薬学教育評価報告の結果と公表
各年度の「薬学教育(6年制)評価」結果報告書
各年度の改善報告の審議結果一覧(大学別)
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| 大学名 | 設置形態 | 所在地 | 評価基準 | 実施年度 | 判定 | 大学の自己点検評価 | 評価結果 | 評価後の対応 改善報告 その他 |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 姫路獨協大学 | 私 | 兵庫県 | 第1期 | 2016年度 | 継 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
姫路獨協大学 総評姫路獨協大学薬学部医療薬学科は「人間性豊かな幅広い教養、問題発見・解決の能力及び論理的思考力、医療事故及び薬害を防ぐ安全管理能力、並びに先端医療科学に対応できる能力を修得し、医療機関、企業及び公共機関等において活躍できる豊かなコミュニケーション能力を備え、生涯にわたり学び続ける意思及び能力を身につけた幅広い視野を持つ高い資質の薬剤師を養成すること」を教育上の目的として掲げ、教育課程の編成・実施方針(カリキュラム・ポリシー)、入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)を制定し、6年制薬学教育を行っている。
初年次教育として、「入学前教育の充実」、「入学時点の学力判定及び担任教員による学習指導」などを準備する、「数学」など基礎科目の入学後学力判定試験を実施しその結果を学習指導へ活用するなど、多様な入学生への対応に努めている。また、専門教育においては、アドバンスト教育として4年次の「医療遺伝学」、6年次の「再生医学」、「新薬論」が選択科目として設定されている。実務実習事前学習は適切な指導者のもとで実施され、「リスクマネージメント」、「フィジカルアセスメント」、「処方解析」などの実践的教育も実施されている。薬学共用試験(CBT:Computer Based TestingおよびOSCE:Objective Structured Clinical Examination)の合格判定は、薬学共用試験センターの提示する合格基準に従って実施されている。さらに実務実習は、一般社団法人薬学教育協議会病院・薬局実務実習近畿地区調整機構(以下、近畿地区調整機構)を介して選定された実習施設において実務実習モデル・コアカリキュラムに準拠して行われている。 入学試験は多様な方式で行なわれている。入学者数については、発足当時の入学定員数120名を平成25年度より100名に変更し、平成23年度に49名であった入学生が27年度には101名へと徐々に増加しているが、入学定員充足率は0.41から1.29と変動が大きくなっている。 学生の経済的支援として、大学独自の姫路獨協大学奨学金、姫路獨協大学特別学業支援奨学金、緊急支援奨学金、遠隔地予約奨学金、経済困窮者への授業料等の減免制度を設けている。学習環境としては、講義室(学部専用1室を除く)、演習室、および学生自習室が全学共用施設として整備されている。社会との連携については、姫路薬剤師会、兵庫県病院薬剤師会西播支部との連携により、地域の薬剤師の資質向上に努めている。 しかし、本機構の評価基準に照らして教育プログラムの内容を評価すると、改善を必要とする重大な問題が見出される。改善を必要とする主な問題点は下記のとおりである。 (1)薬学教育カリキュラムが薬学共用試験や薬剤師国家試験合格の対策に偏っていることが懸念される。問題解決能力の醸成のための教育における卒業研究の実質的な期間は約半年である。これは国家試験対策に相当する科目が6年次前期に配当されていることで、卒業研究の実施期間が圧迫されているためと推察される。また、6年次の講義が国家試験受験予備校に依頼して実施されており、問題がある。さらに、現行のカリキュラムにおいては、教育内容が階層的なカリキュラムでの順次性と一致していない科目配置が認められる、改訂新カリキュラムの6年次において専門分野の選択科目をまったく履修しなくても卒業が可能である、在学中に卒業要件単位数を変更しているなどの問題があり、6年一貫教育の再構築が必要である。 (2)留年率と退学率が恒常的に高く、入学システムが入学後の教育に求められる基礎学力を適確に評価しているとは言えない。 (3)6年次後期の「卒業研究Ⅱ」における試験(卒業研究Ⅱ試験)が実質的な卒業要件となっており、さらに「卒業研究Ⅱ」の合否判定の際に、国家試験受験予備校による薬剤師国家試験模擬試験結果との相関を考慮し当該試験の合否判定がなされており、適正な卒業判定とは言えない。 (4)平成28年度前期の段階で、教員数が大学設置基準を満たしておらず、進行中の教授等の公募を早急に完了させ、専任教員の不足を解消する必要がある。 (5)姫路獨協大学薬学部の教育プログラムは多くの問題を改善することなく抱え続けており、自己点検・評価の体制が整備され、その結果が教育研究活動の改善等に活用されているとは言えない。教育プログラムの改善のために、自己点検・評価のための常置委員会の設置、規定の作成など、評価体制の整備と定期的な自己点検・評価の実施が必要である。 上記の問題点に加えて、学部の理念および研究上の目的が設定されていない、薬学教育モデル・コアカリキュラムの一部項目が選択科目となっている、シラバスの記載に不備が認められる科目が多数存在する、教育プログラムの定期的な自己点検・評価が実施されていないなどの多くの問題点が認められる。 今回の評価において「改善すべき点」として指摘した諸問題を教職員で共有し、改善に取り組み、姫路獨協大学薬学部としての6年制薬学教育を構築し実施することを期待する。
大学への提言
姫路獨協大学 大学への提言1)助言1. 「教育上の目的」の学生および教職員への周知が「履修の手引き」の配布にとどまっており、さらなる充実が望まれる。(1.教育研究上の目的)2. 「教育上の目的」が、手引き、学則、ホームページで「特徴」、「目的」、「教育目的」の様に表現が統一されておらず、「教育上の目的」に統一することが望ましい。(1.教育研究上の目的)3. 教育上の目的は、「全学自己評価委員会」、その部局内組織の「薬学部自己評価委員会」により定期的に検証するよう努められているが、これまでに再検討の実績はないので、定期的な検証が望まれる。(1.教育研究上の目的)4. 薬学部自己評価委員会の規定がなく、整備が求められる。(1.教育研究上の目的)5. カリキュラム・ポリシーの学生および教職員への周知については、「履修の手引き」にとどまっており、学生および教職員の認知率が高いとはいえず、周知方法のさらなる充実が望まれる。(2.カリキュラム編成)6. ディプロマ・ポリシーを意識したカリキュラム・マップにすることが望ましい。(2.カリキュラム編成)7. 準備教育の受講は主に学生の主体性に任されており、その後の留年者数の多さを勘案すると、さらなる充実が求められる。(3.医療人教育の基本的内容)8. 改訂新カリキュラムでは2年次以降での「早期体験学習」の実施が確認できず、さらなる充実が求められる。(3.医療人教育の基本的内容)9. 薬害等の防止に該当する科目に「薬物副作用論」、「安全管理」があるが、両科目とも選択科目であり(旧カリキュラムでは必修、改訂新カリキュラムでは選択)、履修しなくても卒業が可能であり、教育上の目的に鑑み、必修化が望ましい。(3.医療人教育の基本的内容)10. ヒューマニズム教育・医療倫理教育に対応する科目の技能・態度の評価方法に明確な評価指標がないなどの問題があり、評価方法の適正化が望まれる。(3.医療人教育の基本的内容)11. 大学独自の科目として開設されている4年次の「医療遺伝学」、6年次の「再生医学」、「新薬論」などは選択科目となっており、受講者数も少ないものもあり、問題である。現在の科目を必修化する、科目数を増やして選択必修化するなど、大学独自の専門教育のさらなる充実が望まれる。(4.薬学専門教育の内容)12. 基礎と臨床の関連付けをシラバスに明記することが望まれる。(4.薬学専門教育の内容)13. 実務実習事前学習の教員負担の均等化が求められる。(5.実務実習)14. 「実務実習委員会」が組織されているが、責任の所在については明確ではなく(委員長は誰か、各委員の担当は、など)、規則の制定などが求められる。(5.実務実習)15. 実務実習の総合的な学習成果を評価するための指標を設定し、それに基づく評価を適切に行うことが望まれる。(5.実務実習)16. 卒業研究発表会は、6年次の10月までに複数の研究室が合同で開催しているが、一部、単独の研究室で行っているところがあり、薬学部全体での実施が望まれる。また、発表時間は統一されておらず、統一することが望ましい。(6.問題解決能力の醸成のための教育)17. 「卒業研究Ⅰ」、「卒業研究Ⅱ」、「物理・化学系統合演習(PBL)」などについて、シラバスに記載されている評価方法と実態がかけ離れているため、シラバスの整備が求められる。(6.問題解決能力の醸成のための教育)18. 正味時間では、問題解決型学習の実施時間数が18単位を満たしておらず、さらなる充実が期待される。(6.問題解決能力の醸成のための教育)19. 平成28年度に24%の定員割れがあったため、29年度以降の入学試験での是正が期待される。(7.学生の受入)20. 入学者数の変動が大きく(充足率/平成23年度:0.41、平成24年度:0.61、平成25年度:0.80、平成26年度:1.29、平成27年度:1.01、平成28年度:0.76(基礎資料7))、学年による教育の質の差異を避けるためにも、安定した入学者数の確保が望まれる。(7.学生の受入)21. 前年度に不合格となった科目については再履修が原則であるが、当該年次の必修科目の開講時間と重なった場合には、再履修することなく再試験として受験できる仕組みとなっており、修正が望まれる。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)22. ハラスメント防止講習会への薬学部教員の参加率が23.3%と低く、全員参加などのさらなる活動が望まれる。(9.学生の支援)23. 平成22年度以降、「学生満足度調査」を実施しておらず、定期的な調査が期待される。(9.学生の支援)24. すべての実験実習担当教員の数が2~3名であるために指導者1人あたりの学生数が30~45名(在籍学生数での平均)となっている。この教員数は安全性の面で非常に問題であるため、担当教員の増員が望まれる。(9.学生の支援)25. 事故や災害の安全対策について、現場任せではなく学部として取り組むことが望まれる。(9.学生の支援)26. 事故や災害の発生時や被害防止のためのマニュアル整備は不十分であり、充実が望まれる。(9.学生の支援)27. 専任教員1名に対する学生数は22名となっており、専任教員数の増などのさらなる努力が期待される。(10.教員組織・職員組織)28. 准教授以下の若手教員の増員が望まれる。(10.教員組織・職員組織)29. 教員によっては教育・研究等活動の情報を更新していない者がおり、定期的な更新が望まれる。(10.教員組織・職員組織)30. 実務家教員の研鑽の場として、薬剤師会・病院薬剤師会・姫路獨協大学薬学部の共催による「西播・姫路医療セミナー」を開催しているが、その他の取り組みについては一部教員のみとなっており、学部としての体制構築が期待される。(10.教員組織・職員組織)31. 学生自習室が共用で2室しかないため学生の自習スペースが少なく、薬学生の自習スペースの拡充が望ましい。(11.学習環境)32. 英文による薬学部の情報発信(ホームページ)が行われておらず、さらなる充実が期待される。(12.社会との連携)33. 教員の海外研修(留学)実績がなく、さらなる充実が期待される。(12.社会との連携)34. 定期的な自己点検・評価を行う委員会を設置する際には、外部委員を含めることが望ましい。(13.自己点検・評価)3)改善すべき点1. 学部の理念が設定されていないため、改善が必要である。(1.教育研究上の目的)2. 研究上の目的が設定されておらず、改善が必要である。(1.教育研究上の目的)3. 現行のカリキュラムにおいては、教育内容が階層的なカリキュラムでの順次性と一致していない科目配置が認められる、改訂新カリキュラムの6年次において専門分野の選択科目をまったく履修しなくても卒業が可能であるなどの問題があり、6年一貫教育の再構築が必要である。(2.カリキュラム編成)4. 平成27年度のカリキュラム変更に伴い在学生の卒業要件単位数を変更していることは、ディプロマ・ポリシーや履修基準(卒業要件単位数含む)が入学時に提示したものから変更できない、一種の学生との契約書であるという大学教育の根本的な原則が理解できていないことを示しており、今後は入学時に提示された卒業要件単位数を変更しないことが求められる。(2.カリキュラム編成)5. 6年次の講義が国家試験受験予備校に依頼して実施されており、改善が必要である。(2.カリキュラム編成)6. カリキュラム・ポリシーの策定ならびにカリキュラムの見直しと改訂は学部教育の根幹をなすものであるが、これらを検討する委員会組織や規定、議事録が確立されておらず、常置委員会の設置や委員会の整理、委員会規定の制定などの改善が求められる。(2.カリキュラム編成)7. 姫路獨協大学薬学部の薬学教育カリキュラムは薬学共用試験や薬剤師国家試験の合格のみを目指した教育に過度に偏っており、改善が必要である。(2.カリキュラム編成)8. ヒューマニズム教育・医療倫理教育について、目標達成度を評価するための指標は設定されておらず、それに基づいての適切な評価もなされていないため、改善が必要である。(3.医療人教育の基本的内容)9. コミュニケーション能力および自己表現能力を身につけるための教育において、授業科目ごとに成績評価はなされているが、これらの能力の目標達成度を評価するための指標の設定と評価はなされておらず、改善が求められる。(3.医療人教育の基本的内容)10. シラバスの記載について下記の問題があり、改善が必要である。・詳細のわからないシラバスがある。・ほとんどの科目に一般目標と到達目標は明示されているが、書式が統一されておらずわかりにくい。・どの科目が大学独自であるかが判別できない。・モデル・コアカリキュラムの記載について教員間での差異がある。・一部科目においてはシラバスの記載とモデル・コアカリキュラムの目標との対応が不明瞭である。・方略やオフィスアワーに関する記載に問題のある科目が散見される。・科目によっては複数の評価方法を用いる際の寄与率が記載されていないものがある。・基礎と臨床の関連付けについて明示されていない。(4.薬学専門教育の内容)11. モデル・コアカリキュラムの一部項目が選択科目となっており、改善が必要である。(4.薬学専門教育の内容)12. 実務実習事前学習の目標達成度を評価するための指標が設定されておらず、それに基づく評価もなされていないため、改善が必要である。(5.実務実習)13. 実務実習の成績評価方法を設定し、シラバスに具体的に記載する必要がある。(5.実務実習)14. 全員が卒業研究に取り組むことができる時間が、4年次の約1ヶ月、5年次の実務実習以外の期間(約3ヶ月)、6年次前期の11%(37時間/330時間)に留まっており、問題解決能力醸成のために十分な卒業研究時間の確保が必要である。(6.問題解決能力の醸成のための教育)15. 卒業論文や発表会などを通して卒業研究を評価するために、学部共通の評価指標を設定し、評価する必要がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育)16. 卒業論文が枚数制限されているために十分な内容とは言えず、問題解決能力の醸成のためには卒業論文のさらなる充実が必要である。(6.問題解決能力の醸成のための教育)17. 問題解決能力醸成に向けた教育において、目標達成度を評価するための指標の設定と、それに基づく適切な評価がなされておらず、改善が必要である。(6.問題解決能力の醸成のための教育)18. 総在籍者に占める留年者、退学者の割合は、9.3~27.0%と高く、さらにストレート卒業率も33.3~43.3%と低く、入学後の教育に求められる基礎学力が適確に評価されているとは言えず、学生の受入れについての改善が必要である。(7.学生の受入)19. 単位未修得の科目が4科目以上の場合の進級不可に加えて、実質的には演習科目の場合は1科目の結果で進級不可になるが、これら演習科目の単位認定についてシラバスの評価方法・基準の欄が「定期試験と課題レポートで総合的に評価する」など不明瞭な記載となっており、改善が必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)20. 6年次後期の必修科目である「卒業研究Ⅱ」で学科試験を行い、その合否によって実質的には学士課程の修了認定が行われており、学士課程の修了認定が厳格に行われているとは言えないので、が実質的な卒業要件となっており、改善が必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)21. 「卒業研究Ⅱ」の合否判定の際に、国家試験受験予備校による薬剤師国家試験模擬試験結果との相関を考慮し当該試験の合否判定がなされており、改善が必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)22. 平成27年度までは卒業留年者への対応は、外部受託先施設(国家試験受験予備校)に任せており、問題であるので、改善が必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)23. 平成28年度前期の段階で、教員数が大学設置基準を満たしておらず、さらに教授数も半数を満たしておらず、早急に教授等の公募と選考を完了させて、専任教員の不足を解消する必要がある。(10.教員組織・職員組織)24. 最近6年間あるいは数年の研究業績がない教員がおり、研究時間の確保など教育研究の向上を目指した取り組みが必要である。(10.教員組織・職員組織)25. 教育プログラムの改善のために、自己点検・評価の常置委員会の設置、規定の作成など、評価体制の整備と定期的な自己点検・評価の実施が必要である。(13.自己点検・評価)
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| 第1期 |
2020年度 |
適 |
再評価改善報告書 基礎資料 正誤票 |
再評価報告書
総評
姫路獨協大学 総評姫路獨協大学薬学部は、教育研究上の目的を「薬学部は、薬の専門家としての実践的能力、高い倫理観と豊かな人間性を備え、人々の健康保持・増進と福祉の向上に貢献し、薬物治療の進展に資する研究心をもった薬剤師を育成することを目的とする。」と定め、これに基づき学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)、その達成に向けた教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)、入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)を定めて6年制薬学教育を行っている。姫路獨協大学薬学部の教育プログラムは、2016(平成28)年度に行った本評価において、「カリキュラム編成」、「問題解決能力の醸成のための教育」、「成績評価・進級・学士課程修了認定」、「教員組織・職員組織」、「自己点検・評価」に重大な問題点が見出され評価継続となったため、それらの問題点に対する改善結果について再評価を行った。姫路獨協大学薬学部では、2017(平成29)年度に教育目的について改めて協議し、教育研究上の目的の改定を行った。新しい教育研究上の目的に基づき、2017(平成29)年度に教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)も協議・改定され、カリキュラムの再編が行われた。また、これらを見直すために薬学部教育改善実施(FD)委員会が設置され、2年に1回見直すことも委員会規定に明記されており、改善に向けての体制が整備された。しかしながら、ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーの関連性が明確でない部分が認められるため、さらなる充実が求められる。- 2 -2017(平成29)年度に改定されたカリキュラム・ポリシーに基づいて新カリキュラムが編成された。しかしながら、「地域の薬剤師活動を学ぶ」以外の科目については、一部科目名の変更はあるものの学年の変更はほとんどなく、2017(平成29)年度以前のカリキュラム配置から大きな変更は認められない。これらのことから、カリキュラム・ポリシーを再検討してカリキュラムを抜本的に見直し、階層的、順次的構成へと改めることが求められる。旧カリキュラムについては、2016(平成28)年度の薬学教育評価機構の評価での指摘事項に基づいて見直しが行われ、4年次の「薬学応用演習Ⅱ」と「薬学応用演習Ⅲ」はCBT(Computer Based Testing)対策として、6年次の「薬学総合演習Ⅱ」と「薬学総合演習Ⅲ」は薬剤師国家試験対策としての意味合いが強い科目となっているが、一方、「薬学応用演習Ⅰ」、「薬学総合演習Ⅰ」、「医療薬学系統合演習」などはPBL(Problem BasedLearning)やグループ学習を組み入れた教育編成とするなどの変更が行われ、薬学共用試験や薬剤師国家試験の合格のみを目指した教育に過度に偏っていた状況は改善された。2016(平成28)年度の薬学教育評価機構の評価での指摘事項に基づいてカリキュラムが改編され、5年次前期から6年次11月末までの期間の実務実習を除く、合計7.5ヶ月が卒業研究に当てられるようになった。また、2016(平成28)年の薬学教育評価での指摘を受け、薬学部が主催して6年生全員が同一日に発表する卒業研究発表会が、10月に実施されようになった。卒業論文についても、指導教員を含めた2名の教員による査読と指導が行われている。新カリキュラムにおける問題解決型学習の実質的な単位数としては、各学年に配置した「統合演習(PBL)」7単位(1単位x7)、「卒業研究Ⅰ」2単位、「卒業研究Ⅱ」4単位、「薬学総合演習A」0.5単位、各学年に配置されている学生実習の合計3.25単位(実質の時間をグループによる考察とレポートの配点で1単位の1/4と計算、0.25単位x13)の、合計16.75単位に留まっており、さらなる充実が求められる。また、シラバスに学習方法を記載する項目がなく、改善が必要である。成績評価については、一部の科目で評価項目の比率が示されていないなどの不備が散見される、「出席」を評価基準としている科目があるなど、改善が必要である。学生への成績通知については、2016 (平成28)年度の本評価時には掲示板での通知であったが、メールによる通知方法へと変更された。留年生などに対する学習指導も個別面談を行うなど、改善が認められる。しかしながら、評価実施年度におけるストレート在籍率は4年次で既に6割を切っており、留年者・休学者・退学者もいまだに多く、さらなる努力が期待され- 3 -る。姫路獨協大学薬学部の教員在籍状況は、助教以上の専任教員が28名(訪問調査時には29名)、そのうち教授が14名であり、設置基準上必要な専任教員数を満たしている。しかしながら、大学設置基準に定められている専任教員数を大幅に超えるにはいたっていない。専任教員における実務家教員数は5名(教授:3名、准教授:1名、講師:1名)と、設置基準上必要な実務家教員数が満たされている。姫路獨協大学薬学部には、16の研究室があり、各研究室には補助的役割の助手を含めて2〜3名の教員が配置され、必要な施設・設備が整備されている。研究室への配属は4年次後期に決定され、1学年の配属定員数は1研究室あたり2〜9名となっており、1研究室あたりの面積は110 m2である。薬学部内には、共同研究機器室、学生実習室、薬用植物園が整備されている。また各研究室にはネットワーク環境が整備されており、電子ジャーナルを活用できる環境が整えられている。しかしながら、動物飼育や薬用植物の管理については保守管理に関わる薬学部専任職員が配置されていないため、円滑な運用のためにも施設専任事務職員の配置が望ましい。姫路獨協大学薬学部では、2016(平成28)年度の薬学教育評価機構による評価での指摘を受け、2017(平成29)年度に、自己点検・評価の常置委員会として、薬学部教育改善実施(FD)委員会が設置された。本委員会委員の構成は、学部長(委員長)、教務委員、基礎薬学の教員から3名以上、臨床系薬学の教員のうちから2名以上、教務課の職員、その他委員会が必要と認めた者とされており、さらに2019(平成31/令和1)年度に規定を改定し、外部委員1名が含まれることとなった。委員会は原則月1回開催されている。しかしながら、カリキュラムの見直し、実務実習など個々に対する改善策は立案されたが、教育活動全般を見直すまでには至っていない。また、「再評価報告書」ならびに「基礎資料」等にも間違いが散見される。これらの原因として、薬学部教育改善実施(FD)委員会委員の人数が限られていること、さらに、自己・点検とFD活動を行う組織が同一であるため、仮に改善が必要な問題が生じた場合でも、自らの組織で提案した活動を否定することは容易ではないことなどが考えられることから、PDCAサイクルのCとAを薬学部教育改善実施(FD)委員会単独で担当することには無理があり、別な組織を設けて役割分担をするなど、改善が必要である。以上のように、姫路獨協大学薬学部は、本評価において指摘された多くの問題点に対して真摯に改善に取り組んでおり、本評価において適合と判断されていた諸項目を合わせて、本機構の定める「薬学教育評価 評価基準」に適合していると判断できる。- 4 -姫路獨協大学薬学部には、再評価で指摘された改善すべき点と助言、および本評価の提言への対応が十分にはなされていない問題点の改善に取り組み、薬学教育のさらなる向上に努めることを期待する。
大学への提言
姫路獨協大学 大学への提言 1)助言
1. 教育研究上の目的にある「豊かな人間性」に相当する内容が、学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)と教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)の関連性が明確でない部分が認められるため、ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーとの整合性のさらなる充実が望まれる。(2.カリキュラム編成)2. カリキュラム・ポリシーを再検討してカリキュラムを見直し、階層的、順次的構成へと改めることが望まれる。(2.カリキュラム編成)3. 卒業研究に充てられている実質的な時間数は合計7.5ヶ月に留まっており、未だ問題解決能力醸成のために十分な卒業研究時間の確保ができているとは言えず、さらなる充実が望まれる。(6.問題解決能力の醸成のための教育)4. 新カリキュラムにおける問題解決型学習の実質的な単位数としては16.75単位に留まっており、さらなる充実が望まれる。(6.問題解決能力の醸成のための教育)5. 再評価実施年度(2020年度)におけるストレート在籍率は4年次ですでに6割を切っており、留年者・休学者・退学者も未だに多く、さらなる努力が望まれる。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)6. 総合的な学習成果の測定の指標を設定し評価することが望まれる。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)7. 専任教員1人あたりの学生数は、在籍数ベースでは15.8名であるが定員ベースでは21名であり、教員数のさらなる増加が望まれる。(10.教員組織・職員組織)8. ホームページでの公表に関して、一部の教員で情報が更新されていない、一部の教員は公表のリンクがされていないなどの問題も散見されるため、ホームページの更新などさらなる充実が望まれる。(10.教員組織・職員組織)9. 実務家教員が常に医療に対応するために、病院など現場で研鑽できる制度の構築が望まれる。(10.教員組織・職員組織)10. 教員の週当たりの平均授業時間において7時間を超えている教員が見受けられ、特に講師、助教といった若手教員の負担が大きくなっているため、研究時間を確保する上- 33 -でも教員を増員して授業負担の改善を図ることが望まれる。(10.教員組織・職員組織)11. 薬学部には、共用試験、病院薬局実務実習、薬学教育第三者評価などの運営に関連する多くの事務作業があるため、円滑な運用のためにも学部専任事務職員の配置が望まれる。(10.教員組織・職員組織)12. 共同利用研究施設の運営に関して、図書館についての記載はあるが、動物飼育、薬用植物の管理については保守管理に関わる薬学部専任職員の配置が認められず、円滑な運用のためにも施設専任事務職員の配置が望まれる。(10.教員組織・職員組織)13. 薬学教育カリキュラムの自己点検・評価については、2016(平成28)年度の薬学教育評価機構による評価での指摘を受けた項目を中心とした見直しに留まっており、今後は、大学独自の評価項目も加え、教育プログラム全体を定期的に自己点検・評価することが望まれる。(13.自己点検・評価) 2)改善すべき点 1. シラバスの開講年次(実態)とカリキュラム・マップとの齟齬が一部認められるため、シラバス等の見直しが必要である。(2.カリキュラム編成)2. 問題解決能力の醸成に関わる総合的な目標達成度の評価の指標の設定と評価は行われておらず、改善が必要である。(6.問題解決能力の醸成のための教育)3. 新旧カリキュラム共にシラバスに学習方法の項目がなく、一部の科目の評価方法において「グループ学習等における貢献度、課題発表」などと記載されるに留まっており、シラバスに学習方法の項目を加えるなど、改善が必要である。(6.問題解決能力の醸成のための教育)4. シラバスには各科目の成績評価の評価項目として定期試験、小テスト、レポートなどが記載され、評価方法による成績の比率についても明記されているが、「医療薬学系統合演習(PBL)」、「ドイツ語」、「アジアの歴史」、「一般医薬品入門」など記載のない科目も見受けられるため、全科目でシラバスを再確認し、適宜修正することが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)5. 「出席」を成績評価の基準とし、さらに総合点に占める割合が高い科目もあり、改善が必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)- 34 -6. 学部が行っている自己評価の結果が薬学部のホームページに公開されているが、FD活動および議事録のみとなっており、自己点検評価書の掲載などの改善が必要である。(13.自己点検・評価)7. カリキュラムの見直し、実務実習など個々に対する改善策は立案されたが、教育研究活動全般を見直すまでには至っておらず、さらに、「再評価報告書」ならびに「基礎資料」等にも間違いが散見される。これらの原因として、FD委員の人数が限られていること、さらに、自己・点検とFD活動を行う組織が同一であるため、仮に改善に問題が生じた場合でも、自らの組織で提案した活動を否定することは容易ではないことなどが考えられることから、PDCAサイクルのCとAを薬学部教育改善実施(FD)委員会単独で担当することには無理があり、別な組織を設けて役割分担をするなど、改善が必要である。(13.自己点検・評価) |
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