではなく、疑義照会の透明性を確保するために教務部を介して問い合わせるよう改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 12. 学修成果の到達度の総合的評価で得られた結果を将来の教育課程の編成、実施方法の改善・向上に活用するための体制を構築する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-3学修成果の評価) 13. カリキュラムにおいて重要と位置付けている「薬局管理学」が非常勤講師のみの担当となっているので、専任教員が担当する必要がある。(5.教員組織・職員組織) |
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| 摂南大学 | 私 | 大阪府 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
摂南大学 総評 摂南大学薬学部は、「高い倫理観、心豊かな人間性、実践的能力を備え、わが国の医療の進化、健康・福祉の増進、生活環境の保全に貢献する薬剤師を養成する。」を教育研究上の目的として、三つの方針が策定され、6年制薬学教育を実践している。卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)では、卒業までに身につけるべき「8つの資質」を設定している。教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)は、「8つの資質」を修得するために設定された「32 の能力」を修得できるように段階的にパフォーマンスレベルが向上する構成になっている。カリキュラム・ツリー及び科目ごとの修得レベルである「卒業目標マトリックス」により、修得状況が可視化できるように工夫している点は評価できる。また、学修成果の評価の方針(アセスメント・ポリシー)に基づき策定したアセスメントプランによりディプロマ・ポリシーへの到達度や学修成果の評価及び検証を行っている。アセスメント・ツリーは、学年進行に従った評価手法・評価項目と卒業までに学生が身につけるべき「8つの資質」との関係が一目でわかる優れたものとなっている。入学者の受入れに関する方針は、ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーを踏まえて求める学生の資質を具体的に設定している。とりわけ、低学年から多くの科目でSGD(Small Group Discussion)やTBL(TeamBased Learning)をとり入れている点、看護学部と合同の演習科目や看護学部、農学部と合同のセミナーを開講している点、さらには、演習科目において学生間で評価させるピア評価を行っている点は特色ある取り組みとして評価できる。また、教職員の海外研修において学校法人常翔学園(以下、学園)が渡航費の全額と滞在費の一部を補助する制度を有している点や、臨床系、基礎系を問わず教員が希望すれば臨床現場で薬剤師業務を行うこ
とのできる体制を整備している点も優れた取り組みと言える。一方で、改善が望まれるいくつかの点を助言として指摘した。これらの点について適切に対応することによって、摂南大学薬学部の6年制薬学教育プログラムをさらに充実させることができるものと期待される。
大学への提言
摂南大学 大学への提言1)長所
1. アセスメント・ツリーは、学年進行に従った評価手法・評価項目と卒業までに学生が身につけるべき「8つの資質」との関係が一目でわかる優れたものとなっている。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 低学年次から多くの科目でSGDやTBLをとり入れるとともに、看護学部と合同の演習科目(「薬剤師になるために」、「患者安全」、「患者コミュニケーション」等)や看護学部及び農学部と合同の「学修キックオフセミナー」を開講している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 実習・演習科目では、学生間でお互いに評価させるピア評価やルーブリック評価表を用いたパフォーマンス評価が行われている。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 教職員の海外研修制度を有しており、最長で1年間の長期海外出張ができ、学園が渡航費の全額及び滞在費の一部を補助している。(5.教員組織・職員組織) 5. 研究室・分野ごとに前々年度の論文発表件数をポイント化し、「研究発表奨励金」として研究費を増額している。(5.教員組織・職員組織) 6. 専任教員が常に新しい医療に対応するために研鑽するための取り組みとして、実務経験を有する専任教員に限らず、すべての教員が臨床で研鑽できる体制を構築し、専任教員の勤務時間中の職場離脱を稟議手続きにより柔軟に認めている。(5.教員組織・職員組織) 7. 通常の学生生活でのメンタルケアに対応する学生相談室の他に、5年次の薬学臨床実習時のメンタルケアのための窓口「実務実習学生こころの支援」を開設するとともに、「実務実習こころの支援ガイドライン」を制定している。(6.学生の支援) 8. 独自の教育プログラム「キャリア形成」コースを設け、1~6年次まで全学年を通じて科目を開講し、受講学生は、「学修キックオフセミナー」でのファシリテーター、基礎実習におけるアシスタント、薬用植物園の一般公開における地域住民への対応などを行っている。(6.学生の支援) 9. 近隣の15施設の医療機関と「教育・研究の連携と協力に関する協定」を締結し、現場で活躍している医師、薬剤師、看護師等の医療関係者との連携・交流を図っている。 (8.社会連携・社会貢献) 10. 関西医科大学及び大阪歯科大学と「医歯薬に関する学術・研究の連携と協力に関する協定」を締結し共同研究を進めている。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 自己点検・評価に係る委員会活動を適切かつ継続的に実施するために、委員会の設置目的、メンバー構成、所掌事項等を記載した規約(あるいは内規)を制定し、明示することが望まれる。(2.内部質保証) 2. 卒業研究に従事すべき時間数を充足していないにもかかわらず、卒業研究の単位が認定されている例が数件ではあるが確認されたので、より厳密なチェックを行うことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 3. 6年次後期の「総合薬学演習」では、本試験受験資格の記載内容が、シラバスと別途配付のガイドラインで異なっているので統一することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 学修成果の測定結果とディプロマ・ポリシー到達確認用ルーブリックによる自己評価との相関について検証を重ね、教育課程の編成及び実施の改善や向上に活用していくことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. 「医療人の資質」と「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を測定する方法として、すべての入試区分で面接試験を導入する方向で検討を開始しているが、実施時期は未定であるので、早期の実現が望まれる。(4.学生の受入れ) 6. 専任教員1名あたりの学生数が21.5名となっているので、10名以内にすることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 7. 健康診断は、毎年4月に全学生を対象に実施しているが、受診率は高いものの100%にはなっていないので改善が望まれる。(6.学生の支援) 8. 海外からの留学生や研究員を積極的に受け入れる体制を整備し、国際交流のさらなる活性化に努めることが望まれる。(8.社会連携・社会貢献) |
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| 昭和薬科大学 | 私 | 東京都 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
昭和薬科大学 総評 昭和薬科大学は大学の理念「薬を通して人類に貢献」をもとに、学則第1条に「大学の目的と使命」を「本大学は、教育基本法及び学校教育法に基づき、広く知識を授け、人格の陶冶に努め、深く薬学に関する学理と技術とを教授研究して、社会有為の薬剤師及び薬学研究者を育成することを目的とし、薬学の進展、文化の興隆、人類の福祉に寄与することを使命とする。」と定め、それに基づいた「学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」を制定し、6年制薬学教育を行っている。教育課程は、10種類の系で編成され、体系性と科目の順次性は、カリキュラム・ツリーとして明示し、学修成果の評価の在り方は学生便覧ならびにシラバスに記載している。昭和薬科大学では、教員の教育・研究レベルの維持向上に努めており、実務家教員に対する資質維持研修制度を設ける他、大学の次世代を担う教員の育成を視野に入れた支援制度を整えている。一方、学生に対しては、ラーニング・サポート・ステーションの設置、上級生によるピアサポーター制度により、生活や学習を支援している。また、地域の課題解決に貢献するため、様々な取り組みを行っている。しかしながら、薬学教育第三者評価の重要な項目である「教育課程の編成」において、重大な問題があると評価せざるを得ない。すなわち、卒業研究は3コース制を取り、実験または調査等の課題研究を行うことで問題発見・問題解決能力の醸成を図っているが、卒業研究に相当する科目の履修単位数は、コース間で大きく異なっているため公平・公正な履修ができず、一部の学生において問題発見・解決能力の醸成のための教育が著しく不足することが懸念される。また、学生の意思が反映されない卒業研究コースの選択方法は不適切であり、低学年の実習科目の到達目標設定と成績評価に不備がある、と言った問題がある。さらに、カリキュラム全体において、時間割のコマ数と単位数が整合していない科目がある、必修科目が同一の時間に実施されている、学修成果の評価結果が教育プログラムの改善につながっていない、6年次後期に外部講師による補講が時間割の多くを占め、薬剤師国家試験の合格率の向上を主眼とした教育が実施されているなど、重大な問題点が認められる。したがって、これらの問題点について改善し、ディプロマ・ポリシーに沿った人材が輩出できるカリキュラムとすることが求められ、所定の期間内に十分な改善が認
められない場合、本認定はその効力を失うこととしている。昭和薬科大学においては、今後指摘した問題点の改善に取り組み、「大学の目的と使命」に掲げる優秀な薬学人材の育成に向けて、薬学教育プログラムの充実を図られることを期待する。
大学への提言
昭和薬科大学 大学への提言 1)長所
1. 一部の重要な委員会には学外委員あるいは外部評価委員を招いて意見を聴き、教育研究活動の改善・向上につなげていることは評価できる。(2.内部質保証) 2. 昭和薬科大学では、大学の次世代を担う教員の育成を視野に、若手研究助成、教育改革助成、科研費調書閲覧サービス等を実施し、手厚い支援を行っている。(5.教員組織・職員組織) 3. 2~5年次学生によるピアサポーター制度では、ピアサポーターが、困った学生からの相談や、留年生サポート活動、オープンキャンパス支援、学食・売店運営やボランティア活動など多岐に対応しており、学生同士で大学生活や学習を相互に支援する良い取り組みである。 (6.学生の支援) 4. 地域連携センターを設置し、町田薬剤師会や町田市など、地域と連携して、市民や住民に対して大学が持つ学術的なものを提供することで貢献している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 大学独自の教育の展開をも含めて具体的な教育目標を掲げることが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 質的・量的解析のために収集・蓄積されたデータは、各委員会単位で解析・報告されるに留まっているので、改善目標や具体的な改善策を明文化し、自己点検・評価委員会が次年度の各種委員活動の改善目標、到達目標の達成度を検証することが望まれる。(2.内部質保証) 3. 授業改善計画の策定にあたっては、学生のコメントだけではなく、成績分布などのデータ分析を通じて授業内容の精査・見直しを行うことが望まれる。(2.内部質保証) 4. ディプロマポリシー・ルーブリックを用いた学生自身による学修成果の評価は主観的なものにすぎず、教育の内部質保証のためには、教員による客観的な評価、さらには他の方法との組み合わせによる総合的な評価を実施し、自己点検・評価を通じて教育プログラムの改善につなげることが望まれる。(2.内部質保証) 5. 10種の系の科目とディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシーの関係については、学生便覧等に記載されていないので明示されることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 「アドバンスト実務実習」の履修者が毎年1~2名であるので、履修者を増やすことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 学生によって履修しなければならない卒業研究関連科目の単位数が大きく異なり、またコースによって到達すべき一般目標が異なるにも関わらず、全てのコースで同一の発表形式、ルーブリック表等で成績を評価しているのは適切とは言えず、改善が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. シラバスには各科目の評価方法に対する得点の配分は記載されているものの、評価の観点や基準が明確に記載されているものはほとんどなく、また、ヒューマニズム・コミュニケーション教育ではSGDへの参加や課題レポートをどのような観点や基準で評価するのかが示されておらず、学生による自己評価や教員による評価を適切に行えないことが懸念されるので、これらの情報を追加することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 定期試験及び成績評価に必要な出席要件の規定を見直し、周知することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 学生が自己評価した段階の学年ごとの平均値は、最も高いものでも、4段階中の3段階まで至っていないことから、ディプロマポリシー・ルーブリックの基準の適切性について検討を続けることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. ディプロマポリシー・ルーブリックによる学生の学修自己達成度評価は、学生自身による主観的な評価に留まっており、教員による評価については現状では対応がなされていないので、教員による客観的な学修成果の評価を行うことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 12. アセスメント・ポリシーについては、学内で策定のための議論を進めているが、現時点では策定されていないので、策定することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 13. 現行の学力試験と出願書類を活用した人物評価では学力の3要素を多面的・総合的に評価しているとは言えない。さらに、「自己点検・評価書」に示された4つの一般入試方法とアドミッション・ポリシーに掲げた求める人物像との関係には根拠が認められない。したがって、学力の3要素を多面的・総合的に評価できるように、アドミッション・ポリシー及び入学試験制度を改善することが望ましい。(4.学生の受入れ) 14. 専任教員1名あたりの学生数が約19名と多いので、適正な教員数を確保することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 15. 大学ホームページ上の教員一覧から各教員の教育研究業績が閲覧できるが、全教員が最新のデータを入力していない場合があるので、定期的に整備することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 16. 南カリフォルニア大学薬学部との学術交流協定は令和2(2020)年12月に失効したままで、学生の海外研修先が決まっていない状況となっているので、薬学生の海外研修プログラムを検討することが望まれる。(8.社会連携・社会貢献) 17. 長期国外出張の制度はあるものの、利用する教員が少ないので、長期国外出張が活発化することが望まれる。(8.社会連携・社会貢献) 3)改善すべき点 1. 「教育研究上の目的」(「教育の目的」)は、一般的な社会のニーズをまとめた記述に留まっているので、大学又は学部の理念及び薬剤師養成教育として果たすべき使命を踏まえ、医療を取り巻く環境、薬剤師に対する社会のニーズを反映したものに改善する必要がある。また、「教育の目的」は、三つの方針と共に、適切なものとなるよう、定期的に検証するように改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. カリキュラム・ポリシーとして、ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーとの間での対応が不明瞭であり、本来示されるべき、教育課程編成、教育内容・方法、学修成果の評価の在り方等が具体的に設定されていないので、さらなる改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. アドミッション・ポリシーとして、多様な学生をどのように評価・選抜するかについて具体的に設定されているとは言えないので、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 常設委員会や常設運営委員会等の自己点検・評価の結果に基づいて改善計画の立案までは行われるものの、改善計画の実行は教員個人あるいは委員会任せになっている。 したがって、自己点検・評価結果等に基づいた教育研究活動の改善が適切に行われて いるとは言えないので、大学運営会議ならびに自己点検・評価委員会の役割を再点検 し、教育研究活動の改善に向けて適正に運営するよう改善することが必要である。(2.内部質保証) 5. シラバスを科目ごとに精査すると、授業形式や、講義回数と講義内容、評価方法の記載等に問題点が認められるので、学生が理解しやすいように、シラバスの構成や内容、及び表記の方法を見直すとともに、各科目間で統一することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 実習科目において、問題発見・解決能力の醸成に係る到達目標を明確に設定し、また実習に適した成績評価法を用いること、評価基準を明確にすることなどの改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 4~6年次の期間で、卒業研究に相当する科目の履修単位数は、最高で 15 単位(総合薬学コース1)、最低で4単位(臨床薬学コース・情報薬学コース)と約4倍の差がある。このような状況は、一部の学生において、問題発見・解決能力の醸成のための教育が著しく不足している。全コースの学生について、問題発見・解決能力の醸成のための教育が十分に実施できるように、卒業研究に相当する科目の実施期間ならびに単位数を適切に設定する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課 程の編成) 8. 時間割のコマ数と単位数が整合していないことや、2つの必修科目が同一の時間に実施されていることはカリキュラムの不備であり、単位の取得に支障が生じることが懸念されるので、必要な履修時間数を単位数に応じて適切に設定し、それを正確に時間割やシラバスなどに反映させるよう、早急な改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 9. 必修科目の成績判定基準では60点以上を合格点としているが、本科目に合格しているにもかかわらず70点未満の場合に学生の意向とは別に座学中心のコースを選択させることは、卒業研究コースの選択方法として不適切であるので、学生の意思によってコースを選択できるよう改善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 10. 全ての学生に対し、薬学分野における問題解決能力の醸成にとって適正な課題を設定して卒業研究が実施されるよう改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 11. 6年次後期の授業科目は薬剤師国家試験の合格率の向上を主眼とした編成になっていると判断されるので、外部講師による国家試験対策と考えられる補講の時間数や実施時期について見直し、大学のディプロマ・ポリシーに沿った人材が輩出できるようにカリキュラムを改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 12. 単位を取得した科目(既修得科目)の成績の上書きについては、公正な成績評価とは言えない。留年生に対する再受講の規程について改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 13. 6年次留年生に対する「最終総合演習」の講義内容及び成績評価基準を、6年次後期の「最終総合演習」と同一にすることが必要である。(3.薬学教育カリキュラム3-2教育課程の実施) 14. 総括的な達成度評価を行うための具体的な方針を引き続き検討し、教育課程の編成及び実施の改善・向上につなげ、教育プログラムを改善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 近畿大学 | 私 | 大阪府 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
近畿大学 総評 近畿大学薬学部は、6年制の医療薬学科と4年制の創薬科学科を併設し、大学が掲げる「建学の精神」と「教育理念」、薬学部が掲げる「教育研究の理念」のもと、医療薬学科の「学習・教育目標」を「薬に関する高度な知識と臨床技能を備え、優れたコミュニケーション能力ならびに問題解決能力を備えた薬剤師として活躍できる人材を養成する」と定め、それに基づいた「ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)」、「カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)」、「アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)」を制定し、6年制薬学教育を行っている。これらは、医療を取り巻く環境、薬剤師に対する社会のニーズを反映したものとなっている。内部質保証の起点となる自己点検・評価は、薬学部及び医療薬学科における教育研究活動について、大学の主導のもとで実施されているが、その結果は公表されていない。この自己点検・評価に対して他大学の教員による外部評価も行われ、その結果が薬学部の全教員で共有され、教育研究活動の改善の礎となっている。学修成果の評価については、「ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)」に掲げた資質・能力の項目ごとに、学生が各セメスターにおける目標設定と実行計画を立て、目標達成度を学生が自己評価して教員が形成的に評価する「学習ポートフォリオ」を作成し、運用している。この「学習ポートフォリオ」では、ルーブリック表を用いて、「ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)」に掲げた資質・能力の達成度を、学生と教員がそれぞれ評価し、結果を共有している。この評価結果を含め、アセスメント・ポリシーに示された評価指標についての質的・量的な解析は十分には行われてはいない。それらの解析を行い、その結果に基づき、近畿大学薬学部医療薬学科における薬学教育プログラムを今後、さらに充実させることを期待する。
大学への提言
近畿大学 大学への提言1)長所
1. 近畿大学は在外研究制度を設け、専任教員に対して渡航・滞在費等を援助しており、評価できる。(5.教員組織・職員組織) 2. 発表論文件数に応じた追加研究費が配分され、競争的外部資金の獲得に応じて奨励研究費を支給していることは評価できる。(5.教員組織・職員組織) 3. 近畿大学薬学部は、同大学医学部、大阪公立大学医学部、関西医科大学と連携し、大阪府医師会、大阪府薬剤師会、大阪府病院薬剤師会、大阪府看護協会、大阪府薬務課の協力を得て、「NPO法人近畿がん診療推進ネットワーク」を立ち上げ、大阪のがん医療の均てん化や水準向上に貢献しており、評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. アセスメント・ポリシーには、教育課程をアセスメントするための評価指標が記載されているが、その指標の一つとなる、個々の学生の学修成果の達成度を学生自身がどのように確認するか、については記載が明確ではないので、学生に対してわかりやすく伝わるように表記し、カリキュラム・ポリシーに記載することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. カリキュラム・ポリシーに記載されている学習方法や評価方法は、学習の質を重視し、学生のパフォーマンスと整合する学習・教授方法及び、成績評価の方法を設定してカリキュラム・ポリシーに記載しているというには具体的ではないので学ぶべき資質・能力が身につく適切な学習・教授方法及び、評価方法を適切に設定してカリキュラム・ポリシーに記載することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 薬学において重要と考えられる「生化学」や「微生物学」、「免疫学」等が「選択必修科目」となっている。これらの科目は履修指導によって全員が履修しているが、履修しない学生や合格しないまま卒業する学生が出てくる可能性があることから、薬学において重要と考えられる科目群は「必修科目」として開講することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 教員による評価については、客観性や信頼性が十分に担保されていないので、教員間で評価基準を一致させるような努力が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. 学修成果の評価結果の解析に基づき、教育課程の編成及び実施の改善・向上をさらに推し進めることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 6. 「推薦入試」では学力の3要素の一つである「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」や医療人を目指す者としての資質・能力について面接試験を通して評価しているが、「一般入試」ではその評価が十分に行われていないので、適切に評価することが望まれる。(4.学生の受入れ) 7. 入学者の資質・能力について十分に検証されていないので、検証を行い、その結果に基づき、必要に応じて入学者受入れの改善・向上等を図ることが望まれる。(4.学生の受入れ) 8. 女性教員の割合は多くはなく、今後、女性教員の割合を増やすように努めることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 9. 1名の専任教員に対して学生数は20名を超えることから、10名以内になるようにすることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 10. 2・3年生の健康診断受診率が低い傾向にあり、改善が望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. アドミッション・ポリシーには、どのような学生を求めるのかについて記載されているが、複数の選抜試験によって多様な学生をどのように評価・選抜するか等については具体的な記載がないので、アドミッション・ポリシーに記載する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 医療薬学科の「学習・教育目標」や三つの方針を定期的に検証するための指標や計画を立て、明文化し、検証する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「近畿大学自己点検・評価委員会」が行っている「全学自己点検評価資料」に記載された、薬学部医療薬学科の教育内容に関する自己点検・評価の結果は公開されていないので、これらをホームページ等で公開する必要がある。(2.内部質保証) 4. 4年次の「総合演習Ⅰ」では、外部試験を利用して成績を評価しているので、授業を担当した学内教員による試験に変更するように、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) |
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| 兵庫医科大学 | 私 | 兵庫県 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
兵庫医科大学 総評兵庫医科大学薬学部は、教育研究上の目的を「物質と生体に関する正しい知識と研究を通して得られる問題解決能力を基盤としつつ、生命の尊厳を畏敬し、人々の健康と幸福を真に願う医療専門職者としての明確な意識のもとに、多様な分野で薬学的立場から全人的医療を支えることのできる薬剤師を育成する」と定め、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)、教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)及び入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)を設定している。しかしながら、カリキュラム・ポリシーに学修成果の評価の在り方が具体的に示されていない。
教育内容やその成果は、兵庫医科大学内部質保証会議の主導のもとで薬学部自己点検・評価委員会で検証し、内部質保証会議のアドバイスを受けて改善に取り組む体制が確立されている。カリキュラムは、薬学教育モデル・コアカリキュラムに準じて体系的かつ順次性をもって設定されており、独自科目として医療系学部合同での早期臨床体験やチーム医療に関わる科目等が設置されている。しかし、一部の専門科目において、成績評価の公正性、厳格性に懸念される点がある。これらについては、十分な検証を行い、改善を図る必要がある。 これまで入学試験結果の検証に基づいて様々な入試改革が行われてきたが、標準修業年限内での卒業率の向上や低学年次での留年率・退学率の改善は十分とは言えないので、引き続き改善に取り組む必要がある。一方、薬学部アドバイザー制度等による手厚い学生支援や、教員による教授・評価方法の開発とその成果の社会への発信は、優れた取り組みと言える。薬学部としての留学生受入や教職員・学生の海外研修等の実績は少なく、また英文ホームページからの情報発信も不十分であることから、国際的な教育研究活動の活性化が求められる。 兵庫医科大学薬学部では、全教員が教育研究上の目的の達成に向けて積極的に取り組む姿勢がうかがえる。本評価結果が内部質保証に生かされ、薬学教育プログラムのさらなる改善と向上が図られることを期待する。
大学への提言
兵庫医科大学 大学への提言1)長所
1. 卒業時に求められる学生の資質・能力の向上に資する学習・教授・評価方法の開発を行い、その成果を教育研究論文や総説として積極的に社会に発信していることは有益な取り組みとして評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 2. 若手研究者を支援する学内研究助成制度が設けられていることは評価できる。(5.教員組織・職員組織) 3. 新入生を対象とした薬学部アドバイザー制度が運用されており、教員1名につき3~4名の1年生を割り振り、入学直後から前期の間、週1回面談することで、学生の生活態度や学習意欲等を確認し、新しい環境で順調な学生生活をスタートさせているかを見守るとともに、守秘義務に配慮した上で面談の内容を担任に繋げていることは評価できる。(6.学生の支援) 4. 地域の薬剤師対象のアカデミック・ディテーリングを学ぶ場であるEBM倶楽部を、コロナ禍でもオンライン形式の「Web-EBM倶楽部」として毎月継続していることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 兵庫医科大学薬学部の教育研究上の目的である「教育目的」は、教務便覧に示されており、教務便覧の冊子体は新入生と教職員に配付されている。教務便覧の冊子体を配付されない在学生は、ホームページからダウンロードできるとしているが、各 学年の教務ガイダンス資料に記載するなどにより、「教育目的」を学生に十分に周知することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 教育研究上の目的について、教務便覧(p3)には「薬学部 目的」というタイトルで記載されているが、学則やホームページに掲げられた「教育目的」と同一の内容であることがわかりにくいため、学則と表現を揃えることが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)は、入学生が目標とする将来の自分像として四つの類型を掲げ、そのために必要な素養と能力を【知識・技能】【思考力・判断力・表現力】【主体性・多様性・協働性】に分けて明示している。入試区分ごとの評価については、学生募集要項に記載されているものの、アドミッション・ポリシーには各項目をどの入試区分において、どのように評価するのかが示されていないので、これらを具体的に示すことが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 教育研究上の目的及び三つの方針について、2021年度の自己点検・評価書の点検・評価の内容は、2022年度の該当箇所とほぼ同一であり、また、2022年度の検証は全学内部質保証会議からの要請によるものであることから、これらをもって薬学部として定期的な検証を行っているとは言い難いため、さらに主体的に検証することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. カリキュラム・ルーブリック評価表は学生の自己評価用であるため、教員による評価も併せて行い質的・量的に解析を行うすることが望ましい。(2.内部質保証) 6. 6年次後期は「総合演習Ⅱ」及び「研究研修Ⅱ」を並行して開講しているが、時間割の大半を占める「新・研究研修Ⅱ」は2単位の自由科目であり、これまで履修者はいない状態である。したがって、このような2単位の自由科目に多くのコマ数を割く時間割科目の編成は、実質的には薬剤師国家試験の合格率の向上のみを目指していると考えられる。例えば、「研究研修」はカリキュラム・ポリシーに掲げる「医療や科学技術の発展に貢献できる研究能力と、生涯を通して学び続ける自己研鑽能力を養成するための科目」であるべきであり、「新・研究研修Ⅱ」についても必修化するなどして、このような実質的に国家試験対策科目に偏った時間割編成を解消するように改善することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 再試験実施の有無については、シラバス授業概要情報の「成績評価の方法」において、再試験受験の要件を明記するように各科目責任者へ要請しているが、シラバスへの記 - 33 - 載の有無は科目によって異なる。成績評価の公平性の観点から、再試験の有無及び再試験を行う場合の受験要件については、シラバスにおいて統一的に示すことが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 仮進級については、「兵庫医科大学薬学部・看護学部・リハビリテーション学部の教務に関する規程」第19条の②に「学長が教授会の意見を聴いて、教育上有益と認めた場合、特に進級させることがある。」と規定されており、各学年の進級判定要件は教授会での承認後、4月の履修ガイダンスにおいて、その年の基準が学生に説明されている。この規程は、「全ての必修科目及び進級に必要な選択科目の単位数について合格の判定を受けた者」と定められている進級基準を満たさない者に進級を認めることになるため、公正かつ厳格な進級判定として、少なくとも具体的にどのような場合が該当するのか明示して、学生に周知する必要がある。また、これを仮進級とすると、規程の文章からは本来の進級と区別ができない。したがって、規程の見直し等、進級判定について改善を図ることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 単位取得以外に卒業認定に関わる項目としてディプロマ・ポリシーに掲げた学生が身につけるべき資質・能力のルーブリック評価があるが、学生の自己評価にとどまっており、教員による評価を合わせて実施し、形成的評価に活用したり、過去の結果と比較して学年進行による変化を解析することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 学生の自己評価の結果ではあるが、学年が進むごとにディプロマ・ポリシー達成度が上昇していることから、教育課程の進行に対応した評価として有用であると考えられているが、単年度の学年同士を比較するだけでは、実際の学生群の教育課程の進行に対応しているか明確ではないため、さらなる解析を進めることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. ルーブリック評価はあくまでも学生の自己評価のみであり、学生が身につけるべき資質・能力を、「教育課程の進行に対応して」評価しているとはいえないため、教員による評価やフィードバックも行うことが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 12. 6年生による自己評価の結果が卒業判定教授会に提出され、ディプロマ・ポリシー達成度を認定したとされるが、「2023.02.09薬学部 臨時教授会議事録」によると、卒業確定者に対してディプロマ・ポリシーの達成状況が承認されたとあるので、最終的な 卒業判定の前にディプロマ・ポリシー達成度を確認することが望ましく、また、そのことをすべての学生に事前に周知することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 13. 学部独自のディプロマ・ポリシー達成度の自己評価の結果を、カリキュラム全体にフィードバックする点について、さらに工夫することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 14. 「表現力」の評価は、大学入学共通テスト利用入学試験(面接併用型)での二次試験のみでしか実施されていないため、他の入学試験においても改革をさらに進めることが望ましい。(4.学生の受入れ) 15. 一般選抜においては「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価できておらず、学力の3要素の多面的・総合的な評価には至っていないので改善することが望ましい。(4.学生の受入れ) 16. 大学統合前の規程等がそのまま残っており、現状の教育研究活動と齟齬が生じることが懸念されるので、それぞれについて精査し、必要に応じて改訂を行うことが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 17. 専任教員1名に対する学生数は2022年5月時点で18.9名、2023年2月時点でも17.0名であり、1名の教員あたり学生10名以内とすることが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 18. 教員の教育にかかる時間はほぼ均等に分布しているが、一部の教員の担当時間が多い。教員の研究時間は確保されているので早急に改善を要する状況には至っていないが、各教員の業績を見ると、2019年から著書・論文・学会発表のいずれもない教員が教授1名、准教授1名、講師1名、助教1名いる。教育にかかる時間の格差と直接結びつけることはできないが、すべての教員に対して適切な育研究環境を整備することが重要であり、改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 19. 兼業規程はあるものの、薬学部として実務経験を有する教員の研鑽を支援するための制度は整備されておらず、自己研鑽の範囲に留まっているため、積極的に研鑽を積むことができる体制の整備が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 20. 学生生活実態調査アンケートの回収率については、2021年度の薬学部の回答者は247名と低率であるため、さらに回収率を上げる取り組みが望まれる。(6.学生の支援) 21. 「学校法人兵庫医科大学ハラスメント防止等に関する規程」第8条では、学生からのハラスメント相談窓口は学生相談室であるが、学生には学生相談室以外に学生委員、 - 35 - 担任等の教職員が相談を受け、助言を行うことができると周知されている。ただし、ハラスメントに関しては、被害を受けたと感じた学生が迷わずに相談可能で、中立の立場の窓口を設置することが望ましい。(6.学生の支援) 22. 実務実習を控えた5年生の健康診断受診率は、5月時点で96.1%だったが、最終的な受診率は100%となった。しかし、医療系学部であることを鑑みて他の学年の受診率も100%とすることが望ましい。(6.学生の支援) 23. 薬学部としての留学生受入れや教職員・学生の海外研修等の実績は少なく、教員が海外に留学するための支援制度の設立等も含め、より活性化することが望ましい。(8.社会連携・社会貢献) |
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| 千葉大学 | 国 | 千葉県 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
千葉大学 総評 千葉大学薬学部薬学科は、薬学部の「人材育成および教育研究上の目的」にそって、「薬学科は、薬剤師の資格と研究能力をいかし、チーム医療の中で職能を発揮する指導的薬剤師や薬学の教育・研究、薬事・医療行政、医薬品の開発等を担う人材の育成を目的とする。」としている。大学全体の学位授与の方針(DP)は5つからなり、薬学科のDPは、これらについてさらに 16 のdpとしてより具体的に定められている。教育課程編成・実施の方針(CP)についても、全学の方針に基づき大学の5つのDPに対応した 16 のCPの項目を策定し、dp1~dp16 に紐づけされている。入学者受入れの方針(AP)は2学科で共通なものと、学科間で異なるものを示している。入試に関しては、学校推薦型選抜が薬学科志望者を、一般選抜(後期日程)が薬科学科志望者を対象として実施される。また、一般選抜(前期日程)による入学者は3年次に学科振り分けが行われるため、選抜時には学科の区別がない。薬学部は、亥鼻キャンパスでの医学部・看護学部との合同授業として、「専門職連携Ⅰ〜Ⅳ」を1年から4年まで段階を追って開講しており、関連他職種の理解を深めるとともに、協働的問題解決能力の醸成にも力を入れた教育を行っている。また、「千葉大学グローバル人材育成 “ENGINE”」の一環として、2020 年度入学生から学部生の留学を必修化し、コロナ禍においてもオンラインでの実施を行うなどグローバル教育・国際交流にも注力している。これらの点は、優れた取り組みとして評価できる。しかしながら、DPについては、現状のdpの表現では学生にとって卒業時に身につけるべき資質能力を理解することが難しいと考えられ、またこれに関連して、CPについては、学修成果の評価の在り方についての記載がない。dpについては、薬学科の教育研究上の目的と整合した資質能力を簡潔かつ具体的に示すことが望まれ、また、CPについては薬剤師教育課程の内容をより明確に示し、学修成果の評価の在り方を具体的に設定するよう改善が必要である。内部質保証については、薬学部において体制が整備され、薬学教育自己点検委員会を中心に自己点検・評価が行われているが、その活動が自己点検・評価
結果としてまとめられた記録がなく、ホームページ等で公表されていない。6年制薬学教育プログラム独自の基準を決めた上で計画的な自己点検・評価活動を行い、結果を公表するよう改善が求められる。 千葉大学薬学部薬学科は、目的とする多様な薬学人材の養成に向けて、特徴的な薬学教育プログラムを構築し実施している。本評価結果を生かして内部質保証の充実と改善を図り、さらなる教育プログラムの発展に努められることを期待したい。
大学への提言
千葉大学 大学への提言 1)長所
1. 「千葉大学グローバル人材育成“ENGINE”」の一環として、2020年度入学生から学部生の留学を必修化して単位を認めることとしている。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 専門職連携教育として、医学部・薬学部・看護学部の3学部合同(1年次は工学部の一部も合同)の授業が、「専門職連携Ⅰ」、「専門職連携Ⅱ」、「専門職連携Ⅲ」、「専門職連携Ⅳ」と1年次から4年次まで段階を追って開講されており、効果的な学習方法と評価方法を用いて実施されている。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2)助言 1. 教育研究上の目的を社会のニーズを反映したものとするためにアンケート調査を実施するのであれば、育成する薬剤師像を適切に把握できる内容のアンケートを、薬剤師を対象にして実施することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. dpは、薬学科のカリキュラムにより卒業までに身につけるべき資質・能力を具体的に設定し、学生にとって理解し易いものとすることが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 薬学部のAP3点に加えて薬学科のAP2点が設定されているが、学科ごとにそれぞれAPを設定することが望ましい。また、入試ごとにどのような基準・方法によって評価、判定するのかも設定することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 薬学教育自己点検委員会の組織には、卒業生はいるが教員であり外部委員とは言い難いので、学外の委員を導入することが望ましい。(2.内部質保証) 5. 学修成果の評価(アセスメント)を行うためのアセスメント・ポリシーでは、学修成果の評価の在り方について、より具体的に設定することが望まれる。(2.内部質保証) 6. 「特別実習Ⅰ、Ⅱ」の評価は、ルーブリックにより70%が行われているものの、残りの30%の基準が明確に示されていないので、研究室間で統一した基準を設定することが望ましい。「特別実習Ⅲ」の評価においては、残りの30%を主に卒業論文発表の評価で行っているが、卒業論文そのものの評価も基準を設けて行うことが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 実務実習以外の授業では、ルーブリックによる評価が最終評価だけになっているものが見受けられるので、学生にルーブリックを提示したうえでの形成的評価にしていくことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 「特別実習Ⅰ、Ⅱ」では、4段階で評価する共通のルーブリック表を用いて各年次で教員が成績評価しているが、学生自身の自己評価を加えて、形成的評価も行うことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. シラバスに再試験についての記述はないので、再試験の在り方について明示することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 学生個々の身につけるべき資質・能力の評価として、各科目の成績と 12 の力との関連付けについては、さらなるブラッシュアップを行い、より精度の高い達成度評価を目指すことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. 学修成果の評価は、2022 年度に開始したもので、学修成果の評価結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用した実績はまだない。今後、評価結果について適切な点検・検証を行い、これらの改善・向上に活用することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 12. 前期日程入試については、「学力の3要素」、「主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度」を判断することが必要であるとされているので、共通テストに加えて面接などの評価方法を加えることを検討することが望まれる。(4.学生の受入れ) 13. 教員の採用や昇進は、候補者の審査に関する実施要項に則って行われているが、これとは別に「教育研究活動の実施に必要な教員組織の編成方針」を明文化して、規定することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 3)改善すべき点 1. CPを、DP、dpを踏まえた教育課程編成、当該教育課程における教育内容・方法、学修成果の評価の在り方等を具体的に示す内容にするよう改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学教育自己点検委員会の活動とその結果については、自己点検結果としてまとめられた記録がなく、必要性が生じた際の対応としての活動であり計画的なものとは言えない。6年制薬学教育プログラム独自の基準を決めた上で定期的な自己点検活動を行い、結果をホームページ等で公表していくことが必要である。(2.内部質保証) |
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| 千葉科学大学 | 私 | 千葉県 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
千葉科学大学 総評 千葉科学大学薬学部薬学科では、学則にある教育目標を学科の教育研究上の目的としている。これは 2019 年度に改定され、医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズを反映している。教育研究上の目的に基づき三つの方針が策定されている。ディプロマ・ポリシーでは、卒業までに学生が身につけるべき7項目の資質・能力が設定され、項目ごとに観点及び4段階の判断基準を示したルーブリック形式の「到達度表」が作成されていることは評価できる。この「到達度表」を用いた「学修到達度評価」は、個々の学生や学年全体の学修成果の評価への利用が試みられている。カリキュラム・ポリシーでは、カリキュラムをディプロマ・ポリシー7項目に基礎的教養を加えた8領域に分け体系的に整理し、学習目標や教育方法を明示すると共に、学修成果(修得度)の評価方法を定めている。しかし、より具体的な学修成果の評価方法の記載が期待される。アドミッション・ポリシーに示された多様な人材を受け入れるため複数の入試方式がとられている。さらに、入学者数の適切性の検証と改善に向けた努力もなされているが、入学者数が入学定員数を大幅に下回る状況が続いており、入学者数の増加につながる入試方式等の改善が期待される。2018 年度にはアセスメント・ポリシー及び 11 の評価項目を策定している。評価項目は入学生・在校生・卒業生の3段階に分かれており、各評価項目を自己点検・評価することで三つの方針を検証できる。2019 年度には評価項目ごとに「アセスメント・ポリシーチェックリスト」が策定され、これを用いた検証が 2021 年度に行われている。このように、自己点検・評価を計画的に実施し、三つの方針の定期的な検証を行う体制は整備されているが、アセスメント・ポリシーの評価項目の検証が期待される。教員組織については、直近5年間の研究活動実績や博士の学位がない専任教員が複数名おり、十分な研究成果をあげるための支援体制のさらなる整備が期待される。また、カリキュラムにおいて重要と位置づけられた科目を教授または准教授が担当するように改善することも期待される。他方では、チューター及びアカデミック・アドバイザーの教員を選任し、学生の学修指導や生活面での相談に十分に対応していることは評価できる。現在の体制による自己点検・評価は緒についたばかりであるが、評価の結果が教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用されることを期待したい。
大学への提言
千葉科学大学 大学への提言 1)長所
1. 学修成果の評価のために、ディプロマ・ポリシーの各項目に対して、観点と4段階の判断基準から構成されるルーブリック形式の到達度表が作成され、さらに各科目の観点と判断基準を一覧にしたカリキュラム・チェックリストを作成し、これに基づいた学修到達度評価により学修成果の評価を行っていることは高く評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 2. 学生の修学支援として、チューターと共に学修指導を行うアカデミック・アドバイザーが選任されていることは評価できる。(6.学生の支援) 2)助言 1. DP7の「危機管理能力の活用」という表現は、薬学部の学生にはわかりにくい。わかりやすい表現への変更が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 千葉科学大学自己評価委員会の構成員には外部委員が含まれていない。外部委員または6年制課程の卒業生を当該委員会に含め、審議の段階から参加してもらうことが望ましい。(2.内部質保証) 3. 「アセスメント・ポリシーチェックリスト」においては、ディプロマ・ポリシーに関する評価項目が「卒業後アンケート調査」と「進路先への調査」の2項目であり、評価項目としては不十分である。また、これらのアンケート調査への回答率が低く、実施頻度も4年に1回である。これらのことから、ディプロマ・ポリシーへのフィードバックが十分ではない可能性があるため、アンケート調査の実施方法の根本的な改善が望まれる。(2.内部質保証) 4. 自己点検・評価の結果は、「千葉科学大学事業報告」で公表されているが、薬学部独自には公表をしていない。薬学部ホームページ等で公表することが望ましい。(2.内部質保証) 5. 継続的に自己点検・評価が行われているが、「アセスメント・ポリシーチェックリスト」での評価結果の教育研究活動の改善へのフィードバックは十分ではない。自己点検・評価結果の教育研究活動へのさらなる反映が望まれる。(2.内部質保証) 6. 英語教育に関しては、上位学年には科目が設置されていないため、十分であるとは言えない。医療現場で活用できる英語力を身につけるための科目を上位学年に設置することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. シラバスの「学習の方略」の欄に関して、SGDやロールプレイ等の記載がないため、学習方略の詳細が不明な科目がある。学生にわかりやすいように、「学習の方略」について、より具体的に記載することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 多項目で成績を評価する科目については、一部の科目において、各評価項目の寄与率がシラバスに記載されていない。寄与率のシラバスへの記載が望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 「到達度表」をディプロマ・ポリシーの前文に述べられている『薬学を修めた者の職分として以下の能力を身につけ、且つ所定の単位を修得した者に対して学士(薬学)の学位を授与する。』ことに適用するためには、「到達度表」の各観点について、卒業を認める基準値を明確にすることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 10. 多様な入試方式を実施しているが、いずれの方式においても「学力の3要素(知識・技能、思考力・判断力・表現力等の能力、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)」の多面的かつ総合的な評価は不十分であり、より理想的な選抜方式への改善が望まれる。(4.学生の受入れ) 11. 各年次の留年率が依然として高いため、その原因を解析し、留年率を下げる工夫が望まれる。(4.学生の受入れ) 12. 薬学部の専任教員31名のうち、助教が5名(16.1%)と少ないため、助教の割合を増やすことが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 13. 次世代の教員養成に関する具体的な方針や計画を策定し、全ての教員が共有することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 14. 薬学部の教員が医療関連施設で研鑽できる体制は整っているが、研鑽のための制度が整備されていないので、その整備が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 15. 就職支援に関して、学生が主体的に進路を選択できるように、教学支援部キャリア支援課を中心として、情報の収集・発信の一元化を図ることが望ましい。(6.学生の支援) 16. 学生の定期健康診断の受診率は、周知がなされているにも係らず、複数の学年で80%を下回っている。受診率を100%に近づけるための改善策を策定し、実行することが望ましい。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーにはディプロマ・ポリシーに示された資質・能力の学修成果(修得度)の評価方法が十分に記載されていないので、より具体的に記載する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 「アセスメント・ポリシーチェックリスト」及び「学修到達度評価」を用いた評価では量的評価が中心であり、自己点検・評価で求められている質的・量的な解析としては不十分である。質的評価法の導入や在籍(留年・休学・退学等)及び卒業状況(入学者に対する標準修業年限内の卒業者の割合等)の入学年次別分析を含め、アセスメント・ポリシーの評価項目についての再検討が必要である。(2.内部質保証) 3. 「学修到達度評価」は学修の進捗度評価には使用されているが、学生個人へのフィードバックや教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用するには至っていない。「学修到達度評価」の評価結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 4. 受験者数の減少傾向が続き、入学者数が入学定員数を大幅に下回る状況が続いている。早急に入学者数の増加につながる入試方式等の改善が必要である。(4.学生の受入 れ) 5. 薬学部の専任教員のうち、実務家教員は5名であるが、教授を除く4名は博士の学位を有していない。また、専任教員のうち6名は、直近5年間において研究活動(論文発表、学会発表)の実績がない。十分な研究成果をあげ、学位が取得できるための支援体制をさらに整備する必要がある。(5.教員組織・職員組織) 6. カリキュラムにおいて重要と位置付けた科目のうち、7科目は外部の非常勤講師、13科目は講師もしくは助教が担当している。カリキュラムにおいて重要と位置付けられた科目は教授または准教授が担当するよう改善する必要がある。(5.教員組織・職員組織) |
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| 九州医療科学大学 | 私 | 宮崎県 | 第2期 |
2022年度 |
継 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
九州医療科学大学 総評 九州保健福祉大学薬学部薬学科は、「学生一人ひとりのもつ能力を最大限に引き出し引き伸ばし、社会に有為な人材を養成する」という建学の理念と「患者を中心とした医療において、責任をもってチーム医療の一端を担える薬剤師の養成を行なう」という学科の理念を踏まえて、教育研究上の目的を『「患者を中心とした医療」を実践するために、薬学に関する高度な専門知識と技術を教授し、臨床に係る実践的な能力を培い、倫理観、使命感、実行力を有し社会で即戦力となる質の高い薬剤師の養成』とし、学則第1条3に定めている。こういった教育研究上の目的に基づき、「卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針 (カリキュラム・ポリシー)」、「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。第2期の薬学教育第三者評価では、「内部質保証を重視した評価制度」を基盤とした「三つの方針(ポリシー)に基づく大学教育の質の転換」、さらには「学修成果にかかる評価の充実」が薬学教育プログラムの質の担保と向上に向けた取り組みの基軸となるものとして、評価基準を定めている。しかしながら、「2 内部質保証」、「3-2 教育課程の実施」及び「3-3 学修成果の評価」には重大な問題点が複数あり、いずれも適合水準に達していないので、薬学科として早急に改善に取り組むことが求められる。まず、「2 内部質保証」については、自己点検・自己評価委員会を設置して随時取り組む体制を取っているが、大学全体の自己点検・自己評価委員会の下部組織としての役割が強く、薬学科における学位プログラムレベルの自己点検・評価とその結果に基づいた改善・向上に向けて機能しているとは言い難い。当該薬学科に対しては、第1期の薬学教育第三者評価において薬学教育プログラムに係る多くの問題点を指摘したが、今回の第2期第三者評価において未だ改善・向上に至っていない重大な問題点が相当数あるほか、第2期の評価基準に照らして新たに重大な問題点も明らかになっており、内部質保証が機能していない所以である。「内部質保証」が機能していないことによる教育プログラムにおける問題点は項目「1 教育研究上の目的と三つの方針」、「3-1 教育課程の編成 」、「4 学生の受入れ」、「5 教員組織・職員組織」においても認められる。次に、「3-2 教育課程の実施」に関しては、問題解決能力の醸成に関わる教育で重要な役割を持つ卒業研究において、研究発表を各講座1名の学生しか行わないこと、卒業研究の成績評価を講座の教員のみの判断で行うことなど評価の客観性が懸念されること、実務実習で教員の実習施設へ訪問指導が行われていないこと、卒業の可否判断に重要な影響を持っている「薬学総合演習Ⅰ・Ⅱ」の合否判定に学外業者による模試の成績を含め、学科教員が責任をもって単位認定している状況にないことなどは、いずれも6年制薬学教育の適切な実施に抵触する重大な問題点であり、早急な改善が必要である。また、「3-3 学修成果の評価」では、アセスメント・ポリシーが明確ではなく、教育課程の進行に対応した評価に至っておらず、またその評価結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用できる体制となっていない。それゆえ、こういった不備は進級率や修業年限内での卒業率の低迷などの原因となっていると考えられる。以上のように、九州保健福祉大学薬学部薬学科の薬学教育プログラムは、本機構の評価基準に照らして評価すると、多くの改善を必要とする重大な問題が見出される結果となった。大学がその教育目的を達成するために行う教学マネジメントは、内部質保証体制を確立し機能させるための重要な営みである。教学マネジメントを支える教学IR(インスティテューショナル・リサーチ)やFD(ファカルティー・ディベロップメント)の充実を図ることによって、薬学科独自の自己点検・評価に基づく内部質保証体制を適切に整え、薬学教育プログラムに係る上記の問題点の改善・向上に向けて十分に機能させていく必要がある。今回の評価で「適合水準に達していない」と評価された「項目」について、末尾の「改善すべき点」で指摘されている問題点を中心として全面的な改善を図り、再評価を申請されるとともに、それら以外の項目に関しても「改善すべき点」で指摘されている問題点の改善に努め、九州保健福祉大学薬学部薬学科の6年制薬学教育の向上・発展を図られることを期待したい。
大学への提言
九州医療科学大学 大学への提言 1)長所
1. 次世代を担う教員の養成のための活動として、若手教員の研究成果の進展度を相互に把握する好機として、研究発表会「宮崎県北サイエンスフォーラム」を開催し、積極的な研究発表を促している。また、若手教員を中心に独創的な発想の研究や学部間を超えた共同研究などを支援するための助成金制度や講座研究費の一部を前年度の研究実績により傾斜配分することにより、若手教員の研究意欲を高めるように努めている。以上の研究環境の下で、若手教員が研究に励んだ結果として、日本薬学会九州山口支部会にて教員2名が学術奨励賞を受賞する成果が得られたのは評価できる。(5.教員組織・職員組織) 2. 大学において開発された研修に用いるフィジカルアセスメントの薬学教育システムは、『アナログ教材からアクティブラーニング・シミュレーション医療教育のコンテンツを供するフリーデジタル教材』(医療系eラーニング全国交流会会長賞を受賞)等として全国的に活用されている。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 薬学科の教育研究上の目的には、学生に対して研究能力を身につけさせる内容が表現されていないので、その意味と必要性がわかるような表現とすることが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学科の自己点検・自己評価委員会には、医療人養成を目的とした6年制薬学科として、社会ニーズを反映させるために医療機関の関係者や当該学部の6年制課程の卒業生など、学外の意見を取り入れる体制を整備することが望まれる。(2.内部質保証) 3. 今後求められる学習成果基盤型教育(OBE:Outcome Based Education)に対応していないので、早急に教育課程の編成を見直し、改善することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 卒業研究ルーブリック及び卒業論文ルーブリック表に基づく単位認定の最終評価は講座主任が単独または同一講座内の教員とともに行っているので、評価の客観性を高めるために他講座の教員による評価を含めることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 各科目で実施しているSGD(Small Group Discussion)、ALなど到達目標の領域(技能・態度)とレベルに対応した学習成果の測定方法やその基準と評価方法(点数化)をシラバスに明記し、広く学生に周知することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. 学力の3要素である「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を、筆記試験、面接、調査書、提出書類等により多面的かつ総合的に評価し、医療人を目指す者として資質・能力を有する入学者の選抜が行えるよう、さらなる工夫が望まれる。(4.学生の受入れ) 7. 助教は、適正な研究教育業務の遂行だけでなく、次世代を担う教員養成の点からも重要な人材であり、適切な人数を配置することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 8. 教育の質の確保ならびに、実験・実習等における安全性に懸念があるので、専任教員一人あたりの学生数を減らすよう努めることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 9. 専任教員が適正に配置されるよう、専門分野について、専任教員が教育上及び研究上の実績を積み重ねていけるような支援の工夫が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 10. 実務家教員は常に新しい医療に対応するために病院や保険薬局での研鑽も必要であり、それらの時間を担保するための体制を整備することが望まれる(基礎資料7)。(5.教員組織・職員組織) 11. 専任教員の負担が大きく、その負担を軽減するためにも、共同研究施設の機器類の維持管理に精通した専門職員を配置・増員するなどの対策が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 12. 研究用の図書・資料の収集については大学の支援は十分ではなく、研究の質を高く保てるように「選書方針」などを定め、支援の体制を整えることが望まれる。(7.施設・設備) 13. 教育研究活動の実施に必要な施設・設備が整備されているが、AV機器など一部の共通研究機器では老朽化が進んでおり、更新が望まれる。(7.施設・設備) 14. Universal Passportを活用するためのサーバーの同時アクセス数の許容量が低いことは、教育活動や学生の生活環境に大きな影響を及ぼしかねないため、改善することが望まれる。(7.施設・設備) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーの教育評価の項目には、ディプロマ・ポリシーに記された資質・能力の評価について具体的な在り方を設定する必要があるが、そのような記載はない。カリキュラム・ポリシーに求められている要件を満たす内容となるように改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 募集要項には学科のディプロマ・ポリシーやカリキュラム・ポリシーが掲載されておらず、薬学科のパンフレットには、ディプロマ・ポリシーのみ掲載され、全学パンフレットには、三つの方針のいずれも掲載していないので、これらの資料に三つの方針を掲載するように改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 薬学科において、教育研究上の目的及び三つの方針を定期的に検証する実行性のある組織体制を整備し、運用できるように改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 薬学科の自己点検・評価委員会は、大学全体の自己点検・自己評価委員会の下部組織としての役割が強く、薬学科における学位プログラムレベルの内部質保証としての自己点検・評価は十分に行われていないので、自己点検・評価の結果に基づいて薬学科の教育の充実を図り、その質を自ら保証できる仕組みを構築するよう改善する必要がある。(2.内部質保証) 5. 薬学科の自己点検・自己評価委員会において、データの質的・量的な解析結果を教育研究活動の達成度や学修成果の評価に反映させる仕組みを整備する必要がある。(2.内部質保証) 6. 薬学科独自の体制による自己点検・評価の結果に基づき、6年制薬学教育固有の課題を解決し、質の高い教育プロブラムを適切に実施できるように改善する必要がある。(2.内部質保証) 7. カリキュラム・ツリー(履修系統図)ならびにカリキュラム・マップ(科目概念図)は領域ごとの科目の系列を示したものとなっており、各科目の学習・学修の順次性や相互の関係、「薬剤師として求められる基本的な資質」やディプロマ・ポリシーに示される資質・能力との関連性は、十分に表現されていないので改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. 薬学科の教育カリキュラムは、カリキュラム・ポリシー、ならびにアセスメント・ポリシーに基づいた教育実践について、自己点検・評価に基づく適切性の検証が十分になされていないので、その体制を整備するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 9. 学生全員が発表者として参加する研究発表会は、学生の資質・能力の向上を促し、卒業研究の成果を測る集大成の一つとして意義があるので、目的、評価方法と基準を明確にして開催するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 大学と実習施設がより密な連携を図るために、大学教員が学生の実習期間中に実習施設へ訪問指導する体制を構築し、実施するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 11. 「薬学総合演習Ⅱ」の成績によって、「薬学総合演習Ⅰ」の単位の合否を変更することは、科目の単位認定として不適切であるので、それぞれの科目の成績の合格、不合格を尊重して単位認定するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 12. 外部試験の結果を卒業判定に含めることは、薬学科のディプロマ・ポリシーに基づいた卒業認定とは言い難く、早急に改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-2教育課程の実施) 13. アセスメント・ポリシーに示される評価方法には、評価基準が明確でないなどの問題点が含まれ、学生が身につけるべき資質・能力が、教育課程の進行に対応して十分に評価されていないので、学修成果の評価体制と評価方法を整備するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 14. ディプロマ・サプリメント以外のデータの活用も含め、教育課程の進行に対応して学生が身につけるべき資質・能力の修得・発展を評価し、その過程と卒業時の修得状況を確認し、かつその学修成果の評価結果が教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用できる体制を構築する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 15. 入学者の資質・能力を適正に検証する方法を構築し、その検証結果に基づき、入学試験制度も含め幅広く改善・向上させる必要がある。(4.学生の受入れ) 16. 教育研究活動の実施に必要な教員組織の編成方針を決定する機関や委員会を明確にし、各構成教員に求める資質・能力を明示した編成方針を定める必要がある。さらに教員の採用及び昇任の規定等についても、このような編成方針に基づいて整備する必要がある。(5.教員組織・職員組織) 17. 薬学科として、教育研究活動の向上を図るための組織的な取り組みに相当する活動はないので、学科独自のFD活動を企画し実施する必要がある。(5.教員組織・職員組 織) |
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| 徳島文理大学 | 私 | 徳島県 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
徳島文理大学 総評 徳島文理大学薬学部は、教育理念として「全人教育により豊かな教養と人間性を有し、課題発見能力・問題解決能力を身に付けた地域や国際社会に貢献できる薬剤師、及び、薬剤師資格を有した多様な人材を育成すること」、教育研究上の目的を「薬学部は、薬学に関して深い知識・技能・態度をもつ有能な人材を養成するとともに、最高最新の科学を教授研究することを目的とする。」と定めている。これに基づき三つの方針が一貫性・整合性のあるものとして策定されている。また、研究志向の高い学生に対して 1 年次から学部内インターンシップ(選択科目)を設置して、興味のある研究室にて活動できる環境を用意していることは評価できる。一方、現在のディプロマ・ポリシー(DP)からは、学生が卒業時に求められる人物像を想像するのは難しいため、領域別に求められる要素を統合した到達目標として、卒業時に求められる在るべき姿が思い描けるアウトカムを示すよう改善が求められる。また、学修成果の評価については、学生が身につけるべき資質・能力について学年進行に応じた評価方法は策定されているものの、その実施については卒業時のみであり、全学年に対して
実施し、また学生にフィードバックする必要がある。併せて、評価結果については継続的に解析を行い、教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用することが期待される。さらに、カリキュラム・ポリシー(CP)に学修成果の評価方法についての記載がなく、DPの内容及び評価方法を見直し、これに合わせたCPを策定する必要がある。平成 25 年度改訂版の薬学教育モデル・コアカリキュラムに基づく教育科目の体系性及び科目の順次性は、カリキュラム・マップ及びカリキュラム・ツリーを用いて示されている。しかし、カリキュラム・ツリーには薬剤師として求められる資質や能力と各科目との関係性が示されておらず、学年を経ることによってどのような資質・能力の修得につながるかが学生に明確にわかるよう改善が求められる。また、シラバスの内容について一部の科目で到達目標に対する学習方略・評価が不適切なものが認められ、修正するとともにチ ェックシステムの強化が期待される。徳島文理大学薬学部には、今回の評価における提言を踏まえた改善を通して、6年制薬学教育プログラムの質をさらに高め、大学が目標とする人材育成が実現することを期待する。
大学への提言
徳島文理大学 大学への提言 1)長所
1. 学部内インターンシップ (選択科目) を設置して、研究室配属される前の1~3年生であっても興味のある研究室にて研究を実施できる環境を用意している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 「実務家(臨床系)教員の外部医療機関での研鑽制度」が整備されており、実務家教員5名が薬学部実務家教員及び薬剤師としての知識・技能を維持し最新医療に対応するために本研鑽制度を活用して近隣の徳島大学病院、徳島赤十字病院において、日常的に薬剤部カンファレンス・講習会等に参加している点は評価できる。(5.教員組織・職員組織) 3. 薬物乱用防止啓発事業の指導員に教員のみならず、学部学生が任命されている。(8.社会連携・社会貢献) 4. 海外大学との大学間協定や留学生の受入れを積極的に行っており、研究室レベル及び学生レベルにおける国際交流の活性化への取り組みは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 教育研究上の目的は、各学年においてスライド等を利用したより分かりやすい方法にて周知を図ることが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 現在のディプロマ・ポリシーは学生が卒業時に求められる人物像を想像するのは難しいため、領域ごとに区分して表記するのではなく、各領域の要素を統合した到達目標として、卒業時に求められる在るべき姿が思い描けるアウトカムが示されていることが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. カリキュラム・ポリシーでは、各科目の学習評価は「12.成績評価は、科目の特性に応じて適切かつ多様な評価方法と基準を設ける。」とされており、より具体的な記載が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 学修成果の評価基準、方法、時期などを薬学部要覧などに記載し、また各学年オリエンテーションで毎年説明する等、学生及び教職員への周知に努めることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. 大学入学共通テスト利用入試や一般入試は筆記試験のみであり、思考・判断・表現力の評価、ならびに医療人を目指す者としての資質・能力の評価は十分とは言えない。したがって、入学者の選抜方式については引き続き工夫することが望まれる。(4.学生の受入れ) 6. 留年率やストレート卒業率などのデータからは、十分な資質や能力を持った学生を選考できているかどうかという点では疑問が残り、今後の改善に結びつけられることが望まれる。(4.学生の受入れ) 7. 薬学部専任事務職員は2名であり、より円滑な事務業務の遂行のためには薬学部専任の事務職員を増員することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 8. 学生の健康診断については、平成26年度に実施された薬学教育評価機構による第一期の評価において、2~4年生の受診率は極めて低い(2.7~28.6%)ことが指摘されたが、学生指導を強化した結果、2021年度は72.3~88.6%と改善したとしている。しかしながら、学校保健安全法(健康診断受診義務)の法律遵守に努め、受診率100%となるよう継続的に改善策を講じ実行することが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーには、6年間の総合的な学修成果の評価方法についても記載する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. ディプロマ・ポリシーに掲げた到達目標の総合的な達成度の評価結果について、継続的に量的解析を行い、教育研究活動の改善に努めることが必要である。(2.内部質保証) 3. 基礎資料1にカリキュラム・ツリーが示されているが、最終到達点は国家試験、就職・進学となっており、薬剤師として求められる資質や能力と各科目との関係性が示されていない、したがって、学生が6年間の学修によってどのような資質・能力の修得につながるかが学生に明確にわかるよう修正する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 一部の科目(「免疫学」、「泌尿器・内分泌疾患の薬物学」等)においては、「知識・理解」以外の目標の学習に適した方略・評価とは考えにくいものも見られ、適切なものに修正することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 成績評価に対しての学生からの異議申し立ての仕組みがあり、学生に周知されているが、単位認定に関わる重要な情報であることから、薬学部要覧などに記載する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. 学生が身につけるべき資質・能力の教育課程の進行に応じた評価方法は策定されているものの、評価とフィードバックがなされていないことは問題であり、早急に評価・フィードバックを行うことが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 7. 学修成果の評価を実施し、評価結果をもとに教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 東邦大学 | 私 | 東京都 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
東邦大学 総評 東邦大学薬学部は、東邦大学の教育の理念のもとに、「高い倫理観、豊かな人間性、自他ともに高め合う態度、基礎薬学並びに医療薬学に関するバランスのとれた豊富で正確な知識・技術及び問題解決能力を育成し、チーム医療に資するためのコミュニケーション能力及び実践的能力を醸成する。研究に関しては、基礎薬学並びに医療薬学に関する学術研究活動の推進を図り、地域はもとより広く社会に貢献する」を「教育研究上の目的」と定め、「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。これらは、薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成 25年度改訂版)に示されている、薬剤師として求められる基本的な資質との整合性も取れており、医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズを反映したものとなっている。学修成果の評価の在り方としては、全学のアセスメントポリシーに基づいてアセスメントプランを策定している。アセスメントプランは 13 の項目で構成されており、学位プログラムレベルと学生レベルの2つが策定されている。学位プログラムレベルはGPA(GradePoint Average)、アセスメントテストなどを用いて質的・量的にプログラムの改善を図るものとなっている。学生レベルは各教科の学習によって何を身につけるべきなのか、それらの修得がディプロマ・ポリシーの資質・能力の醸成に向けたどのような段階に位置しているのかを学生が理解できるような工夫がなされているが、学生の到達状況を評価する評価基準は設定されていない。このアセスメントプランは 2021 年度より本格実施されており、実際の教育課程、教育内容との整合性、より効果的な評価の方法について検討を随時加え、その検討結果を踏まえて見直しを行うことが計画されていることから、今後のさらなる充実が期待される。一方、カリキュラム・ポリシーの中にディプロマ・ポリシーに示されている学修成果を評価する方法が記載されておらず、明記が必要である。さらに、主要な問題点に関して教員教育ワークショップを毎年開催して教育プログラムの改善を図っている、「薬学部開講科目実施状況報告書」の作成を義務付けて各教員の教育活動の改善を図っている、「目安箱」を設置して学生生活・教育活動の改善を図っているなど、不十分な点は散見されるが、学部全体で質的・量的に評価・検証を行いプログラム改善に努めていることは評価できる。なお、アセスメントポリシー並びにアセスメントプランは端緒にあり、その他の取り組みについても改める部分はあるが、どの取り組みも伸び代を大いに感じさせるものであることから、今後、教育カリキュラムの編成・実施及び評価、受け入れ学生の基礎学力の向上など、様々な観点からさらに検証を行い、東邦大学の薬学教育プログラムをさらに充実させることが期待される。
大学への提言
東邦大学 大学への提言 1)長所
1. 他学部の学生と協働する授業を開講していることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 卒後のキャリア形成に繋がる科目(「社会薬学特別講義」(4年次通年、選択必修)、「生命科学特別講義」(4年次通年、選択必修)、「社会への招待Ⅰ」(5年次春期、必修)、「社会への招待Ⅱa~Ⅱd」(5年次秋期、選択必修)、「臨床薬学総論」(6年次春期、必修))や国際的感覚を養うことがきる「海外実務実習」(5年次秋学期、選択)の開講は評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 国際化の流れに対応できる薬剤師、創薬専門家となるために必要な基本的知識と技能を修得することを目指して「海外実務実習」(5年次秋学期、選択)を実施している。この科目が、渡航前に各自で到達目標を設定する事前プログラム、派遣先での実習、帰国後の学部内公開成果発表と討論を行う事後プログラムと系統的に編成されていることは、評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 育成すべき能力に合わせ、SGD、PBL、TBL、他学部合同授業の実施、医療専門職の参加など、各授業において適切な方法を様々な形で導入していることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 2020(令和2)年度より、アセスメントテスト(GPS-Academic)を導入して、知識や技能などに対する理解度や習熟度の評価とは異なる観点に対して指標を与え、個々の学生に自らの強みと改善に向けて取り組むべきポイントを認識させ成長を促していることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 6. 主要な問題点について、毎年、学部内で教育ワークショップを開催し、情報共有と改善策の提案を行っており評価できる。(5.教員組織・職員組織) 7. 1~3年次生を一人のクラス担任が担当することにより学年間の学生の繋がりができる工夫がなされている点は評価できる。(6.学生の支援) 8. 新型コロナウイルスの感染が拡大した状況下においても、春の公開講座「薬草園一般公開及び講演会」の代替としてWebでバーチャル薬草園を動画配信している点は評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 現段階ではアセスメントプランについてはカリキュラム・ポリシーで触れられておらず、大学のアセスメントポリシーを踏まえてどのような評価方法を用いるかをあらかじめ学生に提示するという観点から、カリキュラム・ポリシーへのアセスメントプランの概要の記載が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 学部で毎年度実施している自己点検・評価の報告書については、ホームページ等で公開されていないが、自己点検・評価活動の実態を社会に知って貰うためにも、概要等の掲載が望まれる。(2.内部質保証) 3. 定期試験等の疑義照会期間に、学生から答案開示の請求が出された場合には、原則として開示に応じているが、これに関する規程や申し合わせ等が明文化されていないため、規定等の整備が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 一般入試、共通テスト利用入試、一般入試(共通テスト併用)においては面接試験を課しておらず、学力の3要素のうち「主体性を持って多様な人々と共同して学ぶ態度」の評価については調査書の記載を確認する程度に留まっており、面接を導入するなど、学力の3要素を全ての入試で評価することが望まれる。(4.学生の受入れ) 5. 収容定員数による教員1名あたりの学生数は約20名であり、専任教員1名当たりの学生数が10名となるよう、教員数のさらなる増加が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 6. 教授で女性教員が25名中で1名であるなど少なくなっており、さらなる充実が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 7. 教員間で授業の担当時間にばらつきが認められることから、格差の解消が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 8. 教育研究活動に関する業績の入力、管理、公開の支援を担う組織として、東邦大学学事統括部研究支援課に研究業績データベース事務局が設置されており、教員に対して入力を促しているが、保存、公開されるデータは教員本人の入力に委ねられていることから情報の充実度は教員により違いがみられるため、学部として責任のある公表が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 9. TAの資格や実施できる範囲などに関する規定が整備されていないことから、教育の質の担保の観点からも規定の整備が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 10. 臨床系教員・実務家教員の医療実務の研鑽に向けた体制については、新しい医療に対応するために学外での研修等が行えるよう積極的に検討してはいるが、現状では、医療現場で薬剤師業務を実践できる学部内の体制は整備されているとは言い難く、体制の構築と研修の実施が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 11. 学生の自習促進のために、薬学部独自の自習室を設けるなどのさらなる充実が望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーの中にディプロマ・ポリシーに示されている学修成果を評価する方法が記載されておらず、明記が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 「薬学総合演習Ⅱ」において、学内実力試験の合否によって期末試験での合格基準点が学生毎に異なる仕組みとなっている。学生によって合格基準点が異なることは問題であり、さらに合格基準点も「東邦大学履修規則 第9条の2」に規定されているものとは異なっていることから、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 3. 薬局実習や実務実習日誌の評価において、適宜減点など、曖昧な基準が設けられており、適宜減点という制度は教員によって差異がある可能性があり、学生にとって不明確であり尚且つ不利益に通ずる可能性もあるため、減点の具体的な基準等を示す必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 成績に関する学生からの疑義照会先は現在科目の担当教員だけとなっているため、学生のアクセスと透明性を向上させるためにも、大学としての窓口を別途設け、規則を学則等へ記載して学部として対応することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. ディプロマ・ポリシーの目標に対する学修成果の評価が行われていないので、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 同志社女子大学 | 私 | 京都府 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
同志社女子大学 総評 同志社女子大学薬学部は、6年制の医療薬学科だけを設置し、大学が掲げる3つの教育理念のもと、「医療薬学科は、最先端の薬学領域である医療や創薬現場で活躍できる研究能力をもち、幅広い教養と人間性、国際性を兼ね備えた、高度医療に対応できる薬剤師を養成することを目的とする」と人材養成目的を定め、それに基づいた「学位授与の方針」、「教育課程の編成及び実施に関する方針」、「入学者受入れの方針」を制定し、6年制薬学教育を行っている。上級生が、入学予定者や下級生に対して、勉強や生活の相談にのるビッグシスター制度を導入し、学生満足度の向上の一助としている点は、同志社女子大学の特色と言える。しかしながら、本評価において最も重要な項目である「学修成果の評価」については、その意義を十分に理解していないと判断せざるを得ない。すなわち、「教育課程の編成及び実施に関する方針」には、「学位授与の方針」に記載された資質・能力の修得度・達成度を評価するための評価の在り方と、その段階的な修得状況を教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていない。さらに、この「教育課程の編成及び実施に関する方針」の「学習成果の測定方法」の項には、「6年間の学修の集大成として、薬剤師国家試験の合格によって学習成果を評価する」との項目があり、教育課程の進行に対応して学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用することの重要性が十分に理解されておらず、それらの実施に向けた検討もなされていないので、早急に適切な措置を講ずる必要がある。また、「内部質保証」の起点となる自己点検・評価は、全学組織が主導して行われており、薬学部の「内部質保証」の状況は学内資料として全学組織に提出されるのみであり、広く社会に公表されてはいないので、積極的に公表する必要がある。さらに、第1期の薬学教育評価において指摘した教員組織の編成に関しては、未だ十分な改善が行われておらず、専任教員による教員組織の適正化を図るよう、改善する必要がある。同志社女子大学薬学部は、大学の教育理念や人材養成目的に即した薬剤師の養成に向けて、熱心に教育研究に取り組む姿勢はうかがえる。学修成果の評価体制とその結果を活用する内部質保証体制を整え、さらなる発展に向けて努められたい。
大学への提言
同志社女子大学 大学への提言 1)長所
1. 申込制により、大学が入学前に新入生(リトルシスター)に対して上級生(ビッグシスター)を紹介し、上級生が下級生の履修や生活面での相談に応じる「ビッグシスター制度」を実施し、新入生が初めての環境に少しでも早く慣れ親しめるように配慮している事は評価できる。(6.学生の支援) 2)助言 1. 履修要項には「教育理念・目標」が掲載されているが、学則にある「人材養成目的」は掲載されておらず、年度当初に行われるガイダンスの資料にも人材養成目的に関する説明が含まれていない。薬学部のWeb掲示板には人材養成目的を記載したファイルへのリンクが張られているが、より積極的に周知することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 「学位授与の方針」には26項目の資質・能力が羅列されており、学生には自らが卒業までに身に付けるべき資質・能力の全体像を把握することは困難である。これらの項目の資質・能力の中には内容が重複するものもあることから、内容を整理し、学生が卒業までに到達すべき自らの姿をイメージできるような「学位授与の方針」に変更することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「教育課程の編成及び実施に関する方針」は、学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するようには設定されていないので、設定することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 薬学部自己点検・評価委員会には、外部委員や6年制課程の卒業生を含むことが望ましい。(2.内部質保証) 5. 「国際主義」を掲げる大学の一学部として、必修科目として行われる英語教育がわずか2年半しかないというのは寂しい状況であり、英語教育のさらなる拡充が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 倫理観醸成のための教育が、6年間を通して継続的に行われているとは言えないので、継続して行うようにカリキュラムを改訂することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 「早期体験学習Ⅰ(1年次)」及び「セルフメディケーション・在宅医療特論(6年次)」において看護学部との連携授業を2コマずつ開講しているとしているが、多職種連携は「薬学教育モデル・コアカリキュラム平成25年度改訂版」の「A基本事項」の中に組み込まれるほど重要な教育項目であることから、実践的な多職種連携教育を今後さらに拡充することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. 進級及び卒業判定に関わる資料は重要であることから、全学教授会において審議する前に薬学部内の適切な委員会が資料の内容を確認するなど、薬学部としてのチェック機構を設定することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 定員の6割以上を占める一般入学試験や大学入学共通テストを利用する入学試験ではアドミッション・ポリシーに示した「関心・意欲・態度」の修得度を確認していないので、「医療人を目指す者としての資質と能力の評価」を含めて、この素養を正しく評価するように入試制度を改変することが望まれる。(4.学生の受入れ) 10. 1名の専任教員に対して学生数が10名以内となるような教員組織を編成することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 11. 過去5年間の研究業績が全く記載されていない教員がいることから、教員が担当する授業に関して自己点検・評価を行うだけでなく、広範にわたる教育研究活動について定期的に自己点検・評価を行うような仕組みを導入することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 3)改善すべき点 1. 「教育課程の編成及び実施に関する方針」の中の「学習成果の測定方法」の項目には学習方略別や授業科目ごとの学習成果の評価の概略が示されているが、学修成果として「学位授与の方針」に記載された資質・能力の修得度の評価の在り方は具体的に示されていないので、学修成果の評価計画を含めて具体的に示す必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 「学習成果の測定方法」には、「6年間の学修の集大成として, 薬剤師国家試験の合格によって学習成果を評価する」との項目がある。資格試験の合格のみを目指す専門学校や予備校の教育とは異なり、薬剤師国家試験の合否を大学の人材養成目的に基づく教育の最終評価とするのは不適切であり、改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「入学者受入れの方針」には、求める学生像については記載されているものの、多様な学生をどのように評価・選抜するかについては記載されていないので、記載するように改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 適切な基準や指標を設け、質的・量的な解析に基づき、薬学部における教育研究活動を主体的に自己点検・評価し、その結果を広く社会に対して公表する必要がある。(2.内部質保証) 5. 薬学部独自の教育研究活動の改善は、大学の内部質保証の一環として行われているが、薬学部独自の自己点検・評価結果等に基づいて適切に行う必要がある。(2.内部質保証) 6. 臨床系科目と卒業研究に関わる科目においてルーブリック評価表を用いた学生による自己評価と教員による評価が行われるようになったが、これら以外の問題解決能力の醸成を目指す科目では到達度に対する明確な目標を立てた評価が行われておらず、また、科目の成果を総合した、問題解決能力醸成教育全体を通しての目標達成度も評価されていないので、適切な評価を行うように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-2教育課程の実施) 7. 「薬局実務実習」及び「病院実務実習」の成績評価は、出席しただけで合格できるような配点となっていることから成績が適切に評価されているとはいえず、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 「定期試験後の成績報告までに、教員の判断により学力不足の学生に対しての補講を行い、補講に関する確認テスト(補講テスト)を実施することにして学力アップを図った上で評価する」ことは、第1期の薬学教育評価において不適切と指摘を受けた後に廃止された「明確な規程に拠らずに実施している再試験」と同じことであり、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 異議申し立て制度が設けられていないので、制度として明文化するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 「学位授与の方針」に記載された 26 項目の資質・能力の修得度・達成度を、カリキュラムの年次進行に伴って総合的に評価するための指標を設定し、それに基づく評価を実施するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. 入学者選抜方法の適切性を検証するための指標には、志願者動向や薬剤師国家試験のストレート合格率等が用いられており、「入学者の資質・能力」の検証に基づいて検証している訳ではない。「入学者の資質・能力」を適正に検証する方法を構築し、その検証結果に基づき入学者の受け入れを改善・向上させる必要がある。(4.学生の受入れ) 12. 薬学部が目指す教育研究活動を実現するための教員組織の編成に関する方針は具体的に示されていないので、具体的な方針を設定する必要がある。(5.教員組織・職員組織) 13. 特別任用教員ではない専任教員数は 19 名(教授 12 名、准教授7名)であり、本機構による第1期の薬学教育評価において「改善すべき点」として指摘した状況と比べて大きな変化は見られないことから、定年を過ぎた特別任用教授の交代、能力のある特別任用助教の昇格などを含めた教員組織の再編を進め、専任教員による教員組織の適正化を図るよう、改善する必要がある。(5.教員組織・職員組織) |
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- | - |
2:なお書き 改善報告審議結果 2025/7/1 |
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2:なお書き 改善報告審議結果 2024/7/8 |
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| 昭和医科大学 | 私 | 東京都 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
昭和医科大学 総評 昭和大学薬学部は、昭和大学の理念である「至誠一貫」の精神のもと、薬学を通して医療の発展と国民の健康増進と福祉に真心と情熱を持って寄与する医療人の育成を教育研究上の目的としており、これに基づき、ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針・卒業時の達成目標)、カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成及び実施に関する方針)、及びアドミッション・ポリシー(入学者の受入れに関する方針)を制定し、6年制薬学教育を行っている。ディプロマ・ポリシーでは、卒業までに身につけるべき資質・能力を7つの領域にわたって設定している。カリキュラム・ポリシーでは、ディプロマ・ポリシーを達成し、コンピテンシー(昭和大学薬学部学生が卒業時に有している能力)を実現するために、体系的、段階的なカリキュラムを編成し、全学年にわたってシームレスにカリキュラムを実施している。学修成果及び教育成果を評価するための指針として、新たにアセスメント・ポリシー(学修成果・教育成果の評価の方針)を策定し、2022 年度から運用を開始している。アドミッション・ポリシーでは、卒業時に求められる基本的資質・能力を達成できる学生として、日々の学修と多様な経験の中から薬剤師となるために必要な能力を身につけている人を求めるとしており、医療人を目指す者としての資質・能力を評価するため、全ての入試区分において志願者全員に個別の面接試験を実施している。
とりわけ、医・歯・薬・保健医療の4学部連携チーム医療教育を学年縦断的に実施している点や、8つの附属病院において、全学生に対して質の高い病院実務実習を行っている点は、特色ある取り組みとして高く評価できる。さらには、実務家教員が附属病院で常時自己研鑽できる環境が整備されている点や薬剤師生涯研修認定制度を設け、その運営体制を構築し、毎年数百人規模の参加者を受け入れている点も高く評価できる。 他方で、これらの到達点を踏まえた発展課題もある。内部質保証において、ポートフォリオの質的解析は行っているものの自己点検や評価への活用が行われていない。教育課程の実施において、前期科目の再試験を後期に実施している点や再試験の受験資格を設定している点については、学生の不利益となる可能性がある。さらには、卒業に必要な単位数が履修要項に明記されておらず、学生へも周知されていない。学修成果の評価においては、アセスメント・ポリシーが施行されたばかりであり、また、学生の自己評価に留まっている。指摘したこれらの点を早期に改善することで、薬学教育プログラムをさらに充実させることができるものと期待される。
大学への提言
昭和医科大学 大学への提言1)長所
1. 医療倫理、チーム医療、在宅医療に関する教育において、4学部連携のPBLチュートリアルやTBLが積極的に取り入れられており、昭和大学独自の優れた取り組みといえる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 2. 全ての入試区分において、知識・技能、思考力・判断力・表現力等の能力が十分であることを学力試験等で確認するとともに、個別の面接試験により、医療人を目指す者としての資質・能力を合わせて評価することにより入学者を選抜している点は評価できる。(4.学生の受入れ) 3. 各学部において優れた研究業績を挙げた者、優れた教育功績を挙げた者に対して毎年「上條奨学賞」を授与し、表彰している。(5.教員組織・職員組織) 4. 病院薬剤学講座及び臨床薬学講座等の教育職員が、常に臨床現場において研鑽を積めるような環境が整備されている。(5.教員組織・職員組織) 5. 8つの大学附属病院を有し、低学年時から学生の臨床実習に活用している。(7.施設・設備) 6. 薬剤師生涯研修認定制度を設け、その運営体制を構築し、現在も活発に活動している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 教育研究上の目的及び三つの方針の検証を、医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズの変化を調査した結果を踏まえて行うことが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 研究論文の考察部分において研究成果の医療や薬学における位置づけを記載するよう求めているが、記載されていない論文が散見されるので改善が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 3. 前期科目の再試験も後期にまとめて実施されているが、科目の合否が後期まで保留されることは学生の不利益となるため、同一学期に再試験を実施することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 進級試験では多肢選択形式問題のみではなく、記述式問題を加えるなど出題形式を多様化することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 留年者は、当該年の全ての必修科目を再履修しなければならないとしているが、合格した科目の単位を認定しないのは、学生の不利益となると考えられるため改善が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. 分析結果に基づいて、必要に応じて入学者受入れの改善・向上を図るとあるが、現在まで未実施であるので、早急に実施することが望まれる。(4.学生の受入れ) 7. 病院薬剤学講座の教育職員に対して、研究時間を確保することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 8. 一部の実習室へのアクセスが階段に限られる点や段差のある箇所がある点などについては、地震や火災などの緊急時における安全確保の観点から、キャンパスの再整備を待つことなく、可能な範囲で改善することが望まれる。(7.施設・設備) 3)改善すべき点 1. ポートフォリオの質的解析は行っているものの、解析結果を教育研究活動の自己点検や評価等に活用していないので、活用するよう改善が必要である。(2.内部質保証) 2. 再試験は、合格科目数が対象科目数の60%以上、あるいは対象科目の総点数が合格基準点の総和以上のいずれかに該当した者を対象に行っているが、再試験の受験資格を設けることは、学生にとって不利益となるため改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 3. 卒業に必要な単位数を履修要項に明記するとともに学生に周知することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 薬学部独自に策定したアセスメント・ポリシーは、2022年度から施行されたばかりである。また、学修成果の評価は、学生による自己評価に留まっているので、教員による評価を加えるなど、より客観性の高い評価方法の開発に取り組み、教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用していくことが必要である。(3.薬学教育カリキュラム3-3学修成果の評価) |
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| 就実大学 | 私 | 岡山県 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
就実大学 総評 就実大学薬学部は、建学の精神の「去華就実」に基づく「実地有用」の人材育成の観点から、教育研究上の目的を「生命の尊厳を基盤とした強い使命感と高い倫理観のもとに、人々の健康を守る最良の医療薬学教育・研究を行い、医療・福祉に貢献できる高度な専門性と豊かな人間性を兼ね備えた薬剤師を育成する」と定め、三つの方針として、10 項目の卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)、12 項目の教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)及び6項目の入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)を定めている。教育研究上の目的とこれら三つの方針は、年度初めに作成される薬学部マニフェストに
明記され、学部の現状や課題をふまえた年間の方針・目標と共に年度初めに学部長から教職員に周知徹底されていることは評価に値する。また、教員の教育活動向上を図るため、相互参観授業を取り入れていること、並びに教員活動を数値化して評価する仕組みを構築し、数値化した評価を報奨に反映し上位2名の教員に対し学長賞として表彰を行っていることは高く評価される。さらに、在学生の転学部や退学などにあたっては、担任教員が学生や保護者の意向を確認することに加え、必要に応じて学年主任、学科長及び学部長とも連携してサポートを行い、適切な進路変更に繋げていることは評価できる。一方、第1期薬学教育第三者評価で改善が指摘された、問題解決能力の醸成のための教育については、ディプロマ・ポリシーに改良を加えたものの、「総合的な目標達成度指標の設定と評価」が実現されておらず、引き続き改善に向けた取り組みを継続する必要がある。順次性のあるカリキュラムの編成に関しては、一部の科目群でカリキュラム・ツリーにおいて順次性や他科目群との関連が見られないほか、科目群ごとに設定されているカリキュラム・ポリシーとディプロマ・ポリシーとの対応、カリキュラム・マップ、並びに個々の科目のシラバスや達成すべきディプロマ・ポリシーの項目の間に齟齬が認められる箇所があるため、これらの整合性を担保する必要がある。問題解決能力を醸成する「卒業特別研究」では、目標到達度をフィードバックして成長を促す仕組みが未だ構築されていない。また、順次性のあるカリキュラムの学修成果としてディプロマ・ポリシーへの到達度を段階的・総合的に評価することも十分にできていないため、科目レベルに留まらずプログラムレベルでの適切な評価を行うように改善することが望まれる。本評価において就実大学薬学部は、その運営において外部委員からの指摘、自己点検・ 評価やアンケート等の情報を解析し、薬学部マニフェストやPDCAサイクルシートへ反映させ、自己改善に努めていることが確認された。今回の評価による指摘も次回のPDCAサイクルに反映させ、さらなる改善へ繋げることに期待したい。
大学への提言
就実大学 大学への提言 1)長所
1. 三つの方針について、教育研究上の目的と共に年度初めに作成されるマニフェストに併記され、学部長が教職員に対して説明、確認していることは評価できる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 教育活動の向上を図るための活動として実施している相互参観授業では、自薦他薦で選ばれた複数教員による授業を他の教員が自由に参観し、参考点や改善点を自由記述の形式で回答し、その内容を集計して担当教員にフィードバックしている(無記名)。2020~2021年度もオンライン授業における相互参観を行っており、優れた取り組みである。(5.教員組織・職員組織) 3. 教員活動評価において特に優れた教員(2名)については、学長賞として表彰を行うと共に成果に対する評価を報奨に反映し、教員活動の組織的な向上を図っていることは高く評価されるべき取り組みである。(5.教員組織・職員組織) 4. 入学後の学生の転学部希望や退学などの進路変更に対しては、担任教員が学生との面談に加え、保護者の意向も確認しながら指導している。担任だけでなく、必要に応じて学年主任、学科長及び学部長とも連携してサポートを行い、適切な進路変更に繋げていることは評価できる。(6.学生の支援) 2)助言 1. 薬学部の自己点検・評価は、教育研究活動に対する質的・量的な解析に基づいて十分に行われているとは言えず、改善への取り組みを継続することが望まれる。(2.内部質保証) 2. 語学教育科目については英語6科目を必修として指定しており、これだけで卒業要件を満たしていることから、実質的に選択科目とはなっていない。第二外国語を履修する学生が少ないことからも、CP(1)に掲げる「幅広い総合教育」の実現に向けた方策を検討することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 独自のアドバンスト科目の多くが未開講であることから、独自科目設置の意義が失われないように検討することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 高学年次に設置された独自科目の多くが履修申請者5名以下で開講されていないことは、履修予定の学生が自主的に学習しようとする機会を失うことになるため、履修者が少なくても開講できる体制を整えることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム3-1教育課程の編成) 5. 4年次においては、CBTのための単位科目は存在しないとされるが、3年次演習科目のシラバスにはCBT、共用試験という記載のある科目があるため、記載を整備することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 「熱力学と物理平衡」など複数科目の評価基準として「配付の練習問題をよく理解し、到達目標に達していること」との記載があり、実質的な基準とはなっていないため、より明確な評価基準を策定することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 「卒業特別ゼミナール」は研究室ごとに科目が設定されシラバスが作成されており、評価基準のひな形はあるものの、統一した評価系にはなっていないため、公平性の観点から評価基準を明確に定めることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 卒業認定の可否が取得単位数のみで判断され、卒業時のディプロマ・ポリシーへの到達状況は確認されていないため、ディプロマ・ポリシーに設定されている資質・能力を適切に評価するように改善することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. カリキュラム・ポリシーで定めた一部の科目群では、指標となる科目を定めてディプロマ・ポリシーへの到達度を測っており、段階的な評価系が構築されていないため、教育課程の進行に対応して学生が身につけるべき資質・能力を、科目群として総合的・段階的に評価するための適切な評価指標や方法を開発することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 10. 一般選抜(前期)及び共通テスト利用選抜A・Bにおいては、医療人を目指す者としての適性の評価が十分でない。定員の割合が最も高い入試区分でもあることから、今後の評価方法の工夫が望まれる。(4.学生の受入れ) 11. 個人情報保護の観点から、入学試験時の合理的配慮について、申請者の詳細な情報を大学が直接高校に問い合わせることは避けることが望ましい。(4.学生の受入れ) 12. 入学者選抜の区分ごとに、求める人材が入学したかどうかのさらなる検証のため、入学者の継続した追跡結果も含め、入学者の資質・能力を遡って長期的視点で評価することが望ましい。(4.学生の受入れ) 13. 2022年度入学生については定員を充足することができたが、直近6年間の定員充足率の平均は79%であり、入学定員数の適切性については引き続き注力していくことが望まれる。(4.学生の受入れ) 14. 在外研究員規程、国内研究員規程が整備されているが、薬学部にこの制度を利用した教員がいないので、積極的に活用されることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 15. 健康診断の胸部X線検査で結核罹患を否定しておくことで、安心・安全な実務実習が可能になるため、引き続き4年生、5年生の受診率が100%であることが望ましい。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. 第1期薬学教育第三者評価で受けた指摘のうち、問題解決能力の醸成のための教育に関しては、ディプロマ・ポリシーに「探求心、想像力、判断力と問題発見・解決能力を有し、医療薬学の進歩に貢献できる」を加えたものの、問題解決能力の醸成に向けた教育についての「総合的な目標達成度指標の設定と評価」については、十分な改善に至っておらず、引き続き取り組み、改善する必要がある。(2.内部質保証) 2. 学習ポートフォリオ等を活用した学習達成度の測定システムについては構築中ながら、2022年度に稼動を開始した学修成果の可視化システムの活用も含めて、内部質保証の適切性の解析を継続する必要がある。(2.内部質保証) 3. カリキュラム・ツリーでは学年ごとに学修する科目の順次性はわかるが、薬学総合科目群については、科目群中での順次性と薬学臨床科目群との関連が見えない。さらにカリキュラム・マップ、個々の科目のシラバスや達成すべきディプロマ・ポリシーの項目間で齟齬が認められるため、これらの整合性を担保した上で、体系的、効果的な薬学教育カリキュラムの編成となるよう、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 6年次「卒業特別講義a」の2段階の単位認定試験について、それぞれの試験の成績は学生本人に開示されていない。分野毎に行われる1段階目のβ試験では、問題と正解は公表されるが、本人に試験結果が開示されないことと、2段階目のα試験の結果と合わせた最終的な成績評価基準も不透明であることは問題であり、改善が必要である。さらに、再試験のα2試験結果も学生本人に開示されず、合否判定の根拠は学生に伝わっていないため、当事者である学生に告知されるよう改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 仮進級した場合、5年前期に未履修科目を修得して後期に実務実習を行うことができる学生と、未履修科目の開講時期が実務実習に重複してしまう学生がいるのであれば、「正規5年次への進級の機会を保証」する仮進級の制度は、学生にとって公平公正な制度と言えないので、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. 4年次~6年次の「卒業特別研究」にはルーブリック評価が導入されているが、現状では6年次の最終段階においてのみの評価であり、問題解決能力に関する目標到達度を4年次から適時学生にフィードバックしながら、成長を促す仕組みは構築されていない。医療人教育についても、ルーブリック評価表を用いているが、評価の指標は科目独自のものであり、年次進行的に確認するための評価指標は設けられていないため、総合的な目標達成度を評価できる段階に達するための、さらなる改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 7. 順次性のあるカリキュラムとその学修成果であるディプロマ・ポリシーへの到達度を段階的・総合的に評価し、到達度を数値化・可視化して評価することが十分にできていない。このように、科目レベルでの評価は行われているが、プログラムレベルでの適切な評価には至っておらず、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 8. 学修成果の評価を、全てのディプロマ・ポリシーについて到達度を数値化・可視化するための体系的な仕組みが構築に至っていないことから、学修成果の評価結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用するための改善を継続することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 京都薬科大学 | 私 | 京都府 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
京都薬科大学 総評 京都薬科大学は、「薬学を基盤とした学術的探究心と実践意欲を伴う思考力及び行動力、さらには多様性に対応できる人間性を兼備した薬剤師の素養を身につける教育研究をとおして、医療、福祉及び社会の発展に貢献しうる有用な人材を養成することを目的とする」を教育研究上の目的と規定し、Science(科学)、Art(技術)、Humanity(人間性)のバランスのとれた薬剤師である「ファーマシスト・サイエンティスト」を育成することを目標としており、教育研究上の目的に基づいた「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。ディプロマ・ポリシーには、5つの資質・能力が設定され、それらに対応してカリキュラム・ポリシーには5つの項目が設定されており、特に、1年次に問題解決能力に必要な
アカデミック・スキルを習得するための演習科目を実施し、卒業研究を3年生後期から開始することによって、「ファーマシスト・サイエンティスト」のうち Science(科学)、Art(技術)に関する資質・能力を醸成するための特徴的な教育が行われている。一方、Humanity(人間性)に関する教育は、第1期評価において指摘されていたSGD(Small Group Discussion)などの参加型授業形式を増やす工夫や順次性・体系性のある 科目設定が望まれることに対する実質的な改善が行われておらず、「ファーマシスト・サイエンティスト」が目標とする Science(科学)、Art(技術)、Humanity(人間性)のバランスがとれているとは言い難い。また、第1期の評価において改善が求められていたシラバスの記載の不備の改善もなされていない。このような第1期評価における指摘に対する改善が十分に行われていない原因としては、自己点検・評価運営委員会が十分に機能していないこと、教育評価の基準が機関別評価の基準にとどまっており、薬学教育評価のための明確な基準が設定されていないこと、さらに自己点検・評価が恒常的かつ適切に行われていないことがある。また、自己点検・評価運営委員会の学内委員が学長及び各主要委員会委員長のみで構成されていることも第三者的視点で自己点検・評価を行うためには不十分であると考えられる。京都薬科大学は、学修成果を評価するためにアセスメント・ポリシーを定めているが、現状では科目レベルの学修成果の評価にとどまっているので、教育課程レベルの学修成果を評価できるようにアセスメント・ポリシーを整備して、学生が身につけるべき資質・能 力を適切に評価するように改善することが求められる。今後、内部質保証の体制を整備し、京都薬科大学がめざす「ファーマシスト・サイエンティスト」を育成する教育がさらに発展することを期待する。
大学への提言
京都薬科大学 大学への提言 1)長所
1. 学生相談室が主体となり、学生との接し方などに関する教職員SDの開催、及びCOVID-19禍の際は学生のメンタルヘルス把握を目的とするアンケート調査を行い、学生のメンタル面への支援を教職員が一体となり取り組んでいる。(6.学生の支援) 2)助言 1. CPは学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するように設定されているとは言えないので、今後、設定されることが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 教育研究上の目的及び三つの方針についての定期的な検証は、毎年実施することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 自己点検・評価運営委員会を構成する学内メンバーは、学長及び各主要委員会委員長であるため、第三者的視点で適切に自己点検・評価を行えるように委員の構成を検討することが望まれる。(2.内部質保証) 4. 4年次前期に「実務事前学習」に関する内容が補講として実施されているが、必修とすべき内容であるので、正規科目として扱うことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 5. 科目の体系性と順次性を示したカリキュラム・ツリー(基礎資料1)をシラバス等で学生へ明示して、ガイダンス等で薬学教育カリキュラムの体系性及び科目の順次性を学生に説明することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. ヒューマニズム教育・医療倫理に係る教育において、学年進行に伴った順次性・連続性のある科目設定は不十分であり、さらに検討することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 第1期評価の指摘に基づいて、多くの科目でアクティブラーニングが導入されたが、アクティブラーニングによる学習が特に有効であると考えられるCP3及びCP4に係る科目で導入されている時間数が相対的に少ないので、それらの科目において、アクティブラーニングなどの適した学習方略を用いられることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 実務実習報告会の開催意義を鑑みて学年全体で開催し、学生、教員、実習施設指導者が実習内容に関して情報共有することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 本試験で合格した学生との公平性から、再試験の最高点を69点とするのは適切とは言えないので、改善することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程 の実施) 10. 卒業論文に関して、統一の評価基準がないので、客観的指標を作成して一定の基準で評価を行うことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 11. 一般選抜試験では面接が行われておらず、AP3とAP4に掲げられている資質・能力の評価が十分とは言えないので、面接等の方法によってそれらを適切に評価することが望まれる。(4.学生の受入れ) 12. 再入学に関する実施要領は、その都度定められることになっているので、あらかじめ実施要領を定めることが望まれる。(4.学生の受入れ) 13. 入学者の資質・能力は、学修成果の評価のような方法によって、直接検証されていないので、検証が十分とは言えない。現在行われている検証方法以外に学修成果の評価などを用いて検証して、その結果に基づき必要に応じて入学者受入れの改善・向上等を図ることが望まれる。(4.学生の受入れ) - 27 - 14. 自己点検・評価運営委員会を中心として進級率、卒業率、施設の状況などの他の指標も考慮して、入学者数の適切性を検証することが望まれる。(4.学生の受入れ) 15. 専任教員1名に対する学生数が10名以内には達していない。また、1分野につき教員3名の体制の実現に向けての十分な改善が進んでいるとは言えないので、教育効果や卒業研究の質や安全面から、専任教員の増員が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 16. 学生満足度調査アンケートの回答率が14%程度で低い状況であるので、回答率を高めるようにすることが望まれる。(6.学生の支援) 17. 内容に関わらず学生の意見を提出できる意見箱等を設置して、学生が匿名でも直接意見を大学に伝えられる仕組みを設けることが望まれる。(6.学生の支援) 18. 1~3年次生の基礎系実験実習を指導する教員の数が少なく、安全管理上問題であるので、基礎系実験実習を担当する教員数の増員が望まれる。(6.学生の支援) 19. 実習室はスケジュール的に余裕があるとは言えない状態なので、拡充が望まれる。(7.施設・設備) 3)改善すべき点 1. CP(特にCP1、2、3)において教育方法に関する設定が不十分であるので、教育方法を具体的に設定する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. APに定められた能力をもつ学生をどのように評価・選抜するかが具体的に設定されていないので改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 定期的な自己点検・評価のスケジュールにしたがって、「京都薬科大学内部質保証のための方針」に沿った自己点検・評価を計画的に行うことが必要である。(2.内部質保証) 4. 「京都薬科大学アセスメント・ポリシー」に基づいて行われている自己点検及び各委員会での自己点検・評価は機関別評価の基準に基づくものにとどまっているので、薬学教育に関わる評価基準も加えて、教育研究活動を質的・量的に解析できる自己点検・評価を行うことが必要である。(2.内部質保証) 5. 大学が自主的に行った自己点検・評価の結果についても定期的にホームページ等で公表することが必要である。(2.内部質保証) 6. 大学が自主的に設定した評価基準の下で、整備された「京都薬科大学アセスメント・ポリシー」等を用いて実施した自己点検・評価の結果に基づいて、教育研究活動の改善を行うことが必要である。(2.内部質保証) 7. 選択科目「薬学演習」を選択している学生と、選択していない学生で「総合薬学研究B」の単位数が異なっているのは、科目の単位数の設定において不適切であるので、同一科目の単位数は同じになるよう改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-1教育課程の編成) 8. 4年次後期及び6年次後期の平日の時間割において、非常勤講師でない予備校講師が担当している相当数の授業が必修科目である「薬学総合演習」や「アドバンスト薬学」と区別できない形で記載されているのは適切ではないので、予備校講師による授業を時間割から除くように至急改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 9. 一部の科目のシラバスにおいて、「学習項目・学生の到達目標」などの記載に不備があるので、必要事項が記載されているかを精査してシラバスを改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 10. 学修成果の向上にとって重要である教育課程及びその内容、方法の適切性は検証されているとは言い難いので、カリキュラム全体について検証し、その結果に基づき必要に応じて改善・向上を行うように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 11. 一部の卒業論文に複数の学生が共同して作成しているものがあるが、卒業論文は個人で作成することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 12. 「基礎演習」「早期体験学習」「実務実習」「総合薬学研究A」「総合薬学研究B」などの科目において、シラバスに評価項目は記載されているが、それらの評価の割合および評価方法が記載されておらず、改善する必要がある。この点については、すでに第1期評価において指摘されているが、未だ十分な改善が行われておらず、早急に改善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 13. 成績評価に対する異議申立は科目担当教員が受け付ける仕組みしかないのは適切ではないので、科目担当教員を介さずに学生が成績評価に対する異議申立をできる仕組みを整備することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 14. カリキュラムマップを学修成果の評価に活用できるように再検討し、加えてDP1~DP5に示されている資質・能力を評価するための科目、課題、ルーブリック評価等の学修成果を評価する方法を構築し、学修成果を適切に評価していくことが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 15. 「京都薬科大学アセスメント・ポリシー」に設定されている項目の評価結果を分析し、教育課程の編成及び実施の改善・向上を目指していることは一定の評価はできるが、それだけでは学修成果の評価とカリキュラムの改善・向上には不十分であるので、DPに示されている資質・能力の達成度評価を適切に行って、教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 京都大学 | 国 | 京都府 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
京都大学 総評 京都大学薬学部は、研究大学としての教育理念に基づき、「薬学の学修を通じて、先端医療、医療薬学・臨床薬学の発展を担いうる人材を育成」を掲げ、ディプロマ・ポリシーとして5つの資質・能力の修得を示している。この目標を達成するために、学部から高度な医療薬学研究者の養成に向けた特徴的な薬学教育カリキュラムを構築している。特に教育の面では、6年間を通じて、少人数教育、反転授業、双方向性授業、他学部との合同学習、課題研究など、研究能力を含む学生の資質・能力の向上のために、学習方法にさまざまな工夫を加えていることは評価できる。また、教育活動に関わるファカルティ・ディベロップメントが適切に実施されており、教育の質向上に努めている。さらに、研究のみならず、薬剤師職能に関しても積極的な国際交流を行っていることも特筆される。一般入試では薬学科及び薬科学科を一括で募集・選抜し、4年次から各学科に振り分けているが、薬学科への志願者については、薬学科で学ぶための適性を、評価基準を作成し適切に評価している。また、薬学科の定員の変更を実施しており、定員の適切性について継続的に解析していることはPDCAサイクルが適切に実施されていることの一つの例として評価できる。研究においては、若手教員のスタートアップ研究のために、大学独自の支援体制を構築し、さらに多くの共同研究・学術指導を実施して、医薬品・医療機器などの開発研究に貢献していることは評価できる。
薬学教育評価機構による第1期の評価において今後改善が望まれると指摘された総合的な資質・能力の評価のための指標の設定については、科目ごとの総合的な評価においては著しく改善されている。しかし、ディプロマ・ポリシーで目標としている6年間を通じて育成する5つの資質・能力の達成度評価については、科目ごとの学習成果の評価、及び学生による自己評価にとどまっており、薬学教育評価機構が求める学修成果の総合的な評価方法は未だ十分には整備されておらず、教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用されるまでには至っていないと判断される。以上のように、課題は残されているものの、京都大学薬学部は、薬学教育評価機構が定める「薬学教育評価 評価基準」に適合していると判断される。今後、ディプロマ・ポリシーで目標としている6年間を通じて育成する5つの資質・能力の京都大学独自の達成度評価法を構築し、学生の資質・能力の評価に基づく教育の改善・向上に、より一層取り組まれることを期待する。
大学への提言
京都大学 大学への提言 1)長所
1. 在籍者の学修動向や進路をふまえて、2018(平成 30)年度新入生から、薬科学科と薬学科の定員を変更していることは、教育研究活動の改善に取り組んでいる例として評価できる。(2.内部質保証) 2. 研究大学としての大学理念及び薬学科のディプロマ・ポリシーに基づき、学部から高度な医療薬学研究者の養成に向けた薬学教育カリキュラムを構築している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 少人数教育、反転授業、双方向性授業、他学部との合同学習など、学生の資質・能力の向上に資する学習方法に工夫が見られる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 薬学科への志願者については、薬学科志望理由書の提出を求め、グループ面接及び個別面接により、薬学科で学ぶための適性を、評価基準を作成し評価している。(4.学生の受入れ) 5. 若手教員のスタートアップ研究のために、大学独自の支援体制(京都大学若手研究者スタートアップ研究費)をとって支援している。(5.教員組織・職員組織) 6. 教育活動の向上を図るための組織的な取り組みとして、学生による授業評価のアンケート結果を授業担当教員にフィードバックするとともに、その評価の高かった教員の授業を他の教員が聴講する日を3日間設定して多くの薬学関係教員が参加することを可能とし、さらに授業聴講後にアンケートを実施することによって自らの講義方法の改善に取り組むファカルティ・ディベロップメントを実施しており、教育の質向上に努めてる。(5.教員組織・職員組織) 7. 多くの共同研究・学術指導を実施して、医薬品・医療機器などの開発研究に貢献している。(8.社会連携・社会貢献) 8. 大学間学生交流協定を締結している香港中文大学との短期間の学生交流を通じて、学生が香港の医療現場を視察調査するとともに、日本の地域医療や薬剤師の職能などについて紹介するなど、積極的な国際交流を行っている。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 教養教育や語学教育など、薬学教育カリキュラムとして重要な科目群の位置付けについてもコースツリーに明示しておくことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 教養・共通科目のうちコアカリキュラムに対応する内容を含むものについても、薬学部のシラバスの該当するページに一般目標を記載することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 大学独自の科目として設定されている科目については、その旨をシラバスに明記することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 評価方法の変更などのシラバスの変更を要する場合には、必要な関連情報とともに学生に告知するなどの公正かつ厳格な対応が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 卒業認定には、単位認定に加えて、ディプロマ・ポリシーに示された6年間で達成すべき5つの資質・能力の評価を含めることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム3-2教育課程の実施) 6. 一般入試においても、学力の3要素のうち「主体的に学習に取り組む態度」についての評価を含めることが望まれる。(4.学生の受入れ) 7. 年間で平均した週あたりの授業時間数が1時間未満の教員や9時間を超える教員もおり、一部に教育負担の格差がやや見られるので改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 8. 定期健康診断の受診状況は、学年により大きく異なり、全員が受診するように指導を徹底することが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーには各科目の学習成果の評価方法は記載されているものの、ディプロマ・ポリシーで設定した資質・能力に関する学修成果の評価については記載されていないので改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 6年間で育成される資質・能力の総合的な達成度評価は未だ十分ではなく、教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用されるまでには至っていないので、さらなる改善を進めることが必要である。(2.内部質保証) 3. 実務実習では評価の基準と重みづけがシラバス等には明示されていないので改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. ディプロマ・ポリシーで目標としている6年間を通じて育成する資質・能力の達成度評価については、科目ごとの学習成果の評価にとどまっており、総合的な学修成果の評価方法は未だ十分には整備されていないので改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. 教育課程に対するルーブリックを作成してパフォーマンス評価を取り入れるなど、ディプロマ・ポリシーに関わる達成度を教員と学生が相互に評価できる客観的な指標の設定が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 6. 教育課程の編成の適切性の評価を継続的に実施する計画になっているものの、現時点では十分には実施されていないので、今後の改善・向上に活用していくことが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 岐阜薬科大学 | 公 | 岐阜県 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
岐阜薬科大学 総評 岐阜薬科大学では、「薬と健康についての高度な研究に支えられた教育により、有為な薬学の専門職業人を育成し、それらを通じて社会に貢献する」という大学の理念のもと、薬学部薬学科の教育研究上の目的を「薬学科は、薬学分野における最新の学理と技術を教授研究し、臨床に係る高度な知識・技能、実践的能力及び研究能力並びに豊かな人間性と高い倫理観を身に付けた優れた薬剤師として求められる資質を有する医療従事者、研究者及び技術者を育成することを目的とする。」と定め、ファーマシストサイエンティストの育成を目指して卒業研究も重視した教育プログラムとなっている。卒業研究での研究成果は学会や学術論文において発表・公表され、学会発表における受賞者数も多く、学外からも研究力の醸成が評価されている。教育研究活動の評価は学外有識者に付託され、この評価結果に基づいて全教員が各自改善を行うとともに、IR(Institutional Research)にも取り組んでいる。さらに、地域の医療・薬学の発展及び薬剤師の資質・能力の向上に貢献する多彩な活動を行っており、地域薬剤師とともに医療・薬学の発展及び薬剤師の資質・能力の向上に貢献すると共に、モバイルファーマシーやドローンを利用した特徴ある取り組みを教育にも活用している。他方で、学修成果の評価は、単位の修得状況を基本とするものにとどまっている。しかし、教育課程の進行に対応した学生の資質・能力の測定が検討されているので、教育課程の進行に対応した学生の資質・能力の測定による学修成果の評価結果に基づく教育課程の編成及び実施の改善・向上が今後期待される。また、シラバスには各科目の受験資格や合格基準等が明記され、第 1 期の薬学教育評価以降の進捗が確認できるが、評価項目に履修態度を含む科目が多く、その具体的な評価方法や評価基準が明確ではないので、評価方法、評価基準の明確化が必要である。さらに一般選抜入試における、学力の三要素のうちの「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」についての評価の導入や、教員組織の編成方針について明文化したものを導入するなどの改善も期待される。
地域の医療・薬学の発展に貢献しつつ、特徴ある薬剤師養成教育を実施している岐阜薬科大学には、引き続き、優れた薬剤師として求められる資質を有する人材の育成・輩出を期待する。
大学への提言
岐阜薬科大学 大学への提言 1)長所
1. 教育研究活動の評価を毎年学外有識者に付託し、その評価結果を教授総会において全学周知し、それに基づいた取り組みを進めるよう委員会に指示することで、全教員が各自改善を行っている。(2.内部質保証) 2. IR活動を充実させるため、入学区分別の就学状況や国家試験合格率等の調査の実施、職員の資質向上のための講演会の開催、ディプロマ・ポリシー主要項目の「グリーンファーマシーを理解し実践できる」教育の周知なども実施している。(2.内部質保証) 3. 卒業研究における研究成果に基づく多数の学会発表、学術論文公表、および、学会発表における授賞者により、学外からも研究力の醸成が評価されており、卒業認定・学位授与の方針に定める「問題解決能力を持って、主に医療現場で必要とされる実戦力や臨床研究を展開する能力を身につけている」、あるいは「問題解決能力を持って、主に創薬科学及び生命科学の研究を展開する能力を身につけている」が達成されている。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 岐阜薬科大学では、准教授以下の次世代を担う若手教員(准教授、講師、助教、助手)を対象とした独自の競争的助成金「学内特別研究費制度」と、「岐阜大学と岐阜薬科大学との連携に関する協定書」に基づく「育薬・創薬研究推進支援制度」を設け、研究活動に対する意識や意欲、質の向上に努めるとともに、研究活動の推進を支援している。(5.教員組織・職員組織) 5. 地域の医療・薬学の発展及び薬剤師の資質・能力の向上への貢献として、複数の教員や卒業生が薬剤師会の役員、委員会委員を務め会務に携わるともに、連携した事業の実施がなされている。また、市とは一体的な運用の中でワクチン集団接種への協力や、複数の地元企業との共同研究といった多彩な活動を行っている。(8.社会連携・社会貢献) 6. 地域における保健衛生の保持・向上への貢献としては、毎年の市民公開講座の開催、中高生を対象とした教育を行っている他、災害医療や僻地医療における薬剤師へのニーズに応えるため、2017年に地域医療薬学寄附講座を開設し、モバイルファーマシーやドローンを利用した教育研究活動を推進している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 医療薬学コースと創薬育薬コースでは輩出するべき人材が獲得する資質・能力も異なっていることが定められているので、各コースの目標に基づいた評価を設計することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 2. 一般選抜入試は、大学入学共通テストから5教科7科目、個別学力検査として数学と理科(化学から出題する)の2科目を課しているのみなので、内申書を活用するなどしてアドミッション・ポリシーへの適合を判断したり、学力の三要素のうちの「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の評価を行うことが望ましい。(4.学生の受入れ) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーの中にはディプロマ・ポリシーに示されている学修成果の評価の在り方が具体的に設定されておらず、改善が必要である 。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. アドミッション・ポリシーに、多様な学生をどのように評価・選抜するか等が具体的に設定されていないので、設定する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 評価項目に履修態度含む科目が多く、その具体的な評価方法、評価基準が明確ではないので、評価方法、評価基準の明確化が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 学修成果の評価結果が教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用されるには至っていないので改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. 教員組織の編成方針を明文化して定めていないので、改善が必要である。(5.教員組織・職員組織) |
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| 岡山大学 | 国 | 岡山県 | 第2期 | 2021年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
岡山大学 総評 岡山大学薬学部は6年制の薬学科と4年制の創薬科学科の2学科を設置し、大学の基本理念と薬剤師養成教育に課せられた基本的な使命を踏まえて、「ヒトの健康を目的として物質を活用する。すなわち薬剤師としての業務を遂行するための専門的知識・技能・態度を教育する。さらに、これらを基にした解析・創出をも含む新たな知の創出を行うために、観察力・洞察力・分析力・論理力・研究遂行能力・発信力を練磨し、もって国際社会に貢献する人材を育成する」ことを薬学科の「教育理念・目標」とし、それに基づいた「卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。しかしながら、「薬学教育評価 評価基準」の「内部質保証」、「学修成果の評価」についてはその意義を十分に理解していないと判断せざるを得ない。この一事を以て直ちに「薬学教育評価 評価基準」全体に適合していないとまでは言えないものの、適切な措置を早急に講ずることは必要である。したがって、所定の期間内に十分な改善が認められない場合、本認定はその効力を失うこととしている。第一に、岡山大学薬学部から提出された「自己点検・評価書」は粗放な記述が多く、教育の質に関わる「教育研究上の目的と三つの方針」、「内部質保証」及び「薬学教育カリキュラム」について、「薬学教育評価 評価基準」に対する適合性を確認できなかった。そのため、書面調査結果に付記した質問事項に対する大学の回答と書面調査結果に対する大学の意見、追加資料ならびに訪問調査時の意見交換などを経て明らかになった状況を「概評」に引用し、2020 年度の実態に沿った評価とせざるを得なかった。また、岡山大学薬学部が行っている自己点検・評価は、機関別認証評価や大学法人評価、大学の「評価センター」による評価のような学部外からの指摘や要請によるものが中心になっており、本機構の評価基準が求める自主的な内部質保証を目的とするものであるとは言えない。これらの事実から、薬学教育プログラムを自己点検・評価し、それに基づいて教育に関する内部質保証を積極的に行う重要性について理解が欠けていると言わざるを得ない。第二に、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得度を評価するための「学修成果の評価」の在り方と、その段階的な修得状況を教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていない。また、専門分野別カリキュラム会議は、当該分野における学習の達成度や薬学科ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果の達成度などについての質的・量的な解析を行っていない。なお本機構では、第1期の薬学教育評価において、特定の資質・能力の修得を目指す科目群における学修目標の達成度を評価するための種々の指標を設定し、それに基づく評価を行うことを「改善すべき点」と指摘したが、提出された改善報告書では改善が十分になされているとは言えない旨を 2018 年7月に通知・公表している。これらの事実から、教育課程の進行に対応して学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用することの重要性が十分に理解されておらず、それらの実施に向けた検討もなされていないと判断できる。岡山大学薬学部は、提出された「自己点検・評価書」から教育研究体制の実態を把握し、評価することは困難ではあったが、教育研究に対する熱心な姿勢はうかがえる。自己点検・評価に基づく内部質保証体制を整え、学修成果の評価体制のさらなる発展を目指した改革・改善に向けて、組織的な問題の発見とその修正に努められたい。
大学への提言
岡山大学 大学への提言 1)長所
1. 1、2年次に研究室での実際の研究を体験できる、特徴的なプログラムである「薬学研究入門」から5、6年次の「卒業研究実習」まで全学年にわたって、継続的に研究に携わることができるプログラムが組まれ、学生の研究能力の向上に努めている点は評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 地域の薬剤師会と連携し、薬学や薬学教育の発展及び地域の薬剤師の資質向上に寄与していることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 「教育研究上の目的」及び「教育理念・目的」は、いずれも薬学教育に対する一般的な目標・目的を示すにとどまっているので、「医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズ」を十分に反映したものとするための適切な改定を行うことが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 6年制薬学科と4年制創薬科学科の教育研究上の目的の違いをより明確に認識できるようにするため、「教育理念・目標」を薬学部規程等に規定することが望まれる。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」は、学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するように設定されているとは言えないので、これらを設定することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 教職員に対しては「三つの方針」を周知する機会が設けられていないので、その重要性に鑑みて、FDなどを通して周知することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. 薬学教育カリキュラムが体系的に整理され、効果的に編成されていることを確認することができないので、各科目を通して得た知識を関連付け、基礎から臨床までを体系的に学ぶ体制であることを学生にわかりやすく伝える工夫が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 「卒業研究実習」において、配属研究室の指導教員のみで評価を行っていることは適切であるとは言えないので、他研究室の教員を評価者として加えるなど、評価に客観性をもたせることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 取り巻く状況が変化しているのにもかかわらず「安全の手引き(H24.3)」や「安全管理ガイドマニュアル(H22)」の修正や見直しが長期間行われていないことは問題なので、改定することが望まれる。(6.学生の支援) 8. 「安全の手引き」には災害時の対応等も記載されていることから、学生に対して周知することが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. 「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げる「学生が身につけるべき能力」の修得度を評価するために必要となる「学修成果の評価」の在り方が、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には記載されていないので、これらを明記するように改善する必要がある。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学部として「教育研究上の目的」及び「三つの方針」を自主的かつ定期的に検証するための基準と手順を定め、検証・検討を実施する体制を構築する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 教育研究活動については、外部評価機関による指摘や大学の指示に対応する改善策を立案・実行するだけではなく、これとは別に薬学部として教育研究活動の質的・量的な解析に基づく自己点検・評価を組織的かつ計画的に行い、その結果を公表し、それに基づいて教育研究活動の改善を進める必要がある。(2.内部質保証) 4. 学期末の筆記試験で成績評価する科目において、筆記試験の結果によって実施される追加の試験は、各科目の単位認定に深く関わる評価の一環であるため、追加の試験の実施の有無や方法、成績の評価に与える影響を各科目のシラバスに明記する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. レポート等で成績を評価する科目で用いられているルーブリックの中には、記述がパフォーマンスを表しておらず、パフォーマンス評価として適切ではないものが見られるので、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. カリキュラムの順次性を考慮すると、留年生の上位学年配当科目の履修に関して何らかの制限を設けるように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」には学修成果の評価方法の概略は示されているが、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得が段階的に進んでいる状況を、教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていないので、教育課程の進行に対応した学修成果の評価を適切に行うよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 8. 学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用するよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 第2期 |
2021年度 |
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2:なお書き 改善報告審議結果 2023/7/1 |
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| 日本薬科大学 | 私 | 埼玉県 | 第2期 |
2021年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
日本薬科大学 総評 日本薬科大学は、大学独自の教育目標として「統合医療を実践できる医療人の養成」を掲げ、ディプロマ・ポリシーとして、「薬剤師として求められる10の基本的な資質」に「統合医療の理解と実践」を加えるとともに、「統合医療」を理解、実践できる人材養成のためのカリキュラムを構成し、さらに「漢方資料館」や台湾の中国医薬大学に「都築伝統薬物研究センター」を設置して活用するなど、特徴的な教育・研究を実践している。とりわけ、「学修ポートフォリオ」を用いた形成的評価、並びに各科目の成績を各資質・能力にウェイトづけすることによる総合達成度評価を併用して、学年進行に伴う達成度の見える化に取り組んでおり、第1期の薬学教育評価以降、著しい進捗を確認できる。さらに、学修成果の評価については、教育課程全体に割り振られている「卒業までに身につける11の力」に関する総合的達成度評価が、各学年次で単位認定に係る評価(「卒業までに身につける11の力に関する総合的達成度評価」)と学生の自己評価(「学修ポートフォリオ」)の両面で教育課程の進行に従って行われている。総合的達成度評価では、各科目の成績を「卒業までに身につける11の力との関連表」に基づいてウェイトづけし、学年進行に伴う達成度を見える化していることは評価できる。他方で、これらの到達点を踏まえた発展課題もある。「各科目と卒業までに身につける11の力との関連表」で示されている資質・能力を適切に評価する方法が設定されていない科目も認められ、各科目のウェイトづけは妥当であるとは当然には言えない。ウェイトの設定には、各科目の成績評価が当該の資質・能力を評価していることや、カリキュラム・マップにおけるウェイト自体が妥当であることが重要である。これらについて継続的に評価・検証するとともに、資質・能力を総合的、多面的に評価する新たな取り組みを加えて、より実質的な総合評価となるよう工夫することを期待したい。なお、自己点検・評価委員会の元に作業部会を設置して、組織的、計画的に評価を行い、毎年度、実施計画書、成果報告書を作成しているものの、ストレート卒業率等が著しく低い点については、未だ改善途上にある。さらに質的・量的な点検・検証を行い、具体的な- 2 -対策を取ることが望まれる。
大学への提言
日本薬科大学 大学への提言1)長所1. ディプロマ・ポリシーにおいて、「薬剤師として求められる10の基本的な資質」に大学独自の教育目標である「統合医療の理解と実践」を加えた11の資質が含まれていることは評価できる。(1.教育研究上の目的と三つの方針)2. 西洋医学主体の医療に、日本の伝統医学である漢方医学が持つ未病と治療の概念を融合した「統合医療」を理解・実践できる人材の養成を教育目標の一つとして掲げ、「統合医療」を3年次必修科目にしていることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成)3. 各科目の成績を、「各科目と卒業までに身につける11の力との関連表」に基づいてウェイトづけし、卒業時の最高達成度を100として集計することにより、学年進行に伴う達成度を見える化していることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価)4. ディプロマ・ポリシーに挙げられている統合医療の力を学生に身につけさせることに- 17 -有益と考えられる「漢方資料館」を設置していることは評価できる。(7.施設・設備)5. 地域薬剤師会や周辺自治体等と連携した薬剤師教育や高校生や市民に対する啓蒙活動など、地域との連携を積極的に実施していることは高く評価できる。(8.社会連携・社会貢献)6. 海外の大学間協定校との学生の交流や共同研究を実施するなど、活発な国際交流活動を実施していることは高く評価できる。(8.社会連携・社会貢献)
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| 福山大学 | 私 | 広島県 | 第2期 |
2021年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
福山大学 総評 福山大学薬学部は、建学の精神、大学の教育理念、教育指針(三蔵五訓)のもとに、「医療人としての教養と倫理観及び薬剤師としての確かな専門知識・技能を身に付け、医療や社会のニーズに対して強い責任感と探求心を持って対応し、自らの能力と専門性を高めていくことができる人材を育成すること」を「教育目的」として定め、教育研究上の目的に基づいた「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。なお、カリキュラム・ポリシーとは別に、学修成果の評価のあり方は、アセスメント・ポリシーとして策定されている。とりわけ、ディプロマ・ポリシーでは、「卒業時に必要とされる8つの資質」が設定されており、それらの資質を評価するための仕組みであるアセスメント・ポリシーをしっかりと構築し、卒業時の学修成果の解析結果から学生レベル、学科レベル、ならびに大学レベルの評価を行い、質的・量的に教育課程の適切性を検証する仕組みを構築しており、第1期の薬学教育評価以降、著しい進捗が確認できる。さらに、ディプロマ・ポリシーに掲げた8つの資質についての学修成果の達成度は、アセスメント・ポリシーで定めた 25 の資質(中項目)を、質的・量的に解析し評価していること、また教育研究活動の改善が、自己点検・評価結果等に基づいて恒常的に行われていることも評価できる。他方で、これらの到達点を踏まえた発展課題もある。資質の形成的評価を行うために、GPA(Grade Point Average)に基づく「資質(中項目)修得度」を算出しているが、GPAは累積的であることから、資質の修得度を評価するのに必ずしも適しているとは言えない。ほかの評価方法も用いて多面的な評価法を構築するように改善することを期待したい。なお、全学共通の自己点検の評価では、薬学教育プログラム自体を質的・量的に十分解析しているとは言えない。特に、ストレート卒業率が未だ改善途上にあることから、教- 2 -育カリキュラムの編成・実施及び評価、受け入れ学生の基礎学力の向上、学生支援など様々な観点から検証を行い、具体的な対策を取ることが望まれる。
大学への提言
福山大学 大学への提言 1)長所1. ディプロマ・ポリシーに示されている8つ資質を構成する能力として25個の「資質(中項目)」を設定し中項目単位で、形成的評価、及び総括的評価を行い、学修成果の評価を実施することをアセスメント・ポリシーとして設定していることは、評価できる。(1.教育研究上の目的と三つの方針)2. 5年次に「実務実習後学習」を設置し、臨床実習後OSCE(pccOSCE)を実施している。また、6年次に「ファーマシューティカルケア総合演習」を開講している。これらの科目は、臨床での実践能力の定着のための独自の取り組みとして評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成)3. 140名中約1/3の46名が他地区である近畿、四国・九州・山口地区で実務実習を行っており、日本薬剤師会、日本病院薬剤師会及び薬学教育協議会が推進しているふるさと実習に積極的に取り組んでいることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム- 24 -3-2教育課程の実施)4. 各教員が教育研究における年度目標を設定し、毎年自己点検評価を行って改善につなげている。また、各教員は授業改善報告書を大学教育センターに提出し、薬学部で集計・精査ののち改善が必要と認められた場合には学科長が対応している。このように、教育研究活動の向上を図るための組織的な取組みが積極的に行われており評価できる。(5.教員組織・職員組織)5. 5年生が後輩に学習指導するメンター制度は、学生への学習支援とともに、教える学生の自己研鑽の効果も考えられ、評価できる。(6.学生の支援)6. 長年、主幹校として薬学教育者ワークショップを開催し指導薬剤師養成に尽力すると共に、福山大学薬学部・福山市薬剤師会シリーズ研修会や広島びんごフィジカルアセスメント研究会などを通して、医療・薬学の発展、薬剤師の資質・能力の向上及び地域における保健衛生の保持・向上に貢献していることは高く評価できる。(8.社会連携・社会貢献)
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| 岡山大学 | 国 | 岡山県 | 第2期 |
2021年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
岡山大学 総評 岡山大学薬学部は6年制の薬学科と4年制の創薬科学科の2学科を設置し、大学の基本理念と薬剤師養成教育に課せられた基本的な使命を踏まえて、「ヒトの健康を目的として物質を活用する。すなわち薬剤師としての業務を遂行するための専門的知識・技能・態度を教育する。さらに、これらを基にした解析・創出をも含む新たな知の創出を行うために、観察力・洞察力・分析力・論理力・研究遂行能力・発信力を練磨し、もって国際社会に貢献する人材を育成する」ことを薬学科の「教育理念・目標」とし、それに基づいた「卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。しかしながら、「薬学教育評価 評価基準」の「内部質保証」、「学修成果の評価」についてはその意義を十分に理解していないと判断せざるを得ない。この一事を以て直ちに「薬学教育評価 評価基準」全体に適合していないとまでは言えないものの、適切な措置を早急に講ずることは必要である。したがって、所定の期間内に十分な改善が認められない場合、本認定はその効力を失うこととしている。第一に、岡山大学薬学部から提出された「自己点検・評価書」は粗放な記述が多く、教育の質に関わる「教育研究上の目的と三つの方針」、「内部質保証」及び「薬学教育カリキュラム」について、「薬学教育評価 評価基準」に対する適合性を確認できなかった。そのため、書面調査結果に付記した質問事項に対する大学の回答と書面調査結果に対する大学の意見、追加資料ならびに訪問調査時の意見交換などを経て明らかになった状況を「概評」に引用し、2020 年度の実態に沿った評価とせざるを得なかった。また、岡山大学薬学部が行っている自己点検・評価は、機関別認証評価や大学法人評価、大学の「評価センター」による評価のような学部外からの指摘や要請によるものが中心になっており、本機構の評価基準が求める自主的な内部質保証を目的とするものであるとは言えない。これらの事実から、薬学教育プログラムを自己点検・評価し、それに基づいて教育に関する内部質保証を積極的に行う重要性について理解が欠けていると言わざるを得ない。第二に、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得度を評価するための「学修成果の評価」の在り方と、その段階的な修得状況を教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていない。また、専門分野別カリキュラム会議は、当該分野における学習の達成度や薬学科ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果の達成度などについての質的・量的な解析を行っていない。なお本機構では、第1期の薬学教育評価において、特定の資質・能力の修得を目指す科目群における学修目標の達成度を評価するための種々の指標を設定し、それに基づく評価を行うことを「改善すべき点」と指摘したが、提出された改善報告書では改善が十分になされているとは言えない旨を 2018 年7月に通知・公表している。これらの事実から、教育課程の進行に対応して学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用することの重要性が十分に理解されておらず、それらの実施に向けた検討もなされていないと判断できる。岡山大学薬学部は、提出された「自己点検・評価書」から教育研究体制の実態を把握し、評価することは困難ではあったが、教育研究に対する熱心な姿勢はうかがえる。自己点検・評価に基づく内部質保証体制を整え、学修成果の評価体制のさらなる発展を目指した改革・改善に向けて、組織的な問題の発見とその修正に努められたい。
大学への提言
岡山大学 大学への提言 1)長所
1. 1、2年次に研究室での実際の研究を体験できる、特徴的なプログラムである「薬学研究入門」から5、6年次の「卒業研究実習」まで全学年にわたって、継続的に研究に携わることができるプログラムが組まれ、学生の研究能力の向上に努めている点は評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 地域の薬剤師会と連携し、薬学や薬学教育の発展及び地域の薬剤師の資質向上に寄与していることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 「教育研究上の目的」及び「教育理念・目的」は、いずれも薬学教育に対する一般的な目標・目的を示すにとどまっているので、「医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズ」を十分に反映したものとするための適切な改定を行うことが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 6年制薬学科と4年制創薬科学科の教育研究上の目的の違いをより明確に認識できるようにするため、「教育理念・目標」を薬学部規程等に規定することが望まれる。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」は、学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するように設定されているとは言えないので、これらを設定することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 教職員に対しては「三つの方針」を周知する機会が設けられていないので、その重要性に鑑みて、FDなどを通して周知することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. 薬学教育カリキュラムが体系的に整理され、効果的に編成されていることを確認することができないので、各科目を通して得た知識を関連付け、基礎から臨床までを体系的に学ぶ体制であることを学生にわかりやすく伝える工夫が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 「卒業研究実習」において、配属研究室の指導教員のみで評価を行っていることは適切であるとは言えないので、他研究室の教員を評価者として加えるなど、評価に客観性をもたせることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 取り巻く状況が変化しているのにもかかわらず「安全の手引き(H24.3)」や「安全管理ガイドマニュアル(H22)」の修正や見直しが長期間行われていないことは問題なので、改定することが望まれる。(6.学生の支援) 8. 「安全の手引き」には災害時の対応等も記載されていることから、学生に対して周知することが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. 「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げる「学生が身につけるべき能力」の修得度を評価するために必要となる「学修成果の評価」の在り方が、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には記載されていないので、これらを明記するように改善する必要がある。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学部として「教育研究上の目的」及び「三つの方針」を自主的かつ定期的に検証するための基準と手順を定め、検証・検討を実施する体制を構築する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 教育研究活動については、外部評価機関による指摘や大学の指示に対応する改善策を立案・実行するだけではなく、これとは別に薬学部として教育研究活動の質的・量的な解析に基づく自己点検・評価を組織的かつ計画的に行い、その結果を公表し、それに基づいて教育研究活動の改善を進める必要がある。(2.内部質保証) 4. 学期末の筆記試験で成績評価する科目において、筆記試験の結果によって実施される追加の試験は、各科目の単位認定に深く関わる評価の一環であるため、追加の試験の実施の有無や方法、成績の評価に与える影響を各科目のシラバスに明記する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. レポート等で成績を評価する科目で用いられているルーブリックの中には、記述がパフォーマンスを表しておらず、パフォーマンス評価として適切ではないものが見られるので、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. カリキュラムの順次性を考慮すると、留年生の上位学年配当科目の履修に関して何らかの制限を設けるように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」には学修成果の評価方法の概略は示されているが、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得が段階的に進んでいる状況を、教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていないので、教育課程の進行に対応した学修成果の評価を適切に行うよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 8. 学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用するよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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2:なお書き 改善報告審議結果 2025/7/1 |
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2:なお書き 改善報告審議結果 2024/7/1 |
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2:なお書き 改善報告審議結果 2023/7/1 |
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自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
岡山大学 総評 岡山大学薬学部は6年制の薬学科と4年制の創薬科学科の2学科を設置し、大学の基本理念と薬剤師養成教育に課せられた基本的な使命を踏まえて、「ヒトの健康を目的として物質を活用する。すなわち薬剤師としての業務を遂行するための専門的知識・技能・態度を教育する。さらに、これらを基にした解析・創出をも含む新たな知の創出を行うために、観察力・洞察力・分析力・論理力・研究遂行能力・発信力を練磨し、もって国際社会に貢献する人材を育成する」ことを薬学科の「教育理念・目標」とし、それに基づいた「卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。しかしながら、「薬学教育評価 評価基準」の「内部質保証」、「学修成果の評価」についてはその意義を十分に理解していないと判断せざるを得ない。この一事を以て直ちに「薬学教育評価 評価基準」全体に適合していないとまでは言えないものの、適切な措置を早急に講ずることは必要である。したがって、所定の期間内に十分な改善が認められない場合、本認定はその効力を失うこととしている。第一に、岡山大学薬学部から提出された「自己点検・評価書」は粗放な記述が多く、教育の質に関わる「教育研究上の目的と三つの方針」、「内部質保証」及び「薬学教育カリキュラム」について、「薬学教育評価 評価基準」に対する適合性を確認できなかった。そのため、書面調査結果に付記した質問事項に対する大学の回答と書面調査結果に対する大学の意見、追加資料ならびに訪問調査時の意見交換などを経て明らかになった状況を「概評」に引用し、2020 年度の実態に沿った評価とせざるを得なかった。また、岡山大学薬学部が行っている自己点検・評価は、機関別認証評価や大学法人評価、大学の「評価センター」による評価のような学部外からの指摘や要請によるものが中心になっており、本機構の評価基準が求める自主的な内部質保証を目的とするものであるとは言えない。これらの事実から、薬学教育プログラムを自己点検・評価し、それに基づいて教育に関する内部質保証を積極的に行う重要性について理解が欠けていると言わざるを得ない。第二に、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得度を評価するための「学修成果の評価」の在り方と、その段階的な修得状況を教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていない。また、専門分野別カリキュラム会議は、当該分野における学習の達成度や薬学科ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果の達成度などについての質的・量的な解析を行っていない。なお本機構では、第1期の薬学教育評価において、特定の資質・能力の修得を目指す科目群における学修目標の達成度を評価するための種々の指標を設定し、それに基づく評価を行うことを「改善すべき点」と指摘したが、提出された改善報告書では改善が十分になされているとは言えない旨を 2018 年7月に通知・公表している。これらの事実から、教育課程の進行に対応して学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用することの重要性が十分に理解されておらず、それらの実施に向けた検討もなされていないと判断できる。岡山大学薬学部は、提出された「自己点検・評価書」から教育研究体制の実態を把握し、評価することは困難ではあったが、教育研究に対する熱心な姿勢はうかがえる。自己点検・評価に基づく内部質保証体制を整え、学修成果の評価体制のさらなる発展を目指した改革・改善に向けて、組織的な問題の発見とその修正に努められたい。
大学への提言
岡山大学 大学への提言 1)長所
1. 1、2年次に研究室での実際の研究を体験できる、特徴的なプログラムである「薬学研究入門」から5、6年次の「卒業研究実習」まで全学年にわたって、継続的に研究に携わることができるプログラムが組まれ、学生の研究能力の向上に努めている点は評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 地域の薬剤師会と連携し、薬学や薬学教育の発展及び地域の薬剤師の資質向上に寄与していることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 「教育研究上の目的」及び「教育理念・目的」は、いずれも薬学教育に対する一般的な目標・目的を示すにとどまっているので、「医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズ」を十分に反映したものとするための適切な改定を行うことが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 6年制薬学科と4年制創薬科学科の教育研究上の目的の違いをより明確に認識できるようにするため、「教育理念・目標」を薬学部規程等に規定することが望まれる。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」は、学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するように設定されているとは言えないので、これらを設定することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 教職員に対しては「三つの方針」を周知する機会が設けられていないので、その重要性に鑑みて、FDなどを通して周知することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. 薬学教育カリキュラムが体系的に整理され、効果的に編成されていることを確認することができないので、各科目を通して得た知識を関連付け、基礎から臨床までを体系的に学ぶ体制であることを学生にわかりやすく伝える工夫が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 「卒業研究実習」において、配属研究室の指導教員のみで評価を行っていることは適切であるとは言えないので、他研究室の教員を評価者として加えるなど、評価に客観性をもたせることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 取り巻く状況が変化しているのにもかかわらず「安全の手引き(H24.3)」や「安全管理ガイドマニュアル(H22)」の修正や見直しが長期間行われていないことは問題なので、改定することが望まれる。(6.学生の支援) 8. 「安全の手引き」には災害時の対応等も記載されていることから、学生に対して周知することが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. 「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げる「学生が身につけるべき能力」の修得度を評価するために必要となる「学修成果の評価」の在り方が、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には記載されていないので、これらを明記するように改善する必要がある。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学部として「教育研究上の目的」及び「三つの方針」を自主的かつ定期的に検証するための基準と手順を定め、検証・検討を実施する体制を構築する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 教育研究活動については、外部評価機関による指摘や大学の指示に対応する改善策を立案・実行するだけではなく、これとは別に薬学部として教育研究活動の質的・量的な解析に基づく自己点検・評価を組織的かつ計画的に行い、その結果を公表し、それに基づいて教育研究活動の改善を進める必要がある。(2.内部質保証) 4. 学期末の筆記試験で成績評価する科目において、筆記試験の結果によって実施される追加の試験は、各科目の単位認定に深く関わる評価の一環であるため、追加の試験の実施の有無や方法、成績の評価に与える影響を各科目のシラバスに明記する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. レポート等で成績を評価する科目で用いられているルーブリックの中には、記述がパフォーマンスを表しておらず、パフォーマンス評価として適切ではないものが見られるので、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. カリキュラムの順次性を考慮すると、留年生の上位学年配当科目の履修に関して何らかの制限を設けるように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」には学修成果の評価方法の概略は示されているが、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得が段階的に進んでいる状況を、教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていないので、教育課程の進行に対応した学修成果の評価を適切に行うよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 8. 学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用するよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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2:なお書き 改善報告審議結果 2025/7/1 |
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| 岡山大学 | 国 | 岡山県 | 第2期 | 2021年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
岡山大学 総評 岡山大学薬学部は6年制の薬学科と4年制の創薬科学科の2学科を設置し、大学の基本理念と薬剤師養成教育に課せられた基本的な使命を踏まえて、「ヒトの健康を目的として物質を活用する。すなわち薬剤師としての業務を遂行するための専門的知識・技能・態度を教育する。さらに、これらを基にした解析・創出をも含む新たな知の創出を行うために、観察力・洞察力・分析力・論理力・研究遂行能力・発信力を練磨し、もって国際社会に貢献する人材を育成する」ことを薬学科の「教育理念・目標」とし、それに基づいた「卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。しかしながら、「薬学教育評価 評価基準」の「内部質保証」、「学修成果の評価」についてはその意義を十分に理解していないと判断せざるを得ない。この一事を以て直ちに「薬学教育評価 評価基準」全体に適合していないとまでは言えないものの、適切な措置を早急に講ずることは必要である。したがって、所定の期間内に十分な改善が認められない場合、本認定はその効力を失うこととしている。第一に、岡山大学薬学部から提出された「自己点検・評価書」は粗放な記述が多く、教育の質に関わる「教育研究上の目的と三つの方針」、「内部質保証」及び「薬学教育カリキュラム」について、「薬学教育評価 評価基準」に対する適合性を確認できなかった。そのため、書面調査結果に付記した質問事項に対する大学の回答と書面調査結果に対する大学の意見、追加資料ならびに訪問調査時の意見交換などを経て明らかになった状況を「概評」に引用し、2020 年度の実態に沿った評価とせざるを得なかった。また、岡山大学薬学部が行っている自己点検・評価は、機関別認証評価や大学法人評価、大学の「評価センター」による評価のような学部外からの指摘や要請によるものが中心になっており、本機構の評価基準が求める自主的な内部質保証を目的とするものであるとは言えない。これらの事実から、薬学教育プログラムを自己点検・評価し、それに基づいて教育に関する内部質保証を積極的に行う重要性について理解が欠けていると言わざるを得ない。第二に、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得度を評価するための「学修成果の評価」の在り方と、その段階的な修得状況を教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていない。また、専門分野別カリキュラム会議は、当該分野における学習の達成度や薬学科ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果の達成度などについての質的・量的な解析を行っていない。なお本機構では、第1期の薬学教育評価において、特定の資質・能力の修得を目指す科目群における学修目標の達成度を評価するための種々の指標を設定し、それに基づく評価を行うことを「改善すべき点」と指摘したが、提出された改善報告書では改善が十分になされているとは言えない旨を 2018 年7月に通知・公表している。これらの事実から、教育課程の進行に対応して学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用することの重要性が十分に理解されておらず、それらの実施に向けた検討もなされていないと判断できる。岡山大学薬学部は、提出された「自己点検・評価書」から教育研究体制の実態を把握し、評価することは困難ではあったが、教育研究に対する熱心な姿勢はうかがえる。自己点検・評価に基づく内部質保証体制を整え、学修成果の評価体制のさらなる発展を目指した改革・改善に向けて、組織的な問題の発見とその修正に努められたい。
大学への提言
岡山大学 大学への提言 1)長所
1. 1、2年次に研究室での実際の研究を体験できる、特徴的なプログラムである「薬学研究入門」から5、6年次の「卒業研究実習」まで全学年にわたって、継続的に研究に携わることができるプログラムが組まれ、学生の研究能力の向上に努めている点は評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 地域の薬剤師会と連携し、薬学や薬学教育の発展及び地域の薬剤師の資質向上に寄与していることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 「教育研究上の目的」及び「教育理念・目的」は、いずれも薬学教育に対する一般的な目標・目的を示すにとどまっているので、「医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズ」を十分に反映したものとするための適切な改定を行うことが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 6年制薬学科と4年制創薬科学科の教育研究上の目的の違いをより明確に認識できるようにするため、「教育理念・目標」を薬学部規程等に規定することが望まれる。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」は、学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するように設定されているとは言えないので、これらを設定することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 教職員に対しては「三つの方針」を周知する機会が設けられていないので、その重要性に鑑みて、FDなどを通して周知することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. 薬学教育カリキュラムが体系的に整理され、効果的に編成されていることを確認することができないので、各科目を通して得た知識を関連付け、基礎から臨床までを体系的に学ぶ体制であることを学生にわかりやすく伝える工夫が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 「卒業研究実習」において、配属研究室の指導教員のみで評価を行っていることは適切であるとは言えないので、他研究室の教員を評価者として加えるなど、評価に客観性をもたせることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 取り巻く状況が変化しているのにもかかわらず「安全の手引き(H24.3)」や「安全管理ガイドマニュアル(H22)」の修正や見直しが長期間行われていないことは問題なので、改定することが望まれる。(6.学生の支援) 8. 「安全の手引き」には災害時の対応等も記載されていることから、学生に対して周知することが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. 「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げる「学生が身につけるべき能力」の修得度を評価するために必要となる「学修成果の評価」の在り方が、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には記載されていないので、これらを明記するように改善する必要がある。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学部として「教育研究上の目的」及び「三つの方針」を自主的かつ定期的に検証するための基準と手順を定め、検証・検討を実施する体制を構築する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 教育研究活動については、外部評価機関による指摘や大学の指示に対応する改善策を立案・実行するだけではなく、これとは別に薬学部として教育研究活動の質的・量的な解析に基づく自己点検・評価を組織的かつ計画的に行い、その結果を公表し、それに基づいて教育研究活動の改善を進める必要がある。(2.内部質保証) 4. 学期末の筆記試験で成績評価する科目において、筆記試験の結果によって実施される追加の試験は、各科目の単位認定に深く関わる評価の一環であるため、追加の試験の実施の有無や方法、成績の評価に与える影響を各科目のシラバスに明記する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. レポート等で成績を評価する科目で用いられているルーブリックの中には、記述がパフォーマンスを表しておらず、パフォーマンス評価として適切ではないものが見られるので、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. カリキュラムの順次性を考慮すると、留年生の上位学年配当科目の履修に関して何らかの制限を設けるように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」には学修成果の評価方法の概略は示されているが、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得が段階的に進んでいる状況を、教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていないので、教育課程の進行に対応した学修成果の評価を適切に行うよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 8. 学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用するよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 第2期 |
2021年度 |
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2:なお書き 改善報告審議結果 2024/7/1 |
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