薬学教育評価報告の結果と公表
各年度の「薬学教育(6年制)評価」結果報告書
各年度の改善報告の審議結果一覧(大学別)
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| 大学名 | 設置形態 | 所在地 | 評価基準 | 実施年度 | 判定 | 大学の自己点検評価 | 評価結果 | 評価後の対応 改善報告 その他 |
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| 大阪医科薬科大学 | 私 | 大阪府 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
大阪医科薬科大学 総評大阪薬科大学は教育研究の根幹となる大学の目的および理念を明確に定めている。また教育研究上の目的として、薬学部では「豊かな教養と薬学及び生命科学の深奥なる知識を身に付けさせるとともに、高い人権意識と深い人間愛を併せ持つ人材を育成する」こと、6年制薬学科では「薬に対する幅広い知識を持つとともに、医療の担い手に相応しい、高い実践能力と倫理観、使命感を併せ持つ信頼される質の高い薬剤師の養成を目的とする」ことを掲げており、これに基づき、入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)、教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)および学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)を設定している。薬学教育カリキュラムはカリキュラム・ポリシーに従って編成されている。国家試験準備に過度に偏った教育カリキュラムではないが、基礎領域を含む薬学専門科目の多くが、カリキュラム・ポリシーの異なる4年制学科との共通科目となっている。ヒューマニズム教育・医療倫理教育は、医療人として生命に関わる薬学専門家に相応しい行動を身につけるための教育を目的とし、計5科目が開講されている。教養教育科目は、人文・社会・自然のバランスを考慮して配置されており、外国語教育については4年次まで体系的に実施され、基礎学力向上のための入学前教育およびリメディアル教育も積極的に行われている。実務実習事前学習は、実務実習モデル・コアカリキュラムに沿って、1年間を通して連続的かつ体系的に実施されており、CBT(Computer Based Testing)およびOSCE(Objective Structured Clinical Examination)は、薬学共用試験センターから提示されたマニュアルに従って厳正に実施されている。実務実習は近畿地区調整機構が実習可能と認めた施設で行われており、11 週間の実習期間が確保されている。卒業研究は5~6年次に2つの必修科目として設定されている。卒業研究発表会が 10 月に開催されるため、実質的な卒業研究は6年次前期で終了している。入学者選抜はアドミッション・ポリシーに基づき8方式で行われている。合否判定の手順、入学定員に対する入学者数には問題はない。各授業科目の成績は原則A- 2 -~Dの4段階で表され、A~Cを合格としている。進級や留年の判定、卒業認定の方法は適切である。大阪薬科大学では、学生への教育・指導効果を上げるためアドバイザー教員制度を設けている。また経済的支援として、独自の奨学金制度などを整えている。さらには、ヘルスケアやメンタルケア、ハラスメント問題などへの対応、身体に障がいを有する者への対応、進路選択の支援、安全の管理など、学生の支援環境は充実している。一方、学習環境に関しては、図書館、自習室、講義室、演習室、実験室、実務実習事前学習施設、卒業研究のための施設や設備などが整備されている。専任教員については、教授が1名不足していたが、平成 28 年度に補充があり、教授不足は解消した。教員の採用および昇任に関しては、適切な規程に基づき、教育上の指導能力等を十分に考慮した選考が行われている。専任教員は、学会に所属して学術論文や著書の執筆を行うなど、教育研究に関する活動に積極的に取り組むとともに、その維持・向上に努めている。また授業評価アンケート、公開授業、FD(Faculty Development)講演会などのFD活動を通じて、授業の改善にも努めている。さらには、医学界や産業界との連携事業、地域の保健衛生の保持・向上活動にも幅広く参加している。以上のように、大阪薬科大学薬学部薬学科の教育プログラムは、本機構の評価基準におおむね適合していると判断される。しかしながら、主な改善すべき点として、以下が挙げられる。(1) 改訂前の薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠した教育となる2~6年次では、どの科目も対応していない、あるいは選択科目のみが対応しているSBOs(Specific Behavioral Objectives)が一部存在しており、卒業までに補完する必要がある。(2)技能に関するSBOsでありながら、講義のみを行い、試験のみで成績を評価している科目が散見されるので、学習方略および評価方法の点検・改善が必要である。(3)6年制薬学教育プログラムに対する自主的、かつ継続的な点検・評価を実施して、その結果を教育改善に生かす取り組みを行う体制を構築する必要がある。以上の重要な改善すべき点に加え、その他の提言に示される改善すべき点や助言に関しても適切に対応し、6年制薬学教育のさらなる改善に努めることが望まれる。
大学への提言
大阪医科薬科大学 大学への提言1)長所1. 出席不良の学生については、出席状況を保護者に書面で通知し、学長名で教育的指導のバックアップを要請している。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)2. キャリア支援として6種類もの取組みが実施されており、学生の主体的な進路選択を支援する体制が充実している。(9.学生の支援)3. 公開授業研究会や学生FD委員会など、授業改善のための活動に学生が参加可能な体制を整備している。(10.教員組織・職員組織)4. 医師会などの関係団体、および行政機関との連携を図り、協定を結ぶなど薬学の発展に貢献している。(12.社会との連携)2)助言1. 大学の理念は、中期計画ではなく、学則などに掲載することが望まれる。(1.教育研究上の目的)2. 現行の教育研究上の目的は、内容としては十分ではなく、薬剤師養成教育に課せられた研究も含めた基本的な使命(10の資質)を踏まえたものに改善することが望まれる。(1.教育研究上の目的)3. 自己点検・評価委員会が組織されているが、教育研究上の目的に関する定期的な検証を行うことが望まれる。(1.教育研究上の目的)- 40 -4. 高年次学生を対象としたカリキュラム・ポリシーに関する説明会の開催が望まれる。(2.カリキュラム編成)5. 教職員に対して、FD等を通してカリキュラム・ポリシーの周知徹底が望まれる。(2.カリキュラム編成)6. 各種媒体(「授業の内容」、「学生生活の手引」、大学ホームページに掲載されているカリキュラム・ポリシーの表現が異なっているので、統一することが望まれる。(2.カリキュラム編成)7. ヒューマニズム・医療倫理教育、およびコミュニケーション・プレゼンテーション教育に関する科目の設定、選択必修の別、各科目において能動的な参加型学習を増やすことなどを再検討することが望まれる。(3.医療人教育の基本的内容)8. 教養教育に関して、時間割上は1~2年次の各学期に1科目は選択できる。しかし、履修取得単位を増やすなど、全ての学生が幅広く学べるようにする工夫が望まれる。(3.医療人教育の基本的内容)9. 医療安全教育の一貫として、薬害、医療過誤、医療事故等の医療安全教育にあげられている科目の講義内容を目的に合うように充実させ、また弁護士や医療における安全管理者を特別講師として招聘することが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容)10. 生涯学習の意欲醸成を目的とした教育カリキュラムを体系立てると共に、薬剤師の生涯教育として開催している公開教育講座に参加する学生数を増やす努力が望まれる。(3.医療人教育の基本的内容)11. 全ての科目について、基礎と臨床の知見を相互に関連付けるため、関連科目(基礎科目、発展科目など)をシラバスに記載することが望ましい。(4.薬学専門教育の内容)12. 患者、薬剤師、医師、製薬企業の研究者などとの交流体制に関しては、学外の人的資源を活用している専門科目が少なく、交流体制の充実が望まれる。(4.薬学専門教育の内容)13. 大学独自の薬学専門教育である「医工薬連環科学」については、大学独自の薬学専門教育であることをシラバスにも記載することが望ましい。(4.薬学専門教育の内容)14. 大学独自の薬学専門教育のさらなる充実が望まれる。(4.薬学専門教育の内容)15. 実務実習科目のシラバス等に個々の評価方法(実習記録、自己評価表、懇談内容、実習評価表)の寄与率を示すことが望ましい。(5.実務実習)16. 実務実習全体の成果に対する総合的な評価のための指標の設定、およびそれに基づいた評価を実施することが望まれる。(5.実務実習)- 41 -17. 「臨床導入学習2」では、点数評価と概略評価によって事前学習の学習到達度を総合的に測定しているが、知識、技能、態度をバランスよく評価する方法へと改善することが望まれる。(5.実務実習)18. 卒業論文の評価シートには、問題解決能力を評価する項目がなく、問題解決能力の向上を測定するための材料にはなっていない。問題解決能力の向上を測定する基準を設定することが望ましい。(6.問題解決能力の醸成のための教育)19. 問題解決能力の醸成に向けた教育に関して、卒業研究科目以外の科目が2.5単位と少なく、さらなる工夫および配置が望まれる。(6.問題解決能力の醸成のための教育)20. 現行のアドミッション・ポリシーは、教育目標および入学者に求める学力に関する内容は含んでいるが、大学が求める学生像についても、受験生に分かりやすい表現で示すことが望まれる。(7.学生の受入)21. アドミッション・ポリシーに従って、入学試験では化学を必須とすることが望ましい。(7.学生の受入)22. 指定校制推薦入学試験以外の入学試験は、筆記試験のみを採用しており、医療人としての適性を評価するための工夫が望まれる。(7.学生の受入)23. 各学年の在籍者数に対する留年者数の割合は、およそ10~20%であり少なくはない。また1~3年次の合計で毎年20名前後が退学している。これらの学生を減らすための対策を検討することが望ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)24. 新入生だけではなく在学生に対しても、履修ガイダンスにおいてディプロマ・ポリシーを説明し、周知させることが望ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)25. 卒業延期者が年々増加しているので、その原因を解析し、有効な対策を講じることが望ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)26. 2年次以降の学生に対して、各年度始まりにガイダンスや説明会を実施することが望まれる。(9.学生の支援)27. 定期検診の全員受診を達成する努力が求められる。(9.学生の支援)28. 職位別の構成比率に関して、助教の比率が1.5%(1名)であり著しく低い。助教の増員などによって若手教員の比率を高め、年齢構成を改善することが望まれる。(10.教員組織・職員組織)29. 専任教員1名あたりの学生数が28.4名(助手を含めても23.3名)と多いため、専任教員の不足対策として、RA、TAおよびSAへの依存が高くなっている。教育水準の- 42 -向上のためには、さらなる教員増に務めることが望ましい。(10.教員組織・職員組織)30. 教員の研究実績を「大阪薬科大学報」やホームページ等で公表しているが、教育実績を含む、前記以外の活動実績を公表することが望ましい。(10.教員組織・職員組織)31. 薬剤師としての実務経験を有する専任教員の研鑽に関して、大学として研鑽体制・制度整備を行うことが望まれる。(10.教員組織・職員組織)32. FD(教員対象)に関しては、ワークショップ形式の研修会の開催が望まれる。(10.教員組織・職員組織)33. 授業評価アンケートを実施していない、あるいはアンケートの回収率が50%以下の授業科目も多いので、回収率を高めるよう努力することが望まれる。(10.教員組織・職員組織)34. 教員と職員が連携して資質向上を図ることを目的とした意見交換会などの開催が望まれる。(10.教員組織・職員組織)35. 自習をするための専用スペースの拡充が望まれる。(11.学習環境)36. 国際交流のための体制は整備されているが、実施例が少なく、国際交流のさらなる推進が望まれる。(12.社会との連携)37. 自己点検・評価委員会に事務職員(事務局長)は含まれているが、外部委員は含まれていないので改善が望まれる。(13.自己点検・評価)3)改善すべき点1. ヒューマニズム教育・医療倫理教育に関連した科目、およびコミュニケーション・プレゼンテーション教育に関連した科目の学習成果に関する総合的な目標達成度を評価する指標を設定し、それに基づいて適切に評価する必要がある。(3.医療人教育の基本的内容)2. 改訂前の薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠した教育となる2~6年次では、どの科目も対応していない、あるいは選択科目のみが対応しているSBOsが一部存在しているので、卒業までに補完することが必要である。(4.薬学専門教育の内容)3. 技能に関するSBOsでありながら、講義のみを行い、試験のみで成績を評価している科目が散見されるので、学習方略および評価方法の改善が必要である。(4.薬学専門教育の内容)- 43 -4. 実務実習事前学習全体としての目標達成度を評価するための指標を設定し、その指標に基づいた適切な評価を行う必要がある。(5.実務実習)5. 問題解決能力の醸成に向けた教育の全体について、目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価する必要がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育)6. シラバスに関して、成績評価方法(定期試験、小テスト、出席状況、レポートなど)は記載されているが、個々の評価方法の寄与率が記載されていないので、改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)7. 6年制薬学教育プログラムに対する自主的、かつ継続的な点検・評価を実施して、その結果を教育改善に生かす取り組みを行う体制を構築する必要がある。(13.自己点検・評価)
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| 第1期 |
2016年度 |
- |
1:提言 改善報告審議結果 |
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| 金沢大学 | 国 | 石川県 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
金沢大学 総評金沢大学医薬保健学域薬学類(以下、薬学類)では、「薬学領域における基礎から専門までの知識・技術を修得するとともに豊かな人間性と高い倫理観を兼ね備えた、高度な専門職業人としての薬剤師及び次世代の医療薬学教育研究者を養成する」という「理念・目標」の下、「臨床現場における実践的な技能と態度、また薬物治療に起因する問題を同定・評価して解決する能力を身につけさせること」を「教育研究上の目的」とする6年制薬学教育を行っている。薬学類の教育内容は、6年制薬学教育として標準的なものである。すなわち、ヒューマニズム教育・医療倫理教育やコミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育、薬剤師として必要な語学力を培う英語教育、総合大学であることを生かした社会のニーズに応じた幅広い教養教育が行われており、薬学専門教育については、「薬学教育モデル・コアカリキュラム」の到達目標を網羅し、各分野で上級年次へ段階的に学習を積み上げるカリキュラム構成による教育が行われている。また、「東洋医学」、「臨床栄養学」、「病院実習Ⅱ」などの大学独自の専門科目も開講されている。実務実習では、「事前学習」、「病院・薬局実習」共に「実務実習モデル・コアカリキュラム」の教育目標や実施方法に沿って実施され、大学と実習施設とが連携したきめ細かな指導が行われている。また、卒業研究は「薬学研究Ⅰ~Ⅳ」の4科目で構成されており、口頭発表による卒業研究発表会を経て卒業論文を作成している。入学者の選抜は、国立大学に一般的な入試制度で行われており、入学後の教育に求められる基礎学力が適確に評価されている。授業科目の成績評価は、学則に基づいて担当教員が指定する基準によって行われている。学年ごとの進級判定制度はないが、3年次に学生の希望とGPA(Grade Point Average)による選抜を加味して学類配属が行われている。学生の勉学と学生生活を支援する体制は標準的なものが整備されており、健康管理やメンタルケアの体制も整っている。専任教員数は実務家教員を含めて基準を満たしており、専任教員の教育・研究上の業績、- 2 -職位や年齢の構成にも問題とすべき点はない。教員の教育負担と研究時間のバランスは適切で、研究経費については、外部資金を獲得するための全学をあげた様々な体制・制度が整備されている。教育と研究に必要な施設と設備も十分に整備されている。薬学系としての教育・研究活動を通じた医療界や公的機関、地域との連携による社会貢献に努めており、国外の多くの大学、公的機関との共同研究や国際交流も行われている。以上のように、金沢大学薬学類は、本機構の基準を満たす6年制薬学教育を行っている。しかし、現状には以下に列挙するような問題点があるので、本評価の結果を参考にして改善を図る必要がある。(1)ヒューマニズム教育・医療倫理教育やコミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育について目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づく適切な評価を行う必要がある。(2)「早期臨床体験」に対応する科目「医薬保健学基礎」は、座学が中心で薬剤師が活躍する現場への見学機会が少なく問題である。また、「早期臨床体験」が求めている「一次救命法」など見学体験以外の到達目標が網羅されていないので、改善が必要である。また、薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成 25 年度改訂版)での一般目標である「患者、生活者の目線に立って・・・」、「地域の保健・福祉を見聞した具体的体験に・・・」と言う視点に欠けているので、改善が必要である。(3)大学独自の科目のシラバスに、独自科目であることを明記する必要がある。(4)実務実習事前学習と問題解決能力の醸成に向けた教育については、それぞれについて、教育の目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価する必要がある。(5)「卒業研究Ⅰ~Ⅳ」の成績を適切に評価するための体系的な仕組みを構築する必要がある。(6)厳正な成績評価を行うため、科目担当者に委ねている「単位保留」と「再試験受験資格」の基準を規定によって定め、学生に周知する必要がある。(7)6年次の必修科目「総合薬学演習」を「教育研究上の目的」に基づいた教育の総合的な学習成果を評価する科目とするためには、適切な教育目標を定めると共に教育方法を見直し、達成度を評価するための適切な基準と方法を定め、それに基づいて厳正な成績評価を行うことが必要である。(8)6年制薬学教育プログラム全体について、定期的、恒常的に自己点検・評価を行い、- 3 -その結果を教育研究活動の改善に反映させる仕組みが不十分であるので、それを構築し教育の内部質保証のためのPDCAサイクルを回す必要がある。これらの改善を早期に実施され、金沢大学薬学類の6年制薬学教育が更に優れたものとなる事を期待するものである。
大学への提言
金沢大学 大学への提言1)助言1. 3年次に学類配属が行われることからも、「教育研究上の目的」の学生、職員への周知にさらに努めることが望まれる。(1.教育研究上の目的)2. 「教育研究上の目的」を、薬学系のホームページから容易にアクセスできる位置に掲載することが望まれる。(1.教育研究上の目的)3. シラバスで一部科目の一般目標に見られる「・・・薬剤師国家試験に対応できる・・・」、「・・・国家試験に占める比重が重い・・・」などの表現は、薬学専門科目の一般目標として不適切であるので、修正することが望ましい。(2.カリキュラム編成)4. カリキュラム・ポリシーが、薬学類の「教育研究上の目的」に基づいた内容とは言えないので、改訂することが望ましい。なお、改訂に際しては、「学位授与の方針」を反映した内容とすることにも留意する必要がある。(2.カリキュラム編成)5. 3年次配当の「コミュニケーション論」は、全員が履修しているとはいえ、選択科目となっており、重要な科目であるので必修にするのが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容)6. 「健康権と医療」は、重要な科目であるにも関わらず履修者が少ないので、履修を増やすよう工夫することが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容)7. 医薬品の安全使用について科学的な視点と客観的な判断力を養うため、SGD、総合討論などの学習効果を高める工夫と評価方法の工夫が求められる。(3.医療人教育の基本的内容)- 28 -8. ヒューマニズム教育科目の配当学年、学習方略などの態度教育の体系性を検討することが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容)9. ヒューマニズム・医療倫理教育、コミュニケーション教育における科目の多くが講義、見学科目であるので、態度教育に適切な目標、方略および評価方法を設定し、それに基づく授業内容にすることが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容)10. 研究室配属後の高学年での、学類主導による体系的な英語教育が望まれる。(3.医療人教育の基本的内容)11. 「早期臨床体験」に対応する科目「医薬保健学基礎」では、SGD、総合討論などを加えて、学習効果を高めるように工夫することが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容)12. 全ての科目について、基礎と臨床の知見を相互に関連付けるため、関連科目(基礎科目、発展科目など)をシラバスに記載することが望ましい。(4.薬学専門教育の内容)13. 学習内容とモデル・コアカリキュラムの対応がわかるように、シラバスの学習内容にコアカリキュラムの到達目標を追記するなどの工夫が望まれる。(4.薬学専門教育の内容)14. 「事前学習」の指導の補助に6年生が必修科目「総合薬学演習」の授業の一環として参加していることについて、指導する学生の立場や教育的効果を慎重に検証することが望ましい。(5.実務実習)15. 実務実習の時期が2、3期の学生に対して、直前に事前学習の到達度を再確認する機会を設けることが望ましい。(5.実務実習)16. 病院実習、薬局実習共に、最終評価の評価項目に対する配点は決められているが、評価基準は決められていないので、作成することが望ましい。(5.実務実習)17. 卒業論文を作成する必要があることと、論文の体裁や必要な内容などの要領とを履修要項などで規定することが望ましい。(6.問題解決能力の醸成のための教育)18. アドミッション・ポリシーを「教育研究上の目的」に基づいて改訂することが望まれる。(7.学生の受入)19. 入学者選抜は、アドミッション・ポリシーへの適応性を評価できる要素を加味した方法で行うことが望まれる。(7.学生の受入)20. 学士課程の修了判定では、卒業要件単位の充足のみでなく、ディプロマ・ポリシーに掲げた資質についても評価するよう工夫することが望ましい。(8.成績評価・進級・- 29 -学士課程修了認定)21. 教育研究活動を纏めた冊子が隔年で発行されているが、教育研究活動は毎年Webサイトなどに掲載して開示することが望ましい。(10.教員組織・職員組織)22. 6年制薬学教育の恒常的な自己点検・評価を行う委員会を組織する際には、そこに外部委員を含めることが望ましい。(13.自己点検・評価)2)改善すべき点1. ヒューマニズム教育・医療倫理教育、コミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育において、目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価する必要がある。(3.医療人教育の基本的内容)2. 「早期臨床体験」に対応する科目「医薬保健学基礎」は、座学が中心で薬剤師が活躍する現場への見学機会が少なく問題である。また、「早期臨床体験」が求めている「一次救命法」など見学体験以外の到達目標が網羅されていないので改善が必要である。このほか、薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)での一般目標である「患者、生活者の目線に立って・・・」、「地域の保健・福祉を見聞した具体的体験に・・・」と言う視点に欠けているので改善の必要がある。(3.医療人教育の基本的内容)3. 大学独自の科目のシラバスに、独自科目であることを明記する必要がある。(4.薬学専門教育の内容)4. 実務実習事前学習全体についての目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価する必要がある。(5.実務実習)5. 「卒業研究Ⅰ~Ⅳ」を適切に評価するための体系的な仕組みを構築する必要がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育)6. 「問題解決能力の醸成に向けた教育」において、目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいた適切な評価を行う必要がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育)7. 厳正な成績評価を行うため、「単位保留」と「授業担当者から再試験受験資格を得る」基準を規定によって定め、学生に周知する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)8. 6年次の必修科目「総合薬学演習」を「教育研究上の目的」に基づいた教育の総合的な学習成果を評価する科目とするためには、適切な教育目標を定めると共に教育方法- 30 -を見直し、達成度を評価するための適切な基準と方法を定め、それに基づいて厳正な成績評価を行うことが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)9. 6年制薬学教育プログラム全体について、恒常的な自己点検・評価を行う委員会を設置し、継続した自己点検・評価を行うことが必要である。(13.自己点検・評価)10. 6年制薬学教育プログラム全体の自己点検・評価のための項目を設定し、自己点検と点検結果の継続的な自己点検・評価を行い、その結果を外部に公表することが必要である。(13.自己点検・評価)11. 6年制薬学教育プログラム全体の自己点検・評価の結果を、教育研究活動に反映させ、教育研究活動の改善に反映させるための仕組みを構築することが必要である。(13.自己点検・評価)12. 6年制薬学教育プログラム全体の点検・評価と、その結果を活用して薬学教育を改善するため、教育の内部質保証のためのPDCAサイクルを回すことが必要である。(13.自己点検・評価)
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| 第1期 |
2016年度 |
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1:提言 改善報告審議結果 |
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| 慶應義塾大学 | 私 | 東京都 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
慶應義塾大学 総評慶應義塾大学薬学部は、6年制薬学科と4年制薬科学科の2学科を設置しており、薬学 科では「科学の基盤をもち、医療人としての自覚のもと、高い臨床能力を発揮できる、人 に優しい薬剤師の育成」という教育研究上の目的の下に、入学者受入の方針(アドミッシ ョン・ポリシー)、教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)、学位授与の 方針(ディプロマ・ポリシー)を設定し、「医療を取り巻く環境、薬剤師に対する社会のニ ーズ」を反映した6年制薬学教育を行っている。 薬学科のカリキュラムは、カリキュラム・ポリシーに従って構築されており、それは新 旧両方の薬学教育モデル・コアカリキュラムに対応したものになっている。すなわち、ヒ ューマニズム教育・医療倫理教育、コミュニケーション教育は1年次から体系的に行われ ており、薬学、医学、看護学の医療系三学部の合同教育は、チーム医療と多職種連携につ いて共に学ぶ機会を提供する教育として評価できる。教養教育は総合大学の特色を活かし て効果的に行われ、語学教育は基礎的なコミュニケーション能力の向上から、医療現場や 医療の進歩・変革に対応できるより高い英語力の育成へと体系的に実施されている。薬学 専門科目では、基礎から専門性の高い領域へ、座学による知識の修得から実験実習へ、ま た、薬学基礎科目から臨床薬学科目へなど、科目間の関連と学習の順次性に配慮している。 さらに、大学独自の薬学専門教育として、社会のニーズを取り入れた多彩な選択科目、自 由科目、米国、タイ国での4~5週間の海外病院実習も行っている。実務実習では、事前 学習、病院・薬局実務実習共に実務実習モデル・コアカリキュラムに沿って実施されてい る。卒業研究は、臨床実践を深めるアドバンスト科目との組み合わせによる3タイプの選 択必修制になっており、研究室で研究に携わる期間は異なるが、いずれの場合も4年次1 月から6年次の 10 月までの間で、十分な時間を確保して行われており、その成果は、卒業 発表会でポスター発表され、卒業論文として提出される。 学生の受入れは、一般入学試験、指定校推薦による入学者選抜、帰国生対象入学試験、 外国人留学生対象入学試験、塾内進学制度と多様であるが、アドミッション・ポリシーに基づいて適切に行われており、入学者数と入学定員との乖離は小さい。 授業科目の成績評価方法と基準はシラバスに示され、進級判定は学則の規程に基づいて 行われている。学士課程の修了認定は、学則で規定した卒業要件に基づいて行われている。 学生に対する履修や生活に関する指導は、ガイダンスおよびアドバイザー(担任)制度 によって行われており、学生への経済的、心身的な支援体制、ハラスメント対応、就職・ 進路支援体制なども整っている。 専任教員は、各専門分野について研究・教育に優れた実績を有するものが配置されてお り、教員数も大学設置基準を十分満たしている。専任教員の授業科目への配当や職階や年 齢のバランスもおおむね適正である。教員の採用、昇進は、規程に基づいて適切なプロセ スを経て、教育、研究力等を十分に評価して、適切に実施されている。また、実務家教員 が、慶應義塾大学病院薬剤部で研鑽できる制度(OJT: On the Job Training)や、薬学 部附属薬局にて薬局薬剤師としての実務を行う体制も整備されている。職員組織も整って いる。 図書館、講義・演習室、実験室、実務実習事前学習、研究活動のための施設、設備も整 備されており、学習環境も整っている。 社会との連携では、地域の薬剤師会をはじめ、医薬界の関係団体および行政機関と連携 を図っている。また、薬剤師の資質向上を図るために、認定薬剤師研修機関として認証を 受け、慶應義塾大学薬学部認定薬剤師の認定を行っている。 以上のように、慶應義塾大学薬学部薬学科の薬学教育プログラムは、本機構の評価基準 におおむね適合していると判断される。しかし、以下のような問題点が挙げられ、改善が 必要である。 (1) ヒューマニズム教育・医療倫理教育、コミュニケーション能力を育成する教育、実 務実習事前学習、問題解決能力を醸成する教育で、目標達成度を測定する指標を設定 し、それに基づく適切な評価を行うよう改善することが必要である。 (2) 科目間で評価の公平性を保証するために、成績点と評価との対応を各科目の担当者 の裁量に委ねるのではなく点数と評価との対応を明確に規定することが必要である。 (3) 複数の評価項目がある科目では、個々の評価方法の最終成績に対する寄与率を明示 することが必要である。 (4) 卒業の可否判断に直結する6年次の必修科目である「総合薬学演習Ⅱ」については、 追再試験にあたる4次試験の合格基準が明示されていないので、あらかじめ明示することが必要である。 (5) 薬学部全体の教育研究活動を、6年制薬学教育の向上発展に結びつけて統合的に自 己点検・評価し、その結果を教育研究活動に反映する体制を整備して、恒常的、継続 的に教育研究活動の改善に取り組む必要がある。 慶應義塾大学薬学部薬学科は、本評価での改善すべき点、助言を踏まえ、積極的に改善 に取り組み、薬学教育の更なる向上に努めることが望まれる。
大学への提言
慶應義塾大学 大学への提言1)長所 1. 「医療系三学部合同教育の初期プログラム」は、非常に有効なものとして評価できる。 (3.医療人教育の基本的内容) 2. 3年次の「A(3)生命の大切さを知るために3(患者から学ぶ)」は、多様な患者に加 え、障がい者や薬害被害者の講演を中心とした特徴的な科目であり、方略レベルでの 独自性が評価できる。(3.医療人教育の基本的内容) 3. 5~6年次には卒業研究、アドバンスト病院実習などが設置され、学生個々の能力・ 意欲にあわせた一段高い目標を設定する機会が与えられている。(4.薬学専門教育 の内容) 4. 大学独自の薬学専門教育として選択必修科目「アドバンスト病院実習」、「アドバンス ト海外病院実習」、「Introduction to overseas clinical rotation」、「Case Study Practice」、などの意欲的な取り組みがなされている。(4.薬学専門教育の内容)5. 米国の4大学、タイの1大学と学部間協定を締結し、相互に学生の短期留学プログラ ムを実施し、国際交流の活性化のための活動が行われている。(12.社会との連携) 2)助言 1. 学生の生涯教育への参加は自主的であり、生涯学習に対する意欲を醸成するための教 育が体系的に行われることが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容) 2. ヒューマニズム教育・医療倫理教育、コミュニケーション力に関わる個々の科目につ いて、目標到達度を評価するための指標を設定し、適切に評価することが望ましい。 (3.医療人教育の基本的内容) 3. 大学独自の科目は、シラバスの「対応するコア・カリの項目」欄を空白にしているだ けであり、学生が独自科目であることに気づきにくい。独自科目であることをシラバ スに積極的に明示することが望ましい。(4.薬学専門教育の内容) 4. 「卒業研究B」を履修している学生は、他の能動的学習法を行っている科目を加えて も問題解決能力の醸成を目指す教育の総単位数が18単位には満たないので、能動的学 習の充実が望まれる。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 5. 視覚障がい者等に対する設備上の配慮を充実させること、建物のバリアフリー化をさ らに進めることなど、障がい者のための施設・整備をさらに進めることが望ましい。 (9.学生の支援) 6. 学生実習室および研究室における学生の安全を確保するために必要な設備のさらなる 充実が望ましい。(9.学生の支援) 7. 自己点検・評価を行う委員会には、外部委員を含めることが望ましい。(13.自己 点検・評価) 3)改善すべき点 1. ヒューマニズム教育・医療倫理教育およびコミュニケーション教育の学修成果を総合 して、それらの教育の目標達成度を評価する指標を設定し、それに基づいた適切な評 価を行う必要がある。(3.医療人教育の基本的内容) 2. 実務実習事前学習において、総合した事前実習全体としての目標達成度を評価するた めの指標は設定されておらず、指標を設定して適切に評価する必要がある。(5.実 務実習)3. 問題解決能力の醸成に向けた教育において、目標達成度を評価するための指標を設定 し、それに基づいて適切に評価することが必要である。(6.問題解決能力の醸成の ための教育) 4. 卒業研究の最終的な評価は指導教員だけで行っているので、評価の基準と客観性を保 証する仕組みを確立することが必要である。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 5. 点数と評価との対応が各科目の担当者の裁量に委ねられており、科目間で評価の公平 性が保証されていないことが懸念されるので、点数と評価との対応を明確に規定する ことが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 6. 演習、実習科目のシラバスに、合格基準を明記することが必要である。(8.成績評 価・進級・学士課程修了認定) 7. 複数の評価項目がある科目において、最終成績に対する個々の評価項目に適正な寄与 率を設定し、明示することが必要である。また、出席を評価項目に含める科目は授業 への参加が学習成果に直結するものに限定し、出席から学習成果を評価する指標を設 けることが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 8. 「総合薬学演習Ⅱ」については、追再試験に当たる4次試験の合格基準をあらかじめ 明示しておくことが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 9. 現状の「第三者評価委員会」は、名称、委員構成から外部機関による第三者評価への 対応を目的に組織されたものと判断され、学部の自己点検・評価組織として適切では ないので、この目的に合った名称と委員構成の組織を早急に構築することが必要であ る。(13.自己点検・評価) 10. 前項で提言した自己点検・評価体制を活用して、薬学部における教育研究の向上・発 展を目指す、恒常的な点検評価プログラム(教育研究の改善を目指すPDCAサイク ル)を稼働させることが必要である。(13.自己点検・評価)
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| 第1期 |
2016年度 |
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1:提言 改善報告審議結果 |
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| 神戸学院大学 | 私 | 兵庫県 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
神戸学院大学 総評神戸学院大学薬学部は、大学の建学の精神「真理愛好・個性尊重」のもと、教育研究上 の目的を設定している。 カリキュラムは、教育研究上の目的に基づいて策定したカリキュラム・ポリシー(教育 課程の編成・実施方針)を指針として、教養教育、ヒューマニズム・医療倫理教育、薬学 準備教育に対応する初年次の「共通教育科目」、「基礎教育科目」や「早期体験学習」に続 き、薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠した6つの専門科目群とその「演習実習」 科目、「総合薬学研究(卒業研究に相当)」を設定している。 実務実習モデル・コアカリキュラムの教育目標に関連した科目を3、4年次に、また、 実務実習事前学習を4年次に設定しているが、後述する問題点がある。実務実習について は、責任ある委員会組織の下、全教員が実習を指導する体制が整えられている。 問題解決能力の醸成のため、1年次「薬学への招待」、「演習実習ⅠA、ⅠB」、2年次「薬 学演習」に加え、卒業研究相当科目として「原著論文を読む」、「演習実習Ⅳ」、「総合薬学 研究Ⅰ、Ⅱ」を設定している。 入学者は、附属高校特別入試、指定校・公募制推薦入試、一般入試、大学センター試験 利用入試、学士編入試験などで選抜している。学生の成績評価・進級・学士課程修了認定 は、おおむね適正に実施されているが、後述する問題点がある。学生の支援については適 正に実施されており、留年生など成績不振者への学習指導の他、大学独自の奨学金制度な ど経済的支援も整えている。教員組織としては、十分な教育・研究上の実績を有する 53 名の専任教員が配置され、教員の研究環境および学生の学習環境も整えられている。しか し、事務職員体制は不十分である。近隣の病院や研究所、産業界との共同研究や、薬剤師 の生涯教育などで社会と連携している。自己点検・評価に関しては、全学的な自己点検評価委員会が設置され、2011 年には公益財団法人大学基準協会の認証評価に適合している。 また薬学部には自己点検評価小委員会が設置されている。 以上のように、神戸学院大学薬学部の薬学教育プログラムは、全体として本機構の評価 基準におおむね適合しているが、以下の重大な問題点について、適切に対応し、より優れ た薬学教育を展開されることを期待する。 (1)カリキュラム・ポリシーが、各学年で行う教育の一般的な概要を列挙したものとな っているので、「教育研究上の目的」および「学位授与の方針」(ディプロマ・ポリ シー)を反映したものに改善することが必要である。 (2)4年次および6年次で、共用試験、国家試験の対策講義に多くの時間が充てられ、 「薬学共用試験および薬剤師国家試験受験準備教育」に偏重した教育となっている ので、カリキュラムを見直すべきである。 (3)実務実習事前学習に相当する「病院・薬局に行く前に」のコマ数は、神戸学院大学 薬学部独自の教育目標を含めての 105 コマであるので、実務実習モデル・コアカリ キュラムで求められた教育目標に対する 122 コマを充足すべきである。 (4)卒業研究の一部である「原著論文を読む」を必須科目とするとともに、「演習実習Ⅳ」、 「総合薬学研究Ⅰ」、「総合薬学研究Ⅱ」などの卒業研究相当科目については、客観 的な成績評価の基準、評価尺度に基づく評価を行うなど、卒業研究として厳正な成 績評価を行うべきである。 (5)「薬学総合科目Ⅰ」は学外の国家試験予備校の講師が講義を担当し、成績評価に学外 の模擬試験を用いていることは不適切であるので改善する必要がある。 (6)「薬学総合科目Ⅱ」の成績が、薬学共用試験の結果を含めて判定されていることは不 適切であるので改善する必要がある。 (7)6年次の「薬学総合科目Ⅲ」を、講義実体のある科目に修正し、卒業試験として、 その講義内容の修得度を評価するための適正な試験を実施する必要がある。 (8)卒業留年生に対する卒業試験の内容、卒業判定基準について、前期卒業希望生と後 期卒業希望生の差異を解消するとともに、前年度の卒業認定での学力不足を担保す るための試験として適切なものに改めることが必要である。 (9)神戸学院大学薬学部の教育研究活動を総合的な観点から自己点検・評価し、その結 果を教育研究活動の改善に反映するための委員会組織を充実し、組織運営の改善を 図る必要がある。
大学への提言
神戸学院大学 大学への提言1)長所 1. 「海外の薬剤師に学ぶⅠ」は、実際に米国薬学研修を介して日本および米国の医療制 度の相違点を体験するものであり、有意義な科目と評価できる。(4.薬学専門教育の 内容) 2. 留年生などを対象として、再学修ノートのチェックと指導が行われる。(8.成績評価・ 進級・学士課程修了認定) 2)助言 1. 神戸学院大学学則第2条の7として設定されている「教育研究上の目的」と「本学6 年制薬学部教育に対する基本方針と教育・研究理念」の内容および文言を統一し、「教 育研究上の目的」を一本化することで、学生および社会からの理解が深まるように努めることが望まれる。(1.教育研究上の目的) 2. 学則をはじめとする大学必須の情報については、学生や社会に誤解を生まないよう、 常に更新することが望まれる。(1.教育研究上の目的) 3. 薬学部時間割(薬学部の独自科目に関する時間割)と共通教育時間割(共通教育に関 する時間割)を比べると、必修の薬学専門科目や演習と、教養科目の講義時間が重複 しており、教養科目の履修がかなり制限されているので、教養科目の履修時間を増や すことが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容) 4. 医療安全教育においては、「演習実習ⅠB」と「病院・薬局に行く前に」以外の科目 でも、薬害、医療事故の被害者やその家族、弁護士や医療における安全管理者など、 外部の講演者による授業を行うことが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容) 5. 薬学部、栄養学部、総合リハビリテーション学部の連携の下に行われている専門職連 携教育の受講者を増やす努力が求められる。(3.医療人教育の基本的内容) 6. 大学独自の内容を含む専門科目は、アドバンスト科目(授業の一部含む)として「海 外の薬剤師に学ぶⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ」、「バイオ医薬品とゲノム情報」、「保険調剤業務」 など8科目が開講されているが、特に「海外の薬剤師に学ぶⅡ、Ⅲ、Ⅳ」については 履修者が極端に少ないので、履修者が増えるようにシラバスや時間割を見直すことが 望ましい。(4.薬学専門教育の内容) 7. 「病院・薬局に行く前に」の成績評価について、技能の習得度や態度、演習実習の取 り組み、注意事項の順守を評価するための評価尺度は設定されておらず、適切な評価 は行われていない。また、技能や態度について、筆記試験での評価は不適切である。 したがって、技能や態度については、目標到達度を評価するための基準や評価尺度な どを用いた評価を実施することが望まれる。(5.実務実習) 8. 「演習実習ⅡA、ⅡB」、「演習実習ⅢA、ⅢB」の成績評価基準方法・基準について、 シラバスと実習テキストで、その内容が異なっているので、統一することが望まれる。 (6.問題解決能力の醸成のための教育) 9. 卒業研究の実体となる「総合薬学研究Ⅰ」、「総合薬学研究Ⅱ」については、現状のシ ラバス、時間割などからは、十分な学習成果を上げることは難しいと言わざるを得な いので、卒業研究相当科目の実施時間、実施状況を適切に反映したシラバスおよび時 間割を作成することが求められる。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 10.アドミッション・ポリシーは一度作成したら頻繁に見直すものではないと述べられて いるが、アドミッション・ポリシーは機会あるごとに検証することが望ましい。(7.学生の受入) 11.プレイスメント・テストの結果を用いて、入学者選抜の適切性を検証することが望ま れる。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 12.教員一人当たりの学生数は 29.2 名であり、教員の増員が望まれる。(10.教員組織・ 職員組織) 13.担当授業時間数は、できるだけ均等にすることが望まれる。(10.教員組織・職員 組織) 14.大学として薬学教育の実施に十分な薬学部事務組織を構築することが望まれる。(1 0.教員組織・職員組織) 15.大学全体の英語及び中国語のホームページを開設しているが、薬学部のオリジナルサ イトに対応する英文ホームページは見当たらず、薬学部の活動を広く発信していると は言い難い。薬学部の活動全般を発信する英文ホームページの開設が望まれる。(1 2.社会との連携) 16.自己点検・評価を行う委員会には、外部委員を含めることが望ましい。(13.自己 点検・評価) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーが、各学年で行う教育の一般的な概要を列挙したものとなっ ているので、「教育研究上の目的」及び「学位授与の方針」を反映したものに改善する ことが必要である。(2.カリキュラム編成) 2. 4年次「薬学総合科目Ⅰ」、「薬学総合科目Ⅱ」、6年次「薬学総合科目Ⅲ」および薬学 複合科目群で共用試験、国家試験の対策講義に多くの時間が充てられているので、「薬 学共用試験及び薬剤師国家試験受験準備教育」に偏重した教育とならないよう、カリ キュラムを見直すべきである。(2.カリキュラム編成) 3. 「薬学総合科目Ⅰ」の講義を学外の国家試験予備校の講師が担当していることは不適 切なので、改善が必要である。(2.カリキュラム編成) 4. 2年次の「薬学演習」、3年次「信頼関係の構築・調剤の基礎」など、同一科目で担当 教員が異なる場合、教員間で「授業の目的」、「到達目標」、「成績評価方法・基準」を 統一すべきである。特に2年次の「薬学演習」については、「授業の目的」を見直し、 その目的に応じた「成績評価方法・基準」を設定し、成績評価を適切に実施する必要 がある。(3.医療人教育の基本的内容)5. 「ヒューマニズム教育・医療倫理教育」、「コミュニケーション能力および自己表現能 力を身につけるための教育」では、各科目の到達度を評価するための指標を設定し、 それに基づいて、成績評価を適切に実施する必要がある。(3.医療人教育の基本的内 容) 6. 「ヒューマニズム教育・医療倫理教育」、「コミュニケーション能力および自己表現能 力を身につけるための教育」について、それぞれの科目を総合した目標達成度を評価 するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価する必要がある。(3.医療人教 育の基本的内容) 7. 「薬学への招待」、「薬用植物と生薬」、「栄養と健康」、「化学物質の生体への影響」な ど、学習領域として技能を修得させることが到達目標とされている科目については、 実際に技能を習得することを目的に含めた上で学習方略を設定し、成績評価を実施す べきである。(4.薬学専門教育の内容) 8. 実務実習事前学習に相当する「病院・薬局に行く前に」は、実務実習モデル・コアカ リキュラムで求められた教育目標に対する122コマを充足するように改善すべきであ る。(5.実務実習) 9. 実務実習事前学習全体に関して、目標達成度を評価するための指標を設定し、それに 基づいて適切に評価する必要がある。(5.実務実習) 10.卒業研究の一部である「原著論文を読む」は、実態に合わせて必修科目に変更すべき である。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 11.「原著論文を読む」、「演習実習Ⅳ」の授業時間を時間割に明示するとともに、これら の科目の成績評価の基準を設定し、卒業研究の一環として厳正な成績評価を行うよう 改善すべきである。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 12.卒業研究相当科目の成績評価が厳正なものとなるよう、客観的な評価の基準と尺度に 基づく評価方法に改善すべきである。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 13.問題解決能力の醸成に向けた教育において、総合的な問題解決能力の目標達成度を評 価するための指標を設定し、それに基づく評価を実施することが必要である。(6.問 題解決能力の醸成のための教育) 14.恒常的に留年者、休学者、退学者が非常に多い(特に1年次)。休学者と退学者、およ び留年者の人数の合計が入学定員の2割を超えている事実は、入学試験の形態にかか わらず、入学者の目標や学力と、大学が入学者に求めている学習や学力に乖離がある 可能性を示唆しており、入試制度の改善が必要である。(7.学生の受入)15.「薬学総合科目Ⅰ」の成績評価に国家試験予備校による模擬試験を用いることは極め て不適切である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 16.「薬学総合科目Ⅱ」については、シラバスに「成績は薬学共用試験OSCEの本試験 および再試験の成績を含めて総合的評価とする」示されており、その成績評価に「薬 学共用試験」の結果を利用していることは大学としての公正かつ厳格な成績評価およ び単位認定という観点から著しく不適切であるので、早急に改善する必要がある。(8. 成績評価・進級・学士課程修了認定) 17.大学の学則上で定められていない「追加試験」により、成績評価を行うなど不適切な 成績判定を改める必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 18.「薬学総合科目Ⅲ」を、講義実体のある科目に修正し、卒業試験として、その講義内 容の修得度を評価するための適正な試験を実施する必要がある。(8.成績評価・進級・ 学士課程修了認定) 19.卒業試験合格基準に示されている、「教授会が認めた者」とあるが、公平、厳格な学士 課程の修了判定が行えるように改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程 修了認定) 20.卒業留年生に対する卒業試験の内容、卒業判定基準について、前期卒業希望生と後期 卒業希望生の差異を解消するとともに、前年度の卒業認定での学力不足を担保するた めの試験として適切なものに改めることが必要である。(8.成績評価・進級・学士課 程修了認定) 21.実務家教員は、教授はみなし教員1名のみであり、他は専任教員の講師が6名である ので、薬剤師養成教育の充実という観点から、職位のバランスを考慮した是正が必要 である。(10.教員組織・職員組織) 22.教員の教育・研究業績については、大学ホームページや印刷物などで毎年公表する必 要がある。(10.教員組織・職員組織) 23.神戸学院大学薬学部の教育研究活動を総合的な観点から自己点検・評価し、その結果 を教育研究活動の改善に反映するための委員会組織を充実し、組織運営の改善を図る 必要がある。(13.自己点検・評価)
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| 第1期 |
2016年度 |
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1:提言 改善報告審議結果 |
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| 神戸薬科大学 | 私 | 兵庫県 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
神戸薬科大学 総評神戸薬科大学薬学部薬学科は、大学の理念に基づいた教育研究上の目的を「教育基本法 及び学校教育法の規定するところに従い、高い教養と専門的能力を培うことによって、医 療人としての使命感と倫理観を十分に理解し、高度な薬学の知識を身につけた薬剤師並び に教育・研究者を育成すること、さらに医療と薬事衛生の向上に貢献することを目的とす る。」と学則第1条に規定している。その上で、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)、 教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)、入学者受入方針(アドミッショ ン・ポリシー)を大学の理念や教育研究上の目的に基づいて設定し、薬剤師養成教育に課 せられた基本的な使命を踏まえた6年制薬学教育を実践している。 自己点検時に実施されていた3つのカリキュラムは、責任ある体制で設定された同一の カリキュラム・ポリシーに基づいて、基礎教育科目、教養教育科目および専門教育科目で 構成されている。薬学専門教育は、いずれも薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠し ている。 基礎教育科目には、薬学専門教育の実施に向けた準備教育としての化学、生物、物理、 数学の内容が設定され、一部の授業は能力別クラスで行われている。また、補講によるリ メディアル教育も行われている。教養教育科目には多様な選択科目が設定されており、8 単位以上の修得が2年次から3年次への進級要件となっている。また、必修の教養教育科 目である2年次の「総合文化演習」は 13 コースから1コースを選択する特徴的な科目であ る。語学教育においては、特に英語教育に力を入れており、少人数クラスで一般英語から 専門英語へと段階的に学習できる体系となっている。さらに、アメリカでの「海外薬学研 修」も4、5年次の選択の専門教育科目として単位化(1単位)されている。選択の専門 教育科目である1年次の「初期体験臨床実習」と5年次の「IPW演習」(IPW: Interprofessional Work)は神戸大学医学部との連携科目であり、チーム医療における多 職種間医療人協働の重要性を学ぶ特徴的な教育プログラムとなっている。実験実習は全領 域に渡って必修科目として十分に行われており、問題解決能力の醸成に係る教育は卒業研究も含めて単位上は十分に設定されている。国家試験の受験準備教育に相当する「薬学演 習」を履修している学生は6年次の卒業研究時間が少なくなっているが、全体としては薬 学共用試験や薬剤師国家試験の合格のみを目指した教育に過度に偏ったカリキュラムには なっていない。 実務実習に向けた事前学習のための設備は良く整備されており、実務実習は、薬学臨床 教育センターおよび実務実習運営委員が中心となって、主に近畿地区調整機構との連携に より適正に行われている。他地区の調整機構を介したふるさと実習も認めている。 学生の受入はアドミッション・ポリシーに基づいた入学試験により厳正に行われている。 入学後は、薬学基礎教育センターおよび学生支援センターによる履修指導・学習支援、多 様な学内奨学金制度、学生の健康維持に関する様々な取り組みにより、きめ細やかな修学 支援が行なわれている。キャンパス内の学習環境には現状でも大きな問題はないが、古い 建物の改築などのキャンパス整備が順次進行中である。 教員の採用および昇進は内規と選考基準に基づいて厳正に行われており、十分な教育・ 研究能力を有する専任教員が配置され、他大学等との共同研究も熱心に行われている。ま た、必要に応じて学外の様々な人的資源も活用している。 薬剤師認定制度認証機構から「生涯研修プロバイダー」の認証を受け、活発な卒後研修を 実施しており、学内に設立されたエクステンションセンターが主催する研修講座を学生も 無料で受講できるようにしている。 以上のように、神戸薬科大学薬学部薬学科の教育プログラムは、本機構の評価基準に おおむね適合しているが、特に以下のような問題点について、さらなる改善が必要である。 (1)6年次必修科目の「薬学演習」および卒業延期生の卒業認定に関わる正規教育に予 備校の講師が大きく関与している。 (2)一部の学生については、受験準備教育に相当する「薬学演習」との組合せにより6 年次の卒業研究の時間数が少なくなっている。 (3)シラバスにおいて、「学習方略(授業方法)」および「大学独自の薬学専門教育」が 明示されていない。 (4)卒業研究の評価のための統一的な指標が具体的に設定されていない。 (5)教育研究プログラムの恒常的な自己点検・評価と、それに基づく改善が不十分であ る。 神戸薬科大学薬学部薬学科には、今回の評価における提言を踏まえ、薬科単科大学とし ての特色を活かした薬学教育の推進を通してさらに発展することを期待する。
大学への提言
神戸薬科大学 大学への提言1)長所 1. アメリカでの「海外薬学研修」が4年次と5年次に共通の選択科目として単位化(1 単位)されていることは、大学独自の専門教育として優れた取り組みである。(4.薬 学専門教育の内容) 2. 薬学基礎教育センターおよび学生支援センターによる履修指導・学習支援、多様な学 内奨学金制度、学生の健康維持に関する様々な取り組みにより、学生に対するきめ細 やかな修学支援が行なわれている。(9.学生の支援)2)助言 1. 「教育研究上の目的」について、学則内の記載に加えて独立した形式で、シラバス、 学生の手引き、キャンパスガイド、ホームページなどに明示し、教職員や社会へ適切 に周知・公表することが望ましい。(1.教育研究上の目的) 2. 「教育目標」に、医療人としての活動に必要なコミュニケーション能力の修得を設定 することが望ましい。(1.教育研究上の目的) 3. 「教育研究上の目的」を検証する体制を確立し、定期的に検証することが望ましい。 (1.教育研究上の目的) 4. 平成27年度のシラバスには、カリキュラム3の「薬学教育モデル・コアカリキュラム 関連図」のみが掲載されている。カリキュラム・マップも掲載することが望ましい。 (2.カリキュラム編成) 5. カリキュラム1と2のカリキュラム・マップも作成することが望ましい。(2.カリ キュラム編成) 6. ディプロマ・ポリシーの改訂に伴うカリキュラム・ポリシーの改訂を早急に行うこと が望まれる。(2.カリキュラム編成) 7. 実務実習全体の総合的な学習成果を評価するための指標を設定し、それに基づいて適 切に評価することが望ましい。(5.実務実習) 8. 問題解決能力の醸成に関する科目の体系性を点検・検討することが望ましい。(6.問 題解決能力の醸成のための教育) 9. 指定校制推薦入学試験以外の入学試験において、面接等で医療人としての適性を評価 する工夫が望まれる。(7.学生の受入) 10. 指定校制推薦入学試験において、基礎学力を適確に評価することが望まれる。(7.学 生の受入) 11. レポートや課題、受講態度等の評価基準をシラバスに可能な限り示すことが望まれ る。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 12. 古い建物についてもバリアフリー化が望まれる。(9.学生の支援) 13. 実験実習における指導者一人当たりの学生数は25~30名であり、実習の安全性の観点 から指導者の増員が望まれる。(9.学生の支援) 14. 専任教員一名あたりの学生数について、さらなる改善が望まれる。(10.教員組織・ 職員組織) 15. 授業評価アンケートを毎年行うとともに、回収率を高める工夫が望まれる。(10.教員組織・職員組織) 16. 実務経験を有する教員の定期的な臨床研修を十分に実施するための環境整備が望まれ る。(10.教員組織・職員組織) 17. 専任教員の構成について、准教授と講師の人数バランスの改善が望まれる。(10.教 員組織・職員組織) 18. 各研究室に3学年の学生が配属されて学生の研究スペースが狭いことが問題となって いるので、改善が望まれる。(11.学習環境) 19. 教員の1年以上の海外研修が可能となるような環境整備が望まれる。(12.社会との 連携) 20. 医療界や産業界と連携した活動の推進が望まれる。(12.社会との連携) 3)改善すべき点 1. 単位が付与された正規科目である「薬学演習」の授業のすべてを予備校講師が担当す ることは極めて不適切であり、改善する必要がある。(2.カリキュラム編成) 2. 早期臨床体験において、地域の保健・福祉を見聞する体験学習を実施する必要がある。 (3.医療人教育の基本的内容) 3. ヒューマニズム教育・医療倫理教育、コミュニケーション能力および自己表現能力を 身につける教育において、目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づい て適切に評価する必要がある。(3.医療人教育の基本的内容) 4. 学習方略をすべての科目のシラバスに記載する必要がある。(4.薬学専門教育の内容) 5. 大学独自の薬学専門教育の内容を周知させるために、それをシラバスで容易に確認で きるように工夫する必要がある。(4.薬学専門教育の内容) 6. 実務実習事前学習全体としての目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基 づいて学習成果を適切に評価する必要がある。(5.実務実習) 7. 一部の学生については、受験準備教育に相当する「薬学演習」との組合せにより6年 次の卒業研究の時間数が少なくなっているので、改善する必要がある。(6.問題解 決能力の醸成のための教育) 8. 卒業研究の評価のための統一的な指標を具体的に設定し、それに基づいて評価する必 要がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 9. 問題解決能力の醸成において、目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基 づいて適切に評価する必要がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育)10. 卒業延期生の卒業認定に関わる科目(「総合薬学講座」)のかなりの部分を予備校に依 頼していることは不適切であり、改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課 程修了認定) 11. 教育研究プログラムの恒常的な自己点検・評価と、それに基づく改善が不十分である ので改善する必要がある。(13.自己点検・評価)
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| 第1期 |
2016年度 |
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1:提言 改善報告審議結果 |
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| 静岡県立大学 | 公 | 静岡県 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
静岡県立大学 総評静岡県立大学薬学部は、6年制の薬学科と4年制の薬科学科の2学科を設置し、一括入 試後、3年次後期に分科が行われる。薬学部の教育研究上の目的は、「医療の進歩に対応で きる専門的な知識・技術を有し、高い資質を身に付けた薬剤師を養成し、および医薬品に 関連する基礎知識・技術を習得し、創薬・育薬を総合的に理解できる人材を養成する」と 規定され、この目的に基づき、入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)、教育課程の 編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー) が設定されている。 薬学科における基本教育として、多彩な「教養科目」や、静岡特有の歴史・文化、防災 医療システムや地域産業を取り扱う「しずおか学」が設定されている。また、薬学部の語 学教育のために専任講師が雇用されているなど、社会のグローバル化に対応した英語教育 が充実している。さらに、「静岡救命連携演習」は東海地震等での緊急対応に向けた大学独 自のプログラムであり、チーム医療に貢献する取り組みとしても優れている。相手の話を 傾聴し、共感するなど、コミュニケーションの基本的能力を身につけるための教育も行わ れている。薬学専門教育も薬学教育モデル・コアカリキュラムの教育目標に準拠して実施 されている。カリキュラム編成は国家試験や共用試験対策に過度に偏重することなく、4 年次からの研究室での卒業研究「総合薬学研究」も期間が十分確保されている。問題解決 能力醸成に向けた科目については、「総合薬学研究」と併せて合計単位数が卒業要件単位数 の1/10 以上となっている。実務実習事前学習は実務実習モデル・コアカリキュラムに準拠して4年生後期を中心に 実施されている。実務実習も適切に実施されており、Ⅰ期とⅡ期で行われているため、事 前学習からの連続性も保たれている。 入学者の選抜は、一般入試、推薦入試、帰国子女ならびに私費留学生入試により行われ、 基礎学力が的確に評価されている。修学状況は良好であり、入学時に薬学教育を受けるの に必要な基礎学力がある学生を入学させていると言える。さらに、推薦入試においては面 接で薬学を志す者としての資質を評価するなど、医療人としての適性を評価している。定 員数からの大きな乖離はない。 進級判定の審議は、薬学部履修細則に基づいて、公正かつ厳格に行われており、卒業要 件も適切に設定されている。 アドバイザー(担任)制度が設定され、学生の履修指導が行われている。学生の経済的 支援や健康維持に関する体制は整備され、ハラスメント対策も充実していると言える。キ ャリア支援体制や学生の意見を収集し反映するための体制もおおむね整っている。実習等 での安全への配慮としては、「安全実験マニュアル」が配付され、安全教育が行われている。 防災マニュアルは学生および教職員に周知され、地震および火災避難訓練が毎年実施され ている。身体に障がいのある者に対しては、学修・生活上の支援のために学生部学生室に 学生相談窓口を設け、意見を聞く体制をとっており、施設・設備上の支援が行われている。 専任教員は各専門分野において、研究・教育に優れた実績を有するものが配置されてお り、教員数も大学設置基準を十分満たしている。実務家教員も 10 名配置され基準を大幅に 上回っている。また、教員1名当たりの学生数は、約 8.7 名となっており、きめ細かく指 導ができる適切な教員数となっている。研究環境や学習環境にも大きな問題はない。 社会との連携として、実務実習の指導拠点ともなっている、静岡県立総合病院内に開設 した薬学教育・研究センターとの病院臨床共同研究や、創薬探索センターによる産業界と の連携、同窓会組織との連携による卒後教育講座などが実施されている。 以上のように、静岡県立大学薬学部薬学科の薬学教育プログラムは、本機構の評価基準 におおむね適合していると判断される。しかしながら、主な改善すべき点として、以下が 挙げられる。 (1)6年制薬学科の「教育研究上の目的」を、4年制薬科学科のものと区別して学則等に 明記し、広く公表する必要がある。 (2)シラバスには、授業方略が記載されていない科目や、評価方法・基準が不適切なもの が散見されるため、改善する必要がある。(3)薬科学科と区別した薬学科のディプロマ・ポリシーが定められていないので、改善す る必要がある。 (4)成績評価の公正化や厳格化を図るために、成績評価の基準・方法に関して、統一した 学部内での内規あるいは申し合わせを明文化する必要がある。また、各科目の成績評 価方法・基準をシラバスに明確に記載する必要がある。 (5)「実務事前実習」のシラバスには、共用試験OSCEの結果を単位認定に用いるとの 記載があり、改善すべきである。 (6)6年制薬学教育プログラムを自己点検・評価するために、薬学部内に定期的に検証す る組織や規程を早急に整備して、内部質保証を図る必要がある。 以上の重要な問題点に加えて、その他の指摘についても適切に対応することで、より優 れた薬学教育が展開されることを期待する。
大学への提言
静岡県立大学 大学への提言1)長所 1. 教養科目としての「しずおか学」および医療人養成教育としての「静岡救命連携演習」 は、大学が掲げている、「病院・薬局などの医療現場で活躍し多職種連携に貢献できる 人材だけでなく、県民や国民の安心・安全のために薬務行政・保健衛生に従事する人 材や企業等において研究開発に携わる人材を育成」にも合致しており、特色ある優れ たプログラムとして評価できる。(3.医療人教育の基本的内容) 2)助言 1. 「教育研究上の目的」は、学生だけでなく、教職員にも周知徹底することが望ましい。 (1.教育研究上の目的) 2. 「教育研究上の目的」を点検・評価して、取りまとめる組織体制を整備し、定期的に 検証することが望まれる。(1.教育研究上の目的) 3. 6年制薬学科のカリキュラム・ポリシーに「教育研究上の目的」に相当するものが含 まれており、両者を区別して記載することが望まれる。(2.カリキュラム編成) 4. 薬学教育カリキュラムのどの科目が、ディプロマ・ポリシーのどの項目に対応してい るのか明記されたカリキュラム・マップにすることが望まれる。 (2.カリキュラム 編成) 5. カリキュラム・ポリシーを責任ある組織体制で、定期的に点検・評価し、検証するこ とが望まれる。(2.カリキュラム編成) 6. 医療人教育を、全学年を通して体系的に行うことが望ましい。(3.医療人教育の基 本的内容) 7. 薬害、医療過誤、医療事故等の被害者やその家族、弁護士、医療における安全管理者 を講師とする科目を開講することが望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 8. 医療人教育に関する科目のシラバスに、学習方法を明記することが望ましい。(3. 医療人教育の基本的内容) 9. 模擬患者、模擬医師として、外部協力者やSPが実務実習事前学習の指導体制に加わ ることが望ましい。(5.実務実習)10. 問題解決能力の醸成のための教育に関し、卒業研究以外の科目においてもそれぞれの 目標到達度を評価する指標の設定とそれに基づく適切な評価を行うことが望まれる。 (6.問題解決能力の醸成のための教育) 11. 遺伝子組み換え実験、放射性物質取り扱い実験に関する災害対策マニュアルを作成す ることが望ましい。(9.学生の支援) 12. 3年次後期の分科において、振り分けがスムーズに行われているのか、学生の満足度 を調査・検証することが望ましい。(9.学生の支援) 13. 事務職員が大学共通部署に配属されており、薬学部専任の事務職員が3名と少なく、 増員することが望ましい。(10.教員組織・職員組織) 14. 実務家教員の授業時間は演習・実習を中心に週25時間以上であり、負担を軽減すること が望ましい。(10.教員組織・職員組織) 15. 薬学部専用で利用できる情報処理室のパソコンの台数が44台と限られており、CBT 試験が薬学部棟内で実施できるように、パソコン台数を増やすことが望まれる。(1 1.学習環境) 16. 老朽化した共同機器の更新を検討することが望まれる。(11.学習環境) 17. 講義によっては学生一人当たりのスペースが十分でない場合もあり、ゆとりのある講 義室の確保が望ましい。(11.学習環境) 18. 自己点検・評価を行う委員会の構築にあたっては、外部委員を含めることが望ましい。 (13.自己点検・評価) 3)改善すべき点 1. 6年制薬学科の「教育研究上の目的」を、4年制薬科学科のものと区別して学則等に 明記し、広く公表する必要がある。(1.教育研究上の目的) 2. ヒューマニズム教育・医療倫理教育およびコミュニケーション教育の関連科目の学習 成果を総合した目標達成度評価の指標を定めて、それに基づいて適切に評価する必要 がある。(3.医療人教育の基本的内容) 3. シラバスの記載について、以下のような点を改善すべきである。(4.薬学専門教育 の内容) ① 授業方略が記載されていない科目や、評価方法・基準(試験、レポート等 の寄与率の不記載。「出席点」の記載。「再試験」の実施の有無の不記載。) が不適切なものが散見される。② 複数の科目において同じ到達目標(SBOs)が挙げられているものがあ る。到達目標(SBOs)は、薬学専門教育の各ユニットの一般目標(G IO)に関連性の高い科目にしぼって記載する必要がある。 ③ 専門科目単位の30%程度を大学独自科目として開講し、それらの内容の独 自性をシラバス等に明記する必要がある。 4. 実務実習事前学習の成果全体についての目標達成度を評価するための指標が設定され ておらず、それに基づく評価も行われていないため、評価方法については改善が必要 である。 (5.実務実習) 5. 「総合薬学研究」において学部共通の適切な評価法や評価基準を定めて評価する必要 がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 6. 問題解決能力の醸成のための教育の目標達成度を総合的に評価する指標の設定と適切 な評価を行う必要がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 7. 薬科学科と区別した薬学科のディプロマ・ポリシーが定められていないのは改善する 必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 8. 成績評価の公正化や厳格化を図るために、成績評価の基準・方法に関して、統一した 学部内での内規あるいは申し合わせを明文化する必要がある。また、各科目の成績評 価方法・基準はシラバスに明確に記載することが必要である。(8.成績評価・進級・ 学士課程修了認定) 9. 「実務事前実習」のシラバスの成績評価方法に「④客観的臨床能力評価試験(OSC E)での最終評価」と記載されているが、共用試験OSCEの結果を「実務事前実習」 の単位認定に用いていることになり、改善すべきである。(8.成績評価・進級・学 士課程修了認定) 10. 6年制薬学教育プログラムを自己点検・評価するために、薬学部内に定期的に検証す る組織や規程を早急に整備して、内部質保証を図る必要がある。(13.自己点検・ 評価) 11. 自己点検・評価・改善などのPDCAサイクルを機能的に回していく必要がある。(1 3.自己点検・評価)
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| 第1期 |
2016年度 |
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1:提言 改善報告審議結果 |
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| 新潟薬科大学 | 私 | 新潟県 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
新潟薬科大学 総評新潟薬科大学薬学部では、大学の理念「生命の尊厳に基づき、薬学及び生命科学両分野 を連携させた教育と研究を通して、人々の健康の増進、環境の保全、国際交流や地域社会 の発展に貢献する高い専門性と豊かな人間性を有する有為な人材の育成とともに、社会の 進歩と文化の高揚に有益な研究成果の創出を理念とする」に基づき、教育研究上の目的を 「国民に信頼され、医療に貢献できる高度な薬学を修め、医療人たる崇高な倫理観と豊か な人間性をもち、地域における人々の健康増進や公衆衛生の向上に貢献するとともに医療 の進展に資する研究心を有する薬剤師を育成する」としている。この目的のもと、学位授 与方針(ディプロマ・ポリシー)、教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー) および入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)を「改訂薬学教育モデル・コアカリ キュラム」(以下、改訂コアカリ)および「薬剤師として求められる基本的な資質」に照ら して制定している。 これらを踏まえ、薬学科の教育課程は、教養教育、語学教育、薬学専門教育、実習およ び演習、卒業研究から構成されている。特に新潟の地域性、地域医療を意識したボランテ ィア活動や住民を対象とした調査などを通して、実践的に地域医療教育やコミュニケーシ ョン教育に取り組んでいることは評価できる。教養教育は、自然科学系、体育、人文社会 系などに区分され設定されている。語学教育は、新潟の地域を意識し、近隣諸国の語学を 修得できる機会を提供している点は評価できる。また、学生がWeb上から利用できるテ ィーチング・ポートフォリオ、自己学習支援システムとして各科目の授業資料や理解度の 形成的評価が確認できるラーニング・ポートフォリオとして、Cyber-NUPALSを独自 に開発・運用しており、利便性のある有効なシステムとして評価できる。 医療人の基本としてのヒューマニズムやコミュニケーション教育については、1年次に 学んだ結果が、4年次の「事前学習」および「実務実習」において実践されている。 学習環境については、講義・演習室、図書室、実務実習事前学習施設・設備、研究用の 施設・設備などが整備されており、適切である。学生への教育支援については、各学年の最初に新年度ガイダンスを実施し、適切な履修指導が行われている。学生への経済支援と しては、授業料の減免、各種奨学金等の経済的支援などを行っており、情報提供の窓口も 事務部学生支援課で集中的に行い、ホームページや便覧にも掲載しており、十分に機能し ている。健康管理、メンタルヘルス、ハラスメント防止、障がい学生支援、バリアフリー 対策、キャリアサポートなどの支援も十分に行われている。学生の意見を教育や学生生活 に反映させるための体制も整えられており、学習環境の改善に活かされている。 しかし、主な改善すべき点として以下があげられる。 (1)6年次のカリキュラム編成が国家試験準備教育のために過密となり、卒業研究や大 学独自科目の履修が圧迫されているので、改善すべきである。 (2)入学後の学力補完教育にもかかわらず、毎年1年次の退学者と留年者が合計20~30 名である現状は、補完教育によっても薬学を学ぶために必要な基礎学力に到達させる ことができない学生を入学させている可能性が高く、入試制度の改善が必要である。 (3)国家試験対策科目と見なされる「薬学総括演習Ⅱ(6年次通年 必修:11単位)」が 未修得であるために平成27年度は在籍者の約30%が6年次留年となる現状を改善する ことが必要である。 (4)教員の教育研究の能力の向上を図るためにFD(Faculty Development)活動の活性 化を図る必要がある。 (5)薬学部が主管する6年制薬学教育プログラムに対する自己点検・評価を行うための 項目を設定し、評価を継続的に実施することが必要である。 新潟薬科大学薬学部は、地域に密着した教育研究体制を構築し、教育・研究への真摯な 姿勢と活動が認められ、薬剤師教育の発展の一翼を担うものとして期待できる。 今後は、今回の評価における「改善すべき点」として指摘した諸問題を全教員で共有し、 改善に取り組むことによって、「命を守るプロフェッショナル」としての薬剤師を輩出する 教育に対し、さらなる発展を目指して邁進されることを期待する。
大学への提言
新潟薬科大学 大学への提言1)長所 1. 教育研究上の目的にある「地域における人々の健康増進や公衆衛生の向上に貢献する」 に基づき、様々なボランティア活動を必修として実践的に地域医療教育やコミュニケ ーション教育に取り組んでいる。(3.医療人教育の基本的内容) 2. 学生がWeb上から利用できるティーチング・ポートフォリオ、自己学習支援システ ムとして各科目の授業資料や理解度の形成的評価が確認できるラーニング・ポートフ ォリオなど、Cyber-NUPALSを独自に開発・運用しており、これらは有用なシス テムとして評価できる。(4.薬学専門教育の内容) 3. 卒業研究の評価に学部共通のルーブリック評価を用いた評価基準が明確に示され、公 正かつ厳格に評価が行われている。(6.問題解決能力の醸成のための教育)2)助言 1. 学生便覧やホームページ上に薬学部の教育研究上の目的が記載されているが、表記に ばらつきが見られるので、統一することが望まれる。(1.教育研究上の目的) 2. 医療安全教育において、患者や薬害被害者だけでなく、現場の医師、薬剤師、弁護士 などの人的資源の採用が望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 3. 「メディカル・スタッフと共に学ぶ」は医療における多職種連携を学ぶために必要な ので、履修者を増やす努力が望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 4. 旧カリキュラムにおいて、コミュニケーションの基本的能力を身に付けるための科目 の学習方略・評価に問題があるので、改善が望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 5. 実務実習の総合的な学習成果を適切な指標に基づいて評価することが望ましい。(5. 実務実習) 6. 医療人としての資質の評価項目としては、病院のみの聴取となっているので、薬局も 同様に聴取できるように統一することが望ましい。(5.実務実習) 7. 学生実習や卒業研究等の担当教員・指導教員の数が十分ではないため、教員等を増や す等の補填を検討することが望ましい。(9.学生の支援) 8. 学生の事務手続きの利便性を図るために、事務窓口の受付時間を延長するなどの配慮 が望まれる。(9.学生の支援) 9. 学生数1,080名に対する助教以上の教員は40名、助手を含め50名なので、専任教員1名 当たりの学生数は、助教以上で27名、助手を含めた場合でも21.6名となり、教員数が 十分な数ではないので、増員が望まれる。(10.教員組織・職員組織) 10. 「実務実習」が教員担当の授業科目として認識されていないので是正が望まれる。(1 0.教員組織・職員組織) 11. 学生による授業評価アンケートの回収率を上昇させる工夫が望まれる。(10.教員組 織・職員組織) 12. 静寂が保たれる学生自習室および少人数グループ用の自習室の充実が望まれる。(1 1.学習環境) 13. 国際交流活動に参加を希望する学生数は減少傾向であるので活性化することが望まれ る。(12.社会との連携) 14. 若い教員の海外研修や留学の推進を図ることが望まれる。(12.社会との連携) 15. 現在公開しているホームページは一部を除き全て日本語表記のみなので、英文による 情報発信が望まれる。(12.社会との連携)16. 6年制薬学教育の恒常的な自己点検・評価を行う委員会を組織する際には、外部委員 を含めることが望ましい。(13.自己点検・評価) 3)改善すべき点 1. 6年次のカリキュラム編成が国家試験準備教育のために過密となり、卒業研究や大 学独自の科目の履修が圧迫されているので、改善すべきである。(2.カリキュラム 編成) 2. ヒューマニズム教育・医療倫理教育およびコミュニケーション能力・自己表現能力を 身に付けるための教育について、それぞれの各科目を総合した目標達成度を評価す るための指標を設定し、それに基づいて適切に評価する必要がある。(3.医療人教 育の基本的内容) 3. 問題解決能力醸成に関する科目を総合して、目標達成度を評価するため、指標を設定 し、それに基づいて適切に評価することが必要である。(6.問題解決能力の醸成の ための教育) 4. 5年次の実務実習や6年次のスケジュール表からみても「卒業研究Ⅱ」に十分な時 間が確保されているとは言えず、改善すべきである。(6.問題解決能力の醸成の ための教育) 5. 入学後の学力補完教育にもかかわらず、毎年1年次の退学者と留年者が合計20~30 名であるという現状は、補完教育を充分に行っても、薬学を学ぶために必要な基礎 学力まで到達させることができない学生を入学させている可能性が高く、入試制度 の改善が必要である。(7.学生の受入) 6. 平成27年度の卒業判定において、国家試験対策科目である「薬学総括演習Ⅱ(6年次 通年 必修:11単位)」が未修得であるために在籍者の29.5%が6年次留年となる現状 を改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 7. 6年次留年生の単位認定にかかる通年科目の「薬学総括演習Ⅱ」(11単位)の履修に おいて、一部で教員以外の者が授業を担当していることは問題であり、改善が必要で ある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 8. 定期試験と再々試験の問題が全く同じである科目が確認された。当該成績評価の方 法・基準に従って成績評価を公正かつ厳格に行うことの重要性を教員に徹底する必 要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 9. 教員の教育研究能力の向上を図るためにFD活動の活性化を図る必要がある。(10.教員組織・職員組織) 10. 5年間の教育・研究実績として著書・論文の数が少ない、あるいは全く無い教員も認 められ、教育目標を達成するための基礎となる研究活動を全教員が行うよう改善す ることが必要である。(10.教員組織・職員組織) 11. 薬学部が主管する6年制薬学教育プログラムに対する自己点検・評価を行うための 項目を設定し、継続的に実施することが必要である。(13.自己点検・評価)
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1:提言 改善報告審議結果 |
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| 姫路獨協大学 | 私 | 兵庫県 | 第1期 | 2016年度 | 継 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
姫路獨協大学 総評姫路獨協大学薬学部医療薬学科は「人間性豊かな幅広い教養、問題発見・解決の能力及び論理的思考力、医療事故及び薬害を防ぐ安全管理能力、並びに先端医療科学に対応できる能力を修得し、医療機関、企業及び公共機関等において活躍できる豊かなコミュニケーション能力を備え、生涯にわたり学び続ける意思及び能力を身につけた幅広い視野を持つ高い資質の薬剤師を養成すること」を教育上の目的として掲げ、教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)、入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)を制定し、6年制薬学教育を行っている。
初年次教育として、「入学前教育の充実」、「入学時点の学力判定及び担任教員による学習指導」などを準備する、「数学」など基礎科目の入学後学力判定試験を実施しその結果を学習指導へ活用するなど、多様な入学生への対応に努めている。また、専門教育においては、アドバンスト教育として4年次の「医療遺伝学」、6年次の「再生医学」、「新薬論」が選択科目として設定されている。実務実習事前学習は適切な指導者のもとで実施され、「リスクマネージメント」、「フィジカルアセスメント」、「処方解析」などの実践的教育も実施されている。薬学共用試験(CBT:Computer Based TestingおよびOSCE:Objective Structured Clinical Examination)の合格判定は、薬学共用試験センターの提示する合格基準に従って実施されている。さらに実務実習は、一般社団法人薬学教育協議会病院・薬局実務実習近畿地区調整機構(以下、近畿地区調整機構)を介して選定された実習施設において実務実習モデル・コアカリキュラムに準拠して行われている。 入学試験は多様な方式で行なわれている。入学者数については、発足当時の入学定員数120名を平成25年度より100名に変更し、平成23年度に49名であった入学生が27年度には101名へと徐々に増加しているが、入学定員充足率は0.41から1.29と変動が大きくなっている。 学生の経済的支援として、大学独自の姫路獨協大学奨学金、姫路獨協大学特別学業支援奨学金、緊急支援奨学金、遠隔地予約奨学金、経済困窮者への授業料等の減免制度を設けている。学習環境としては、講義室(学部専用1室を除く)、演習室、および学生自習室が全学共用施設として整備されている。社会との連携については、姫路薬剤師会、兵庫県病院薬剤師会西播支部との連携により、地域の薬剤師の資質向上に努めている。 しかし、本機構の評価基準に照らして教育プログラムの内容を評価すると、改善を必要とする重大な問題が見出される。改善を必要とする主な問題点は下記のとおりである。 (1)薬学教育カリキュラムが薬学共用試験や薬剤師国家試験合格の対策に偏っていることが懸念される。問題解決能力の醸成のための教育における卒業研究の実質的な期間は約半年である。これは国家試験対策に相当する科目が6年次前期に配当されていることで、卒業研究の実施期間が圧迫されているためと推察される。また、6年次の講義が国家試験受験予備校に依頼して実施されており、問題がある。さらに、現行のカリキュラムにおいては、教育内容が階層的なカリキュラムでの順次性と一致していない科目配置が認められる、改訂新カリキュラムの6年次において専門分野の選択科目をまったく履修しなくても卒業が可能である、在学中に卒業要件単位数を変更しているなどの問題があり、6年一貫教育の再構築が必要である。 (2)留年率と退学率が恒常的に高く、入学システムが入学後の教育に求められる基礎学力を適確に評価しているとは言えない。 (3)6年次後期の「卒業研究Ⅱ」における試験(卒業研究Ⅱ試験)が実質的な卒業要件となっており、さらに「卒業研究Ⅱ」の合否判定の際に、国家試験受験予備校による薬剤師国家試験模擬試験結果との相関を考慮し当該試験の合否判定がなされており、適正な卒業判定とは言えない。 (4)平成28年度前期の段階で、教員数が大学設置基準を満たしておらず、進行中の教授等の公募を早急に完了させ、専任教員の不足を解消する必要がある。 (5)姫路獨協大学薬学部の教育プログラムは多くの問題を改善することなく抱え続けており、自己点検・評価の体制が整備され、その結果が教育研究活動の改善等に活用されているとは言えない。教育プログラムの改善のために、自己点検・評価のための常置委員会の設置、規定の作成など、評価体制の整備と定期的な自己点検・評価の実施が必要である。 上記の問題点に加えて、学部の理念および研究上の目的が設定されていない、薬学教育モデル・コアカリキュラムの一部項目が選択科目となっている、シラバスの記載に不備が認められる科目が多数存在する、教育プログラムの定期的な自己点検・評価が実施されていないなどの多くの問題点が認められる。 今回の評価において「改善すべき点」として指摘した諸問題を教職員で共有し、改善に取り組み、姫路獨協大学薬学部としての6年制薬学教育を構築し実施することを期待する。
大学への提言
姫路獨協大学 大学への提言1)助言1. 「教育上の目的」の学生および教職員への周知が「履修の手引き」の配布にとどまっており、さらなる充実が望まれる。(1.教育研究上の目的)2. 「教育上の目的」が、手引き、学則、ホームページで「特徴」、「目的」、「教育目的」の様に表現が統一されておらず、「教育上の目的」に統一することが望ましい。(1.教育研究上の目的)3. 教育上の目的は、「全学自己評価委員会」、その部局内組織の「薬学部自己評価委員会」により定期的に検証するよう努められているが、これまでに再検討の実績はないので、定期的な検証が望まれる。(1.教育研究上の目的)4. 薬学部自己評価委員会の規定がなく、整備が求められる。(1.教育研究上の目的)5. カリキュラム・ポリシーの学生および教職員への周知については、「履修の手引き」にとどまっており、学生および教職員の認知率が高いとはいえず、周知方法のさらなる充実が望まれる。(2.カリキュラム編成)6. ディプロマ・ポリシーを意識したカリキュラム・マップにすることが望ましい。(2.カリキュラム編成)7. 準備教育の受講は主に学生の主体性に任されており、その後の留年者数の多さを勘案すると、さらなる充実が求められる。(3.医療人教育の基本的内容)8. 改訂新カリキュラムでは2年次以降での「早期体験学習」の実施が確認できず、さらなる充実が求められる。(3.医療人教育の基本的内容)9. 薬害等の防止に該当する科目に「薬物副作用論」、「安全管理」があるが、両科目とも選択科目であり(旧カリキュラムでは必修、改訂新カリキュラムでは選択)、履修しなくても卒業が可能であり、教育上の目的に鑑み、必修化が望ましい。(3.医療人教育の基本的内容)10. ヒューマニズム教育・医療倫理教育に対応する科目の技能・態度の評価方法に明確な評価指標がないなどの問題があり、評価方法の適正化が望まれる。(3.医療人教育の基本的内容)11. 大学独自の科目として開設されている4年次の「医療遺伝学」、6年次の「再生医学」、「新薬論」などは選択科目となっており、受講者数も少ないものもあり、問題である。現在の科目を必修化する、科目数を増やして選択必修化するなど、大学独自の専門教育のさらなる充実が望まれる。(4.薬学専門教育の内容)12. 基礎と臨床の関連付けをシラバスに明記することが望まれる。(4.薬学専門教育の内容)13. 実務実習事前学習の教員負担の均等化が求められる。(5.実務実習)14. 「実務実習委員会」が組織されているが、責任の所在については明確ではなく(委員長は誰か、各委員の担当は、など)、規則の制定などが求められる。(5.実務実習)15. 実務実習の総合的な学習成果を評価するための指標を設定し、それに基づく評価を適切に行うことが望まれる。(5.実務実習)16. 卒業研究発表会は、6年次の10月までに複数の研究室が合同で開催しているが、一部、単独の研究室で行っているところがあり、薬学部全体での実施が望まれる。また、発表時間は統一されておらず、統一することが望ましい。(6.問題解決能力の醸成のための教育)17. 「卒業研究Ⅰ」、「卒業研究Ⅱ」、「物理・化学系統合演習(PBL)」などについて、シラバスに記載されている評価方法と実態がかけ離れているため、シラバスの整備が求められる。(6.問題解決能力の醸成のための教育)18. 正味時間では、問題解決型学習の実施時間数が18単位を満たしておらず、さらなる充実が期待される。(6.問題解決能力の醸成のための教育)19. 平成28年度に24%の定員割れがあったため、29年度以降の入学試験での是正が期待される。(7.学生の受入)20. 入学者数の変動が大きく(充足率/平成23年度:0.41、平成24年度:0.61、平成25年度:0.80、平成26年度:1.29、平成27年度:1.01、平成28年度:0.76(基礎資料7))、学年による教育の質の差異を避けるためにも、安定した入学者数の確保が望まれる。(7.学生の受入)21. 前年度に不合格となった科目については再履修が原則であるが、当該年次の必修科目の開講時間と重なった場合には、再履修することなく再試験として受験できる仕組みとなっており、修正が望まれる。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)22. ハラスメント防止講習会への薬学部教員の参加率が23.3%と低く、全員参加などのさらなる活動が望まれる。(9.学生の支援)23. 平成22年度以降、「学生満足度調査」を実施しておらず、定期的な調査が期待される。(9.学生の支援)24. すべての実験実習担当教員の数が2~3名であるために指導者1人あたりの学生数が30~45名(在籍学生数での平均)となっている。この教員数は安全性の面で非常に問題であるため、担当教員の増員が望まれる。(9.学生の支援)25. 事故や災害の安全対策について、現場任せではなく学部として取り組むことが望まれる。(9.学生の支援)26. 事故や災害の発生時や被害防止のためのマニュアル整備は不十分であり、充実が望まれる。(9.学生の支援)27. 専任教員1名に対する学生数は22名となっており、専任教員数の増などのさらなる努力が期待される。(10.教員組織・職員組織)28. 准教授以下の若手教員の増員が望まれる。(10.教員組織・職員組織)29. 教員によっては教育・研究等活動の情報を更新していない者がおり、定期的な更新が望まれる。(10.教員組織・職員組織)30. 実務家教員の研鑽の場として、薬剤師会・病院薬剤師会・姫路獨協大学薬学部の共催による「西播・姫路医療セミナー」を開催しているが、その他の取り組みについては一部教員のみとなっており、学部としての体制構築が期待される。(10.教員組織・職員組織)31. 学生自習室が共用で2室しかないため学生の自習スペースが少なく、薬学生の自習スペースの拡充が望ましい。(11.学習環境)32. 英文による薬学部の情報発信(ホームページ)が行われておらず、さらなる充実が期待される。(12.社会との連携)33. 教員の海外研修(留学)実績がなく、さらなる充実が期待される。(12.社会との連携)34. 定期的な自己点検・評価を行う委員会を設置する際には、外部委員を含めることが望ましい。(13.自己点検・評価)3)改善すべき点1. 学部の理念が設定されていないため、改善が必要である。(1.教育研究上の目的)2. 研究上の目的が設定されておらず、改善が必要である。(1.教育研究上の目的)3. 現行のカリキュラムにおいては、教育内容が階層的なカリキュラムでの順次性と一致していない科目配置が認められる、改訂新カリキュラムの6年次において専門分野の選択科目をまったく履修しなくても卒業が可能であるなどの問題があり、6年一貫教育の再構築が必要である。(2.カリキュラム編成)4. 平成27年度のカリキュラム変更に伴い在学生の卒業要件単位数を変更していることは、ディプロマ・ポリシーや履修基準(卒業要件単位数含む)が入学時に提示したものから変更できない、一種の学生との契約書であるという大学教育の根本的な原則が理解できていないことを示しており、今後は入学時に提示された卒業要件単位数を変更しないことが求められる。(2.カリキュラム編成)5. 6年次の講義が国家試験受験予備校に依頼して実施されており、改善が必要である。(2.カリキュラム編成)6. カリキュラム・ポリシーの策定ならびにカリキュラムの見直しと改訂は学部教育の根幹をなすものであるが、これらを検討する委員会組織や規定、議事録が確立されておらず、常置委員会の設置や委員会の整理、委員会規定の制定などの改善が求められる。(2.カリキュラム編成)7. 姫路獨協大学薬学部の薬学教育カリキュラムは薬学共用試験や薬剤師国家試験の合格のみを目指した教育に過度に偏っており、改善が必要である。(2.カリキュラム編成)8. ヒューマニズム教育・医療倫理教育について、目標達成度を評価するための指標は設定されておらず、それに基づいての適切な評価もなされていないため、改善が必要である。(3.医療人教育の基本的内容)9. コミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育において、授業科目ごとに成績評価はなされているが、これらの能力の目標達成度を評価するための指標の設定と評価はなされておらず、改善が求められる。(3.医療人教育の基本的内容)10. シラバスの記載について下記の問題があり、改善が必要である。・詳細のわからないシラバスがある。・ほとんどの科目に一般目標と到達目標は明示されているが、書式が統一されておらずわかりにくい。・どの科目が大学独自であるかが判別できない。・モデル・コアカリキュラムの記載について教員間での差異がある。・一部科目においてはシラバスの記載とモデル・コアカリキュラムの目標との対応が不明瞭である。・方略やオフィスアワーに関する記載に問題のある科目が散見される。・科目によっては複数の評価方法を用いる際の寄与率が記載されていないものがある。・基礎と臨床の関連付けについて明示されていない。(4.薬学専門教育の内容)11. モデル・コアカリキュラムの一部項目が選択科目となっており、改善が必要である。(4.薬学専門教育の内容)12. 実務実習事前学習の目標達成度を評価するための指標が設定されておらず、それに基づく評価もなされていないため、改善が必要である。(5.実務実習)13. 実務実習の成績評価方法を設定し、シラバスに具体的に記載する必要がある。(5.実務実習)14. 全員が卒業研究に取り組むことができる時間が、4年次の約1ヶ月、5年次の実務実習以外の期間(約3ヶ月)、6年次前期の11%(37時間/330時間)に留まっており、問題解決能力醸成のために十分な卒業研究時間の確保が必要である。(6.問題解決能力の醸成のための教育)15. 卒業論文や発表会などを通して卒業研究を評価するために、学部共通の評価指標を設定し、評価する必要がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育)16. 卒業論文が枚数制限されているために十分な内容とは言えず、問題解決能力の醸成のためには卒業論文のさらなる充実が必要である。(6.問題解決能力の醸成のための教育)17. 問題解決能力醸成に向けた教育において、目標達成度を評価するための指標の設定と、それに基づく適切な評価がなされておらず、改善が必要である。(6.問題解決能力の醸成のための教育)18. 総在籍者に占める留年者、退学者の割合は、9.3~27.0%と高く、さらにストレート卒業率も33.3~43.3%と低く、入学後の教育に求められる基礎学力が適確に評価されているとは言えず、学生の受入れについての改善が必要である。(7.学生の受入)19. 単位未修得の科目が4科目以上の場合の進級不可に加えて、実質的には演習科目の場合は1科目の結果で進級不可になるが、これら演習科目の単位認定についてシラバスの評価方法・基準の欄が「定期試験と課題レポートで総合的に評価する」など不明瞭な記載となっており、改善が必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)20. 6年次後期の必修科目である「卒業研究Ⅱ」で学科試験を行い、その合否によって実質的には学士課程の修了認定が行われており、学士課程の修了認定が厳格に行われているとは言えないので、が実質的な卒業要件となっており、改善が必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)21. 「卒業研究Ⅱ」の合否判定の際に、国家試験受験予備校による薬剤師国家試験模擬試験結果との相関を考慮し当該試験の合否判定がなされており、改善が必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)22. 平成27年度までは卒業留年者への対応は、外部受託先施設(国家試験受験予備校)に任せており、問題であるので、改善が必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)23. 平成28年度前期の段階で、教員数が大学設置基準を満たしておらず、さらに教授数も半数を満たしておらず、早急に教授等の公募と選考を完了させて、専任教員の不足を解消する必要がある。(10.教員組織・職員組織)24. 最近6年間あるいは数年の研究業績がない教員がおり、研究時間の確保など教育研究の向上を目指した取り組みが必要である。(10.教員組織・職員組織)25. 教育プログラムの改善のために、自己点検・評価の常置委員会の設置、規定の作成など、評価体制の整備と定期的な自己点検・評価の実施が必要である。(13.自己点検・評価)
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| 第1期 |
2016年度 |
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1:提言 改善報告審議結果 2021 /1/22 |
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| 星薬科大学 | 私 | 東京都 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
星薬科大学 総評星薬科大学薬学部は、建学の精神に基づき、教育研究上の目的を「薬学に関する学理及 び応用を教授、研究し人格の陶冶を図り、医療、福祉及び環境衛生の向上に寄与するとと もに、文化の創造と発展に貢献すること」と学則に定めている。そして、薬剤師養成を目 的とする薬学科の教育研究上の目的を「臨床現場において高度な専門性を発揮できる薬剤 師の養成を目指すものとする」としている。 教育課程はカリキュラム・ポリシー(教育課程の編成・実施方針)に基づいて編成され ており、教養科目および基礎教育から臨床教育にいたる科目が適切に配置され、「臨床現場 において高度な専門性を発揮できる薬剤師を養成する」ための教育が体系的に行われてい る。医療人としての薬剤師に求められるヒューマニズムやコミュニケーション能力の醸成 のための教育も適切な方略により行われている。大学独自の薬学専門教育については、多 くの科目が配置されており、多岐にわたる学生の進路に対応している。 実務実習事前学習は、実務実習モデル・コアカリキュラムに準拠し、適切な指導体制の 下に行われている。実務実習を円滑に行うために、実務実習委員会が組織され、助手以上 のすべての専任教員が実務実習に参画している。実務実習には、独自契約施設と関東地区 調整機構の指定施設を使用している。「実務実習」開始前の Post OSCE(OSCE: Objective Structured Clinical Examination)と「実務実習」修了後の Advanced OSC E は、まだ試行段階ではあるが、注目すべき取り組みであり、今後のさらなる発展を期待 したい。 4年次から、講義・基礎実習・演習・実務実習以外の時間を「医療薬学特別実習」とし て、6年次前期まで2年半の間、卒業研究を実施している。6年次の5~6月に発表会が 実施され、最終的に7月までに論文を仕上げている。さらに研鑽を深めることを希望する 学生はその後「アドバンスト特別実習」を選択できる。 薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂に伴い平成27年度より運用が始まった新しい カリキュラムでは、大幅な改訂が行われている。この中では基礎実習の単位数が減っている一方、学科目[薬学研究]を設けており、1年次から4年次まで多くの科目を配置して、 問題解決能力醸成に重きを置いた教育プログラムが実施されつつある。 シラバスには、各科目における学習方略、成績評価の項目毎の評価割合ならびに取り扱 っている到達目標を確実に記載すること、および大学独自科目や問題解決能力醸成に関わ る科目であることを表示することが望まれる。 入学試験はアドミッション・ポリシー(入学者受入方針)に基づいて適正に実施され、 入学者数と入学定員との間には大きな乖離はない。学生の成績評価・進級・学士課程修了 認定はおおむね適切に行われている。学生の支援については、修学支援、奨学金制度、ヘ ルス・メンタルケア、ハラスメント防止、就職支援などの体制が整備されている。 専任教員数は実務家教員を含めて大学設置基準を上回っており、専任教員の職位と年齢 構成も比較的バランス良く配置されている。専任教員数に対する学生数比率も適切な範囲 にある。若手教員が海外留学できる制度も整備されている。教育研究上の目的に沿った教 育を実施するための施設・設備などの学習・研究環境は良好であり、卒後教育や薬剤師会 等との連携により、薬学の発展に努めている。学生の「海外実務実習」や海外の大学との 交流など、積極的な国際活動も行われている。 平成 21 年度以来薬学教育評価機構の基準に基づく自己点検・評価を行っており、その 結果は教育研究活動の改善に反映されている。 以上より、星薬科大学薬学部薬学科は、本機構の評価基準に全体としては適合している と結論できる。 しかし、ヒューマニズム教育・医療倫理教育、コミュニケーション能力および自己表現 能力を身につけるための教育、実務実習事前学習、および問題解決能力の醸成に向けた教 育において、それぞれ目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に 評価する点においては本機構の評価基準に達していないため、改善が必要である。 終わりに、星薬科大学薬学部薬学科では、医療界、他大学、産業界との交流・連携を積 極的に行おうとしている。熱心な教員の教育姿勢があるので、改善すべき点および助言を 踏まえ、より一層、 組織的に医療人としての薬剤師の育成に取りくみ、さらに向上発展す ることを期待する。
大学への提言
星薬科大学 大学への提言1)長所 1. 海外の多数の大学と学術交流を行い、海外拠点を設けているなど、積極的に国際活動 が行われている。(12.社会との連携) 2)助言 1. 新旧ともに5項目のカリキュラム・ポリシーに対応したカリキュラムが構成されてい るが、いずれの項目にどの科目が対応しているかは、修学の手引きを詳細に読み込まないと判明しないため、科目とカリキュラム・ポリシーとの関係を明確化することが 望まれる。(2.カリキュラム編成) 2. 薬剤師としての倫理観、使命感、職業観を学ぶ科目やコミュニケーション力の基本を 学ぶ必須科目の中には、シラバスからは学習方略が読み取りづらい科目があるので、 全ての科目において態度を学ぶ学習方略を明示することが望まれる。(3.医療人教 育の基本的内容) 3. 薬害被害者もしくは関係者による講演が、新カリキュラム1年次の「薬学の心構えI」 で行われているが、シラバスにそのことを記載しておくことが望ましい。(4.薬学 専門教育の内容) 4. シラバスの成績評価の方法に、項目ごとの評価割合を記載していない科目が見受けら れるので改善が望ましい。(4.薬学専門教育の内容) 5. シラバスには取り扱っているSBOsをもれなく記載することが望ましい。(4.薬 学専門教育の内容) 6. 大学独自の薬学専門教育であることを、シラバス等に明示することが望ましい。(4. 薬学専門教育の内容) 7. 問題解決能力醸成に重きを置いたとしている科目については、シラバスにその旨を明 記することが望まれる。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 8. 問題解決型学習を行う科目が体系的に配置されていることは分かりにくいため、カリ キュラムマップ等により学生が理解できるように示すことが望まれる。(6.問題解 決能力の醸成のための教育) 9. 自己点検・評価は、毎年実施し、公表することが望ましい。(13.自己点検・評価) 3)改善すべき点 1. ヒューマニズム教育・医療倫理教育において、目標達成度を評価するための指標を設 定し、それに基づいて適切に評価する必要がある。(3.医療人教育の基本的内容) 2. コミュニケーション能力及び自己表現能力を身につけるための教育において、目標達 成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価することが必要であ る。(3.医療人教育の基本的内容) 3. 事前実習の評価対象として、筆記試験、口頭試験、実技試験、SGDプロダクトが設 定されており、実習の内容が反映されていると思われるが、総合的な評価の指標が設定されていないため、目標達成度を評価するための指標を設定し、それに基づいて適 切に評価することが必要である。(5.実務実習) 4. 問題解決能力の醸成に向けた教育において、目標達成度を評価するための指標が設定 され、それに基づいて適切に評価されることが必要である。(6.問題解決能力の醸 成のための教育) 5. 平均点・薬剤師国家試験の合格率を勘案して「総合薬学演習Ⅱ」の再試験の合格最低 点を設定していることは、単位認定の厳格性、公正性の観点から改善する必要がある。 (8.成績評価・進級・学士課程修了認定)
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| 第1期 |
2016年度 |
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1:提言 改善報告審議結果 |
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| 北海道医療大学 | 私 | 北海道 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
北海道医療大学 総評北海道医療大学は、「生命の尊重と個人の尊厳を基本として、保健と医療と福祉の連 携・統合をめざす創造的な教育を推進し、確かな知識・技術と幅広く深い教養を身につ けた人間性豊かな専門職業人を育成することによって、地域社会ならびに国際社会に貢 献する」という大学としての教育理念の下で、薬学部の「教育研究上の目的」を「専門 職能人としての豊かな人間性を備え、医薬品に対する基礎と応用の科学の修得により、 科学的根拠に基づいた医療および健康の維持・増進に従事し、地域・国際社会に貢献で きる薬剤師を養成する」と定め、6年制薬学教育を行っている。 薬学部では、「全学教育科目と専門教育科目からなる学士課程教育を組む」という大学 のカリキュラム・ポリシー(教育課程の編成・実施方針)の下に、薬学教育モデル・コア カリキュラムに従って各学年で行われる一般的な教育の概要を列挙した6項目の薬学部の カリキュラム・ポリシーを定めている。これらのカリキュラム・ポリシーに基づいて、薬 学部のカリキュラムは「全学教育科目」と「薬学部専門教育」で構成されている。「薬学 部専門教育」のカリキュラムは、6年制の薬学教育として一般的なものであるが、「モチ ベーションを高め自立的な学習態度を養う教育」を行うことを目的にして、学生が入学時 から「自己評価シート(学修ポートフォリオ)」を作成し、自身の目標達成度や成果、反 省点などを振り返り、自主的・自律的な学習態度と学習意欲の向上が図られている。 実務実習は、実務実習モデル・コアカリキュラムに準拠した137コマの事前学習を終え、 薬学共用試験に合格した学生を対象に行っており、実習施設は地区調整機構との調整を経 て決定している。実務実習における学生の指導や施設の訪問には、実務家教員の他「施設 担当教員」、「学生担任教員」などとして全教員が関与している。卒業研究は、「総合薬学研究」として行われ、4年次から研究室に配属しているが、実 質的な卒業研究は5、6年次に行われている。学生は所属する研究室の指導教員の指導を 受けて「実験研究」と「調査研究」のいずれかを選択して研究を行い、6年次前期の「総 合薬学研究発表会」を経て卒業論文を作成しており、指導教員がそれらに基づいて評価し ている。 入学生は大学のアドミッション・ポリシー(入学者受入方針)に基づいて募集しており、 多くの大学が行っている推薦入試、一般入試、センター試験入試以外に、AO(Admission Office)入試や編入学試験など多様な方法で実施している。AO入試では、受験生の高校 時代の様々な活動、志望理由書、志願者評価書および高校の調査書から医療人としての適 性を評価する工夫がなされている。 成績評価は、成績評価方法と基準をシラバスに明記し、それに従って厳正に行われてい る。進級基準は薬学部履修規程で定め、「学生便覧」に記載し各学年の教務ガイダンスで 周知している。薬学部では、教育研究上の目的に基づく6項目の学位授与の方針を定め、 卒業にはそれらを満たすことを求めているが、「総合薬学研究」の単位認定には卒業試験 に合格することが必要であり、「卒業試験」の合否判定が事実上の卒業判定となっている。 学生の勉学と学生生活をサポートするための体制や制度は整えられており、学生の代表 が意見を集約し、教員と一体となってより良い大学作りを目指す企画立案・実施を行う「S CP(Student Campus President:学生キャンパス副学長)制度」も設けられている。 北海道医療大学薬学部の専任教員数は68名(内実務家教員10名)で、大学設置基準の専 任教員数を満たしており、教授、准教授、講師、助教の比率は適切である。専任教員の教 育研究業績は学部全体としては基準を満たしており、授業科目の担当状況、研究条件など もおおむね適切である。教員の採用と昇任は大学と学部の規程に基づいて行われており、 規程の選考基準も適切である。 講義室、少人数教育に対応する教室、他学部と共用の演習室などの教室は十分に整えら れ、情報処理演習、動物実験センター、アイソトープ研究センター、薬学部附属薬用植物 園など必要な附属施設も整備され、実務実習事前学習を実施するための適切な規模の施 設・設備も整備されている。 北海道医療大学には、全学的な自己点検・評価に対応する「点検評価全学審議会」が設 置されており、薬学部にはその下部組織として「薬学部評価委員会」が置かれ、毎年行わ れている全学的な自己点検・評価の結果は自己点検・評価データ集「MESSAGE」と して公表している。以上、北海道医療大学薬学部の6年制薬学教育プログラムは、本機構の評価基準におお むね適合している。しかし、以下の主な改善を必要とする重大な問題点がある。 (1)6年次の時間割で国家試験準備教育に充てられている時間数が卒業研究の時間数よ り多くなっており、4年次においても薬学共用試験への準備と判断される演習が長時 間行われているなど、特定の学年の教育が受験準備に対する偏重していることは好ま しくないので改善することが必要である。 (2)ヒューマニズム教育・医療倫理教育、コミュニケーション能力を育成する教育、実 務実習事前学習、問題解決能力を醸成する教育で、目標達成度を測定する指標を設定 し、それに基づく適切な評価を行うよう改善することが必要である。 (3)留年すると実習科目を除く当該学年の薬学専門科目を、単位取得済みであっても再 履修することを義務付ける履修規程第30条、卒業研究に相当する必修科目である「総 合薬学研究」の単位認定要件に研究内容とは無関係な「卒業試験」に合格することを 含める履修規程第37条は、不適切な規定であるので改訂することが必要である。 (4)大学全体としての自己点検・評価とそれに基づく改善への取り組みは行われている が、本評価の評価基準が求めている薬学部としての薬学教育プログラムに対する恒常 的な自己点検・評価とそれに基づく向上発展を目指す取り組みが行われていないので、 早急に着手することが必要である。 北海道医療大学薬学部には、本評価で指摘されたこれらの改善を要する点を踏まえ、積 極的に改革を進めることにより、これまで以上に社会から信頼され、期待されるよう更な る薬学教育の向上に努めることが望まれる。
大学への提言
北海道医療大学 大学への提言1)長所 1. 「モチベーションを高め自立的な学習態度を養う教育」として、学生が入学時から自 分自身の学習目標などに関する「自己評価シート(学修ポートフォリオ)」を作成し、 各年度・学期始めに担任教員との面談を通して、学生自身が目標達成度や成果、反省 点などを振り返り、自主的・自律的な学習態度と学習意欲の向上を図っていることは 評価できる。(2.カリキュラム編成) 2. 医療基盤科目の「個体差健康科学/多職種連携入門(1年次)」では、全学合同でPBL 形式により、他学部学生と協同でお互いの職種について相互理解を深め、地域医療・ 福祉の連携について議論しており、大学の特徴を生かしたよい試みとして評価できる。 (3.医療人教育の基本的内容) 3. 学生の意見を収集するための組織や委員会として、担任制を補完する「SCP(Student Campus President:学生キャンパス副学長)制度」が設けられている。この制度は学生 の代表が学生の意見を集約し、教員と一体となってより良い大学作りを目指して各種 プロジェクトの企画立案・実施を行う独自の取り組みであり評価できる。(9.学生 の支援) 4. 参加型学習のための少人数教育ができる教室が豊富に確保され、授業だけでなく、学 生の自主的学習活動にも有効に利用されていることは評価できる。(11.学習環境) 5. 情報処理演習室は、能動的なグループ学習への活用を目指して端末と机の配置をグル ープ討論に適した配置とすることができるなど、自由度が高く多角的に利用できる斬 新な設備と設計が採用されていることは、新しい試みとして評価できる。(11.学 習環境) 2)助言 1. 「学生便覧」、「薬学教育シラバス」、自己点検・評価データ集「MESSAGE」 などに掲載されている教育の理念・目的に関わる項目には、「大学の教育理念」、「大 学の教育目標」、「薬学部の教育研究上の目的」、「薬学部の教育理念」、「薬学部 の教育目標」などがあり、学則の「薬学部の教育研究上の目的」が、学生、教職員、社会に正しく周知されていない恐れがあるので、それらの内容を学則の趣旨と一致さ せることが望ましい。(1.教育研究上の目的) 2. 薬学部のカリキュラム・ポリシーは、薬学教育モデル・コアカリキュラムに従って各 学年で行う教育の一般的な概要を列挙したものであるので、薬学部の「教育研究上の 目的」を反映したものに改善することが望まれる。(2.カリキュラム編成) 3. 大学のカリキュラム・ポリシーに謳われている「全学教育科目」として幅広い教養科 目が開講されているにもかかわらず、薬学部の学生の履修科目が一部に偏っているの で、より幅広く履修するよう指導することが望ましい。(3.医療人教育の基本的内 容) 4. ヒューマニズム教育・医療倫理教育に関わる科目ではワークショップなどの学習方法 を取り入れているとしているが、それらの多くは講義科目で、到達目標の多くが「・・・ を説明できる」、「・・概説できる」など知識の修得を主とするものになっている。 それらの科目について、態度教育を重視する目標・方略・評価を持った教育内容に改 善することが望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 5. 「薬学基礎研究Ⅰ~Ⅲ」は、低学年から研究に取り組むユニークな科目であるが、履 修者が少ないので、受講者を増やすことが望ましい。(4.薬学専門教育の内容) 6. 「自己点検・評価書」で大学独自の授業科目としているものには大学独自の科目とし てふさわしくないもの(国家試験準備など)が含まれているので、大学独自の科目を 充実させることが望ましい。(4.薬学専門教育の内容) 7. 「事前学習」の個々の科目における「態度」の評価項目ならびに「態度」と「日誌」 に関する評価基準の設定が適切でないので、適切な基準を設定して評価を行うことが 望まれる。(5.実務実習) 8. 実務実習モデル・コアカリキュラムに準拠して行われている学習の方法において、技 能に関わる一部の項目(D1-(2)-8、 D1-(3)-3、 D1-(4)-14、15、18、20) に、講義のみで対応していることは問題であり、改善することが望まれる。(5.実 務実習) 9. 「総合薬学研究論文集」には、医療、薬学における位置付けが明確に記載されていな いものがあったので、それらを記載するよう指導することが望ましい。(6.問題解 決能力の醸成のための教育) 10. 「総合薬学研究評価表」には問題解決能力を測定できる具体的な項目が設定されてい ないので、評価表を改善することが望ましい。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 11. 入学試験で理科(特に化学)を選択しなくても良いという制度は、入学後の教育に必 要とする基礎学力のない者を入学させてしまう懸念があるので、入学試験科目を改善 することが望ましい。(7.学生の受入) 12. 「調剤学Ⅰ」など一部の科目で技能の到達目標を定期試験で評価していることは好ま しくないので改善することが望ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 13. 学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)の説明は、学生には1年次のガイダンスで、 教員には新任時のFDで説明しているだけなので、その後も説明の機会を設けて、周 知を徹底するよう改善することが望ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認 定) 14. 各実習における担当教員数は5〜10名であるが、基礎科目の実習では、指導者1名当 たり学生約30名(学生160名/教員5~6名)となり、教育の安全性を保つ体制が整備 されているとは言い難いので、改善が望まれる。(9.学生の支援) 15. 実務家教員に対する公的な研修制度が設置されていないので、そのような制度を設け ることが望ましい。(10.教員組織・職員組織) 16. 教員の研究業績はホームページで公表されているが、10年近く内容が更新されていな い教員もいるので、教員の研究業績の公開状況を学部が点検して内容の更新を行うこ とが望ましい。(10.教員組織・職員組織) 17. 卒業研究の学生が研究と勉学に使用できる研究室のスペースを拡大することが望まし い。(11.学習環境) 18. 薬学部棟の冬期暖房の運転時間が18時までと制限されていることは、学生の研究活動 や勉学に支障をきたすので、改善することが望ましい。(11.学習環境) 19. 英文によるホームページに研究内容を掲載することが望ましい。(12.社会との連 携) 20. 「薬学教育評価委員会」を、外部委員を含む恒常的な組織とすることが望ましい。(1 3.自己点検・評価) 3)改善すべき点 1. 6年次の教育において、国家試験準備教育に相当する講義・演習科目に充てられてい る時間割上の時間数が卒業研究の時間割上の時間数より多くなっている。また、4年 次においても内容的に薬学共用試験への準備と判断される必修科目がおかれている。このように、特定の学年の教育が受験準備に偏重していることは好ましくないので改 善することが必要である。(2.カリキュラム編成) 2. ヒューマニズム教育・医療倫理教育、およびコミュニケーション能力を育成する教育 において、総合的な目標達成度を測定するための指標の設定と、それに基づく評価が 行われていないので、目標達成度に対する総合的な評価方法を定め、それに基づいて 適切に評価することが必要である。(3.医療人教育の基本的内容) 3. 実験実習においてはSGDを取り入れることで、実験の意義や結果の考察について、 より理解が深められるよう工夫されているとしているが、シラバスにはそれが明示さ れていない。それらを明示するようシラバスを改善することが必要である。(4.薬 学専門教育の内容) 4. 授業にPBLやSGDが取り入れられているのにシラバスの授業方法には講義としか 表示されていない科目があるので、シラバスの授業方法の記載を実態に合わせるよう 改善することが必要である。(4.薬学専門教育の内容) 5. 実務実習事前学習全体を総合した目標達成度を評価するための指標を設定し、それに 基づいて評価を行うよう改善することが必要である。(5.実務実習) 6. 「総合薬学研究」の実施期間が十分ではなく、6年次の時間割で「総合薬学研究」に 割り当てている時間数が国家試験準備教育と考えられる科目に充てられた時間数より 少ないなど、卒業研究が十分行なわれているとは言えないので、改善することが必要 である。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 7. 「総合薬学研究」のシラバスにおいて、対応する薬学教育モデル・コアカリキュラム の到達目標が「A(2)」のみで、「E 卒業実習教育(E1総合薬学研究)」が含まれ ていないことは不適切なので、改善することが必要である。(6.問題解決能力の醸 成のための教育) 8. 問題解決能力の醸成に向けた教育について、総合的な目標達成度を評価するための指 標が設定されておらず、それに基づく適切な評価が行われていないので、改善するこ とが必要である。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 9. アドミッション・ポリシーが大学にしかなく、薬学部の入学者受入れ方針が示されて いないことは適切ではないので、早急に改善することが必要である。(7.学生の受 入) 10. 平成27年度の卒業判定において、「卒業試験」の不合格のみの理由で卒業延期となっ た学生が54名(6年次在籍者169名の32%)であった。これは、卒業の可否判断に国家試験の合否の見込みを重視したためと考えられ、学士課程の修了認定として不適切で あるので、早急な見直しを図ることが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程 修了認定) 11. 2年次および3年次の留年率ならびに卒業延期率が高く、また増加傾向にあることが 自己点検・評価によって問題と認識されているので、その原因について十分な解析を 行い、改善策を実施することが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認 定) 12. 「総合薬学研究」の単位認定要件に、研究内容とは無関係で薬剤師国家試験に酷似し た問題を用いる「卒業試験」の合格を含める履修規程第37条の規定は、不適切である ので廃止することが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 13. 留年生に対して、留年した学年の全必修科目(実習、全学教育科目を除く)を再履修 するよう定めた履修規程第30条は、修得済みの単位を取り消すことを意味するもので、 単位制の趣旨に抵触するため、改訂することが必要である。(8.成績評価・進級・ 学士課程修了認定) 14. 多くの卒業延期者を出し、それらに対する「特別講義」を予備校講師に委ねているこ とは適切ではないので、改善することが必要である。(8.成績評価・進級・学士課 程修了認定) 15. 基礎資料15には教育研究活動が活発であるとは言えない専任教員も見出される。専任 教員の教育・研究能力の維持と向上を図るため、個々の教員の研究業績を学部として 点検・評価する体制を整備して、改善を図ることが必要である。(10.教員組織・ 職員組織) 16. 現状の自己点検・評価とそれに基づく改善への取り組みは全学的な観点からの改善指 示であるので、本評価の評価基準が求めている薬学教育プログラムに対する恒常的な 自己点検・評価とそれに基づく向上発展を目指す取り組みに着手することが必要であ る。(13.自己点検・評価)
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| 第1期 |
2016年度 |
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1:提言 改善報告審議結果 |
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| 武庫川女子大学 | 私 | 兵庫県 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
武庫川女子大学 総評武庫川女子大学は、「高い知性、善美な情操、高雅な徳性を兼ね備えた有為な女性の育成」 という「立学の精神」、「学院教育綱領」を教育理念として掲げ、教育目標としている。6年 制の薬学科の教育目的は「薬剤師として高度な臨床能力と実践能力を有し、医療人としての 使命感を持ち、病院・薬局などの医療機関をはじめ、薬の専門家としてあらゆる場面で活躍 できる有為な女性を養成することを目的とする。」である。この「教育研究上の目的」に従っ て、アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)、カリキュラム・ポリシー(教育課程の編 成・実施の方針)およびディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)が設定され、大学のホー ムページや履修便覧に記載、公表されている。 医療人としての薬剤師養成の薬学教育カリキュラムは、薬学教育モデル・コアカリキュラ ムにほぼ準拠している。平成27年度は、1年次生が改訂モデル・コアカリキュラム対応(新 カリキュラム)で、2~6年次生は従来のモデル・コアカリキュラム対応(旧カリキュラム) に対応したカリキュラム編成となっている。開講科目はイントロダクション、物理系薬学、 化学系薬学、生物系薬学、健康と環境、医療薬学、実習・演習科目、ヒューマニズム、外国語・ 情報科目の9つの領域に分類されている。各科目の関連図がホームページに公開されている が、各科目間の関連性が明確に示されていないので、科目間関連図等を作成することが望ま れる。 総合大学であるため共通教育科目として、全学の学生に社会のニーズに応じた多様で幅広い科目が提供されている。基礎教育科目、ジェンダー科目、キャリアデザイン科目、言語・ 情報科目、健康・スポーツ科目から成り立つ250科目を開講し、薬学科の学生も多くの科目を 受講している。また、語学教育にも力を入れており、薬学領域の英語の「読む・書く・聞く」 力を付ける1年次の「基礎英語」を始めとし、4、5年次に臨床現場の最前線の文献を理解 する力を身に付ける「発展英語Ⅰ&Ⅱ」まで、体系的に開講されている。 毎年20名の学生が約1か月滞在する「アメリカ留学プログラム」を実施していることは高 く評価できる。学習者参加型の教育科目、問題解決型の教育科目、ヒューマニズム・医療倫 理教育科目、コミュニケーション科目はバランスよく体系的に配置されているが、態度教育 の評価方法については、これからの対応が待たれる。 学習環境は良好で、講義室、実習室、PBL(Problem Based Learning)/SGD(Small Group Discussion)を実施する教室、コンピュータ室など充分な広さであり、整備されてい る。また、学部に隣接する臨床薬学教育センターには、調剤室、模擬薬局、製剤室、モデル 病室、医薬品情報室、無菌製剤室等が完備している。 以上のように、武庫川女子大学薬学部薬学科の薬学教育プログラムは本機構の評価基準に おおむね適合しているが、以下のような重要な改善すべき問題点がある。 (1)薬剤師国家試験の準備教育である「総合演習Ⅱ」の科目単位数当たりの授業時間が学 則の規定に比べ極端に多くなっており、「卒業研究Ⅱ」実施時間が圧迫されているので、 時間割編成の改善が必要である。 (2)薬剤師養成教育に必須であるコミュニケーション能力醸成のための教育を必修専門科 目として設定し、適正な学習方略および評価方法を用いて実施するように改善が必要で ある。 (3)旧カリキュラムにおいて、薬学教育モデル・コアカリキュラムで要求しているSBO s(Specific Behavioral Objectives)の一部が包含されていないなどモデル・コアカ リキュラムに準拠していないので改善すべきである。また、選択科目のみが対応してい るSBOsが一部存在しているので、卒業までに補完できるようにすることが必要であ る。 (4)卒業論文や発表会などを通して卒業研究を評価するために、学科共通の目標達成度評 価の指標を設定し、公正・厳格に評価するように改善が必要である。 (5)平成25年度以降の休学者、留年者、退学者の人数が増加しているという事実は、入学 者選抜において、基礎学力が適確に担保されていないことを示しており、改善が必要で ある。(6)「卒業研究Ⅱ」に実質上の卒業試験である「卒業研究Ⅱ試験」を課して、学士課程修了 条件とする制度を早急に改善する必要がある。 (7)薬学共用試験の合格を「プレファーマシー実習Ⅱ、Ⅲ」、「総合演習I」の単位認定の 条件とする制度を早急に改善する必要がある。 武庫川女子大学薬学部薬学科は、女性薬剤師の養成としての特徴ある教育プログラムを構 築しており、薬剤師教育に熱心に取り組む姿勢がうかがえる。今後はさらにその特徴を伸ば し、また指摘された改善すべき点や助言を踏まえ、より一層の改善・改革を進めることで6 年制薬学教育の更なる発展を期待する。
大学への提言
武庫川女子大学 大学への提言1)長所 1. 学生が学ぶ機会として国際交流を行い、毎年20名の学生が約1か月滞在して「アメリカ 留学プログラム」が実施されている。(12.社会との連携) 2)助言 1. 「教育目的」の掲載が大学のホームページだけであり、薬学部のホームページには掲載 がないため、薬学部ホームページへの掲載が望まれる。(1.教育研究上の目的)2. 「教育目的」について教職員や学生に周知徹底を図ることが望まれる。(1.教育研究 上の目的) 3. 「教育研究上の目的」に対する検証を定期的に行うことが望まれる。(1.教育研究上 の目的) 4. 領域ごとに科目の分類が明示され、学習内容の順次性が理解しやすいカリキュラム・ツ リー(科目関連図)を新旧カリキュラムに対応して、作成することが望まれる。(2. カリキュラム編成) 5. カリキュラム・ポリシーは、履修便覧や武庫川女子大学のホームページ(大学情報の公 表)に掲載されているが、薬学部のホームページ等にも掲載することが望ましい。(2. カリキュラム編成) 6. カリキュラム・ポリシーは、「教育研究上の目的」およびディプロマ・ポリシーを踏ま えたものにすることが望ましい。(2.カリキュラム編成) 7. 早期体験学習は新入生の学習の意欲の向上に重要な科目であることを考慮すると「早期 体験学習IおよびⅡ」の教育内容は、改訂コアカリキュラムの「F薬学臨床①早期臨床 体験」に準じた内容にすることが望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 8. 医療安全教育の分野では薬剤師以外の人的資源(弁護士、医師、行政等)を活用した積 極的な取り組みが望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 9. 生涯学習意欲の醸成に対しての取り組みを積極的に行い、在校生も参加できる生涯教育 に関する科目を充実させることが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容) 10. シラバスの到達目標が抽象的であるので、モデル・コアカリキュラムの到達目標、学習 領域(知識・技能・態度)を記載し、学習領域に適した評価方法で評価することが望ま れる。(4.薬学専門教育の内容) 11. 実務実習の総合的な学習成果を適切な指標に基づいて評価することが望ましい。(5. 実務実習) 12. 問題解決型学習の単位数を卒業単位数の10%程度まで増やすよう努力をすることが望ま れる。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 13. 指定校推薦入試において、調査書の評定値および履修要件に基準を設け、志願理由書や 薬学科教員による面接試験を実施し、医療人としての目的意識や適性を評価しているが、 アドミッション・ポリシーに準拠した入学試験制度の確立に向けて一層の工夫が望まれ る。(7.学生の受入) 14. 学位授与の方針をFD(対教員)や履修ガイダンス(対学生)等においても説明することが望まれる。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 15. 薬学部別館(臨床薬学教育センター)もバリアフリー化を実施することが望まれる。(9. 学生の支援) 16. 教員の授業時間は5.4~35.3時間であり、教員間に偏りが見られる。研究時間の確保を考 慮すると35.3時間の担当時間は多すぎるので、改善が望まれる。(10.教員組織・職 員組織) 17. 教授の半数が60歳代であり、年齢構成にやや偏りが見られるので改善が望まれる。 (10.教員組織・職員組織) 18. 専任教員1人あたりの学生数が26名であるので、増員することが望まれる。(10.教 員組織・職員組織) 19. 助教の再任は実質的には閉ざされているので、人材育成の観点から、助教の再任制度に ついて改善することが望まれる。(10.教員組織・職員組織) 20. 地域住民に対する公開講座等を開催するよう努めることが望ましい。(12.社会との 連携) 21. 人材育成の面からも積極的に教職員の海外留学等を推進することが望ましい。(12. 社会との連携) 22. 薬学部のホームページの英語版を作成することが望まれる。(12.社会との連携) 23. 薬学部自己評価委員会の構成要員は学部内教職員のみであるので、外部委員の参画を求 め、より客観性のある体制の構築が望まれる。(13.自己点検・評価) 3)改善すべき点 1. 薬学部および薬学科の「教育研究上の目的」は「教育目的」として制定されているが、 その内容には「研究上の目的」が入っていないので、加えて制定することが必要である。 (1.教育研究上の目的) 2. 薬学共用試験・薬剤師国家試験の準備教育に偏ったカリキュラム編成・運用について以 下の点を改善することが望まれる。 ・「総合演習Ⅱ」の科目単位数当たりの授業時間が、学則の規定に比べ極端に多くなって おり、「卒業研究Ⅱ」の実質実施時間が圧迫されているので、カリキュラム編成の改善 が必要である。 ・予備校の講師を正規科目担当講師としないように改善する必要がある。 ・大学独自科目の一部を国家試験対策科目としないように改善する必要がある。(2.カリキュラム編成) 3. 薬剤師養成教育に必須であるコミュニケーション能力醸成のための教育を必修専門科 目として設定し、適正な学習方略および評価方法を用いて実施するように改善する必要 がある。(3.医療人教育の基本的内容) 4. ヒューマニズム教育・医療倫理教育について、目標達成度を評価するための指標は設定 されておらず、それに基づいての適切な評価もなされていないため、改善が必要である。 (3.医療人教育の基本的内容) 5. コミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育において、授業科 目ごとに成績評価はなされているが、これらの能力の目標達成度を評価するための指標 の設定と評価はなされておらず、改善が必要である。(3.医療人教育の基本的内容) 6. 医療の過誤、医療事故を防止するためのチーム医療についての教育が選択科目(5年次 「地域で活動する薬剤師」、6年次「薬物の適正使用と医療倫理」)として開講されて いるが、必修科目として開講するよう改善する必要がある。(3.医療人教育の基本的 内容) 7. 旧カリキュラムにおいて、薬学教育モデル・コアカリキュラムで要求しているSBOs の一部が包含されていないなどモデル・コアカリキュラムに準拠していないので改善す る必要がある。また、選択科目のみが対応しているSBOsが一部存在しているので、 卒業までに補完できるようにすることが必要である。(4.薬学専門教育の内容) 8. 大学独自の科目をシラバス上に明示するように改善が必要である。(4.薬学専門教育 の内容) 9. 事前学習の目標達成度を評価するための指標を設定し、指標に基づいて適切に評価する ように改善する必要がある。(5.実務実習) 10. 卒業論文や発表会などを通して卒業研究を評価するために、学科共通の目標達成度評価 の指標を設定し、公正・厳格に評価するように改善する必要がある。(6.問題解決能 力の醸成のための教育) 11. 卒業論文の作成に関して以下の問題点があるので改善する必要がある。 ・一つの課題で共同研究を行った学生であっても各自がオリジナルの卒業論文を提出す るように改善すべきである。 ・卒業論文は要旨ではなく、卒業論文にふさわしい内容に改善する必要がある。 (6.問題解決能力の醸成のための教育) 12. 卒業研究以外の問題解決能力醸成に向けた教育において、各科目を総合した達成度を評価するために指標を設けて、評価するように改善する必要がある。(6.問題解決能力 の醸成のための教育) 13. 平成 25 年度以降の休学者、留年者、退学者の人数が増加しているという事実は、入学 者選抜において、基礎学力が適確に担保されていないことを示しており、改善が必要で ある。(7.学生の受入) 14. 薬学共用試験の合格を「プレファーマシー実習Ⅱ、Ⅲ」、「総合演習I」の単位認定の 条件とする制度を早急に改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認 定) 15. 「卒業研究Ⅱ」に実質上の卒業試験である「卒業研究Ⅱ試験」を課し、学士課程修了条 件とする制度を早急に改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 16. 予備校の模擬試験を正規の試験の一部として使用しないように改善する必要がある。 (8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 17. 「卒業研究Ⅱ」に関する内規および「卒業研究Ⅱ試験」の成績による採点未着科目の救 済措置等に関する内規を改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認 定) 18. 卒業延期となった学生の教育の一部を予備校で行っていることは問題であり、改善すべ きである。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 19. 卒業延期の学生に対して、「卒業研究Ⅱ」の継続履修が行われているように取り扱うこ とを廃止するように改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 20. 5年間教育・研究実績として著書・論文の数が少ない、あるいは全く無い教員も認めら れる。教育目標を達成するための基礎となる研究活動を大学が自己点検・評価すること によって、全教員が教育・研究の業績を上げるように改善する必要がある。(10.教 員組織・職員組織) 21. 薬学部自己評価委員会が、6年制薬学教育プログラムを毎年継続的に自己点検・評価を 実施するように改善し、その記録を残すことが必要である。(13.自己点検・評価) 22. 自己点検・評価の結果を教育研究の改善に反映させることが必要である。(13.自己 点検・評価)
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| 第1期 |
2016年度 |
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1:提言 改善報告審議結果 |
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| 神戸学院大学 | 私 | 兵庫県 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
神戸学院大学 総評神戸学院大学薬学部は、大学の建学の精神「真理愛好・個性尊重」のもと、教育研究上 の目的を設定している。 カリキュラムは、教育研究上の目的に基づいて策定したカリキュラム・ポリシー(教育 課程の編成・実施方針)を指針として、教養教育、ヒューマニズム・医療倫理教育、薬学 準備教育に対応する初年次の「共通教育科目」、「基礎教育科目」や「早期体験学習」に続 き、薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠した6つの専門科目群とその「演習実習」 科目、「総合薬学研究(卒業研究に相当)」を設定している。 実務実習モデル・コアカリキュラムの教育目標に関連した科目を3、4年次に、また、 実務実習事前学習を4年次に設定しているが、後述する問題点がある。実務実習について は、責任ある委員会組織の下、全教員が実習を指導する体制が整えられている。 問題解決能力の醸成のため、1年次「薬学への招待」、「演習実習ⅠA、ⅠB」、2年次「薬 学演習」に加え、卒業研究相当科目として「原著論文を読む」、「演習実習Ⅳ」、「総合薬学 研究Ⅰ、Ⅱ」を設定している。 入学者は、附属高校特別入試、指定校・公募制推薦入試、一般入試、大学センター試験 利用入試、学士編入試験などで選抜している。学生の成績評価・進級・学士課程修了認定 は、おおむね適正に実施されているが、後述する問題点がある。学生の支援については適 正に実施されており、留年生など成績不振者への学習指導の他、大学独自の奨学金制度な ど経済的支援も整えている。教員組織としては、十分な教育・研究上の実績を有する 53 名の専任教員が配置され、教員の研究環境および学生の学習環境も整えられている。しか し、事務職員体制は不十分である。近隣の病院や研究所、産業界との共同研究や、薬剤師 の生涯教育などで社会と連携している。自己点検・評価に関しては、全学的な自己点検評価委員会が設置され、2011 年には公益財団法人大学基準協会の認証評価に適合している。 また薬学部には自己点検評価小委員会が設置されている。 以上のように、神戸学院大学薬学部の薬学教育プログラムは、全体として本機構の評価 基準におおむね適合しているが、以下の重大な問題点について、適切に対応し、より優れ た薬学教育を展開されることを期待する。 (1)カリキュラム・ポリシーが、各学年で行う教育の一般的な概要を列挙したものとな っているので、「教育研究上の目的」および「学位授与の方針」(ディプロマ・ポリ シー)を反映したものに改善することが必要である。 (2)4年次および6年次で、共用試験、国家試験の対策講義に多くの時間が充てられ、 「薬学共用試験および薬剤師国家試験受験準備教育」に偏重した教育となっている ので、カリキュラムを見直すべきである。 (3)実務実習事前学習に相当する「病院・薬局に行く前に」のコマ数は、神戸学院大学 薬学部独自の教育目標を含めての 105 コマであるので、実務実習モデル・コアカリ キュラムで求められた教育目標に対する 122 コマを充足すべきである。 (4)卒業研究の一部である「原著論文を読む」を必須科目とするとともに、「演習実習Ⅳ」、 「総合薬学研究Ⅰ」、「総合薬学研究Ⅱ」などの卒業研究相当科目については、客観 的な成績評価の基準、評価尺度に基づく評価を行うなど、卒業研究として厳正な成 績評価を行うべきである。 (5)「薬学総合科目Ⅰ」は学外の国家試験予備校の講師が講義を担当し、成績評価に学外 の模擬試験を用いていることは不適切であるので改善する必要がある。 (6)「薬学総合科目Ⅱ」の成績が、薬学共用試験の結果を含めて判定されていることは不 適切であるので改善する必要がある。 (7)6年次の「薬学総合科目Ⅲ」を、講義実体のある科目に修正し、卒業試験として、 その講義内容の修得度を評価するための適正な試験を実施する必要がある。 (8)卒業留年生に対する卒業試験の内容、卒業判定基準について、前期卒業希望生と後 期卒業希望生の差異を解消するとともに、前年度の卒業認定での学力不足を担保す るための試験として適切なものに改めることが必要である。 (9)神戸学院大学薬学部の教育研究活動を総合的な観点から自己点検・評価し、その結 果を教育研究活動の改善に反映するための委員会組織を充実し、組織運営の改善を 図る必要がある。
大学への提言
神戸学院大学 大学への提言1)長所 1. 「海外の薬剤師に学ぶⅠ」は、実際に米国薬学研修を介して日本および米国の医療制 度の相違点を体験するものであり、有意義な科目と評価できる。(4.薬学専門教育の 内容) 2. 留年生などを対象として、再学修ノートのチェックと指導が行われる。(8.成績評価・ 進級・学士課程修了認定) 2)助言 1. 神戸学院大学学則第2条の7として設定されている「教育研究上の目的」と「本学6 年制薬学部教育に対する基本方針と教育・研究理念」の内容および文言を統一し、「教 育研究上の目的」を一本化することで、学生および社会からの理解が深まるように努めることが望まれる。(1.教育研究上の目的) 2. 学則をはじめとする大学必須の情報については、学生や社会に誤解を生まないよう、 常に更新することが望まれる。(1.教育研究上の目的) 3. 薬学部時間割(薬学部の独自科目に関する時間割)と共通教育時間割(共通教育に関 する時間割)を比べると、必修の薬学専門科目や演習と、教養科目の講義時間が重複 しており、教養科目の履修がかなり制限されているので、教養科目の履修時間を増や すことが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容) 4. 医療安全教育においては、「演習実習ⅠB」と「病院・薬局に行く前に」以外の科目 でも、薬害、医療事故の被害者やその家族、弁護士や医療における安全管理者など、 外部の講演者による授業を行うことが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容) 5. 薬学部、栄養学部、総合リハビリテーション学部の連携の下に行われている専門職連 携教育の受講者を増やす努力が求められる。(3.医療人教育の基本的内容) 6. 大学独自の内容を含む専門科目は、アドバンスト科目(授業の一部含む)として「海 外の薬剤師に学ぶⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ」、「バイオ医薬品とゲノム情報」、「保険調剤業務」 など8科目が開講されているが、特に「海外の薬剤師に学ぶⅡ、Ⅲ、Ⅳ」については 履修者が極端に少ないので、履修者が増えるようにシラバスや時間割を見直すことが 望ましい。(4.薬学専門教育の内容) 7. 「病院・薬局に行く前に」の成績評価について、技能の習得度や態度、演習実習の取 り組み、注意事項の順守を評価するための評価尺度は設定されておらず、適切な評価 は行われていない。また、技能や態度について、筆記試験での評価は不適切である。 したがって、技能や態度については、目標到達度を評価するための基準や評価尺度な どを用いた評価を実施することが望まれる。(5.実務実習) 8. 「演習実習ⅡA、ⅡB」、「演習実習ⅢA、ⅢB」の成績評価基準方法・基準について、 シラバスと実習テキストで、その内容が異なっているので、統一することが望まれる。 (6.問題解決能力の醸成のための教育) 9. 卒業研究の実体となる「総合薬学研究Ⅰ」、「総合薬学研究Ⅱ」については、現状のシ ラバス、時間割などからは、十分な学習成果を上げることは難しいと言わざるを得な いので、卒業研究相当科目の実施時間、実施状況を適切に反映したシラバスおよび時 間割を作成することが求められる。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 10.アドミッション・ポリシーは一度作成したら頻繁に見直すものではないと述べられて いるが、アドミッション・ポリシーは機会あるごとに検証することが望ましい。(7.学生の受入) 11.プレイスメント・テストの結果を用いて、入学者選抜の適切性を検証することが望ま れる。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 12.教員一人当たりの学生数は 29.2 名であり、教員の増員が望まれる。(10.教員組織・ 職員組織) 13.担当授業時間数は、できるだけ均等にすることが望まれる。(10.教員組織・職員 組織) 14.大学として薬学教育の実施に十分な薬学部事務組織を構築することが望まれる。(1 0.教員組織・職員組織) 15.大学全体の英語及び中国語のホームページを開設しているが、薬学部のオリジナルサ イトに対応する英文ホームページは見当たらず、薬学部の活動を広く発信していると は言い難い。薬学部の活動全般を発信する英文ホームページの開設が望まれる。(1 2.社会との連携) 16.自己点検・評価を行う委員会には、外部委員を含めることが望ましい。(13.自己 点検・評価) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーが、各学年で行う教育の一般的な概要を列挙したものとなっ ているので、「教育研究上の目的」及び「学位授与の方針」を反映したものに改善する ことが必要である。(2.カリキュラム編成) 2. 4年次「薬学総合科目Ⅰ」、「薬学総合科目Ⅱ」、6年次「薬学総合科目Ⅲ」および薬学 複合科目群で共用試験、国家試験の対策講義に多くの時間が充てられているので、「薬 学共用試験及び薬剤師国家試験受験準備教育」に偏重した教育とならないよう、カリ キュラムを見直すべきである。(2.カリキュラム編成) 3. 「薬学総合科目Ⅰ」の講義を学外の国家試験予備校の講師が担当していることは不適 切なので、改善が必要である。(2.カリキュラム編成) 4. 2年次の「薬学演習」、3年次「信頼関係の構築・調剤の基礎」など、同一科目で担当 教員が異なる場合、教員間で「授業の目的」、「到達目標」、「成績評価方法・基準」を 統一すべきである。特に2年次の「薬学演習」については、「授業の目的」を見直し、 その目的に応じた「成績評価方法・基準」を設定し、成績評価を適切に実施する必要 がある。(3.医療人教育の基本的内容)5. 「ヒューマニズム教育・医療倫理教育」、「コミュニケーション能力および自己表現能 力を身につけるための教育」では、各科目の到達度を評価するための指標を設定し、 それに基づいて、成績評価を適切に実施する必要がある。(3.医療人教育の基本的内 容) 6. 「ヒューマニズム教育・医療倫理教育」、「コミュニケーション能力および自己表現能 力を身につけるための教育」について、それぞれの科目を総合した目標達成度を評価 するための指標を設定し、それに基づいて適切に評価する必要がある。(3.医療人教 育の基本的内容) 7. 「薬学への招待」、「薬用植物と生薬」、「栄養と健康」、「化学物質の生体への影響」な ど、学習領域として技能を修得させることが到達目標とされている科目については、 実際に技能を習得することを目的に含めた上で学習方略を設定し、成績評価を実施す べきである。(4.薬学専門教育の内容) 8. 実務実習事前学習に相当する「病院・薬局に行く前に」は、実務実習モデル・コアカ リキュラムで求められた教育目標に対する122コマを充足するように改善すべきであ る。(5.実務実習) 9. 実務実習事前学習全体に関して、目標達成度を評価するための指標を設定し、それに 基づいて適切に評価する必要がある。(5.実務実習) 10.卒業研究の一部である「原著論文を読む」は、実態に合わせて必修科目に変更すべき である。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 11.「原著論文を読む」、「演習実習Ⅳ」の授業時間を時間割に明示するとともに、これら の科目の成績評価の基準を設定し、卒業研究の一環として厳正な成績評価を行うよう 改善すべきである。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 12.卒業研究相当科目の成績評価が厳正なものとなるよう、客観的な評価の基準と尺度に 基づく評価方法に改善すべきである。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 13.問題解決能力の醸成に向けた教育において、総合的な問題解決能力の目標達成度を評 価するための指標を設定し、それに基づく評価を実施することが必要である。(6.問 題解決能力の醸成のための教育) 14.恒常的に留年者、休学者、退学者が非常に多い(特に1年次)。休学者と退学者、およ び留年者の人数の合計が入学定員の2割を超えている事実は、入学試験の形態にかか わらず、入学者の目標や学力と、大学が入学者に求めている学習や学力に乖離がある 可能性を示唆しており、入試制度の改善が必要である。(7.学生の受入)15.「薬学総合科目Ⅰ」の成績評価に国家試験予備校による模擬試験を用いることは極め て不適切である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 16.「薬学総合科目Ⅱ」については、シラバスに「成績は薬学共用試験OSCEの本試験 および再試験の成績を含めて総合的評価とする」示されており、その成績評価に「薬 学共用試験」の結果を利用していることは大学としての公正かつ厳格な成績評価およ び単位認定という観点から著しく不適切であるので、早急に改善する必要がある。(8. 成績評価・進級・学士課程修了認定) 17.大学の学則上で定められていない「追加試験」により、成績評価を行うなど不適切な 成績判定を改める必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 18.「薬学総合科目Ⅲ」を、講義実体のある科目に修正し、卒業試験として、その講義内 容の修得度を評価するための適正な試験を実施する必要がある。(8.成績評価・進級・ 学士課程修了認定) 19.卒業試験合格基準に示されている、「教授会が認めた者」とあるが、公平、厳格な学士 課程の修了判定が行えるように改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程 修了認定) 20.卒業留年生に対する卒業試験の内容、卒業判定基準について、前期卒業希望生と後期 卒業希望生の差異を解消するとともに、前年度の卒業認定での学力不足を担保するた めの試験として適切なものに改めることが必要である。(8.成績評価・進級・学士課 程修了認定) 21.実務家教員は、教授はみなし教員1名のみであり、他は専任教員の講師が6名である ので、薬剤師養成教育の充実という観点から、職位のバランスを考慮した是正が必要 である。(10.教員組織・職員組織) 22.教員の教育・研究業績については、大学ホームページや印刷物などで毎年公表する必 要がある。(10.教員組織・職員組織) 23.神戸学院大学薬学部の教育研究活動を総合的な観点から自己点検・評価し、その結果 を教育研究活動の改善に反映するための委員会組織を充実し、組織運営の改善を図る 必要がある。(13.自己点検・評価)
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3:但し書き 改善報告審議結果 |
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| 静岡県立大学 | 公 | 静岡県 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
静岡県立大学 総評静岡県立大学薬学部は、6年制の薬学科と4年制の薬科学科の2学科を設置し、一括入 試後、3年次後期に分科が行われる。薬学部の教育研究上の目的は、「医療の進歩に対応で きる専門的な知識・技術を有し、高い資質を身に付けた薬剤師を養成し、および医薬品に 関連する基礎知識・技術を習得し、創薬・育薬を総合的に理解できる人材を養成する」と 規定され、この目的に基づき、入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)、教育課程の 編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー) が設定されている。 薬学科における基本教育として、多彩な「教養科目」や、静岡特有の歴史・文化、防災 医療システムや地域産業を取り扱う「しずおか学」が設定されている。また、薬学部の語 学教育のために専任講師が雇用されているなど、社会のグローバル化に対応した英語教育 が充実している。さらに、「静岡救命連携演習」は東海地震等での緊急対応に向けた大学独 自のプログラムであり、チーム医療に貢献する取り組みとしても優れている。相手の話を 傾聴し、共感するなど、コミュニケーションの基本的能力を身につけるための教育も行わ れている。薬学専門教育も薬学教育モデル・コアカリキュラムの教育目標に準拠して実施 されている。カリキュラム編成は国家試験や共用試験対策に過度に偏重することなく、4 年次からの研究室での卒業研究「総合薬学研究」も期間が十分確保されている。問題解決 能力醸成に向けた科目については、「総合薬学研究」と併せて合計単位数が卒業要件単位数 の1/10 以上となっている。実務実習事前学習は実務実習モデル・コアカリキュラムに準拠して4年生後期を中心に 実施されている。実務実習も適切に実施されており、Ⅰ期とⅡ期で行われているため、事 前学習からの連続性も保たれている。 入学者の選抜は、一般入試、推薦入試、帰国子女ならびに私費留学生入試により行われ、 基礎学力が的確に評価されている。修学状況は良好であり、入学時に薬学教育を受けるの に必要な基礎学力がある学生を入学させていると言える。さらに、推薦入試においては面 接で薬学を志す者としての資質を評価するなど、医療人としての適性を評価している。定 員数からの大きな乖離はない。 進級判定の審議は、薬学部履修細則に基づいて、公正かつ厳格に行われており、卒業要 件も適切に設定されている。 アドバイザー(担任)制度が設定され、学生の履修指導が行われている。学生の経済的 支援や健康維持に関する体制は整備され、ハラスメント対策も充実していると言える。キ ャリア支援体制や学生の意見を収集し反映するための体制もおおむね整っている。実習等 での安全への配慮としては、「安全実験マニュアル」が配付され、安全教育が行われている。 防災マニュアルは学生および教職員に周知され、地震および火災避難訓練が毎年実施され ている。身体に障がいのある者に対しては、学修・生活上の支援のために学生部学生室に 学生相談窓口を設け、意見を聞く体制をとっており、施設・設備上の支援が行われている。 専任教員は各専門分野において、研究・教育に優れた実績を有するものが配置されてお り、教員数も大学設置基準を十分満たしている。実務家教員も 10 名配置され基準を大幅に 上回っている。また、教員1名当たりの学生数は、約 8.7 名となっており、きめ細かく指 導ができる適切な教員数となっている。研究環境や学習環境にも大きな問題はない。 社会との連携として、実務実習の指導拠点ともなっている、静岡県立総合病院内に開設 した薬学教育・研究センターとの病院臨床共同研究や、創薬探索センターによる産業界と の連携、同窓会組織との連携による卒後教育講座などが実施されている。 以上のように、静岡県立大学薬学部薬学科の薬学教育プログラムは、本機構の評価基準 におおむね適合していると判断される。しかしながら、主な改善すべき点として、以下が 挙げられる。 (1)6年制薬学科の「教育研究上の目的」を、4年制薬科学科のものと区別して学則等に 明記し、広く公表する必要がある。 (2)シラバスには、授業方略が記載されていない科目や、評価方法・基準が不適切なもの が散見されるため、改善する必要がある。(3)薬科学科と区別した薬学科のディプロマ・ポリシーが定められていないので、改善す る必要がある。 (4)成績評価の公正化や厳格化を図るために、成績評価の基準・方法に関して、統一した 学部内での内規あるいは申し合わせを明文化する必要がある。また、各科目の成績評 価方法・基準をシラバスに明確に記載する必要がある。 (5)「実務事前実習」のシラバスには、共用試験OSCEの結果を単位認定に用いるとの 記載があり、改善すべきである。 (6)6年制薬学教育プログラムを自己点検・評価するために、薬学部内に定期的に検証す る組織や規程を早急に整備して、内部質保証を図る必要がある。 以上の重要な問題点に加えて、その他の指摘についても適切に対応することで、より優 れた薬学教育が展開されることを期待する。
大学への提言
静岡県立大学 大学への提言1)長所 1. 教養科目としての「しずおか学」および医療人養成教育としての「静岡救命連携演習」 は、大学が掲げている、「病院・薬局などの医療現場で活躍し多職種連携に貢献できる 人材だけでなく、県民や国民の安心・安全のために薬務行政・保健衛生に従事する人 材や企業等において研究開発に携わる人材を育成」にも合致しており、特色ある優れ たプログラムとして評価できる。(3.医療人教育の基本的内容) 2)助言 1. 「教育研究上の目的」は、学生だけでなく、教職員にも周知徹底することが望ましい。 (1.教育研究上の目的) 2. 「教育研究上の目的」を点検・評価して、取りまとめる組織体制を整備し、定期的に 検証することが望まれる。(1.教育研究上の目的) 3. 6年制薬学科のカリキュラム・ポリシーに「教育研究上の目的」に相当するものが含 まれており、両者を区別して記載することが望まれる。(2.カリキュラム編成) 4. 薬学教育カリキュラムのどの科目が、ディプロマ・ポリシーのどの項目に対応してい るのか明記されたカリキュラム・マップにすることが望まれる。 (2.カリキュラム 編成) 5. カリキュラム・ポリシーを責任ある組織体制で、定期的に点検・評価し、検証するこ とが望まれる。(2.カリキュラム編成) 6. 医療人教育を、全学年を通して体系的に行うことが望ましい。(3.医療人教育の基 本的内容) 7. 薬害、医療過誤、医療事故等の被害者やその家族、弁護士、医療における安全管理者 を講師とする科目を開講することが望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 8. 医療人教育に関する科目のシラバスに、学習方法を明記することが望ましい。(3. 医療人教育の基本的内容) 9. 模擬患者、模擬医師として、外部協力者やSPが実務実習事前学習の指導体制に加わ ることが望ましい。(5.実務実習)10. 問題解決能力の醸成のための教育に関し、卒業研究以外の科目においてもそれぞれの 目標到達度を評価する指標の設定とそれに基づく適切な評価を行うことが望まれる。 (6.問題解決能力の醸成のための教育) 11. 遺伝子組み換え実験、放射性物質取り扱い実験に関する災害対策マニュアルを作成す ることが望ましい。(9.学生の支援) 12. 3年次後期の分科において、振り分けがスムーズに行われているのか、学生の満足度 を調査・検証することが望ましい。(9.学生の支援) 13. 事務職員が大学共通部署に配属されており、薬学部専任の事務職員が3名と少なく、 増員することが望ましい。(10.教員組織・職員組織) 14. 実務家教員の授業時間は演習・実習を中心に週25時間以上であり、負担を軽減すること が望ましい。(10.教員組織・職員組織) 15. 薬学部専用で利用できる情報処理室のパソコンの台数が44台と限られており、CBT 試験が薬学部棟内で実施できるように、パソコン台数を増やすことが望まれる。(1 1.学習環境) 16. 老朽化した共同機器の更新を検討することが望まれる。(11.学習環境) 17. 講義によっては学生一人当たりのスペースが十分でない場合もあり、ゆとりのある講 義室の確保が望ましい。(11.学習環境) 18. 自己点検・評価を行う委員会の構築にあたっては、外部委員を含めることが望ましい。 (13.自己点検・評価) 3)改善すべき点 1. 6年制薬学科の「教育研究上の目的」を、4年制薬科学科のものと区別して学則等に 明記し、広く公表する必要がある。(1.教育研究上の目的) 2. ヒューマニズム教育・医療倫理教育およびコミュニケーション教育の関連科目の学習 成果を総合した目標達成度評価の指標を定めて、それに基づいて適切に評価する必要 がある。(3.医療人教育の基本的内容) 3. シラバスの記載について、以下のような点を改善すべきである。(4.薬学専門教育 の内容) ① 授業方略が記載されていない科目や、評価方法・基準(試験、レポート等 の寄与率の不記載。「出席点」の記載。「再試験」の実施の有無の不記載。) が不適切なものが散見される。② 複数の科目において同じ到達目標(SBOs)が挙げられているものがあ る。到達目標(SBOs)は、薬学専門教育の各ユニットの一般目標(G IO)に関連性の高い科目にしぼって記載する必要がある。 ③ 専門科目単位の30%程度を大学独自科目として開講し、それらの内容の独 自性をシラバス等に明記する必要がある。 4. 実務実習事前学習の成果全体についての目標達成度を評価するための指標が設定され ておらず、それに基づく評価も行われていないため、評価方法については改善が必要 である。 (5.実務実習) 5. 「総合薬学研究」において学部共通の適切な評価法や評価基準を定めて評価する必要 がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 6. 問題解決能力の醸成のための教育の目標達成度を総合的に評価する指標の設定と適切 な評価を行う必要がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 7. 薬科学科と区別した薬学科のディプロマ・ポリシーが定められていないのは改善する 必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 8. 成績評価の公正化や厳格化を図るために、成績評価の基準・方法に関して、統一した 学部内での内規あるいは申し合わせを明文化する必要がある。また、各科目の成績評 価方法・基準はシラバスに明確に記載することが必要である。(8.成績評価・進級・ 学士課程修了認定) 9. 「実務事前実習」のシラバスの成績評価方法に「④客観的臨床能力評価試験(OSC E)での最終評価」と記載されているが、共用試験OSCEの結果を「実務事前実習」 の単位認定に用いていることになり、改善すべきである。(8.成績評価・進級・学 士課程修了認定) 10. 6年制薬学教育プログラムを自己点検・評価するために、薬学部内に定期的に検証す る組織や規程を早急に整備して、内部質保証を図る必要がある。(13.自己点検・ 評価) 11. 自己点検・評価・改善などのPDCAサイクルを機能的に回していく必要がある。(1 3.自己点検・評価)
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| 北海道医療大学 | 私 | 北海道 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
北海道医療大学 総評北海道医療大学は、「生命の尊重と個人の尊厳を基本として、保健と医療と福祉の連 携・統合をめざす創造的な教育を推進し、確かな知識・技術と幅広く深い教養を身につ けた人間性豊かな専門職業人を育成することによって、地域社会ならびに国際社会に貢 献する」という大学としての教育理念の下で、薬学部の「教育研究上の目的」を「専門 職能人としての豊かな人間性を備え、医薬品に対する基礎と応用の科学の修得により、 科学的根拠に基づいた医療および健康の維持・増進に従事し、地域・国際社会に貢献で きる薬剤師を養成する」と定め、6年制薬学教育を行っている。 薬学部では、「全学教育科目と専門教育科目からなる学士課程教育を組む」という大学 のカリキュラム・ポリシー(教育課程の編成・実施方針)の下に、薬学教育モデル・コア カリキュラムに従って各学年で行われる一般的な教育の概要を列挙した6項目の薬学部の カリキュラム・ポリシーを定めている。これらのカリキュラム・ポリシーに基づいて、薬 学部のカリキュラムは「全学教育科目」と「薬学部専門教育」で構成されている。「薬学 部専門教育」のカリキュラムは、6年制の薬学教育として一般的なものであるが、「モチ ベーションを高め自立的な学習態度を養う教育」を行うことを目的にして、学生が入学時 から「自己評価シート(学修ポートフォリオ)」を作成し、自身の目標達成度や成果、反 省点などを振り返り、自主的・自律的な学習態度と学習意欲の向上が図られている。 実務実習は、実務実習モデル・コアカリキュラムに準拠した137コマの事前学習を終え、 薬学共用試験に合格した学生を対象に行っており、実習施設は地区調整機構との調整を経 て決定している。実務実習における学生の指導や施設の訪問には、実務家教員の他「施設 担当教員」、「学生担任教員」などとして全教員が関与している。卒業研究は、「総合薬学研究」として行われ、4年次から研究室に配属しているが、実 質的な卒業研究は5、6年次に行われている。学生は所属する研究室の指導教員の指導を 受けて「実験研究」と「調査研究」のいずれかを選択して研究を行い、6年次前期の「総 合薬学研究発表会」を経て卒業論文を作成しており、指導教員がそれらに基づいて評価し ている。 入学生は大学のアドミッション・ポリシー(入学者受入方針)に基づいて募集しており、 多くの大学が行っている推薦入試、一般入試、センター試験入試以外に、AO(Admission Office)入試や編入学試験など多様な方法で実施している。AO入試では、受験生の高校 時代の様々な活動、志望理由書、志願者評価書および高校の調査書から医療人としての適 性を評価する工夫がなされている。 成績評価は、成績評価方法と基準をシラバスに明記し、それに従って厳正に行われてい る。進級基準は薬学部履修規程で定め、「学生便覧」に記載し各学年の教務ガイダンスで 周知している。薬学部では、教育研究上の目的に基づく6項目の学位授与の方針を定め、 卒業にはそれらを満たすことを求めているが、「総合薬学研究」の単位認定には卒業試験 に合格することが必要であり、「卒業試験」の合否判定が事実上の卒業判定となっている。 学生の勉学と学生生活をサポートするための体制や制度は整えられており、学生の代表 が意見を集約し、教員と一体となってより良い大学作りを目指す企画立案・実施を行う「S CP(Student Campus President:学生キャンパス副学長)制度」も設けられている。 北海道医療大学薬学部の専任教員数は68名(内実務家教員10名)で、大学設置基準の専 任教員数を満たしており、教授、准教授、講師、助教の比率は適切である。専任教員の教 育研究業績は学部全体としては基準を満たしており、授業科目の担当状況、研究条件など もおおむね適切である。教員の採用と昇任は大学と学部の規程に基づいて行われており、 規程の選考基準も適切である。 講義室、少人数教育に対応する教室、他学部と共用の演習室などの教室は十分に整えら れ、情報処理演習、動物実験センター、アイソトープ研究センター、薬学部附属薬用植物 園など必要な附属施設も整備され、実務実習事前学習を実施するための適切な規模の施 設・設備も整備されている。 北海道医療大学には、全学的な自己点検・評価に対応する「点検評価全学審議会」が設 置されており、薬学部にはその下部組織として「薬学部評価委員会」が置かれ、毎年行わ れている全学的な自己点検・評価の結果は自己点検・評価データ集「MESSAGE」と して公表している。以上、北海道医療大学薬学部の6年制薬学教育プログラムは、本機構の評価基準におお むね適合している。しかし、以下の主な改善を必要とする重大な問題点がある。 (1)6年次の時間割で国家試験準備教育に充てられている時間数が卒業研究の時間数よ り多くなっており、4年次においても薬学共用試験への準備と判断される演習が長時 間行われているなど、特定の学年の教育が受験準備に対する偏重していることは好ま しくないので改善することが必要である。 (2)ヒューマニズム教育・医療倫理教育、コミュニケーション能力を育成する教育、実 務実習事前学習、問題解決能力を醸成する教育で、目標達成度を測定する指標を設定 し、それに基づく適切な評価を行うよう改善することが必要である。 (3)留年すると実習科目を除く当該学年の薬学専門科目を、単位取得済みであっても再 履修することを義務付ける履修規程第30条、卒業研究に相当する必修科目である「総 合薬学研究」の単位認定要件に研究内容とは無関係な「卒業試験」に合格することを 含める履修規程第37条は、不適切な規定であるので改訂することが必要である。 (4)大学全体としての自己点検・評価とそれに基づく改善への取り組みは行われている が、本評価の評価基準が求めている薬学部としての薬学教育プログラムに対する恒常 的な自己点検・評価とそれに基づく向上発展を目指す取り組みが行われていないので、 早急に着手することが必要である。 北海道医療大学薬学部には、本評価で指摘されたこれらの改善を要する点を踏まえ、積 極的に改革を進めることにより、これまで以上に社会から信頼され、期待されるよう更な る薬学教育の向上に努めることが望まれる。
大学への提言
北海道医療大学 大学への提言1)長所 1. 「モチベーションを高め自立的な学習態度を養う教育」として、学生が入学時から自 分自身の学習目標などに関する「自己評価シート(学修ポートフォリオ)」を作成し、 各年度・学期始めに担任教員との面談を通して、学生自身が目標達成度や成果、反省 点などを振り返り、自主的・自律的な学習態度と学習意欲の向上を図っていることは 評価できる。(2.カリキュラム編成) 2. 医療基盤科目の「個体差健康科学/多職種連携入門(1年次)」では、全学合同でPBL 形式により、他学部学生と協同でお互いの職種について相互理解を深め、地域医療・ 福祉の連携について議論しており、大学の特徴を生かしたよい試みとして評価できる。 (3.医療人教育の基本的内容) 3. 学生の意見を収集するための組織や委員会として、担任制を補完する「SCP(Student Campus President:学生キャンパス副学長)制度」が設けられている。この制度は学生 の代表が学生の意見を集約し、教員と一体となってより良い大学作りを目指して各種 プロジェクトの企画立案・実施を行う独自の取り組みであり評価できる。(9.学生 の支援) 4. 参加型学習のための少人数教育ができる教室が豊富に確保され、授業だけでなく、学 生の自主的学習活動にも有効に利用されていることは評価できる。(11.学習環境) 5. 情報処理演習室は、能動的なグループ学習への活用を目指して端末と机の配置をグル ープ討論に適した配置とすることができるなど、自由度が高く多角的に利用できる斬 新な設備と設計が採用されていることは、新しい試みとして評価できる。(11.学 習環境) 2)助言 1. 「学生便覧」、「薬学教育シラバス」、自己点検・評価データ集「MESSAGE」 などに掲載されている教育の理念・目的に関わる項目には、「大学の教育理念」、「大 学の教育目標」、「薬学部の教育研究上の目的」、「薬学部の教育理念」、「薬学部 の教育目標」などがあり、学則の「薬学部の教育研究上の目的」が、学生、教職員、社会に正しく周知されていない恐れがあるので、それらの内容を学則の趣旨と一致さ せることが望ましい。(1.教育研究上の目的) 2. 薬学部のカリキュラム・ポリシーは、薬学教育モデル・コアカリキュラムに従って各 学年で行う教育の一般的な概要を列挙したものであるので、薬学部の「教育研究上の 目的」を反映したものに改善することが望まれる。(2.カリキュラム編成) 3. 大学のカリキュラム・ポリシーに謳われている「全学教育科目」として幅広い教養科 目が開講されているにもかかわらず、薬学部の学生の履修科目が一部に偏っているの で、より幅広く履修するよう指導することが望ましい。(3.医療人教育の基本的内 容) 4. ヒューマニズム教育・医療倫理教育に関わる科目ではワークショップなどの学習方法 を取り入れているとしているが、それらの多くは講義科目で、到達目標の多くが「・・・ を説明できる」、「・・概説できる」など知識の修得を主とするものになっている。 それらの科目について、態度教育を重視する目標・方略・評価を持った教育内容に改 善することが望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 5. 「薬学基礎研究Ⅰ~Ⅲ」は、低学年から研究に取り組むユニークな科目であるが、履 修者が少ないので、受講者を増やすことが望ましい。(4.薬学専門教育の内容) 6. 「自己点検・評価書」で大学独自の授業科目としているものには大学独自の科目とし てふさわしくないもの(国家試験準備など)が含まれているので、大学独自の科目を 充実させることが望ましい。(4.薬学専門教育の内容) 7. 「事前学習」の個々の科目における「態度」の評価項目ならびに「態度」と「日誌」 に関する評価基準の設定が適切でないので、適切な基準を設定して評価を行うことが 望まれる。(5.実務実習) 8. 実務実習モデル・コアカリキュラムに準拠して行われている学習の方法において、技 能に関わる一部の項目(D1-(2)-8、 D1-(3)-3、 D1-(4)-14、15、18、20) に、講義のみで対応していることは問題であり、改善することが望まれる。(5.実 務実習) 9. 「総合薬学研究論文集」には、医療、薬学における位置付けが明確に記載されていな いものがあったので、それらを記載するよう指導することが望ましい。(6.問題解 決能力の醸成のための教育) 10. 「総合薬学研究評価表」には問題解決能力を測定できる具体的な項目が設定されてい ないので、評価表を改善することが望ましい。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 11. 入学試験で理科(特に化学)を選択しなくても良いという制度は、入学後の教育に必 要とする基礎学力のない者を入学させてしまう懸念があるので、入学試験科目を改善 することが望ましい。(7.学生の受入) 12. 「調剤学Ⅰ」など一部の科目で技能の到達目標を定期試験で評価していることは好ま しくないので改善することが望ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 13. 学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)の説明は、学生には1年次のガイダンスで、 教員には新任時のFDで説明しているだけなので、その後も説明の機会を設けて、周 知を徹底するよう改善することが望ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認 定) 14. 各実習における担当教員数は5〜10名であるが、基礎科目の実習では、指導者1名当 たり学生約30名(学生160名/教員5~6名)となり、教育の安全性を保つ体制が整備 されているとは言い難いので、改善が望まれる。(9.学生の支援) 15. 実務家教員に対する公的な研修制度が設置されていないので、そのような制度を設け ることが望ましい。(10.教員組織・職員組織) 16. 教員の研究業績はホームページで公表されているが、10年近く内容が更新されていな い教員もいるので、教員の研究業績の公開状況を学部が点検して内容の更新を行うこ とが望ましい。(10.教員組織・職員組織) 17. 卒業研究の学生が研究と勉学に使用できる研究室のスペースを拡大することが望まし い。(11.学習環境) 18. 薬学部棟の冬期暖房の運転時間が18時までと制限されていることは、学生の研究活動 や勉学に支障をきたすので、改善することが望ましい。(11.学習環境) 19. 英文によるホームページに研究内容を掲載することが望ましい。(12.社会との連 携) 20. 「薬学教育評価委員会」を、外部委員を含む恒常的な組織とすることが望ましい。(1 3.自己点検・評価) 3)改善すべき点 1. 6年次の教育において、国家試験準備教育に相当する講義・演習科目に充てられてい る時間割上の時間数が卒業研究の時間割上の時間数より多くなっている。また、4年 次においても内容的に薬学共用試験への準備と判断される必修科目がおかれている。このように、特定の学年の教育が受験準備に偏重していることは好ましくないので改 善することが必要である。(2.カリキュラム編成) 2. ヒューマニズム教育・医療倫理教育、およびコミュニケーション能力を育成する教育 において、総合的な目標達成度を測定するための指標の設定と、それに基づく評価が 行われていないので、目標達成度に対する総合的な評価方法を定め、それに基づいて 適切に評価することが必要である。(3.医療人教育の基本的内容) 3. 実験実習においてはSGDを取り入れることで、実験の意義や結果の考察について、 より理解が深められるよう工夫されているとしているが、シラバスにはそれが明示さ れていない。それらを明示するようシラバスを改善することが必要である。(4.薬 学専門教育の内容) 4. 授業にPBLやSGDが取り入れられているのにシラバスの授業方法には講義としか 表示されていない科目があるので、シラバスの授業方法の記載を実態に合わせるよう 改善することが必要である。(4.薬学専門教育の内容) 5. 実務実習事前学習全体を総合した目標達成度を評価するための指標を設定し、それに 基づいて評価を行うよう改善することが必要である。(5.実務実習) 6. 「総合薬学研究」の実施期間が十分ではなく、6年次の時間割で「総合薬学研究」に 割り当てている時間数が国家試験準備教育と考えられる科目に充てられた時間数より 少ないなど、卒業研究が十分行なわれているとは言えないので、改善することが必要 である。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 7. 「総合薬学研究」のシラバスにおいて、対応する薬学教育モデル・コアカリキュラム の到達目標が「A(2)」のみで、「E 卒業実習教育(E1総合薬学研究)」が含まれ ていないことは不適切なので、改善することが必要である。(6.問題解決能力の醸 成のための教育) 8. 問題解決能力の醸成に向けた教育について、総合的な目標達成度を評価するための指 標が設定されておらず、それに基づく適切な評価が行われていないので、改善するこ とが必要である。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 9. アドミッション・ポリシーが大学にしかなく、薬学部の入学者受入れ方針が示されて いないことは適切ではないので、早急に改善することが必要である。(7.学生の受 入) 10. 平成27年度の卒業判定において、「卒業試験」の不合格のみの理由で卒業延期となっ た学生が54名(6年次在籍者169名の32%)であった。これは、卒業の可否判断に国家試験の合否の見込みを重視したためと考えられ、学士課程の修了認定として不適切で あるので、早急な見直しを図ることが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程 修了認定) 11. 2年次および3年次の留年率ならびに卒業延期率が高く、また増加傾向にあることが 自己点検・評価によって問題と認識されているので、その原因について十分な解析を 行い、改善策を実施することが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認 定) 12. 「総合薬学研究」の単位認定要件に、研究内容とは無関係で薬剤師国家試験に酷似し た問題を用いる「卒業試験」の合格を含める履修規程第37条の規定は、不適切である ので廃止することが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 13. 留年生に対して、留年した学年の全必修科目(実習、全学教育科目を除く)を再履修 するよう定めた履修規程第30条は、修得済みの単位を取り消すことを意味するもので、 単位制の趣旨に抵触するため、改訂することが必要である。(8.成績評価・進級・ 学士課程修了認定) 14. 多くの卒業延期者を出し、それらに対する「特別講義」を予備校講師に委ねているこ とは適切ではないので、改善することが必要である。(8.成績評価・進級・学士課 程修了認定) 15. 基礎資料15には教育研究活動が活発であるとは言えない専任教員も見出される。専任 教員の教育・研究能力の維持と向上を図るため、個々の教員の研究業績を学部として 点検・評価する体制を整備して、改善を図ることが必要である。(10.教員組織・ 職員組織) 16. 現状の自己点検・評価とそれに基づく改善への取り組みは全学的な観点からの改善指 示であるので、本評価の評価基準が求めている薬学教育プログラムに対する恒常的な 自己点検・評価とそれに基づく向上発展を目指す取り組みに着手することが必要であ る。(13.自己点検・評価)
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| 第1期 |
2016年度 |
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3:但し書き 改善報告審議結果 |
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| 武庫川女子大学 | 私 | 兵庫県 | 第1期 | 2016年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
武庫川女子大学 総評武庫川女子大学は、「高い知性、善美な情操、高雅な徳性を兼ね備えた有為な女性の育成」 という「立学の精神」、「学院教育綱領」を教育理念として掲げ、教育目標としている。6年 制の薬学科の教育目的は「薬剤師として高度な臨床能力と実践能力を有し、医療人としての 使命感を持ち、病院・薬局などの医療機関をはじめ、薬の専門家としてあらゆる場面で活躍 できる有為な女性を養成することを目的とする。」である。この「教育研究上の目的」に従っ て、アドミッション・ポリシー(入学者受入方針)、カリキュラム・ポリシー(教育課程の編 成・実施の方針)およびディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)が設定され、大学のホー ムページや履修便覧に記載、公表されている。 医療人としての薬剤師養成の薬学教育カリキュラムは、薬学教育モデル・コアカリキュラ ムにほぼ準拠している。平成27年度は、1年次生が改訂モデル・コアカリキュラム対応(新 カリキュラム)で、2~6年次生は従来のモデル・コアカリキュラム対応(旧カリキュラム) に対応したカリキュラム編成となっている。開講科目はイントロダクション、物理系薬学、 化学系薬学、生物系薬学、健康と環境、医療薬学、実習・演習科目、ヒューマニズム、外国語・ 情報科目の9つの領域に分類されている。各科目の関連図がホームページに公開されている が、各科目間の関連性が明確に示されていないので、科目間関連図等を作成することが望ま れる。 総合大学であるため共通教育科目として、全学の学生に社会のニーズに応じた多様で幅広い科目が提供されている。基礎教育科目、ジェンダー科目、キャリアデザイン科目、言語・ 情報科目、健康・スポーツ科目から成り立つ250科目を開講し、薬学科の学生も多くの科目を 受講している。また、語学教育にも力を入れており、薬学領域の英語の「読む・書く・聞く」 力を付ける1年次の「基礎英語」を始めとし、4、5年次に臨床現場の最前線の文献を理解 する力を身に付ける「発展英語Ⅰ&Ⅱ」まで、体系的に開講されている。 毎年20名の学生が約1か月滞在する「アメリカ留学プログラム」を実施していることは高 く評価できる。学習者参加型の教育科目、問題解決型の教育科目、ヒューマニズム・医療倫 理教育科目、コミュニケーション科目はバランスよく体系的に配置されているが、態度教育 の評価方法については、これからの対応が待たれる。 学習環境は良好で、講義室、実習室、PBL(Problem Based Learning)/SGD(Small Group Discussion)を実施する教室、コンピュータ室など充分な広さであり、整備されてい る。また、学部に隣接する臨床薬学教育センターには、調剤室、模擬薬局、製剤室、モデル 病室、医薬品情報室、無菌製剤室等が完備している。 以上のように、武庫川女子大学薬学部薬学科の薬学教育プログラムは本機構の評価基準に おおむね適合しているが、以下のような重要な改善すべき問題点がある。 (1)薬剤師国家試験の準備教育である「総合演習Ⅱ」の科目単位数当たりの授業時間が学 則の規定に比べ極端に多くなっており、「卒業研究Ⅱ」実施時間が圧迫されているので、 時間割編成の改善が必要である。 (2)薬剤師養成教育に必須であるコミュニケーション能力醸成のための教育を必修専門科 目として設定し、適正な学習方略および評価方法を用いて実施するように改善が必要で ある。 (3)旧カリキュラムにおいて、薬学教育モデル・コアカリキュラムで要求しているSBO s(Specific Behavioral Objectives)の一部が包含されていないなどモデル・コアカ リキュラムに準拠していないので改善すべきである。また、選択科目のみが対応してい るSBOsが一部存在しているので、卒業までに補完できるようにすることが必要であ る。 (4)卒業論文や発表会などを通して卒業研究を評価するために、学科共通の目標達成度評 価の指標を設定し、公正・厳格に評価するように改善が必要である。 (5)平成25年度以降の休学者、留年者、退学者の人数が増加しているという事実は、入学 者選抜において、基礎学力が適確に担保されていないことを示しており、改善が必要で ある。(6)「卒業研究Ⅱ」に実質上の卒業試験である「卒業研究Ⅱ試験」を課して、学士課程修了 条件とする制度を早急に改善する必要がある。 (7)薬学共用試験の合格を「プレファーマシー実習Ⅱ、Ⅲ」、「総合演習I」の単位認定の 条件とする制度を早急に改善する必要がある。 武庫川女子大学薬学部薬学科は、女性薬剤師の養成としての特徴ある教育プログラムを構 築しており、薬剤師教育に熱心に取り組む姿勢がうかがえる。今後はさらにその特徴を伸ば し、また指摘された改善すべき点や助言を踏まえ、より一層の改善・改革を進めることで6 年制薬学教育の更なる発展を期待する。
大学への提言
武庫川女子大学 大学への提言1)長所 1. 学生が学ぶ機会として国際交流を行い、毎年20名の学生が約1か月滞在して「アメリカ 留学プログラム」が実施されている。(12.社会との連携) 2)助言 1. 「教育目的」の掲載が大学のホームページだけであり、薬学部のホームページには掲載 がないため、薬学部ホームページへの掲載が望まれる。(1.教育研究上の目的)2. 「教育目的」について教職員や学生に周知徹底を図ることが望まれる。(1.教育研究 上の目的) 3. 「教育研究上の目的」に対する検証を定期的に行うことが望まれる。(1.教育研究上 の目的) 4. 領域ごとに科目の分類が明示され、学習内容の順次性が理解しやすいカリキュラム・ツ リー(科目関連図)を新旧カリキュラムに対応して、作成することが望まれる。(2. カリキュラム編成) 5. カリキュラム・ポリシーは、履修便覧や武庫川女子大学のホームページ(大学情報の公 表)に掲載されているが、薬学部のホームページ等にも掲載することが望ましい。(2. カリキュラム編成) 6. カリキュラム・ポリシーは、「教育研究上の目的」およびディプロマ・ポリシーを踏ま えたものにすることが望ましい。(2.カリキュラム編成) 7. 早期体験学習は新入生の学習の意欲の向上に重要な科目であることを考慮すると「早期 体験学習IおよびⅡ」の教育内容は、改訂コアカリキュラムの「F薬学臨床①早期臨床 体験」に準じた内容にすることが望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 8. 医療安全教育の分野では薬剤師以外の人的資源(弁護士、医師、行政等)を活用した積 極的な取り組みが望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 9. 生涯学習意欲の醸成に対しての取り組みを積極的に行い、在校生も参加できる生涯教育 に関する科目を充実させることが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容) 10. シラバスの到達目標が抽象的であるので、モデル・コアカリキュラムの到達目標、学習 領域(知識・技能・態度)を記載し、学習領域に適した評価方法で評価することが望ま れる。(4.薬学専門教育の内容) 11. 実務実習の総合的な学習成果を適切な指標に基づいて評価することが望ましい。(5. 実務実習) 12. 問題解決型学習の単位数を卒業単位数の10%程度まで増やすよう努力をすることが望ま れる。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 13. 指定校推薦入試において、調査書の評定値および履修要件に基準を設け、志願理由書や 薬学科教員による面接試験を実施し、医療人としての目的意識や適性を評価しているが、 アドミッション・ポリシーに準拠した入学試験制度の確立に向けて一層の工夫が望まれ る。(7.学生の受入) 14. 学位授与の方針をFD(対教員)や履修ガイダンス(対学生)等においても説明することが望まれる。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 15. 薬学部別館(臨床薬学教育センター)もバリアフリー化を実施することが望まれる。(9. 学生の支援) 16. 教員の授業時間は5.4~35.3時間であり、教員間に偏りが見られる。研究時間の確保を考 慮すると35.3時間の担当時間は多すぎるので、改善が望まれる。(10.教員組織・職 員組織) 17. 教授の半数が60歳代であり、年齢構成にやや偏りが見られるので改善が望まれる。 (10.教員組織・職員組織) 18. 専任教員1人あたりの学生数が26名であるので、増員することが望まれる。(10.教 員組織・職員組織) 19. 助教の再任は実質的には閉ざされているので、人材育成の観点から、助教の再任制度に ついて改善することが望まれる。(10.教員組織・職員組織) 20. 地域住民に対する公開講座等を開催するよう努めることが望ましい。(12.社会との 連携) 21. 人材育成の面からも積極的に教職員の海外留学等を推進することが望ましい。(12. 社会との連携) 22. 薬学部のホームページの英語版を作成することが望まれる。(12.社会との連携) 23. 薬学部自己評価委員会の構成要員は学部内教職員のみであるので、外部委員の参画を求 め、より客観性のある体制の構築が望まれる。(13.自己点検・評価) 3)改善すべき点 1. 薬学部および薬学科の「教育研究上の目的」は「教育目的」として制定されているが、 その内容には「研究上の目的」が入っていないので、加えて制定することが必要である。 (1.教育研究上の目的) 2. 薬学共用試験・薬剤師国家試験の準備教育に偏ったカリキュラム編成・運用について以 下の点を改善することが望まれる。 ・「総合演習Ⅱ」の科目単位数当たりの授業時間が、学則の規定に比べ極端に多くなって おり、「卒業研究Ⅱ」の実質実施時間が圧迫されているので、カリキュラム編成の改善 が必要である。 ・予備校の講師を正規科目担当講師としないように改善する必要がある。 ・大学独自科目の一部を国家試験対策科目としないように改善する必要がある。(2.カリキュラム編成) 3. 薬剤師養成教育に必須であるコミュニケーション能力醸成のための教育を必修専門科 目として設定し、適正な学習方略および評価方法を用いて実施するように改善する必要 がある。(3.医療人教育の基本的内容) 4. ヒューマニズム教育・医療倫理教育について、目標達成度を評価するための指標は設定 されておらず、それに基づいての適切な評価もなされていないため、改善が必要である。 (3.医療人教育の基本的内容) 5. コミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育において、授業科 目ごとに成績評価はなされているが、これらの能力の目標達成度を評価するための指標 の設定と評価はなされておらず、改善が必要である。(3.医療人教育の基本的内容) 6. 医療の過誤、医療事故を防止するためのチーム医療についての教育が選択科目(5年次 「地域で活動する薬剤師」、6年次「薬物の適正使用と医療倫理」)として開講されて いるが、必修科目として開講するよう改善する必要がある。(3.医療人教育の基本的 内容) 7. 旧カリキュラムにおいて、薬学教育モデル・コアカリキュラムで要求しているSBOs の一部が包含されていないなどモデル・コアカリキュラムに準拠していないので改善す る必要がある。また、選択科目のみが対応しているSBOsが一部存在しているので、 卒業までに補完できるようにすることが必要である。(4.薬学専門教育の内容) 8. 大学独自の科目をシラバス上に明示するように改善が必要である。(4.薬学専門教育 の内容) 9. 事前学習の目標達成度を評価するための指標を設定し、指標に基づいて適切に評価する ように改善する必要がある。(5.実務実習) 10. 卒業論文や発表会などを通して卒業研究を評価するために、学科共通の目標達成度評価 の指標を設定し、公正・厳格に評価するように改善する必要がある。(6.問題解決能 力の醸成のための教育) 11. 卒業論文の作成に関して以下の問題点があるので改善する必要がある。 ・一つの課題で共同研究を行った学生であっても各自がオリジナルの卒業論文を提出す るように改善すべきである。 ・卒業論文は要旨ではなく、卒業論文にふさわしい内容に改善する必要がある。 (6.問題解決能力の醸成のための教育) 12. 卒業研究以外の問題解決能力醸成に向けた教育において、各科目を総合した達成度を評価するために指標を設けて、評価するように改善する必要がある。(6.問題解決能力 の醸成のための教育) 13. 平成 25 年度以降の休学者、留年者、退学者の人数が増加しているという事実は、入学 者選抜において、基礎学力が適確に担保されていないことを示しており、改善が必要で ある。(7.学生の受入) 14. 薬学共用試験の合格を「プレファーマシー実習Ⅱ、Ⅲ」、「総合演習I」の単位認定の 条件とする制度を早急に改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認 定) 15. 「卒業研究Ⅱ」に実質上の卒業試験である「卒業研究Ⅱ試験」を課し、学士課程修了条 件とする制度を早急に改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 16. 予備校の模擬試験を正規の試験の一部として使用しないように改善する必要がある。 (8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 17. 「卒業研究Ⅱ」に関する内規および「卒業研究Ⅱ試験」の成績による採点未着科目の救 済措置等に関する内規を改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認 定) 18. 卒業延期となった学生の教育の一部を予備校で行っていることは問題であり、改善すべ きである。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 19. 卒業延期の学生に対して、「卒業研究Ⅱ」の継続履修が行われているように取り扱うこ とを廃止するように改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 20. 5年間教育・研究実績として著書・論文の数が少ない、あるいは全く無い教員も認めら れる。教育目標を達成するための基礎となる研究活動を大学が自己点検・評価すること によって、全教員が教育・研究の業績を上げるように改善する必要がある。(10.教 員組織・職員組織) 21. 薬学部自己評価委員会が、6年制薬学教育プログラムを毎年継続的に自己点検・評価を 実施するように改善し、その記録を残すことが必要である。(13.自己点検・評価) 22. 自己点検・評価の結果を教育研究の改善に反映させることが必要である。(13.自己 点検・評価)
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| 第1期 |
2016年度 |
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3:但し書き 改善報告審議結果 |
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