薬学教育評価報告の結果と公表
各年度の「薬学教育(6年制)評価」結果報告書
各年度の改善報告の審議結果一覧(大学別)
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| 大学名 | 設置形態 | 所在地 | 評価基準 | 実施年度 | 判定 | 大学の自己点検評価 | 評価結果 | 評価後の対応 改善報告 その他 |
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| 岡山大学 | 国 | 岡山県 | 第1期 |
2013年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 |
評価報告書
総評
岡山大学 総評岡山大学薬学部は、6年制の薬学科と4年制の創薬科学科の2学科を設置し、薬学部で は、「薬学に関する基礎及び応用の科学並びに技術を修得させること、薬学に関連する社会 的使命を正しく遂行し得る人材を養成すること、薬学に関し深く研究を遂行して社会の発 展に寄与すること」を教育研究上の目的としている。この目的の下、薬学科では、入学者 受入方針(アドミッション・ポリシー)、教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリ シー)および学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を制定している。 これらを踏まえ、薬学科の教育課程は、教養教育・語学教育、薬学専門教育、実習およ び演習から構成されており、教養教育・語学教育は、主に、岡山大学の全学共通の多彩な プログラムの中で実施されている。一方、薬学専門教育は、基礎力およびリサーチマイン ドの醸成に重点が置かれ、特に、卒業研究の準備教育が始まる3年次後期から、6年次の 12 月まで、長期実務実習期間を除き、時間の許す限り卒業研究に充てられている。また、 医療人教育の基本的内容として開設し、2年次の特色ある科目である「人体解剖学」は、 学生のその後の医療教育の基礎となるヒューマニズムの科目として有効である。実務実習 では、事前学習と共用試験で参加学生の能力を保証した上で、岡山大学病院で病院実習を、 調整機構との連携に基づき大学の近隣の保険薬局で薬局実習を、いずれも実務実習コアカ リキュラムに沿った内容で実施している。 教員組織・職員組織については、専任教員数は大学設置基準を充足しており、専任教員 数に対する学生数比率も適切である。また、「薬学部教員活動評価調書」、同僚評価、FD (Faculty Development)フォーラム、新任・転入教員FD研修会、桃太郎フォーラム、教 育・研究業績の活動評価等、教員の教育研究能力の向上を図る努力が様々な形で行われて おり、学生・教員FD検討会が設置され、学生の意見も反映するように工夫されているこ とも評価できる。入学者選抜については、AO(アドミッション・オフィス)入試、前期、後期の3区分 に分けて実施し、全ての入試における学力の評価には、大学入試センター試験の成績を総 合得点に加えており、基礎的な学力を有する学生を選抜することが保証できている。その 上に立って、AO入試では面接と小論文を、前期では個別学力試験を、後期では小論文を 課しており、各々の入試で異なる資質を有する学生を募集する仕組みとなっている。また、 入学定員に対する入学者数は妥当な範囲にある。 そのほか、学習環境、社会貢献等も適切であり、恒常的な自己点検・評価が十分に機能 していると評価できる。 しかし、改善すべき点として、以下の点があげられる。 上記のように、薬学部の目的は設定されているが、学校教育法第 87 条に規定されている ように、6年制薬学教育では、臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的として、 修業年限が延長されている。この法の趣旨に基づき、学科の教育研究上の目的を設定し、 薬学科のカリキュラム・ポリシーを「臨床に係る実践的能力を培うことを主たる目的とす る」学科であることがよくわかるものに改定する必要がある。また、シラバスにある倫理 関係の科目の内容は、倫理観の醸成に必要な知識の領域の内容が多いので、低学年から、 医療人としての倫理観・態度を涵養するヒューマニズム教育、医療コミュニケーション科 目の充実が必要である。さらに、ヒューマニズム教育・医療倫理教育、問題解決能力等に おける技能・態度の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評 価することが必要である。 次に、主な助言として、以下の点があげられる。 学習方法については、シラバスの授業計画の中で確認できる科目もあるが、統一された フォーマットとなっていない。学習方法の項目を設定するなど、すべての科目について学 習方法が明示されるようにシラバスを改定することが望ましい。さらに、学生の受け入れ については、学科の教育研究上の目的を設定し、アドミッション・ポリシーを再度検討す ることが望ましい。 岡山大学薬学部薬学科は、多角的な教育研究体制を構築しており、教育・研究への熱心 な姿勢がうかがえる。今後は、学科の目的改定をはじめとする改善すべき点および助言を 踏まえ、6年制薬学教育に対して、より一層組織的に取り組み、さらなる発展を目指した 改革・改善に邁進することを期待する。
大学への提言
岡山大学 大学への提言1)長所 1)学生・教員FD検討会が設置され、学生の意見も反映するように工夫されていることは評価できる(10.教員組織・職員組織)。2)助言 1)学習方法については、シラバスの授業計画の中で確認できる科目もあるが、統一されたフォーマットとなっていない。学習方法の項目を設定するなど、すべての科目について学習方法が明示されるようにシラバスを改定することが望ましい(4.薬学専門教育の内容)。2)学科の教育目的を設定し、アドミッション・ポリシーをそれに基づいて再度検証することが望ましい(7.学生の受入)。3)改善すべき点1)6年制薬学科は、「臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とする」(学校教育法第 87 条第2項)ために修業年限が延長されている。同目的に沿った「学科の教育研究上の目的」を設定する必要がある(1.教育研究上の目的)。2)薬学科のカリキュラム・ポリシーを「臨床に係る実践的能力を培うことを主たる目的とする」学科であることがよくわかるものに改定する必要がある。(2.カリキュラム編成)。3)現在シラバスにある倫理関係の科目は、倫理観の醸成に必要な知識領域の内容が多いので、低学年から、医療人としての倫理観・態度を涵養するヒューマニズム教育、医療コミュニケーション教育の充実が必要である(3.医療人教育の基本的内容)。4)ヒューマニズム教育・医療倫理教育における技能・態度の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価することが必要である(3.医療人教育の基本的内容)。5)問題解決能力の醸成のための教育における能・態度の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価することが必要である(6.問題解決能力の醸成のための教育)。
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| - | - | - | - | 2013年度 |
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1:提言 改善報告審議結果 |
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| - | - | - | - | 2013年度 |
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3:但し書き 改善報告審議結果 2017/3/2 |
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| 福山大学 | 私 | 広島県 | 第1期 |
2013年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 |
評価報告書
総評
福山大学 総評福山大学薬学部薬学科(以下「福山大学薬学部」という。)は、「理想とする医療ならび に薬剤師のあるべき姿を探求し続ける薬学のプロフェッショナルを輩出し、人類の健康と 福祉に貢献する」ことを教育目標としている。この目標に沿って、6年制薬学教育の入学 者受入方針(アドミッション・ポリシー)、教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ ポリシー)および学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を制定している。 これらのポリシーに基づき、教養教育・専門基礎教育・専門科目・課題研究・演習で構 成される教育課程を実施している。教養教育については、総合大学である利点を生かし、 多様な科目が開講されており、語学力を養う教育も体系的に行われている。また、専門科 目については、教育目標に基づき、医療人教育に重点を置いたプログラム構成となってい る。特に、患者を含む医療チームで薬剤師としての役割を果たすために、2年次では、「コ ミュニケーション」で幼児や高齢者との積極的な関わり方を、高学年では「医療コミュニ ケーション」、「生命倫理」、「病棟での看護師医療体験」等の科目で、患者の心理や医療人 相互の信頼関係の構築について参加型・体験型の学習方法を取り入れ、体系的に学習する プログラムを実施していることは評価できる。実務実習については、事前学習と薬学共用 試験で参加学生の能力を保証した上で、調整機構との連携に基づき病院実習および大学の 近隣の保険薬局で薬局実習をいずれも実務実習コアカリキュラムに沿った内容で実施し ている。特に、実習期間中に実習先の地域別に、「地区別セミナー」を行い、実習終了後には、ワークショップを開催し「実務実習後学習」という授業科目によって実務実習の総 合的な学習成果を高めるようにしていることは、特徴的である。 そのほか、入学者選抜については、アドミッション・ポリシーに基づいて適切に行われ ており、学生の支援、学習環境についても適切である。特に、参加型・能動的学習を少人 数で行うための施設・設備は充実している。 しかし、以下のような問題点が見いだされる。 第1に、成績評価・進級・学士課程修了認定については、判定基準が規定され、学生便 覧等によって学生に周知されている。しかし、薬学部規則第8条第1項および第5項に基 づき、卒業研究に対応する「課題研究」の判定に学科試験を行い、その合否によって学士 課程の修了認定を行っている。また、不合格で卒業延期となった場合は、次年度に再履修 を行うことなく、学科試験の再試験の合格でその単位を認定するという制度は問題である。 さらに、これまで不認定になった者がいないとはいえ、薬学共用試験(OSCE)の合否 によって事前学習の単位修得を認定する制度は問題である。これらについては、早急に改 善すべきである。加えて、薬学共用試験に合格することを5年次への進級要件にしている ことを進級基準に規定して、学生に周知する必要がある。 第2に、薬学専門教育の内容については、卒業研究と実習科目を除く大部分の専門科目 が選択必修となっている。本評価の過程で、この点についての確認を行ったが、薬剤師養 成教育に必須の科目は、ほとんどの学生が受講しているという実績があった。しかし、こ うした科目は必修科目とすべきである。また、卒業研究に対応する「課題研究」の時間帯 に、国家試験受験準備の意味を持つ演習科目が開講されており、卒業研究の実質的時間が 減少している。これらについては改善する必要がある。 第3に、教員組織については、専任教員1人あたりの学生数が多く、その結果、教員の 授業担当時間数が多くなっているので、今後は、若手教員(講師・助教)の増員を図るな ど改善する必要がある。 最後に、自己点検・評価についてであるが、薬学教育プログラムのさらなる向上を図る ためには、教育研究活動を恒常的に自己点検・評価し、その結果を改善に活用することが 必要である。薬学部独自の自己評価委員会は設置されているが、機能していない。自己点 検・評価の過程で明らかになった問題点を教員全員で共有し、見いだされた問題点を改善 する方策を検討し、実現させる必要がある。 総合大学に設置された薬学部の強みやこれまで培われてきた薬学教育における実績を 生かしつつ、恒常的に教育プログラムを自己点検・評価し、上記の問題点の改善に向けて真摯に取り組むことによって、医療人としての倫理観、使命感、職業観をもった「薬学の プロフェッショナル」としての薬剤師を輩出する教育をさらに充実させることを期待する。
大学への提言
福山大学 大学への提言1)長所 1)2年次の「コミュニケーション」で幼児、高齢者と関わることでコミュニケーショ ンの手法と人間関係を学び、その上で専門科目の「医療コミュニケーション」を置 き、患者との適切な関わり方や言語・非言語的コミュニケーション理論などを修得 する目的のチュートリアル教育、ロールプレイを行っていることは、特徴ある教育 として評価できる。また、「コミュニケーション」での幼児・高齢者との交流は、3 年次の「生命倫理」における看護師業務体験とともに、体系的にチーム医療教育を学ぶ特徴的な取り組みとして評価できる(4.薬学専門教育の内容)。 2)実習先のそれぞれの地域別に、実務実習担当施設を担当する教員チームを編成し、 実習期間中に「地区別セミナー」を行っていること、実習終了後にワークショップ を開催し「実務実習後学習」という授業科目によって実務実習の総合的な学習成果 を高めるようにしていることは評価できる(5.実務実習)。 3)参加型、能動的学習を少人数で行うことを重視し、そのための施設・設備を十分に 確保していること、図書館以外にも自習室を十分に確保していることは評価できる (11.学習環境)。 2)助言 1)医療安全教育に関する科目の中核となる「医薬品開発Ⅱ」が選択必修科目であり、 関連科目数も少ないので、さらなる充実が望まれる(3.医療人教育の基本的内容)。 2)薬学教育モデル・コアカリキュラム以外で開講する大学独自の専門教育科目を明示 し、科目数を増やすことが望ましい(4.薬学専門教育の内容)。 3)「生命倫理」や「コミュニケーション」などの薬剤師養成教育に必要な科目を、全員 が履修するよう対応策を講ずることが望ましい(4.薬学専門教育の内容)。 4)6年間の入学定員に対する充足率が平均0.55と低いので、入学定員を充足すること が望まれる(7.学生の受入)。 5)身体に障がいのある学生を支援する施設・設備の整備は、一部の建物に限られてい るので、整備に努めることが望ましい(9.学生の支援)。 6)FD研修、FD講習会を企画・実施する「大学教育センター」が設置されているが、 薬学部独自のFD活動を行う体制が整備されていないので、改善が望ましい(10. 教員組織・職員組織)。 7)専任教員の年齢構成は60歳代(11名)および50歳代(12名)に偏っており、講師、 助教の数が少ないので、若手教員の採用に重点をおいた改善を行うことが望ましい (10.教員組織・職員組織)。 8)学術雑誌の購読数や図書の購入数が減少傾向にあり、電子ジャーナルの整備状況が 不十分であるので、今後の改善が望まれる(11.学習環境)。 9)英文ホームページを作成することが望ましい(12.社会との連携)。 10)薬学部として積極的な国際交流は行われていないので、活性化に努めることが望ま しい(12.社会との連携)。3)改善すべき点 1)専門科目における「総合薬学演習Ⅰ」(3年次)、「総合薬学演習Ⅱ」、「総合薬学演習 Ⅲ」(4年次)に加え、国家試験合格のみを目的としないとはいえ6年次に「特講」 6科目を開講し、薬学共用試験や薬剤師国家試験のための学力補強を目的とする教 育に多くの科目を割り当てている。そのうえ、卒業研究に相当する「課題研究」の 評価に国家試験と同じ形式で行われる学科試験を採用しているなど、薬剤師国家試 験の合格のみを目指した教育に過度に偏っているので、是正する必要がある(2. カリキュラム編成)。 2)ヒューマニズム教育・医療倫理教育およびコミュニケーション能力・自己表現能力 を身につける教育等の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて 適切に評価する必要がある(3.医療人教育の基本的内容)。 3)実習科目と「課題研究」以外の薬学専門科目(薬理学、薬物治療学、薬物動態学等) がすべて選択必修科目となっている。6年制薬学教育の趣旨に鑑み、薬剤師養成教 育に必須となる項目(到達目標)は必修科目に変更する必要がある(4.薬学専門 教育の内容)。 4)実務実習事前学習の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適 切に評価する必要がある(5.実務実習)。 5)卒業研究に相当する「課題研究」の単位修得の認定に学科試験の合格を条件とする ことは適切ではない。「研究課題を通して、新しい発見に挑み、科学的根拠に基づい て問題点を解決する能力を獲得するための卒業研究」として、「課題研究」は演習と は別の科目とする必要がある(6.問題解決能力の醸成のための教育)。 6)教員の指導の下で約1年間の研究に取り組むなど、「課題研究」には十分な時間を確 保するとともに、例えば6年次9月末など、卒業判定の評価対象とできるよう卒業 論文の提出時期を改める必要がある(6.問題解決能力の醸成のための教育)。 7)現行のシラバスには「課題研究」の詳細な説明が記載されていないので改善が必要 である(6.問題解決能力の醸成のための教育)。 8)問題解決能力の醸成に向けた教育において目標達成度を評価するための指標を設定 し、それに基づいて適切に評価する必要がある(6.問題解決能力の醸成のための 教育)。 9)卒業研究や卒業研究発表会の評価基準を明確にし、それに基づいて問題解決能力の 向上を適切に評価する必要がある(6.問題解決能力の醸成のための教育)。10)「課題研究」に関する薬学部規則第8条第1項および第5項、さらにディプロマ・ ポリシーを早急に改定する必要がある(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)。 11)6年次の必修科目である「課題研究」で学科試験を行い、その合否によって学士課 程の修了認定を行い、卒業延期となった場合は、次年度に再履修を行うことなく、 学科試験の再試験の合格でその単位を認定するという運用は、学士課程修了の認定 が厳格に行われているとはいえないので、改善を要する(8.成績評価・進級・学 士課程修了認定)。 12)これまで不認定になった者がいないとはいえ、薬学共用試験(OSCE)の合否に よって事前学習の単位修得を認定する制度は問題であるので、事前学習の単位認定 はOSCEの結果と独立して行うように制度を早急に変更することが必要である (8.成績評価・進級・学士課程修了認定)。 13)留年生に対して5科目まで上級年次科目の履修を認めている薬学部の運用は明文化 されていない。学生便覧に記載されている進級・卒業に必要な年次別累積単位数の 備考欄にある「上級年次配当科目は履修できない」という規則との整合性を検討し、 取り扱いを明確にしておくことが必要である(8.成績評価・進級・学士課程修了 認定)。 14)教員1名あたりの学生数が23.7名と多く、教員の担当授業時間数も90分授業平均週 8回と多く、また各教員間の講義担当時間にも2倍の差が認められる。現状を改善 するため専任教員の増員が必要である(10.教員組織・職員組織)。 15)薬学部の自己点検・評価が十分に機能していないので、改善する必要がある。恒常 的に教育プログラムを点検・評価し、その結果を教育研究活動の改善に反映する必 要がある(13.自己点検・評価)。
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1:提言 改善報告審議結果 |
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3:但し書き 改善報告審議結果 2014/12/1 |
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| 日本薬科大学 | 私 |
埼玉県 東京都 |
第1期 |
2013年度 |
継 |
自己点検・評価書 基礎資料 |
評価報告書
総評
日本薬科大学 総評日本薬科大学は、『個性の伸展による人生練磨』を建学の精神とし、薬剤師養成教育に 特化した4つの教育目的、すなわち、1)創造的医療人、2)時代の変化に適応できる医 療人、3)惻隠の心をもつ医療人、4)統合医療を実践できる医療人の育成を掲げ、それ らに基づき、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)とその達成に向けた入学者受入方 針(アドミッション・ポリシー)と教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー) を定めて6年制薬学教育を行っている。 しかしながら、本機構の評価基準に基づいて教育プログラムの内容を評価すると、改善 を必要とするいくつもの重大な問題が見出される。すなわち、「卒業研究」、「学士課程 修了認定」に関わる問題としては、①「薬学総合演習Ⅱ」など国家試験準備を目的とする 授業時間を増やして「卒業研究」の実質的な時間を減らしていること、②卒業の可否をほ ぼ「薬学総合演習Ⅱ」の試験結果だけで判定し、この科目のみの単位未修得による多くの 卒業延期者を出していることなどがあり、それらの根底には薬剤師国家試験合格を目指す、 記憶中心の知識を重視した教育に偏重しているという問題がある。また、入学後から様々 な学力補強教育を行っているにもかかわらず、2年次までの退学者が 50 名を超え、6年 間の在籍で卒業する学生の割合(卒業率)が 50%に満たないという状況を生じていた。 2012(平成 24)年度以後、低学年での退学者数は改善される方向に向かってはいるもの の、上記の状況は入学者の選抜において入学志願者の適性および能力が適確かつ客観的に 評価されず、薬学教育に必要な学力を欠く学生を少なからず入学させていたという「学生 の受入」に関わる問題があることを示している。さらに、「教員組織」についても、①10 名以上の教授が規定の定年を過ぎている一方、②若い教員(特に助教、助手)の人数が少 ないという問題点がある。 以上の具体的に指摘できる問題点に加えて、「薬学専門教育の内容」とシラバスの記載 の対応に関する十分な検討がなく、その状況に対する自己点検・評価も不十分であったことで、薬学専門教育の薬学教育モデル・コアカリキュラムへの準拠に関わる説明が評価の 過程で変遷した。これは、日本薬科大学が薬学専門教育の内容、シラバスの内容、薬学教 育モデル・コアカリキュラムの相互関係を把握することの重要性を十分に理解していなか ったことを意味するものである。また、「専任教員の教育研究業績」に対する自己点検・ 評価が学部として包括的な形で行われていたことは、個々の専任教員の適格性評価に関わ る自己点検・評価の姿勢に問題があることを示している。 今回の評価で「改善すべき点」として指摘した諸問題を全教員で共有して、その重要性 を認識する必要がある。そして、全学を挙げて問題の改善に取り組み、それらを解消し、 優れた学習環境を生かして、6年制薬学教育に貢献することを期待している。
大学への提言
日本薬科大学 大学への提言1)助言
1)学部教授会が主体となり、教育研究上の目的ならびに薬学教育プログラムの向上に資 する自己点検・評価委員会を再構築し、薬学教育プログラムを定期的に検証すること が望まれる(1.教育研究上の目的)。 2)薬学科の完成年度までは、入学時に適用されるカリキュラムに対応した上級学年の教 育概要がわかる適当な資料を配布することが望ましい(2.カリキュラム編成)。 3)自然科学系の必修科目を除いた実質的な教養科目は人文系2科目、社会系3科目しか なく、科目数が著しく不足しているので、教養教育の人文科学、社会科学の科目数を 増やし選択の幅を広げることが望ましい(3.医療人教育の基本的内容)。 4)語学教育については、「読む」、「書く」の英語教育が中核となり、「聞く」、「話す」の英語教育は各1科目にしかなく、「聞く」、「話す」の教育内容を充実させ、「読む」「書 く」とのバランスを改善することが望ましい(3.医療人教育の基本的内容)。 5)「医療人教育の基本的内容」の対象科目の根拠としている表 3-1-1-1 では重複して収 載されている改組前後の科目数を単純に合計しており、実質的には卒業要件の 1/5 を越えることにはならない。これらの科目数を増すとともに、その内容もニーズにあ ったものへの変更を行い、内容の充実を図ることが望ましい(3.医療人教育の基本 的内容)。 6)日本薬科大学の教育研究目的に基づく、薬学教育モデル・コアカリキュラム以外の内 容を持った、独自の科目によるアドバンスト教育を行う体制を整えることが望ましい (4.薬学専門教育の内容)。 7)改組に伴うカリキュラムの変更で、旧課程で入学した留年生等が未修得科目の履修で 不利益を蒙らないよう、科目の読み替え制度を整備し、該当する学生に説明すること が望ましい(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)。 2)改善すべき点 1)6年次の週日の午前中を使って行われる長時間の「薬学総合演習Ⅱ」、「卒業研究」の 一部として5年次の午前に組み込まれている演習プログラム(E2)によって「卒業 研究」の時間が不足している。この状況を改善するため、「薬学総合演習Ⅱ」と「卒 業研究(E2)」を整理してそれらに充てている時間数を抑制すること、正規の授業 科目と国家試験準備補習とを時間割表記でも明確に区別すること、「薬学総合演習」 の内容と評価基準をシラバスに明示すること、ならびに本来の「卒業研究」であるE 1の実質時間を延長する等、薬剤師国家試験の合格を目指す教育への偏重を是正する ことが必要である(2.カリキュラム編成)。 2)ヒューマニズム教育および医療倫理教育の一部(「ヒューマニズムⅡ」「医療倫理学」 「コミュニケーション学」)が、講義のみの授業と定期試験による評価となっており、 医療人として患者や医療提供者の立場を理解し信頼関係を構築する教育に必要な学 習方法となっていない。さらに、本機構が求める「目標達成度を評価するための指標 が設定され、それに基づいて適切に評価されていること」にも適合していない。これ らの科目については、学習方法の変更とそれに見合った評価方法の改善が必要である (3.医療人教育の基本的内容)。 3)相手の立場や意見を尊重した上で、自分の考えや意見を適切に表現するための基本的知識、技能および態度を修得する教育として列挙されている一連の科目群には、内容 の連続性がないので、改善する必要がある。さらに、それらについては、本機構の基 準である「目標達成度を評価するための指標が設定され、それに基づいて適切に評価 されていること」を実現する評価指標の設定とそれに基づく適切な評価の実施が必要 である(3.医療人教育の基本的内容)。 4)教育内容を学生に提示する基本文書であるシラバスの記載内容が、一部の科目で実際 の教育内容と異なっていることを自覚しながら改善できていないことや、薬学教育モ デル・コアカリキュラムへの準拠に関する教育内容の説明が評価の過程で変遷したこ とは、薬学教育モデル・コアカリキュラムやシラバスの意義を重視せず、学部の全教 員による取り組みが不足していたことを示している。6年制薬学教育を行う薬学部に 求められる基本的な義務であり改善が必要である(4.薬学専門教育の内容)。 5)事前学習の評価に関する指針において、個々の教育項目の内容を考慮せずに全項目の 評価を、知識:技能:態度=3:3:4の比率で行うよう指示していることは適切で ない。また、この指針には、態度の指標に服装を指定するなど、評価指標や評価の基 準に必ずしも適切とはいえないものが含まれている。事前学習の評価指針を、個々の 学習項目の教育内容と評価領域(知識、技能、態度)との対応を考慮し、それぞれの 項目に対して適切な評価指標と評価基準を示した内容のものに改善することが必要 である(5.実務実習)。 6)薬学共用試験の受験者数を、自己点検・評価書に記載することが必要である(5.実 務実習)。 7)「卒業研究」を「研究課題を通して、新しい発見に挑み、科学的根拠に基づいて問題 点を解決する能力を修得する」ことができる内容のものとするため、研究室において 教員の指導を受けて研究課題に取り組む実質的な期間を少なくとも1年間は保証で きるよう、5、6年次における卒業研究と国家試験準備教育の時間配分を調整し、改 善する必要がある(6.問題解決能力の醸成のための教育)。 8)「卒業研究」の具体的な内容(薬学教育における卒業研究の意義、研究の一般的な進 め方などの説明と評価方法と基準の説明)をシラバスに明記することが必要である (6.問題解決能力の醸成のための教育)。 9)卒業論文の一部が連名で作成されており、これらを個人ごとにする必要がある(6. 問題解決能力の醸成のための教育)。 10)「薬学総合実習(PBL)」以外で「問題解決能力の醸成に向けた教育」としている科目には内容上の系統性が見られず、授業の一部にPBLやSGDという学習方法を実 施している科目を集めたに過ぎない。さらに、それらの科目では、評価基準が求めて いる「目標達成度を評価するための指標の設定やそれに基づく適切な評価」がなされ ているとはいえない。これらの問題点を改善するため、問題解決能力の醸成を系統的 に行うことを目的とする科目を整備して教育の充実を図ることが必要である(6.問 題解決能力の醸成のための教育)。 11)徹底した学力補強教育に努めているにも関わらず、卒業率が 50%に届かず、低学年 での退学者が 50 名を超えている現状は、補強教育によっても薬学を学ぶために必要 な学力に到達させることができない学生を多数入学させていることに原因があると いわざるを得ない。これは、現行の「入学者選考委員会」が合格者を決定する制度で は、「入学志願者の適性および能力が適確かつ客観的に評価されていること」が実現 できていないことを意味する。この状況を改善するため、教育に携わる責任ある薬学 部教員の判断によって合格者の原案を決定するような入学者選抜制度とするなど、入 学志願者の適性および能力を適確かつ客観的に評価する体制への抜本的な改善が必 要である(7.学生の受入)。 12)受験生からの求めがあれば、当該者の入学試験成績を開示する制度を設けることが必 要である(7.学生の受入)。 13)選抜方法別に学生の退学率・進級率等を継続的に検証して評価する体制を構築し、一 層の改善を実現する必要がある(7.学生の受入)。 14)4年次および6年次に行われている「薬学総合演習」と「卒業研究」など一部の重要 な科目で、評価方法と基準がシラバスに示されていない。これらの科目は5年次への 進級や卒業の判断に重要な意味を持つことから、評価基準をシラバスに明示するよう 改善することが必要である(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)。 15)訪問調査における試験問題の閲覧において、毎年ほぼ同一の問題が出題されていた科 目、定期試験と追再試験が同一問題で行われていた科目、再試験における点数の操作 などが見出されたので、試験問題の作成や試験の採点における公正で厳格な態度の重 要性を全教員に徹底することが必要である(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)。 16)「薬学総合演習Ⅱ」のみの単位が未修得で在籍者の約 25%の卒業延期者を出している ことから、適切に設定された基準に基づく学士課程修了認定が行われているとはいえ ない。薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠した薬学専門科目を修得し、「卒業 研究」と「実務実習」を修了している学生の多数が、「薬学総合演習Ⅱ」の試験で不合格になり、卒業できないという事態を生じることがないよう、全教員で学力評価の 実態を点検し、根本的な改善を早急に行うことが必要である(8.成績評価・進級・ 学士課程修了認定)。 17)専任教員の年令構成が高齢に偏っており、若手の教員(特に助教)が著しく少ない。 この状態を解消するため、定年を過ぎた専任教員の後任人事を進め、若い教員を積極 的に採用することによって、専任教員の職位別比率および年齢構成の適正化を図るこ とが必要である(10.教員組織・職員組織)。 18)基礎資料 15 を縦覧すると、過去5年間において、日本薬科大学の基準(専門領域の 学会誌に年間1報以上掲載)に達していない教員が見いだされるため、改善が必要で ある(10.教員組織・職員組織)。 19)個々の教員に関する自己点検を行っておらず、教員が教育目標を達成するための基礎 となる研究活動を行っていることが確認されていない。また教員名簿には専門分野の 記載がない教員が教授(非常勤)を含めて 12 名掲載されている(「さいたまキャンパ ス教員名簿」)。薬学教育を主たる担当とする専任教員として必要とされる教育研究能 力を有する者が配置されていることは、教育における質保証の基本に関わる重要事項 である。これを実現するため、恒常的な自己点検・評価による、専任教員の教育研究 能力に対する客観的な検証と保証を早急に実行し、適格な教員を配置することが必要 である(10.教員組織・職員組織)。 20)大学の規定による定年である 65 歳を超えた専任教員が 10 名以上も在籍しており、改 善が必要である(10.教員組織・職員組織)。 21)自己点検・評価委員会の充実を図り、教育に係る諸項目を恒常的に点検・評価してそ の結果を薬学教育の改善に活用できる体制を早急に確立することが必要である。その 際には、一部の教員で報告書の作成を行うのではなく、学部執行部以外の教員を含め て自己点検・評価を行い、その過程で明らかになった問題点を全教員で共有する体制 を構築し、見いだされた問題点を改善する方策を考え、教育研究活動の改善に反映す ることが必要である(13.自己点検・評価)。 |
異議申立に対する回答書 |
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適 |
再評価改善報告書 |
再評価報告書
総評
日本薬科大学 総評日本薬科大学薬学部薬学科は、『個性の伸展による人生練磨』を建学の精神に掲げ、学則において「広く知識を授けるとともに、深く薬学に関する学理と技術を教授研究し、豊かな人間性と確かな倫理観を兼ね備えた有能かつ創造的人材を育成することを目的としている。このことにより、薬学の深化、文化の向上、人類の福祉、地域社会の振興に貢献することを使命としている。」と定め、薬学科の教育研究上の目的に当たる教育目標を「創造的医療人、時代と地域社会に適応できる医療人、惻隠の心をもつ医療人、統合医療を実践できる医療人の育成を目標とする。」とし、これらに基づき、2013(平成25)年当時から学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)とその達成に向けた入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)と教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー) を定めて
6年制薬学教育を行っているが、2013(平成25)年度の本評価時には「薬学専門教育の内容」、「問題解決能力の醸成のための教育」、「学生の受入」、「成績評価・進級・学士 課程修了認定」、「教員組織・職員組織」、「自己点検・評価」の6中項目が本機構の定める評価基準に達しておらず、評価継続となった。今回、「再評価改善報告書」に基づい て上記6中項目に関して再評価を行った。日本薬科大学薬学部薬学科では、本評価で指摘された諸問題を全教員で共有し改善に臨むために、教員連絡会を中心にFD研修会(FD:Faculty Development)を実施するなどの努力を行っている。「薬学専門教育の内容」に関しては、改定モデル・コアカリキュラムに準拠した教育内容にするべく改善を図り、シラバス等の改善にも努めた。「問題解決能力の醸成のための教育」に関しては、卒業研究に関して4年次から「卒業研究準備」の時間を設けるなどして、その充実を図った。「学生の受入」に関しては、薬学部教授会が入学者選考に、より関与する体制とし、指定校推薦の募集人員の削減、評定平均値を上げるなど具体的改善を試みている。また、教学IR委員会(IR:Institutional Research)を設置し、退学率、進学率などを集計し、年度ごとに比較検討すること等も行っているが、それら改善策の効果は即効的ではなく十分ではない。「成績評価・進級・学士課程修了認定」に関しては、成績評価方法、成績基準などをシラバスに明記し、科目ごとの成績ヒストグラムを全教員で共有するようにした。また、実質的な卒業試験につながると考えられた「薬学総合演習Ⅱ」の授業方法および成績評価方法(試験制度)を変更するなどの改善努力を行っている。しかし、入試制度の改善努力の効果が6年次の卒業試験結果に表れるまでには至っておらず、6年間で卒業する学生の割合の改善は不十分である。 「教員組織・職員組織」に関しては、若い教員の採用に努めており、教員の平均年齢は本評価時よりは低くなってきている。「自己点検・評価」に関しては、改善を要する事項を全学で共有すべき連絡会を設置し、FD研修会、教員の業績に関する自己申告を実施するなど全教員で改善に努めている。以上のように、日本薬科大学薬学部薬学科は、本評価において指摘された多くの問題点に対して真摯に向き合い、全学で改善に取り組んでおり、本評価における評価結果と併せて、本機構の定める「薬学教育 評価基準」におおむね適合水準に達していると判断できる。 しかし、以下のような更なる改善を必要とする問題点がある。(1)「薬学演習ⅢA、B」における正規時間内での外部補講(予備校の関与)について改善する必要がある。(2)卒業研究期間の正規時間内にシラバスに記載されていない長期にわたる組織的・継続的な補講、演習を実施しないよう改善する必要がある。(3) 入学者の基礎学力を担保できるように、入試制度の改善が必要である。(4)「薬学総合演習Ⅱ」の未修得のみによる卒業延期率については、十分な改善が窺えないので、各学年において進級基準に従って公正かつ厳格な判定を行うなど、教員の意識改革を含めた根本的な改善を早急に行うことが必要である。日本薬科大学薬学部薬学科には、本評価および再評価で指摘された改善すべき点、助言を踏まえ、指摘事項の改善に取り組み、薬学教育の更なる向上に努めることを期待する。
大学への提言
日本薬科大学 大学への提言1)助言
1. カリキュラムマップとシラバスの記載内容の整合性を精査することが望まれる。(4. 薬学専門教育の内容) 2. 「Syllabus 授業計画」の冊子は、学年ごとではなく冊子を通しての全目次を記載する など、学生の利便性を考慮したさらなる改善が望まれる。(4.薬学専門教育の内容) 3. 研究のもつ独特の意義、すなわち、自立性と独創性、客観的にとらえる観察眼、論理 的思考などがシラバスの到達目標に含まれることが望ましい。(6.問題解決能力の醸 成のための教育) 2)改善すべき点 1. 「薬学演習ⅢA、B」(3年次)における正規時間内での外部補講(予備校の関与)に ついて改善する必要がある。(4.薬学専門教育の内容) 2. 実質的に十分な研究活動ができるように、卒業研究の時間を更に確保するよう改善する 必要がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 21 3. 卒業研究期間の正規時間内に、シラバスに記載されていない長期にわたる組織的・継続 的な補講、演習を実施しないよう改善する必要がある。(6.問題解決能力の醸成のた めの教育) 4. 問題解決能力醸成のための教育において、総合的目標達成度を評価するための指標を設 定し、それに基づいて適切に評価する必要がある。(6.問題解決能力の醸成のための 教育) 5. 入学者の基礎学力を担保できるように、入試制度の改善が必要である。(7.学生の 受入) 6. 「薬学総合演習Ⅱ」の未修得のみによる卒業延期率については、十分な改善が窺えない ので、各学年において進級基準に従って公正かつ厳格な判定を行うなど、教員の意識改 革を含めた根本的な改善を早急に行うことが必要である。(8.成績評価・進級・学士 課程修了認定) 7. 卒業延期者に単位未修得科目の再履修を義務付け、正規の試験に合格して卒業させる ように改善すべきである。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 8. 教員の年齢構成の偏りは改善されていないので、人事制度の改善をする必要がある。(1 0.教員組織・職員組織) 9. PDCAサイクルによる一連の行動(改善)は、点検項目を定め、毎年チェックして更 なる改善を行うことが必要である。(13.自己点検・評価) |
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1:提言 改善報告審議結果 |
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| 岡山大学 | 国 | 岡山県 | 第1期 | 2013年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 |
評価報告書
総評
岡山大学 総評岡山大学薬学部は、6年制の薬学科と4年制の創薬科学科の2学科を設置し、薬学部で は、「薬学に関する基礎及び応用の科学並びに技術を修得させること、薬学に関連する社会 的使命を正しく遂行し得る人材を養成すること、薬学に関し深く研究を遂行して社会の発 展に寄与すること」を教育研究上の目的としている。この目的の下、薬学科では、入学者 受入方針(アドミッション・ポリシー)、教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリ シー)および学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を制定している。 これらを踏まえ、薬学科の教育課程は、教養教育・語学教育、薬学専門教育、実習およ び演習から構成されており、教養教育・語学教育は、主に、岡山大学の全学共通の多彩な プログラムの中で実施されている。一方、薬学専門教育は、基礎力およびリサーチマイン ドの醸成に重点が置かれ、特に、卒業研究の準備教育が始まる3年次後期から、6年次の 12 月まで、長期実務実習期間を除き、時間の許す限り卒業研究に充てられている。また、 医療人教育の基本的内容として開設し、2年次の特色ある科目である「人体解剖学」は、 学生のその後の医療教育の基礎となるヒューマニズムの科目として有効である。実務実習 では、事前学習と共用試験で参加学生の能力を保証した上で、岡山大学病院で病院実習を、 調整機構との連携に基づき大学の近隣の保険薬局で薬局実習を、いずれも実務実習コアカ リキュラムに沿った内容で実施している。 教員組織・職員組織については、専任教員数は大学設置基準を充足しており、専任教員 数に対する学生数比率も適切である。また、「薬学部教員活動評価調書」、同僚評価、FD (Faculty Development)フォーラム、新任・転入教員FD研修会、桃太郎フォーラム、教 育・研究業績の活動評価等、教員の教育研究能力の向上を図る努力が様々な形で行われて おり、学生・教員FD検討会が設置され、学生の意見も反映するように工夫されているこ とも評価できる。入学者選抜については、AO(アドミッション・オフィス)入試、前期、後期の3区分 に分けて実施し、全ての入試における学力の評価には、大学入試センター試験の成績を総 合得点に加えており、基礎的な学力を有する学生を選抜することが保証できている。その 上に立って、AO入試では面接と小論文を、前期では個別学力試験を、後期では小論文を 課しており、各々の入試で異なる資質を有する学生を募集する仕組みとなっている。また、 入学定員に対する入学者数は妥当な範囲にある。 そのほか、学習環境、社会貢献等も適切であり、恒常的な自己点検・評価が十分に機能 していると評価できる。 しかし、改善すべき点として、以下の点があげられる。 上記のように、薬学部の目的は設定されているが、学校教育法第 87 条に規定されている ように、6年制薬学教育では、臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的として、 修業年限が延長されている。この法の趣旨に基づき、学科の教育研究上の目的を設定し、 薬学科のカリキュラム・ポリシーを「臨床に係る実践的能力を培うことを主たる目的とす る」学科であることがよくわかるものに改定する必要がある。また、シラバスにある倫理 関係の科目の内容は、倫理観の醸成に必要な知識の領域の内容が多いので、低学年から、 医療人としての倫理観・態度を涵養するヒューマニズム教育、医療コミュニケーション科 目の充実が必要である。さらに、ヒューマニズム教育・医療倫理教育、問題解決能力等に おける技能・態度の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評 価することが必要である。 次に、主な助言として、以下の点があげられる。 学習方法については、シラバスの授業計画の中で確認できる科目もあるが、統一された フォーマットとなっていない。学習方法の項目を設定するなど、すべての科目について学 習方法が明示されるようにシラバスを改定することが望ましい。さらに、学生の受け入れ については、学科の教育研究上の目的を設定し、アドミッション・ポリシーを再度検討す ることが望ましい。 岡山大学薬学部薬学科は、多角的な教育研究体制を構築しており、教育・研究への熱心 な姿勢がうかがえる。今後は、学科の目的改定をはじめとする改善すべき点および助言を 踏まえ、6年制薬学教育に対して、より一層組織的に取り組み、さらなる発展を目指した 改革・改善に邁進することを期待する。
大学への提言
岡山大学 大学への提言1)長所 1)学生・教員FD検討会が設置され、学生の意見も反映するように工夫されていることは評価できる(10.教員組織・職員組織)。2)助言 1)学習方法については、シラバスの授業計画の中で確認できる科目もあるが、統一されたフォーマットとなっていない。学習方法の項目を設定するなど、すべての科目について学習方法が明示されるようにシラバスを改定することが望ましい(4.薬学専門教育の内容)。2)学科の教育目的を設定し、アドミッション・ポリシーをそれに基づいて再度検証することが望ましい(7.学生の受入)。3)改善すべき点1)6年制薬学科は、「臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とする」(学校教育法第 87 条第2項)ために修業年限が延長されている。同目的に沿った「学科の教育研究上の目的」を設定する必要がある(1.教育研究上の目的)。2)薬学科のカリキュラム・ポリシーを「臨床に係る実践的能力を培うことを主たる目的とする」学科であることがよくわかるものに改定する必要がある。(2.カリキュラム編成)。3)現在シラバスにある倫理関係の科目は、倫理観の醸成に必要な知識領域の内容が多いので、低学年から、医療人としての倫理観・態度を涵養するヒューマニズム教育、医療コミュニケーション教育の充実が必要である(3.医療人教育の基本的内容)。4)ヒューマニズム教育・医療倫理教育における技能・態度の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価することが必要である(3.医療人教育の基本的内容)。5)問題解決能力の醸成のための教育における能・態度の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価することが必要である(6.問題解決能力の醸成のための教育)。
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| 第1期 |
2013年度 |
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3:但し書き 改善報告審議結果 2017/3/2 |
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| 福山大学 | 私 | 広島県 | 第1期 | 2013年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 |
評価報告書
総評
福山大学 総評福山大学薬学部薬学科(以下「福山大学薬学部」という。)は、「理想とする医療ならび に薬剤師のあるべき姿を探求し続ける薬学のプロフェッショナルを輩出し、人類の健康と 福祉に貢献する」ことを教育目標としている。この目標に沿って、6年制薬学教育の入学 者受入方針(アドミッション・ポリシー)、教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ ポリシー)および学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を制定している。 これらのポリシーに基づき、教養教育・専門基礎教育・専門科目・課題研究・演習で構 成される教育課程を実施している。教養教育については、総合大学である利点を生かし、 多様な科目が開講されており、語学力を養う教育も体系的に行われている。また、専門科 目については、教育目標に基づき、医療人教育に重点を置いたプログラム構成となってい る。特に、患者を含む医療チームで薬剤師としての役割を果たすために、2年次では、「コ ミュニケーション」で幼児や高齢者との積極的な関わり方を、高学年では「医療コミュニ ケーション」、「生命倫理」、「病棟での看護師医療体験」等の科目で、患者の心理や医療人 相互の信頼関係の構築について参加型・体験型の学習方法を取り入れ、体系的に学習する プログラムを実施していることは評価できる。実務実習については、事前学習と薬学共用 試験で参加学生の能力を保証した上で、調整機構との連携に基づき病院実習および大学の 近隣の保険薬局で薬局実習をいずれも実務実習コアカリキュラムに沿った内容で実施し ている。特に、実習期間中に実習先の地域別に、「地区別セミナー」を行い、実習終了後には、ワークショップを開催し「実務実習後学習」という授業科目によって実務実習の総 合的な学習成果を高めるようにしていることは、特徴的である。 そのほか、入学者選抜については、アドミッション・ポリシーに基づいて適切に行われ ており、学生の支援、学習環境についても適切である。特に、参加型・能動的学習を少人 数で行うための施設・設備は充実している。 しかし、以下のような問題点が見いだされる。 第1に、成績評価・進級・学士課程修了認定については、判定基準が規定され、学生便 覧等によって学生に周知されている。しかし、薬学部規則第8条第1項および第5項に基 づき、卒業研究に対応する「課題研究」の判定に学科試験を行い、その合否によって学士 課程の修了認定を行っている。また、不合格で卒業延期となった場合は、次年度に再履修 を行うことなく、学科試験の再試験の合格でその単位を認定するという制度は問題である。 さらに、これまで不認定になった者がいないとはいえ、薬学共用試験(OSCE)の合否 によって事前学習の単位修得を認定する制度は問題である。これらについては、早急に改 善すべきである。加えて、薬学共用試験に合格することを5年次への進級要件にしている ことを進級基準に規定して、学生に周知する必要がある。 第2に、薬学専門教育の内容については、卒業研究と実習科目を除く大部分の専門科目 が選択必修となっている。本評価の過程で、この点についての確認を行ったが、薬剤師養 成教育に必須の科目は、ほとんどの学生が受講しているという実績があった。しかし、こ うした科目は必修科目とすべきである。また、卒業研究に対応する「課題研究」の時間帯 に、国家試験受験準備の意味を持つ演習科目が開講されており、卒業研究の実質的時間が 減少している。これらについては改善する必要がある。 第3に、教員組織については、専任教員1人あたりの学生数が多く、その結果、教員の 授業担当時間数が多くなっているので、今後は、若手教員(講師・助教)の増員を図るな ど改善する必要がある。 最後に、自己点検・評価についてであるが、薬学教育プログラムのさらなる向上を図る ためには、教育研究活動を恒常的に自己点検・評価し、その結果を改善に活用することが 必要である。薬学部独自の自己評価委員会は設置されているが、機能していない。自己点 検・評価の過程で明らかになった問題点を教員全員で共有し、見いだされた問題点を改善 する方策を検討し、実現させる必要がある。 総合大学に設置された薬学部の強みやこれまで培われてきた薬学教育における実績を 生かしつつ、恒常的に教育プログラムを自己点検・評価し、上記の問題点の改善に向けて真摯に取り組むことによって、医療人としての倫理観、使命感、職業観をもった「薬学の プロフェッショナル」としての薬剤師を輩出する教育をさらに充実させることを期待する。
大学への提言
福山大学 大学への提言1)長所 1)2年次の「コミュニケーション」で幼児、高齢者と関わることでコミュニケーショ ンの手法と人間関係を学び、その上で専門科目の「医療コミュニケーション」を置 き、患者との適切な関わり方や言語・非言語的コミュニケーション理論などを修得 する目的のチュートリアル教育、ロールプレイを行っていることは、特徴ある教育 として評価できる。また、「コミュニケーション」での幼児・高齢者との交流は、3 年次の「生命倫理」における看護師業務体験とともに、体系的にチーム医療教育を学ぶ特徴的な取り組みとして評価できる(4.薬学専門教育の内容)。 2)実習先のそれぞれの地域別に、実務実習担当施設を担当する教員チームを編成し、 実習期間中に「地区別セミナー」を行っていること、実習終了後にワークショップ を開催し「実務実習後学習」という授業科目によって実務実習の総合的な学習成果 を高めるようにしていることは評価できる(5.実務実習)。 3)参加型、能動的学習を少人数で行うことを重視し、そのための施設・設備を十分に 確保していること、図書館以外にも自習室を十分に確保していることは評価できる (11.学習環境)。 2)助言 1)医療安全教育に関する科目の中核となる「医薬品開発Ⅱ」が選択必修科目であり、 関連科目数も少ないので、さらなる充実が望まれる(3.医療人教育の基本的内容)。 2)薬学教育モデル・コアカリキュラム以外で開講する大学独自の専門教育科目を明示 し、科目数を増やすことが望ましい(4.薬学専門教育の内容)。 3)「生命倫理」や「コミュニケーション」などの薬剤師養成教育に必要な科目を、全員 が履修するよう対応策を講ずることが望ましい(4.薬学専門教育の内容)。 4)6年間の入学定員に対する充足率が平均0.55と低いので、入学定員を充足すること が望まれる(7.学生の受入)。 5)身体に障がいのある学生を支援する施設・設備の整備は、一部の建物に限られてい るので、整備に努めることが望ましい(9.学生の支援)。 6)FD研修、FD講習会を企画・実施する「大学教育センター」が設置されているが、 薬学部独自のFD活動を行う体制が整備されていないので、改善が望ましい(10. 教員組織・職員組織)。 7)専任教員の年齢構成は60歳代(11名)および50歳代(12名)に偏っており、講師、 助教の数が少ないので、若手教員の採用に重点をおいた改善を行うことが望ましい (10.教員組織・職員組織)。 8)学術雑誌の購読数や図書の購入数が減少傾向にあり、電子ジャーナルの整備状況が 不十分であるので、今後の改善が望まれる(11.学習環境)。 9)英文ホームページを作成することが望ましい(12.社会との連携)。 10)薬学部として積極的な国際交流は行われていないので、活性化に努めることが望ま しい(12.社会との連携)。3)改善すべき点 1)専門科目における「総合薬学演習Ⅰ」(3年次)、「総合薬学演習Ⅱ」、「総合薬学演習 Ⅲ」(4年次)に加え、国家試験合格のみを目的としないとはいえ6年次に「特講」 6科目を開講し、薬学共用試験や薬剤師国家試験のための学力補強を目的とする教 育に多くの科目を割り当てている。そのうえ、卒業研究に相当する「課題研究」の 評価に国家試験と同じ形式で行われる学科試験を採用しているなど、薬剤師国家試 験の合格のみを目指した教育に過度に偏っているので、是正する必要がある(2. カリキュラム編成)。 2)ヒューマニズム教育・医療倫理教育およびコミュニケーション能力・自己表現能力 を身につける教育等の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて 適切に評価する必要がある(3.医療人教育の基本的内容)。 3)実習科目と「課題研究」以外の薬学専門科目(薬理学、薬物治療学、薬物動態学等) がすべて選択必修科目となっている。6年制薬学教育の趣旨に鑑み、薬剤師養成教 育に必須となる項目(到達目標)は必修科目に変更する必要がある(4.薬学専門 教育の内容)。 4)実務実習事前学習の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適 切に評価する必要がある(5.実務実習)。 5)卒業研究に相当する「課題研究」の単位修得の認定に学科試験の合格を条件とする ことは適切ではない。「研究課題を通して、新しい発見に挑み、科学的根拠に基づい て問題点を解決する能力を獲得するための卒業研究」として、「課題研究」は演習と は別の科目とする必要がある(6.問題解決能力の醸成のための教育)。 6)教員の指導の下で約1年間の研究に取り組むなど、「課題研究」には十分な時間を確 保するとともに、例えば6年次9月末など、卒業判定の評価対象とできるよう卒業 論文の提出時期を改める必要がある(6.問題解決能力の醸成のための教育)。 7)現行のシラバスには「課題研究」の詳細な説明が記載されていないので改善が必要 である(6.問題解決能力の醸成のための教育)。 8)問題解決能力の醸成に向けた教育において目標達成度を評価するための指標を設定 し、それに基づいて適切に評価する必要がある(6.問題解決能力の醸成のための 教育)。 9)卒業研究や卒業研究発表会の評価基準を明確にし、それに基づいて問題解決能力の 向上を適切に評価する必要がある(6.問題解決能力の醸成のための教育)。10)「課題研究」に関する薬学部規則第8条第1項および第5項、さらにディプロマ・ ポリシーを早急に改定する必要がある(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)。 11)6年次の必修科目である「課題研究」で学科試験を行い、その合否によって学士課 程の修了認定を行い、卒業延期となった場合は、次年度に再履修を行うことなく、 学科試験の再試験の合格でその単位を認定するという運用は、学士課程修了の認定 が厳格に行われているとはいえないので、改善を要する(8.成績評価・進級・学 士課程修了認定)。 12)これまで不認定になった者がいないとはいえ、薬学共用試験(OSCE)の合否に よって事前学習の単位修得を認定する制度は問題であるので、事前学習の単位認定 はOSCEの結果と独立して行うように制度を早急に変更することが必要である (8.成績評価・進級・学士課程修了認定)。 13)留年生に対して5科目まで上級年次科目の履修を認めている薬学部の運用は明文化 されていない。学生便覧に記載されている進級・卒業に必要な年次別累積単位数の 備考欄にある「上級年次配当科目は履修できない」という規則との整合性を検討し、 取り扱いを明確にしておくことが必要である(8.成績評価・進級・学士課程修了 認定)。 14)教員1名あたりの学生数が23.7名と多く、教員の担当授業時間数も90分授業平均週 8回と多く、また各教員間の講義担当時間にも2倍の差が認められる。現状を改善 するため専任教員の増員が必要である(10.教員組織・職員組織)。 15)薬学部の自己点検・評価が十分に機能していないので、改善する必要がある。恒常 的に教育プログラムを点検・評価し、その結果を教育研究活動の改善に反映する必 要がある(13.自己点検・評価)。
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| 第1期 |
2013年度 |
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3:但し書き 改善報告審議結果 2014/12/1 |
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| 岡山大学 | 国 | 岡山県 | 第1期 | 2013年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 |
評価報告書
総評
岡山大学 総評岡山大学薬学部は、6年制の薬学科と4年制の創薬科学科の2学科を設置し、薬学部で は、「薬学に関する基礎及び応用の科学並びに技術を修得させること、薬学に関連する社会 的使命を正しく遂行し得る人材を養成すること、薬学に関し深く研究を遂行して社会の発 展に寄与すること」を教育研究上の目的としている。この目的の下、薬学科では、入学者 受入方針(アドミッション・ポリシー)、教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリ シー)および学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を制定している。 これらを踏まえ、薬学科の教育課程は、教養教育・語学教育、薬学専門教育、実習およ び演習から構成されており、教養教育・語学教育は、主に、岡山大学の全学共通の多彩な プログラムの中で実施されている。一方、薬学専門教育は、基礎力およびリサーチマイン ドの醸成に重点が置かれ、特に、卒業研究の準備教育が始まる3年次後期から、6年次の 12 月まで、長期実務実習期間を除き、時間の許す限り卒業研究に充てられている。また、 医療人教育の基本的内容として開設し、2年次の特色ある科目である「人体解剖学」は、 学生のその後の医療教育の基礎となるヒューマニズムの科目として有効である。実務実習 では、事前学習と共用試験で参加学生の能力を保証した上で、岡山大学病院で病院実習を、 調整機構との連携に基づき大学の近隣の保険薬局で薬局実習を、いずれも実務実習コアカ リキュラムに沿った内容で実施している。 教員組織・職員組織については、専任教員数は大学設置基準を充足しており、専任教員 数に対する学生数比率も適切である。また、「薬学部教員活動評価調書」、同僚評価、FD (Faculty Development)フォーラム、新任・転入教員FD研修会、桃太郎フォーラム、教 育・研究業績の活動評価等、教員の教育研究能力の向上を図る努力が様々な形で行われて おり、学生・教員FD検討会が設置され、学生の意見も反映するように工夫されているこ とも評価できる。入学者選抜については、AO(アドミッション・オフィス)入試、前期、後期の3区分 に分けて実施し、全ての入試における学力の評価には、大学入試センター試験の成績を総 合得点に加えており、基礎的な学力を有する学生を選抜することが保証できている。その 上に立って、AO入試では面接と小論文を、前期では個別学力試験を、後期では小論文を 課しており、各々の入試で異なる資質を有する学生を募集する仕組みとなっている。また、 入学定員に対する入学者数は妥当な範囲にある。 そのほか、学習環境、社会貢献等も適切であり、恒常的な自己点検・評価が十分に機能 していると評価できる。 しかし、改善すべき点として、以下の点があげられる。 上記のように、薬学部の目的は設定されているが、学校教育法第 87 条に規定されている ように、6年制薬学教育では、臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的として、 修業年限が延長されている。この法の趣旨に基づき、学科の教育研究上の目的を設定し、 薬学科のカリキュラム・ポリシーを「臨床に係る実践的能力を培うことを主たる目的とす る」学科であることがよくわかるものに改定する必要がある。また、シラバスにある倫理 関係の科目の内容は、倫理観の醸成に必要な知識の領域の内容が多いので、低学年から、 医療人としての倫理観・態度を涵養するヒューマニズム教育、医療コミュニケーション科 目の充実が必要である。さらに、ヒューマニズム教育・医療倫理教育、問題解決能力等に おける技能・態度の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評 価することが必要である。 次に、主な助言として、以下の点があげられる。 学習方法については、シラバスの授業計画の中で確認できる科目もあるが、統一された フォーマットとなっていない。学習方法の項目を設定するなど、すべての科目について学 習方法が明示されるようにシラバスを改定することが望ましい。さらに、学生の受け入れ については、学科の教育研究上の目的を設定し、アドミッション・ポリシーを再度検討す ることが望ましい。 岡山大学薬学部薬学科は、多角的な教育研究体制を構築しており、教育・研究への熱心 な姿勢がうかがえる。今後は、学科の目的改定をはじめとする改善すべき点および助言を 踏まえ、6年制薬学教育に対して、より一層組織的に取り組み、さらなる発展を目指した 改革・改善に邁進することを期待する。
大学への提言
岡山大学 大学への提言1)長所 1)学生・教員FD検討会が設置され、学生の意見も反映するように工夫されていることは評価できる(10.教員組織・職員組織)。2)助言 1)学習方法については、シラバスの授業計画の中で確認できる科目もあるが、統一されたフォーマットとなっていない。学習方法の項目を設定するなど、すべての科目について学習方法が明示されるようにシラバスを改定することが望ましい(4.薬学専門教育の内容)。2)学科の教育目的を設定し、アドミッション・ポリシーをそれに基づいて再度検証することが望ましい(7.学生の受入)。3)改善すべき点1)6年制薬学科は、「臨床に係る実践的な能力を培うことを主たる目的とする」(学校教育法第 87 条第2項)ために修業年限が延長されている。同目的に沿った「学科の教育研究上の目的」を設定する必要がある(1.教育研究上の目的)。2)薬学科のカリキュラム・ポリシーを「臨床に係る実践的能力を培うことを主たる目的とする」学科であることがよくわかるものに改定する必要がある。(2.カリキュラム編成)。3)現在シラバスにある倫理関係の科目は、倫理観の醸成に必要な知識領域の内容が多いので、低学年から、医療人としての倫理観・態度を涵養するヒューマニズム教育、医療コミュニケーション教育の充実が必要である(3.医療人教育の基本的内容)。4)ヒューマニズム教育・医療倫理教育における技能・態度の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価することが必要である(3.医療人教育の基本的内容)。5)問題解決能力の醸成のための教育における能・態度の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価することが必要である(6.問題解決能力の醸成のための教育)。
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| 第1期 |
2013年度 |
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1:提言 改善報告審議結果 |
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| 日本薬科大学 | 私 | 埼玉県 東京都 |
第1期 | 2013年度 | 継 |
自己点検・評価書 基礎資料 |
評価報告書
総評
日本薬科大学 総評日本薬科大学は、『個性の伸展による人生練磨』を建学の精神とし、薬剤師養成教育に 特化した4つの教育目的、すなわち、1)創造的医療人、2)時代の変化に適応できる医 療人、3)惻隠の心をもつ医療人、4)統合医療を実践できる医療人の育成を掲げ、それ らに基づき、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)とその達成に向けた入学者受入方 針(アドミッション・ポリシー)と教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー) を定めて6年制薬学教育を行っている。 しかしながら、本機構の評価基準に基づいて教育プログラムの内容を評価すると、改善 を必要とするいくつもの重大な問題が見出される。すなわち、「卒業研究」、「学士課程 修了認定」に関わる問題としては、①「薬学総合演習Ⅱ」など国家試験準備を目的とする 授業時間を増やして「卒業研究」の実質的な時間を減らしていること、②卒業の可否をほ ぼ「薬学総合演習Ⅱ」の試験結果だけで判定し、この科目のみの単位未修得による多くの 卒業延期者を出していることなどがあり、それらの根底には薬剤師国家試験合格を目指す、 記憶中心の知識を重視した教育に偏重しているという問題がある。また、入学後から様々 な学力補強教育を行っているにもかかわらず、2年次までの退学者が 50 名を超え、6年 間の在籍で卒業する学生の割合(卒業率)が 50%に満たないという状況を生じていた。 2012(平成 24)年度以後、低学年での退学者数は改善される方向に向かってはいるもの の、上記の状況は入学者の選抜において入学志願者の適性および能力が適確かつ客観的に 評価されず、薬学教育に必要な学力を欠く学生を少なからず入学させていたという「学生 の受入」に関わる問題があることを示している。さらに、「教員組織」についても、①10 名以上の教授が規定の定年を過ぎている一方、②若い教員(特に助教、助手)の人数が少 ないという問題点がある。 以上の具体的に指摘できる問題点に加えて、「薬学専門教育の内容」とシラバスの記載 の対応に関する十分な検討がなく、その状況に対する自己点検・評価も不十分であったことで、薬学専門教育の薬学教育モデル・コアカリキュラムへの準拠に関わる説明が評価の 過程で変遷した。これは、日本薬科大学が薬学専門教育の内容、シラバスの内容、薬学教 育モデル・コアカリキュラムの相互関係を把握することの重要性を十分に理解していなか ったことを意味するものである。また、「専任教員の教育研究業績」に対する自己点検・ 評価が学部として包括的な形で行われていたことは、個々の専任教員の適格性評価に関わ る自己点検・評価の姿勢に問題があることを示している。 今回の評価で「改善すべき点」として指摘した諸問題を全教員で共有して、その重要性 を認識する必要がある。そして、全学を挙げて問題の改善に取り組み、それらを解消し、 優れた学習環境を生かして、6年制薬学教育に貢献することを期待している。
大学への提言
日本薬科大学 大学への提言1)助言
1)学部教授会が主体となり、教育研究上の目的ならびに薬学教育プログラムの向上に資 する自己点検・評価委員会を再構築し、薬学教育プログラムを定期的に検証すること が望まれる(1.教育研究上の目的)。 2)薬学科の完成年度までは、入学時に適用されるカリキュラムに対応した上級学年の教 育概要がわかる適当な資料を配布することが望ましい(2.カリキュラム編成)。 3)自然科学系の必修科目を除いた実質的な教養科目は人文系2科目、社会系3科目しか なく、科目数が著しく不足しているので、教養教育の人文科学、社会科学の科目数を 増やし選択の幅を広げることが望ましい(3.医療人教育の基本的内容)。 4)語学教育については、「読む」、「書く」の英語教育が中核となり、「聞く」、「話す」の英語教育は各1科目にしかなく、「聞く」、「話す」の教育内容を充実させ、「読む」「書 く」とのバランスを改善することが望ましい(3.医療人教育の基本的内容)。 5)「医療人教育の基本的内容」の対象科目の根拠としている表 3-1-1-1 では重複して収 載されている改組前後の科目数を単純に合計しており、実質的には卒業要件の 1/5 を越えることにはならない。これらの科目数を増すとともに、その内容もニーズにあ ったものへの変更を行い、内容の充実を図ることが望ましい(3.医療人教育の基本 的内容)。 6)日本薬科大学の教育研究目的に基づく、薬学教育モデル・コアカリキュラム以外の内 容を持った、独自の科目によるアドバンスト教育を行う体制を整えることが望ましい (4.薬学専門教育の内容)。 7)改組に伴うカリキュラムの変更で、旧課程で入学した留年生等が未修得科目の履修で 不利益を蒙らないよう、科目の読み替え制度を整備し、該当する学生に説明すること が望ましい(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)。 2)改善すべき点 1)6年次の週日の午前中を使って行われる長時間の「薬学総合演習Ⅱ」、「卒業研究」の 一部として5年次の午前に組み込まれている演習プログラム(E2)によって「卒業 研究」の時間が不足している。この状況を改善するため、「薬学総合演習Ⅱ」と「卒 業研究(E2)」を整理してそれらに充てている時間数を抑制すること、正規の授業 科目と国家試験準備補習とを時間割表記でも明確に区別すること、「薬学総合演習」 の内容と評価基準をシラバスに明示すること、ならびに本来の「卒業研究」であるE 1の実質時間を延長する等、薬剤師国家試験の合格を目指す教育への偏重を是正する ことが必要である(2.カリキュラム編成)。 2)ヒューマニズム教育および医療倫理教育の一部(「ヒューマニズムⅡ」「医療倫理学」 「コミュニケーション学」)が、講義のみの授業と定期試験による評価となっており、 医療人として患者や医療提供者の立場を理解し信頼関係を構築する教育に必要な学 習方法となっていない。さらに、本機構が求める「目標達成度を評価するための指標 が設定され、それに基づいて適切に評価されていること」にも適合していない。これ らの科目については、学習方法の変更とそれに見合った評価方法の改善が必要である (3.医療人教育の基本的内容)。 3)相手の立場や意見を尊重した上で、自分の考えや意見を適切に表現するための基本的知識、技能および態度を修得する教育として列挙されている一連の科目群には、内容 の連続性がないので、改善する必要がある。さらに、それらについては、本機構の基 準である「目標達成度を評価するための指標が設定され、それに基づいて適切に評価 されていること」を実現する評価指標の設定とそれに基づく適切な評価の実施が必要 である(3.医療人教育の基本的内容)。 4)教育内容を学生に提示する基本文書であるシラバスの記載内容が、一部の科目で実際 の教育内容と異なっていることを自覚しながら改善できていないことや、薬学教育モ デル・コアカリキュラムへの準拠に関する教育内容の説明が評価の過程で変遷したこ とは、薬学教育モデル・コアカリキュラムやシラバスの意義を重視せず、学部の全教 員による取り組みが不足していたことを示している。6年制薬学教育を行う薬学部に 求められる基本的な義務であり改善が必要である(4.薬学専門教育の内容)。 5)事前学習の評価に関する指針において、個々の教育項目の内容を考慮せずに全項目の 評価を、知識:技能:態度=3:3:4の比率で行うよう指示していることは適切で ない。また、この指針には、態度の指標に服装を指定するなど、評価指標や評価の基 準に必ずしも適切とはいえないものが含まれている。事前学習の評価指針を、個々の 学習項目の教育内容と評価領域(知識、技能、態度)との対応を考慮し、それぞれの 項目に対して適切な評価指標と評価基準を示した内容のものに改善することが必要 である(5.実務実習)。 6)薬学共用試験の受験者数を、自己点検・評価書に記載することが必要である(5.実 務実習)。 7)「卒業研究」を「研究課題を通して、新しい発見に挑み、科学的根拠に基づいて問題 点を解決する能力を修得する」ことができる内容のものとするため、研究室において 教員の指導を受けて研究課題に取り組む実質的な期間を少なくとも1年間は保証で きるよう、5、6年次における卒業研究と国家試験準備教育の時間配分を調整し、改 善する必要がある(6.問題解決能力の醸成のための教育)。 8)「卒業研究」の具体的な内容(薬学教育における卒業研究の意義、研究の一般的な進 め方などの説明と評価方法と基準の説明)をシラバスに明記することが必要である (6.問題解決能力の醸成のための教育)。 9)卒業論文の一部が連名で作成されており、これらを個人ごとにする必要がある(6. 問題解決能力の醸成のための教育)。 10)「薬学総合実習(PBL)」以外で「問題解決能力の醸成に向けた教育」としている科目には内容上の系統性が見られず、授業の一部にPBLやSGDという学習方法を実 施している科目を集めたに過ぎない。さらに、それらの科目では、評価基準が求めて いる「目標達成度を評価するための指標の設定やそれに基づく適切な評価」がなされ ているとはいえない。これらの問題点を改善するため、問題解決能力の醸成を系統的 に行うことを目的とする科目を整備して教育の充実を図ることが必要である(6.問 題解決能力の醸成のための教育)。 11)徹底した学力補強教育に努めているにも関わらず、卒業率が 50%に届かず、低学年 での退学者が 50 名を超えている現状は、補強教育によっても薬学を学ぶために必要 な学力に到達させることができない学生を多数入学させていることに原因があると いわざるを得ない。これは、現行の「入学者選考委員会」が合格者を決定する制度で は、「入学志願者の適性および能力が適確かつ客観的に評価されていること」が実現 できていないことを意味する。この状況を改善するため、教育に携わる責任ある薬学 部教員の判断によって合格者の原案を決定するような入学者選抜制度とするなど、入 学志願者の適性および能力を適確かつ客観的に評価する体制への抜本的な改善が必 要である(7.学生の受入)。 12)受験生からの求めがあれば、当該者の入学試験成績を開示する制度を設けることが必 要である(7.学生の受入)。 13)選抜方法別に学生の退学率・進級率等を継続的に検証して評価する体制を構築し、一 層の改善を実現する必要がある(7.学生の受入)。 14)4年次および6年次に行われている「薬学総合演習」と「卒業研究」など一部の重要 な科目で、評価方法と基準がシラバスに示されていない。これらの科目は5年次への 進級や卒業の判断に重要な意味を持つことから、評価基準をシラバスに明示するよう 改善することが必要である(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)。 15)訪問調査における試験問題の閲覧において、毎年ほぼ同一の問題が出題されていた科 目、定期試験と追再試験が同一問題で行われていた科目、再試験における点数の操作 などが見出されたので、試験問題の作成や試験の採点における公正で厳格な態度の重 要性を全教員に徹底することが必要である(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)。 16)「薬学総合演習Ⅱ」のみの単位が未修得で在籍者の約 25%の卒業延期者を出している ことから、適切に設定された基準に基づく学士課程修了認定が行われているとはいえ ない。薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠した薬学専門科目を修得し、「卒業 研究」と「実務実習」を修了している学生の多数が、「薬学総合演習Ⅱ」の試験で不合格になり、卒業できないという事態を生じることがないよう、全教員で学力評価の 実態を点検し、根本的な改善を早急に行うことが必要である(8.成績評価・進級・ 学士課程修了認定)。 17)専任教員の年令構成が高齢に偏っており、若手の教員(特に助教)が著しく少ない。 この状態を解消するため、定年を過ぎた専任教員の後任人事を進め、若い教員を積極 的に採用することによって、専任教員の職位別比率および年齢構成の適正化を図るこ とが必要である(10.教員組織・職員組織)。 18)基礎資料 15 を縦覧すると、過去5年間において、日本薬科大学の基準(専門領域の 学会誌に年間1報以上掲載)に達していない教員が見いだされるため、改善が必要で ある(10.教員組織・職員組織)。 19)個々の教員に関する自己点検を行っておらず、教員が教育目標を達成するための基礎 となる研究活動を行っていることが確認されていない。また教員名簿には専門分野の 記載がない教員が教授(非常勤)を含めて 12 名掲載されている(「さいたまキャンパ ス教員名簿」)。薬学教育を主たる担当とする専任教員として必要とされる教育研究能 力を有する者が配置されていることは、教育における質保証の基本に関わる重要事項 である。これを実現するため、恒常的な自己点検・評価による、専任教員の教育研究 能力に対する客観的な検証と保証を早急に実行し、適格な教員を配置することが必要 である(10.教員組織・職員組織)。 20)大学の規定による定年である 65 歳を超えた専任教員が 10 名以上も在籍しており、改 善が必要である(10.教員組織・職員組織)。 21)自己点検・評価委員会の充実を図り、教育に係る諸項目を恒常的に点検・評価してそ の結果を薬学教育の改善に活用できる体制を早急に確立することが必要である。その 際には、一部の教員で報告書の作成を行うのではなく、学部執行部以外の教員を含め て自己点検・評価を行い、その過程で明らかになった問題点を全教員で共有する体制 を構築し、見いだされた問題点を改善する方策を考え、教育研究活動の改善に反映す ることが必要である(13.自己点検・評価)。 |
異議申立に対する回答書 |
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| 第1期 |
2013年度 |
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1:提言 改善報告審議結果 |
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| 福山大学 | 私 | 広島県 | 第1期 | 2013年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 |
評価報告書
総評
福山大学 総評福山大学薬学部薬学科(以下「福山大学薬学部」という。)は、「理想とする医療ならび に薬剤師のあるべき姿を探求し続ける薬学のプロフェッショナルを輩出し、人類の健康と 福祉に貢献する」ことを教育目標としている。この目標に沿って、6年制薬学教育の入学 者受入方針(アドミッション・ポリシー)、教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ ポリシー)および学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を制定している。 これらのポリシーに基づき、教養教育・専門基礎教育・専門科目・課題研究・演習で構 成される教育課程を実施している。教養教育については、総合大学である利点を生かし、 多様な科目が開講されており、語学力を養う教育も体系的に行われている。また、専門科 目については、教育目標に基づき、医療人教育に重点を置いたプログラム構成となってい る。特に、患者を含む医療チームで薬剤師としての役割を果たすために、2年次では、「コ ミュニケーション」で幼児や高齢者との積極的な関わり方を、高学年では「医療コミュニ ケーション」、「生命倫理」、「病棟での看護師医療体験」等の科目で、患者の心理や医療人 相互の信頼関係の構築について参加型・体験型の学習方法を取り入れ、体系的に学習する プログラムを実施していることは評価できる。実務実習については、事前学習と薬学共用 試験で参加学生の能力を保証した上で、調整機構との連携に基づき病院実習および大学の 近隣の保険薬局で薬局実習をいずれも実務実習コアカリキュラムに沿った内容で実施し ている。特に、実習期間中に実習先の地域別に、「地区別セミナー」を行い、実習終了後には、ワークショップを開催し「実務実習後学習」という授業科目によって実務実習の総 合的な学習成果を高めるようにしていることは、特徴的である。 そのほか、入学者選抜については、アドミッション・ポリシーに基づいて適切に行われ ており、学生の支援、学習環境についても適切である。特に、参加型・能動的学習を少人 数で行うための施設・設備は充実している。 しかし、以下のような問題点が見いだされる。 第1に、成績評価・進級・学士課程修了認定については、判定基準が規定され、学生便 覧等によって学生に周知されている。しかし、薬学部規則第8条第1項および第5項に基 づき、卒業研究に対応する「課題研究」の判定に学科試験を行い、その合否によって学士 課程の修了認定を行っている。また、不合格で卒業延期となった場合は、次年度に再履修 を行うことなく、学科試験の再試験の合格でその単位を認定するという制度は問題である。 さらに、これまで不認定になった者がいないとはいえ、薬学共用試験(OSCE)の合否 によって事前学習の単位修得を認定する制度は問題である。これらについては、早急に改 善すべきである。加えて、薬学共用試験に合格することを5年次への進級要件にしている ことを進級基準に規定して、学生に周知する必要がある。 第2に、薬学専門教育の内容については、卒業研究と実習科目を除く大部分の専門科目 が選択必修となっている。本評価の過程で、この点についての確認を行ったが、薬剤師養 成教育に必須の科目は、ほとんどの学生が受講しているという実績があった。しかし、こ うした科目は必修科目とすべきである。また、卒業研究に対応する「課題研究」の時間帯 に、国家試験受験準備の意味を持つ演習科目が開講されており、卒業研究の実質的時間が 減少している。これらについては改善する必要がある。 第3に、教員組織については、専任教員1人あたりの学生数が多く、その結果、教員の 授業担当時間数が多くなっているので、今後は、若手教員(講師・助教)の増員を図るな ど改善する必要がある。 最後に、自己点検・評価についてであるが、薬学教育プログラムのさらなる向上を図る ためには、教育研究活動を恒常的に自己点検・評価し、その結果を改善に活用することが 必要である。薬学部独自の自己評価委員会は設置されているが、機能していない。自己点 検・評価の過程で明らかになった問題点を教員全員で共有し、見いだされた問題点を改善 する方策を検討し、実現させる必要がある。 総合大学に設置された薬学部の強みやこれまで培われてきた薬学教育における実績を 生かしつつ、恒常的に教育プログラムを自己点検・評価し、上記の問題点の改善に向けて真摯に取り組むことによって、医療人としての倫理観、使命感、職業観をもった「薬学の プロフェッショナル」としての薬剤師を輩出する教育をさらに充実させることを期待する。
大学への提言
福山大学 大学への提言1)長所 1)2年次の「コミュニケーション」で幼児、高齢者と関わることでコミュニケーショ ンの手法と人間関係を学び、その上で専門科目の「医療コミュニケーション」を置 き、患者との適切な関わり方や言語・非言語的コミュニケーション理論などを修得 する目的のチュートリアル教育、ロールプレイを行っていることは、特徴ある教育 として評価できる。また、「コミュニケーション」での幼児・高齢者との交流は、3 年次の「生命倫理」における看護師業務体験とともに、体系的にチーム医療教育を学ぶ特徴的な取り組みとして評価できる(4.薬学専門教育の内容)。 2)実習先のそれぞれの地域別に、実務実習担当施設を担当する教員チームを編成し、 実習期間中に「地区別セミナー」を行っていること、実習終了後にワークショップ を開催し「実務実習後学習」という授業科目によって実務実習の総合的な学習成果 を高めるようにしていることは評価できる(5.実務実習)。 3)参加型、能動的学習を少人数で行うことを重視し、そのための施設・設備を十分に 確保していること、図書館以外にも自習室を十分に確保していることは評価できる (11.学習環境)。 2)助言 1)医療安全教育に関する科目の中核となる「医薬品開発Ⅱ」が選択必修科目であり、 関連科目数も少ないので、さらなる充実が望まれる(3.医療人教育の基本的内容)。 2)薬学教育モデル・コアカリキュラム以外で開講する大学独自の専門教育科目を明示 し、科目数を増やすことが望ましい(4.薬学専門教育の内容)。 3)「生命倫理」や「コミュニケーション」などの薬剤師養成教育に必要な科目を、全員 が履修するよう対応策を講ずることが望ましい(4.薬学専門教育の内容)。 4)6年間の入学定員に対する充足率が平均0.55と低いので、入学定員を充足すること が望まれる(7.学生の受入)。 5)身体に障がいのある学生を支援する施設・設備の整備は、一部の建物に限られてい るので、整備に努めることが望ましい(9.学生の支援)。 6)FD研修、FD講習会を企画・実施する「大学教育センター」が設置されているが、 薬学部独自のFD活動を行う体制が整備されていないので、改善が望ましい(10. 教員組織・職員組織)。 7)専任教員の年齢構成は60歳代(11名)および50歳代(12名)に偏っており、講師、 助教の数が少ないので、若手教員の採用に重点をおいた改善を行うことが望ましい (10.教員組織・職員組織)。 8)学術雑誌の購読数や図書の購入数が減少傾向にあり、電子ジャーナルの整備状況が 不十分であるので、今後の改善が望まれる(11.学習環境)。 9)英文ホームページを作成することが望ましい(12.社会との連携)。 10)薬学部として積極的な国際交流は行われていないので、活性化に努めることが望ま しい(12.社会との連携)。3)改善すべき点 1)専門科目における「総合薬学演習Ⅰ」(3年次)、「総合薬学演習Ⅱ」、「総合薬学演習 Ⅲ」(4年次)に加え、国家試験合格のみを目的としないとはいえ6年次に「特講」 6科目を開講し、薬学共用試験や薬剤師国家試験のための学力補強を目的とする教 育に多くの科目を割り当てている。そのうえ、卒業研究に相当する「課題研究」の 評価に国家試験と同じ形式で行われる学科試験を採用しているなど、薬剤師国家試 験の合格のみを目指した教育に過度に偏っているので、是正する必要がある(2. カリキュラム編成)。 2)ヒューマニズム教育・医療倫理教育およびコミュニケーション能力・自己表現能力 を身につける教育等の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて 適切に評価する必要がある(3.医療人教育の基本的内容)。 3)実習科目と「課題研究」以外の薬学専門科目(薬理学、薬物治療学、薬物動態学等) がすべて選択必修科目となっている。6年制薬学教育の趣旨に鑑み、薬剤師養成教 育に必須となる項目(到達目標)は必修科目に変更する必要がある(4.薬学専門 教育の内容)。 4)実務実習事前学習の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適 切に評価する必要がある(5.実務実習)。 5)卒業研究に相当する「課題研究」の単位修得の認定に学科試験の合格を条件とする ことは適切ではない。「研究課題を通して、新しい発見に挑み、科学的根拠に基づい て問題点を解決する能力を獲得するための卒業研究」として、「課題研究」は演習と は別の科目とする必要がある(6.問題解決能力の醸成のための教育)。 6)教員の指導の下で約1年間の研究に取り組むなど、「課題研究」には十分な時間を確 保するとともに、例えば6年次9月末など、卒業判定の評価対象とできるよう卒業 論文の提出時期を改める必要がある(6.問題解決能力の醸成のための教育)。 7)現行のシラバスには「課題研究」の詳細な説明が記載されていないので改善が必要 である(6.問題解決能力の醸成のための教育)。 8)問題解決能力の醸成に向けた教育において目標達成度を評価するための指標を設定 し、それに基づいて適切に評価する必要がある(6.問題解決能力の醸成のための 教育)。 9)卒業研究や卒業研究発表会の評価基準を明確にし、それに基づいて問題解決能力の 向上を適切に評価する必要がある(6.問題解決能力の醸成のための教育)。10)「課題研究」に関する薬学部規則第8条第1項および第5項、さらにディプロマ・ ポリシーを早急に改定する必要がある(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)。 11)6年次の必修科目である「課題研究」で学科試験を行い、その合否によって学士課 程の修了認定を行い、卒業延期となった場合は、次年度に再履修を行うことなく、 学科試験の再試験の合格でその単位を認定するという運用は、学士課程修了の認定 が厳格に行われているとはいえないので、改善を要する(8.成績評価・進級・学 士課程修了認定)。 12)これまで不認定になった者がいないとはいえ、薬学共用試験(OSCE)の合否に よって事前学習の単位修得を認定する制度は問題であるので、事前学習の単位認定 はOSCEの結果と独立して行うように制度を早急に変更することが必要である (8.成績評価・進級・学士課程修了認定)。 13)留年生に対して5科目まで上級年次科目の履修を認めている薬学部の運用は明文化 されていない。学生便覧に記載されている進級・卒業に必要な年次別累積単位数の 備考欄にある「上級年次配当科目は履修できない」という規則との整合性を検討し、 取り扱いを明確にしておくことが必要である(8.成績評価・進級・学士課程修了 認定)。 14)教員1名あたりの学生数が23.7名と多く、教員の担当授業時間数も90分授業平均週 8回と多く、また各教員間の講義担当時間にも2倍の差が認められる。現状を改善 するため専任教員の増員が必要である(10.教員組織・職員組織)。 15)薬学部の自己点検・評価が十分に機能していないので、改善する必要がある。恒常 的に教育プログラムを点検・評価し、その結果を教育研究活動の改善に反映する必 要がある(13.自己点検・評価)。
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