薬学教育評価報告の結果と公表
各年度の「薬学教育(6年制)評価」結果報告書
各年度の改善報告の審議結果一覧(大学別)
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| 大学名 | 設置形態 | 所在地 | 評価基準 | 実施年度 | 判定 | 大学の自己点検評価 | 評価結果 | 評価後の対応 改善報告 その他 |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 岡山大学 | 国 | 岡山県 | 第2期 | 2021年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
岡山大学 総評 岡山大学薬学部は6年制の薬学科と4年制の創薬科学科の2学科を設置し、大学の基本理念と薬剤師養成教育に課せられた基本的な使命を踏まえて、「ヒトの健康を目的として物質を活用する。すなわち薬剤師としての業務を遂行するための専門的知識・技能・態度を教育する。さらに、これらを基にした解析・創出をも含む新たな知の創出を行うために、観察力・洞察力・分析力・論理力・研究遂行能力・発信力を練磨し、もって国際社会に貢献する人材を育成する」ことを薬学科の「教育理念・目標」とし、それに基づいた「卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。しかしながら、「薬学教育評価 評価基準」の「内部質保証」、「学修成果の評価」についてはその意義を十分に理解していないと判断せざるを得ない。この一事を以て直ちに「薬学教育評価 評価基準」全体に適合していないとまでは言えないものの、適切な措置を早急に講ずることは必要である。したがって、所定の期間内に十分な改善が認められない場合、本認定はその効力を失うこととしている。第一に、岡山大学薬学部から提出された「自己点検・評価書」は粗放な記述が多く、教育の質に関わる「教育研究上の目的と三つの方針」、「内部質保証」及び「薬学教育カリキュラム」について、「薬学教育評価 評価基準」に対する適合性を確認できなかった。そのため、書面調査結果に付記した質問事項に対する大学の回答と書面調査結果に対する大学の意見、追加資料ならびに訪問調査時の意見交換などを経て明らかになった状況を「概評」に引用し、2020 年度の実態に沿った評価とせざるを得なかった。また、岡山大学薬学部が行っている自己点検・評価は、機関別認証評価や大学法人評価、大学の「評価センター」による評価のような学部外からの指摘や要請によるものが中心になっており、本機構の評価基準が求める自主的な内部質保証を目的とするものであるとは言えない。これらの事実から、薬学教育プログラムを自己点検・評価し、それに基づいて教育に関する内部質保証を積極的に行う重要性について理解が欠けていると言わざるを得ない。第二に、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得度を評価するための「学修成果の評価」の在り方と、その段階的な修得状況を教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていない。また、専門分野別カリキュラム会議は、当該分野における学習の達成度や薬学科ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果の達成度などについての質的・量的な解析を行っていない。なお本機構では、第1期の薬学教育評価において、特定の資質・能力の修得を目指す科目群における学修目標の達成度を評価するための種々の指標を設定し、それに基づく評価を行うことを「改善すべき点」と指摘したが、提出された改善報告書では改善が十分になされているとは言えない旨を 2018 年7月に通知・公表している。これらの事実から、教育課程の進行に対応して学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用することの重要性が十分に理解されておらず、それらの実施に向けた検討もなされていないと判断できる。岡山大学薬学部は、提出された「自己点検・評価書」から教育研究体制の実態を把握し、評価することは困難ではあったが、教育研究に対する熱心な姿勢はうかがえる。自己点検・評価に基づく内部質保証体制を整え、学修成果の評価体制のさらなる発展を目指した改革・改善に向けて、組織的な問題の発見とその修正に努められたい。
大学への提言
岡山大学 大学への提言 1)長所
1. 1、2年次に研究室での実際の研究を体験できる、特徴的なプログラムである「薬学研究入門」から5、6年次の「卒業研究実習」まで全学年にわたって、継続的に研究に携わることができるプログラムが組まれ、学生の研究能力の向上に努めている点は評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 地域の薬剤師会と連携し、薬学や薬学教育の発展及び地域の薬剤師の資質向上に寄与していることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 「教育研究上の目的」及び「教育理念・目的」は、いずれも薬学教育に対する一般的な目標・目的を示すにとどまっているので、「医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズ」を十分に反映したものとするための適切な改定を行うことが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 6年制薬学科と4年制創薬科学科の教育研究上の目的の違いをより明確に認識できるようにするため、「教育理念・目標」を薬学部規程等に規定することが望まれる。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」は、学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するように設定されているとは言えないので、これらを設定することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 教職員に対しては「三つの方針」を周知する機会が設けられていないので、その重要性に鑑みて、FDなどを通して周知することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. 薬学教育カリキュラムが体系的に整理され、効果的に編成されていることを確認することができないので、各科目を通して得た知識を関連付け、基礎から臨床までを体系的に学ぶ体制であることを学生にわかりやすく伝える工夫が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 「卒業研究実習」において、配属研究室の指導教員のみで評価を行っていることは適切であるとは言えないので、他研究室の教員を評価者として加えるなど、評価に客観性をもたせることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 取り巻く状況が変化しているのにもかかわらず「安全の手引き(H24.3)」や「安全管理ガイドマニュアル(H22)」の修正や見直しが長期間行われていないことは問題なので、改定することが望まれる。(6.学生の支援) 8. 「安全の手引き」には災害時の対応等も記載されていることから、学生に対して周知することが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. 「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げる「学生が身につけるべき能力」の修得度を評価するために必要となる「学修成果の評価」の在り方が、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には記載されていないので、これらを明記するように改善する必要がある。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学部として「教育研究上の目的」及び「三つの方針」を自主的かつ定期的に検証するための基準と手順を定め、検証・検討を実施する体制を構築する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 教育研究活動については、外部評価機関による指摘や大学の指示に対応する改善策を立案・実行するだけではなく、これとは別に薬学部として教育研究活動の質的・量的な解析に基づく自己点検・評価を組織的かつ計画的に行い、その結果を公表し、それに基づいて教育研究活動の改善を進める必要がある。(2.内部質保証) 4. 学期末の筆記試験で成績評価する科目において、筆記試験の結果によって実施される追加の試験は、各科目の単位認定に深く関わる評価の一環であるため、追加の試験の実施の有無や方法、成績の評価に与える影響を各科目のシラバスに明記する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. レポート等で成績を評価する科目で用いられているルーブリックの中には、記述がパフォーマンスを表しておらず、パフォーマンス評価として適切ではないものが見られるので、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. カリキュラムの順次性を考慮すると、留年生の上位学年配当科目の履修に関して何らかの制限を設けるように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」には学修成果の評価方法の概略は示されているが、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得が段階的に進んでいる状況を、教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていないので、教育課程の進行に対応した学修成果の評価を適切に行うよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 8. 学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用するよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 第2期 |
2021年度 |
- |
2:なお書き 改善報告審議結果 2023/7/1 |
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| 岡山大学 | 国 | 岡山県 | 第2期 | 2021年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
岡山大学 総評 岡山大学薬学部は6年制の薬学科と4年制の創薬科学科の2学科を設置し、大学の基本理念と薬剤師養成教育に課せられた基本的な使命を踏まえて、「ヒトの健康を目的として物質を活用する。すなわち薬剤師としての業務を遂行するための専門的知識・技能・態度を教育する。さらに、これらを基にした解析・創出をも含む新たな知の創出を行うために、観察力・洞察力・分析力・論理力・研究遂行能力・発信力を練磨し、もって国際社会に貢献する人材を育成する」ことを薬学科の「教育理念・目標」とし、それに基づいた「卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。しかしながら、「薬学教育評価 評価基準」の「内部質保証」、「学修成果の評価」についてはその意義を十分に理解していないと判断せざるを得ない。この一事を以て直ちに「薬学教育評価 評価基準」全体に適合していないとまでは言えないものの、適切な措置を早急に講ずることは必要である。したがって、所定の期間内に十分な改善が認められない場合、本認定はその効力を失うこととしている。第一に、岡山大学薬学部から提出された「自己点検・評価書」は粗放な記述が多く、教育の質に関わる「教育研究上の目的と三つの方針」、「内部質保証」及び「薬学教育カリキュラム」について、「薬学教育評価 評価基準」に対する適合性を確認できなかった。そのため、書面調査結果に付記した質問事項に対する大学の回答と書面調査結果に対する大学の意見、追加資料ならびに訪問調査時の意見交換などを経て明らかになった状況を「概評」に引用し、2020 年度の実態に沿った評価とせざるを得なかった。また、岡山大学薬学部が行っている自己点検・評価は、機関別認証評価や大学法人評価、大学の「評価センター」による評価のような学部外からの指摘や要請によるものが中心になっており、本機構の評価基準が求める自主的な内部質保証を目的とするものであるとは言えない。これらの事実から、薬学教育プログラムを自己点検・評価し、それに基づいて教育に関する内部質保証を積極的に行う重要性について理解が欠けていると言わざるを得ない。第二に、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得度を評価するための「学修成果の評価」の在り方と、その段階的な修得状況を教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていない。また、専門分野別カリキュラム会議は、当該分野における学習の達成度や薬学科ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果の達成度などについての質的・量的な解析を行っていない。なお本機構では、第1期の薬学教育評価において、特定の資質・能力の修得を目指す科目群における学修目標の達成度を評価するための種々の指標を設定し、それに基づく評価を行うことを「改善すべき点」と指摘したが、提出された改善報告書では改善が十分になされているとは言えない旨を 2018 年7月に通知・公表している。これらの事実から、教育課程の進行に対応して学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用することの重要性が十分に理解されておらず、それらの実施に向けた検討もなされていないと判断できる。岡山大学薬学部は、提出された「自己点検・評価書」から教育研究体制の実態を把握し、評価することは困難ではあったが、教育研究に対する熱心な姿勢はうかがえる。自己点検・評価に基づく内部質保証体制を整え、学修成果の評価体制のさらなる発展を目指した改革・改善に向けて、組織的な問題の発見とその修正に努められたい。
大学への提言
岡山大学 大学への提言 1)長所
1. 1、2年次に研究室での実際の研究を体験できる、特徴的なプログラムである「薬学研究入門」から5、6年次の「卒業研究実習」まで全学年にわたって、継続的に研究に携わることができるプログラムが組まれ、学生の研究能力の向上に努めている点は評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 地域の薬剤師会と連携し、薬学や薬学教育の発展及び地域の薬剤師の資質向上に寄与していることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 「教育研究上の目的」及び「教育理念・目的」は、いずれも薬学教育に対する一般的な目標・目的を示すにとどまっているので、「医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズ」を十分に反映したものとするための適切な改定を行うことが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 6年制薬学科と4年制創薬科学科の教育研究上の目的の違いをより明確に認識できるようにするため、「教育理念・目標」を薬学部規程等に規定することが望まれる。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」は、学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するように設定されているとは言えないので、これらを設定することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 教職員に対しては「三つの方針」を周知する機会が設けられていないので、その重要性に鑑みて、FDなどを通して周知することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. 薬学教育カリキュラムが体系的に整理され、効果的に編成されていることを確認することができないので、各科目を通して得た知識を関連付け、基礎から臨床までを体系的に学ぶ体制であることを学生にわかりやすく伝える工夫が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 「卒業研究実習」において、配属研究室の指導教員のみで評価を行っていることは適切であるとは言えないので、他研究室の教員を評価者として加えるなど、評価に客観性をもたせることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 取り巻く状況が変化しているのにもかかわらず「安全の手引き(H24.3)」や「安全管理ガイドマニュアル(H22)」の修正や見直しが長期間行われていないことは問題なので、改定することが望まれる。(6.学生の支援) 8. 「安全の手引き」には災害時の対応等も記載されていることから、学生に対して周知することが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. 「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げる「学生が身につけるべき能力」の修得度を評価するために必要となる「学修成果の評価」の在り方が、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には記載されていないので、これらを明記するように改善する必要がある。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学部として「教育研究上の目的」及び「三つの方針」を自主的かつ定期的に検証するための基準と手順を定め、検証・検討を実施する体制を構築する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 教育研究活動については、外部評価機関による指摘や大学の指示に対応する改善策を立案・実行するだけではなく、これとは別に薬学部として教育研究活動の質的・量的な解析に基づく自己点検・評価を組織的かつ計画的に行い、その結果を公表し、それに基づいて教育研究活動の改善を進める必要がある。(2.内部質保証) 4. 学期末の筆記試験で成績評価する科目において、筆記試験の結果によって実施される追加の試験は、各科目の単位認定に深く関わる評価の一環であるため、追加の試験の実施の有無や方法、成績の評価に与える影響を各科目のシラバスに明記する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. レポート等で成績を評価する科目で用いられているルーブリックの中には、記述がパフォーマンスを表しておらず、パフォーマンス評価として適切ではないものが見られるので、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. カリキュラムの順次性を考慮すると、留年生の上位学年配当科目の履修に関して何らかの制限を設けるように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」には学修成果の評価方法の概略は示されているが、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得が段階的に進んでいる状況を、教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていないので、教育課程の進行に対応した学修成果の評価を適切に行うよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 8. 学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用するよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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2021年度 |
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2:なお書き 改善報告審議結果 2025/7/1 |
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| 岡山大学 | 国 | 岡山県 | 第2期 | 2021年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
岡山大学 総評 岡山大学薬学部は6年制の薬学科と4年制の創薬科学科の2学科を設置し、大学の基本理念と薬剤師養成教育に課せられた基本的な使命を踏まえて、「ヒトの健康を目的として物質を活用する。すなわち薬剤師としての業務を遂行するための専門的知識・技能・態度を教育する。さらに、これらを基にした解析・創出をも含む新たな知の創出を行うために、観察力・洞察力・分析力・論理力・研究遂行能力・発信力を練磨し、もって国際社会に貢献する人材を育成する」ことを薬学科の「教育理念・目標」とし、それに基づいた「卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。しかしながら、「薬学教育評価 評価基準」の「内部質保証」、「学修成果の評価」についてはその意義を十分に理解していないと判断せざるを得ない。この一事を以て直ちに「薬学教育評価 評価基準」全体に適合していないとまでは言えないものの、適切な措置を早急に講ずることは必要である。したがって、所定の期間内に十分な改善が認められない場合、本認定はその効力を失うこととしている。第一に、岡山大学薬学部から提出された「自己点検・評価書」は粗放な記述が多く、教育の質に関わる「教育研究上の目的と三つの方針」、「内部質保証」及び「薬学教育カリキュラム」について、「薬学教育評価 評価基準」に対する適合性を確認できなかった。そのため、書面調査結果に付記した質問事項に対する大学の回答と書面調査結果に対する大学の意見、追加資料ならびに訪問調査時の意見交換などを経て明らかになった状況を「概評」に引用し、2020 年度の実態に沿った評価とせざるを得なかった。また、岡山大学薬学部が行っている自己点検・評価は、機関別認証評価や大学法人評価、大学の「評価センター」による評価のような学部外からの指摘や要請によるものが中心になっており、本機構の評価基準が求める自主的な内部質保証を目的とするものであるとは言えない。これらの事実から、薬学教育プログラムを自己点検・評価し、それに基づいて教育に関する内部質保証を積極的に行う重要性について理解が欠けていると言わざるを得ない。第二に、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得度を評価するための「学修成果の評価」の在り方と、その段階的な修得状況を教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていない。また、専門分野別カリキュラム会議は、当該分野における学習の達成度や薬学科ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果の達成度などについての質的・量的な解析を行っていない。なお本機構では、第1期の薬学教育評価において、特定の資質・能力の修得を目指す科目群における学修目標の達成度を評価するための種々の指標を設定し、それに基づく評価を行うことを「改善すべき点」と指摘したが、提出された改善報告書では改善が十分になされているとは言えない旨を 2018 年7月に通知・公表している。これらの事実から、教育課程の進行に対応して学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用することの重要性が十分に理解されておらず、それらの実施に向けた検討もなされていないと判断できる。岡山大学薬学部は、提出された「自己点検・評価書」から教育研究体制の実態を把握し、評価することは困難ではあったが、教育研究に対する熱心な姿勢はうかがえる。自己点検・評価に基づく内部質保証体制を整え、学修成果の評価体制のさらなる発展を目指した改革・改善に向けて、組織的な問題の発見とその修正に努められたい。
大学への提言
岡山大学 大学への提言 1)長所
1. 1、2年次に研究室での実際の研究を体験できる、特徴的なプログラムである「薬学研究入門」から5、6年次の「卒業研究実習」まで全学年にわたって、継続的に研究に携わることができるプログラムが組まれ、学生の研究能力の向上に努めている点は評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 地域の薬剤師会と連携し、薬学や薬学教育の発展及び地域の薬剤師の資質向上に寄与していることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 「教育研究上の目的」及び「教育理念・目的」は、いずれも薬学教育に対する一般的な目標・目的を示すにとどまっているので、「医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズ」を十分に反映したものとするための適切な改定を行うことが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 6年制薬学科と4年制創薬科学科の教育研究上の目的の違いをより明確に認識できるようにするため、「教育理念・目標」を薬学部規程等に規定することが望まれる。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」は、学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するように設定されているとは言えないので、これらを設定することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 教職員に対しては「三つの方針」を周知する機会が設けられていないので、その重要性に鑑みて、FDなどを通して周知することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. 薬学教育カリキュラムが体系的に整理され、効果的に編成されていることを確認することができないので、各科目を通して得た知識を関連付け、基礎から臨床までを体系的に学ぶ体制であることを学生にわかりやすく伝える工夫が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 「卒業研究実習」において、配属研究室の指導教員のみで評価を行っていることは適切であるとは言えないので、他研究室の教員を評価者として加えるなど、評価に客観性をもたせることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 取り巻く状況が変化しているのにもかかわらず「安全の手引き(H24.3)」や「安全管理ガイドマニュアル(H22)」の修正や見直しが長期間行われていないことは問題なので、改定することが望まれる。(6.学生の支援) 8. 「安全の手引き」には災害時の対応等も記載されていることから、学生に対して周知することが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. 「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げる「学生が身につけるべき能力」の修得度を評価するために必要となる「学修成果の評価」の在り方が、「薬学科カリキュラム・ポリシー」には記載されていないので、これらを明記するように改善する必要がある。 (1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学部として「教育研究上の目的」及び「三つの方針」を自主的かつ定期的に検証するための基準と手順を定め、検証・検討を実施する体制を構築する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 教育研究活動については、外部評価機関による指摘や大学の指示に対応する改善策を立案・実行するだけではなく、これとは別に薬学部として教育研究活動の質的・量的な解析に基づく自己点検・評価を組織的かつ計画的に行い、その結果を公表し、それに基づいて教育研究活動の改善を進める必要がある。(2.内部質保証) 4. 学期末の筆記試験で成績評価する科目において、筆記試験の結果によって実施される追加の試験は、各科目の単位認定に深く関わる評価の一環であるため、追加の試験の実施の有無や方法、成績の評価に与える影響を各科目のシラバスに明記する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. レポート等で成績を評価する科目で用いられているルーブリックの中には、記述がパフォーマンスを表しておらず、パフォーマンス評価として適切ではないものが見られるので、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. カリキュラムの順次性を考慮すると、留年生の上位学年配当科目の履修に関して何らかの制限を設けるように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 「薬学科カリキュラム・ポリシー」には学修成果の評価方法の概略は示されているが、「薬学科ディプロマ・ポリシー」に掲げられた資質・能力の修得が段階的に進んでいる状況を、教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていないので、教育課程の進行に対応した学修成果の評価を適切に行うよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 8. 学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用するよう、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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2:なお書き 改善報告審議結果 2024/7/1 |
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