薬学教育評価報告の結果と公表
各年度の「薬学教育(6年制)評価」結果報告書
各年度の改善報告の審議結果一覧(大学別)
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| 大学名 | 設置形態 | 所在地 | 評価基準 | 実施年度 | 判定 | 大学の自己点検評価 | 評価結果 | 評価後の対応 改善報告 その他 |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 岐阜薬科大学 | 公 | 岐阜県 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
岐阜薬科大学 総評 岐阜薬科大学では、「薬と健康についての高度な研究に支えられた教育により、有為な薬学の専門職業人を育成し、それらを通じて社会に貢献する」という大学の理念のもと、薬学部薬学科の教育研究上の目的を「薬学科は、薬学分野における最新の学理と技術を教授研究し、臨床に係る高度な知識・技能、実践的能力及び研究能力並びに豊かな人間性と高い倫理観を身に付けた優れた薬剤師として求められる資質を有する医療従事者、研究者及び技術者を育成することを目的とする。」と定め、ファーマシストサイエンティストの育成を目指して卒業研究も重視した教育プログラムとなっている。卒業研究での研究成果は学会や学術論文において発表・公表され、学会発表における受賞者数も多く、学外からも研究力の醸成が評価されている。教育研究活動の評価は学外有識者に付託され、この評価結果に基づいて全教員が各自改善を行うとともに、IR(Institutional Research)にも取り組んでいる。さらに、地域の医療・薬学の発展及び薬剤師の資質・能力の向上に貢献する多彩な活動を行っており、地域薬剤師とともに医療・薬学の発展及び薬剤師の資質・能力の向上に貢献すると共に、モバイルファーマシーやドローンを利用した特徴ある取り組みを教育にも活用している。他方で、学修成果の評価は、単位の修得状況を基本とするものにとどまっている。しかし、教育課程の進行に対応した学生の資質・能力の測定が検討されているので、教育課程の進行に対応した学生の資質・能力の測定による学修成果の評価結果に基づく教育課程の編成及び実施の改善・向上が今後期待される。また、シラバスには各科目の受験資格や合格基準等が明記され、第 1 期の薬学教育評価以降の進捗が確認できるが、評価項目に履修態度を含む科目が多く、その具体的な評価方法や評価基準が明確ではないので、評価方法、評価基準の明確化が必要である。さらに一般選抜入試における、学力の三要素のうちの「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」についての評価の導入や、教員組織の編成方針について明文化したものを導入するなどの改善も期待される。
地域の医療・薬学の発展に貢献しつつ、特徴ある薬剤師養成教育を実施している岐阜薬科大学には、引き続き、優れた薬剤師として求められる資質を有する人材の育成・輩出を期待する。
大学への提言
岐阜薬科大学 大学への提言 1)長所
1. 教育研究活動の評価を毎年学外有識者に付託し、その評価結果を教授総会において全学周知し、それに基づいた取り組みを進めるよう委員会に指示することで、全教員が各自改善を行っている。(2.内部質保証) 2. IR活動を充実させるため、入学区分別の就学状況や国家試験合格率等の調査の実施、職員の資質向上のための講演会の開催、ディプロマ・ポリシー主要項目の「グリーンファーマシーを理解し実践できる」教育の周知なども実施している。(2.内部質保証) 3. 卒業研究における研究成果に基づく多数の学会発表、学術論文公表、および、学会発表における授賞者により、学外からも研究力の醸成が評価されており、卒業認定・学位授与の方針に定める「問題解決能力を持って、主に医療現場で必要とされる実戦力や臨床研究を展開する能力を身につけている」、あるいは「問題解決能力を持って、主に創薬科学及び生命科学の研究を展開する能力を身につけている」が達成されている。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 岐阜薬科大学では、准教授以下の次世代を担う若手教員(准教授、講師、助教、助手)を対象とした独自の競争的助成金「学内特別研究費制度」と、「岐阜大学と岐阜薬科大学との連携に関する協定書」に基づく「育薬・創薬研究推進支援制度」を設け、研究活動に対する意識や意欲、質の向上に努めるとともに、研究活動の推進を支援している。(5.教員組織・職員組織) 5. 地域の医療・薬学の発展及び薬剤師の資質・能力の向上への貢献として、複数の教員や卒業生が薬剤師会の役員、委員会委員を務め会務に携わるともに、連携した事業の実施がなされている。また、市とは一体的な運用の中でワクチン集団接種への協力や、複数の地元企業との共同研究といった多彩な活動を行っている。(8.社会連携・社会貢献) 6. 地域における保健衛生の保持・向上への貢献としては、毎年の市民公開講座の開催、中高生を対象とした教育を行っている他、災害医療や僻地医療における薬剤師へのニーズに応えるため、2017年に地域医療薬学寄附講座を開設し、モバイルファーマシーやドローンを利用した教育研究活動を推進している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 医療薬学コースと創薬育薬コースでは輩出するべき人材が獲得する資質・能力も異なっていることが定められているので、各コースの目標に基づいた評価を設計することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 2. 一般選抜入試は、大学入学共通テストから5教科7科目、個別学力検査として数学と理科(化学から出題する)の2科目を課しているのみなので、内申書を活用するなどしてアドミッション・ポリシーへの適合を判断したり、学力の三要素のうちの「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の評価を行うことが望ましい。(4.学生の受入れ) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーの中にはディプロマ・ポリシーに示されている学修成果の評価の在り方が具体的に設定されておらず、改善が必要である 。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. アドミッション・ポリシーに、多様な学生をどのように評価・選抜するか等が具体的に設定されていないので、設定する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 評価項目に履修態度含む科目が多く、その具体的な評価方法、評価基準が明確ではないので、評価方法、評価基準の明確化が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 学修成果の評価結果が教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用されるには至っていないので改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. 教員組織の編成方針を明文化して定めていないので、改善が必要である。(5.教員組織・職員組織) |
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| 九州医療科学大学 | 私 | 宮崎県 | 第2期 |
2022年度 |
継 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
九州医療科学大学 総評 九州保健福祉大学薬学部薬学科は、「学生一人ひとりのもつ能力を最大限に引き出し引き伸ばし、社会に有為な人材を養成する」という建学の理念と「患者を中心とした医療において、責任をもってチーム医療の一端を担える薬剤師の養成を行なう」という学科の理念を踏まえて、教育研究上の目的を『「患者を中心とした医療」を実践するために、薬学に関する高度な専門知識と技術を教授し、臨床に係る実践的な能力を培い、倫理観、使命感、実行力を有し社会で即戦力となる質の高い薬剤師の養成』とし、学則第1条3に定めている。こういった教育研究上の目的に基づき、「卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針 (カリキュラム・ポリシー)」、「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。第2期の薬学教育第三者評価では、「内部質保証を重視した評価制度」を基盤とした「三つの方針(ポリシー)に基づく大学教育の質の転換」、さらには「学修成果にかかる評価の充実」が薬学教育プログラムの質の担保と向上に向けた取り組みの基軸となるものとして、評価基準を定めている。しかしながら、「2 内部質保証」、「3-2 教育課程の実施」及び「3-3 学修成果の評価」には重大な問題点が複数あり、いずれも適合水準に達していないので、薬学科として早急に改善に取り組むことが求められる。まず、「2 内部質保証」については、自己点検・自己評価委員会を設置して随時取り組む体制を取っているが、大学全体の自己点検・自己評価委員会の下部組織としての役割が強く、薬学科における学位プログラムレベルの自己点検・評価とその結果に基づいた改善・向上に向けて機能しているとは言い難い。当該薬学科に対しては、第1期の薬学教育第三者評価において薬学教育プログラムに係る多くの問題点を指摘したが、今回の第2期第三者評価において未だ改善・向上に至っていない重大な問題点が相当数あるほか、第2期の評価基準に照らして新たに重大な問題点も明らかになっており、内部質保証が機能していない所以である。「内部質保証」が機能していないことによる教育プログラムにおける問題点は項目「1 教育研究上の目的と三つの方針」、「3-1 教育課程の編成 」、「4 学生の受入れ」、「5 教員組織・職員組織」においても認められる。次に、「3-2 教育課程の実施」に関しては、問題解決能力の醸成に関わる教育で重要な役割を持つ卒業研究において、研究発表を各講座1名の学生しか行わないこと、卒業研究の成績評価を講座の教員のみの判断で行うことなど評価の客観性が懸念されること、実務実習で教員の実習施設へ訪問指導が行われていないこと、卒業の可否判断に重要な影響を持っている「薬学総合演習Ⅰ・Ⅱ」の合否判定に学外業者による模試の成績を含め、学科教員が責任をもって単位認定している状況にないことなどは、いずれも6年制薬学教育の適切な実施に抵触する重大な問題点であり、早急な改善が必要である。また、「3-3 学修成果の評価」では、アセスメント・ポリシーが明確ではなく、教育課程の進行に対応した評価に至っておらず、またその評価結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用できる体制となっていない。それゆえ、こういった不備は進級率や修業年限内での卒業率の低迷などの原因となっていると考えられる。以上のように、九州保健福祉大学薬学部薬学科の薬学教育プログラムは、本機構の評価基準に照らして評価すると、多くの改善を必要とする重大な問題が見出される結果となった。大学がその教育目的を達成するために行う教学マネジメントは、内部質保証体制を確立し機能させるための重要な営みである。教学マネジメントを支える教学IR(インスティテューショナル・リサーチ)やFD(ファカルティー・ディベロップメント)の充実を図ることによって、薬学科独自の自己点検・評価に基づく内部質保証体制を適切に整え、薬学教育プログラムに係る上記の問題点の改善・向上に向けて十分に機能させていく必要がある。今回の評価で「適合水準に達していない」と評価された「項目」について、末尾の「改善すべき点」で指摘されている問題点を中心として全面的な改善を図り、再評価を申請されるとともに、それら以外の項目に関しても「改善すべき点」で指摘されている問題点の改善に努め、九州保健福祉大学薬学部薬学科の6年制薬学教育の向上・発展を図られることを期待したい。
大学への提言
九州医療科学大学 大学への提言 1)長所
1. 次世代を担う教員の養成のための活動として、若手教員の研究成果の進展度を相互に把握する好機として、研究発表会「宮崎県北サイエンスフォーラム」を開催し、積極的な研究発表を促している。また、若手教員を中心に独創的な発想の研究や学部間を超えた共同研究などを支援するための助成金制度や講座研究費の一部を前年度の研究実績により傾斜配分することにより、若手教員の研究意欲を高めるように努めている。以上の研究環境の下で、若手教員が研究に励んだ結果として、日本薬学会九州山口支部会にて教員2名が学術奨励賞を受賞する成果が得られたのは評価できる。(5.教員組織・職員組織) 2. 大学において開発された研修に用いるフィジカルアセスメントの薬学教育システムは、『アナログ教材からアクティブラーニング・シミュレーション医療教育のコンテンツを供するフリーデジタル教材』(医療系eラーニング全国交流会会長賞を受賞)等として全国的に活用されている。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 薬学科の教育研究上の目的には、学生に対して研究能力を身につけさせる内容が表現されていないので、その意味と必要性がわかるような表現とすることが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学科の自己点検・自己評価委員会には、医療人養成を目的とした6年制薬学科として、社会ニーズを反映させるために医療機関の関係者や当該学部の6年制課程の卒業生など、学外の意見を取り入れる体制を整備することが望まれる。(2.内部質保証) 3. 今後求められる学習成果基盤型教育(OBE:Outcome Based Education)に対応していないので、早急に教育課程の編成を見直し、改善することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 卒業研究ルーブリック及び卒業論文ルーブリック表に基づく単位認定の最終評価は講座主任が単独または同一講座内の教員とともに行っているので、評価の客観性を高めるために他講座の教員による評価を含めることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 各科目で実施しているSGD(Small Group Discussion)、ALなど到達目標の領域(技能・態度)とレベルに対応した学習成果の測定方法やその基準と評価方法(点数化)をシラバスに明記し、広く学生に周知することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. 学力の3要素である「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を、筆記試験、面接、調査書、提出書類等により多面的かつ総合的に評価し、医療人を目指す者として資質・能力を有する入学者の選抜が行えるよう、さらなる工夫が望まれる。(4.学生の受入れ) 7. 助教は、適正な研究教育業務の遂行だけでなく、次世代を担う教員養成の点からも重要な人材であり、適切な人数を配置することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 8. 教育の質の確保ならびに、実験・実習等における安全性に懸念があるので、専任教員一人あたりの学生数を減らすよう努めることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 9. 専任教員が適正に配置されるよう、専門分野について、専任教員が教育上及び研究上の実績を積み重ねていけるような支援の工夫が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 10. 実務家教員は常に新しい医療に対応するために病院や保険薬局での研鑽も必要であり、それらの時間を担保するための体制を整備することが望まれる(基礎資料7)。(5.教員組織・職員組織) 11. 専任教員の負担が大きく、その負担を軽減するためにも、共同研究施設の機器類の維持管理に精通した専門職員を配置・増員するなどの対策が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 12. 研究用の図書・資料の収集については大学の支援は十分ではなく、研究の質を高く保てるように「選書方針」などを定め、支援の体制を整えることが望まれる。(7.施設・設備) 13. 教育研究活動の実施に必要な施設・設備が整備されているが、AV機器など一部の共通研究機器では老朽化が進んでおり、更新が望まれる。(7.施設・設備) 14. Universal Passportを活用するためのサーバーの同時アクセス数の許容量が低いことは、教育活動や学生の生活環境に大きな影響を及ぼしかねないため、改善することが望まれる。(7.施設・設備) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーの教育評価の項目には、ディプロマ・ポリシーに記された資質・能力の評価について具体的な在り方を設定する必要があるが、そのような記載はない。カリキュラム・ポリシーに求められている要件を満たす内容となるように改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 募集要項には学科のディプロマ・ポリシーやカリキュラム・ポリシーが掲載されておらず、薬学科のパンフレットには、ディプロマ・ポリシーのみ掲載され、全学パンフレットには、三つの方針のいずれも掲載していないので、これらの資料に三つの方針を掲載するように改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 薬学科において、教育研究上の目的及び三つの方針を定期的に検証する実行性のある組織体制を整備し、運用できるように改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 薬学科の自己点検・評価委員会は、大学全体の自己点検・自己評価委員会の下部組織としての役割が強く、薬学科における学位プログラムレベルの内部質保証としての自己点検・評価は十分に行われていないので、自己点検・評価の結果に基づいて薬学科の教育の充実を図り、その質を自ら保証できる仕組みを構築するよう改善する必要がある。(2.内部質保証) 5. 薬学科の自己点検・自己評価委員会において、データの質的・量的な解析結果を教育研究活動の達成度や学修成果の評価に反映させる仕組みを整備する必要がある。(2.内部質保証) 6. 薬学科独自の体制による自己点検・評価の結果に基づき、6年制薬学教育固有の課題を解決し、質の高い教育プロブラムを適切に実施できるように改善する必要がある。(2.内部質保証) 7. カリキュラム・ツリー(履修系統図)ならびにカリキュラム・マップ(科目概念図)は領域ごとの科目の系列を示したものとなっており、各科目の学習・学修の順次性や相互の関係、「薬剤師として求められる基本的な資質」やディプロマ・ポリシーに示される資質・能力との関連性は、十分に表現されていないので改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. 薬学科の教育カリキュラムは、カリキュラム・ポリシー、ならびにアセスメント・ポリシーに基づいた教育実践について、自己点検・評価に基づく適切性の検証が十分になされていないので、その体制を整備するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 9. 学生全員が発表者として参加する研究発表会は、学生の資質・能力の向上を促し、卒業研究の成果を測る集大成の一つとして意義があるので、目的、評価方法と基準を明確にして開催するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 大学と実習施設がより密な連携を図るために、大学教員が学生の実習期間中に実習施設へ訪問指導する体制を構築し、実施するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 11. 「薬学総合演習Ⅱ」の成績によって、「薬学総合演習Ⅰ」の単位の合否を変更することは、科目の単位認定として不適切であるので、それぞれの科目の成績の合格、不合格を尊重して単位認定するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 12. 外部試験の結果を卒業判定に含めることは、薬学科のディプロマ・ポリシーに基づいた卒業認定とは言い難く、早急に改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-2教育課程の実施) 13. アセスメント・ポリシーに示される評価方法には、評価基準が明確でないなどの問題点が含まれ、学生が身につけるべき資質・能力が、教育課程の進行に対応して十分に評価されていないので、学修成果の評価体制と評価方法を整備するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 14. ディプロマ・サプリメント以外のデータの活用も含め、教育課程の進行に対応して学生が身につけるべき資質・能力の修得・発展を評価し、その過程と卒業時の修得状況を確認し、かつその学修成果の評価結果が教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用できる体制を構築する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 15. 入学者の資質・能力を適正に検証する方法を構築し、その検証結果に基づき、入学試験制度も含め幅広く改善・向上させる必要がある。(4.学生の受入れ) 16. 教育研究活動の実施に必要な教員組織の編成方針を決定する機関や委員会を明確にし、各構成教員に求める資質・能力を明示した編成方針を定める必要がある。さらに教員の採用及び昇任の規定等についても、このような編成方針に基づいて整備する必要がある。(5.教員組織・職員組織) 17. 薬学科として、教育研究活動の向上を図るための組織的な取り組みに相当する活動はないので、学科独自のFD活動を企画し実施する必要がある。(5.教員組織・職員組 織) |
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| 京都大学 | 国 | 京都府 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
京都大学 総評 京都大学薬学部は、研究大学としての教育理念に基づき、「薬学の学修を通じて、先端医療、医療薬学・臨床薬学の発展を担いうる人材を育成」を掲げ、ディプロマ・ポリシーとして5つの資質・能力の修得を示している。この目標を達成するために、学部から高度な医療薬学研究者の養成に向けた特徴的な薬学教育カリキュラムを構築している。特に教育の面では、6年間を通じて、少人数教育、反転授業、双方向性授業、他学部との合同学習、課題研究など、研究能力を含む学生の資質・能力の向上のために、学習方法にさまざまな工夫を加えていることは評価できる。また、教育活動に関わるファカルティ・ディベロップメントが適切に実施されており、教育の質向上に努めている。さらに、研究のみならず、薬剤師職能に関しても積極的な国際交流を行っていることも特筆される。一般入試では薬学科及び薬科学科を一括で募集・選抜し、4年次から各学科に振り分けているが、薬学科への志願者については、薬学科で学ぶための適性を、評価基準を作成し適切に評価している。また、薬学科の定員の変更を実施しており、定員の適切性について継続的に解析していることはPDCAサイクルが適切に実施されていることの一つの例として評価できる。研究においては、若手教員のスタートアップ研究のために、大学独自の支援体制を構築し、さらに多くの共同研究・学術指導を実施して、医薬品・医療機器などの開発研究に貢献していることは評価できる。
薬学教育評価機構による第1期の評価において今後改善が望まれると指摘された総合的な資質・能力の評価のための指標の設定については、科目ごとの総合的な評価においては著しく改善されている。しかし、ディプロマ・ポリシーで目標としている6年間を通じて育成する5つの資質・能力の達成度評価については、科目ごとの学習成果の評価、及び学生による自己評価にとどまっており、薬学教育評価機構が求める学修成果の総合的な評価方法は未だ十分には整備されておらず、教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用されるまでには至っていないと判断される。以上のように、課題は残されているものの、京都大学薬学部は、薬学教育評価機構が定める「薬学教育評価 評価基準」に適合していると判断される。今後、ディプロマ・ポリシーで目標としている6年間を通じて育成する5つの資質・能力の京都大学独自の達成度評価法を構築し、学生の資質・能力の評価に基づく教育の改善・向上に、より一層取り組まれることを期待する。
大学への提言
京都大学 大学への提言 1)長所
1. 在籍者の学修動向や進路をふまえて、2018(平成 30)年度新入生から、薬科学科と薬学科の定員を変更していることは、教育研究活動の改善に取り組んでいる例として評価できる。(2.内部質保証) 2. 研究大学としての大学理念及び薬学科のディプロマ・ポリシーに基づき、学部から高度な医療薬学研究者の養成に向けた薬学教育カリキュラムを構築している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 少人数教育、反転授業、双方向性授業、他学部との合同学習など、学生の資質・能力の向上に資する学習方法に工夫が見られる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 薬学科への志願者については、薬学科志望理由書の提出を求め、グループ面接及び個別面接により、薬学科で学ぶための適性を、評価基準を作成し評価している。(4.学生の受入れ) 5. 若手教員のスタートアップ研究のために、大学独自の支援体制(京都大学若手研究者スタートアップ研究費)をとって支援している。(5.教員組織・職員組織) 6. 教育活動の向上を図るための組織的な取り組みとして、学生による授業評価のアンケート結果を授業担当教員にフィードバックするとともに、その評価の高かった教員の授業を他の教員が聴講する日を3日間設定して多くの薬学関係教員が参加することを可能とし、さらに授業聴講後にアンケートを実施することによって自らの講義方法の改善に取り組むファカルティ・ディベロップメントを実施しており、教育の質向上に努めてる。(5.教員組織・職員組織) 7. 多くの共同研究・学術指導を実施して、医薬品・医療機器などの開発研究に貢献している。(8.社会連携・社会貢献) 8. 大学間学生交流協定を締結している香港中文大学との短期間の学生交流を通じて、学生が香港の医療現場を視察調査するとともに、日本の地域医療や薬剤師の職能などについて紹介するなど、積極的な国際交流を行っている。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 教養教育や語学教育など、薬学教育カリキュラムとして重要な科目群の位置付けについてもコースツリーに明示しておくことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 教養・共通科目のうちコアカリキュラムに対応する内容を含むものについても、薬学部のシラバスの該当するページに一般目標を記載することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 大学独自の科目として設定されている科目については、その旨をシラバスに明記することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 評価方法の変更などのシラバスの変更を要する場合には、必要な関連情報とともに学生に告知するなどの公正かつ厳格な対応が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 卒業認定には、単位認定に加えて、ディプロマ・ポリシーに示された6年間で達成すべき5つの資質・能力の評価を含めることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム3-2教育課程の実施) 6. 一般入試においても、学力の3要素のうち「主体的に学習に取り組む態度」についての評価を含めることが望まれる。(4.学生の受入れ) 7. 年間で平均した週あたりの授業時間数が1時間未満の教員や9時間を超える教員もおり、一部に教育負担の格差がやや見られるので改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 8. 定期健康診断の受診状況は、学年により大きく異なり、全員が受診するように指導を徹底することが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーには各科目の学習成果の評価方法は記載されているものの、ディプロマ・ポリシーで設定した資質・能力に関する学修成果の評価については記載されていないので改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 6年間で育成される資質・能力の総合的な達成度評価は未だ十分ではなく、教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用されるまでには至っていないので、さらなる改善を進めることが必要である。(2.内部質保証) 3. 実務実習では評価の基準と重みづけがシラバス等には明示されていないので改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. ディプロマ・ポリシーで目標としている6年間を通じて育成する資質・能力の達成度評価については、科目ごとの学習成果の評価にとどまっており、総合的な学修成果の評価方法は未だ十分には整備されていないので改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. 教育課程に対するルーブリックを作成してパフォーマンス評価を取り入れるなど、ディプロマ・ポリシーに関わる達成度を教員と学生が相互に評価できる客観的な指標の設定が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 6. 教育課程の編成の適切性の評価を継続的に実施する計画になっているものの、現時点では十分には実施されていないので、今後の改善・向上に活用していくことが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 京都薬科大学 | 私 | 京都府 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
京都薬科大学 総評 京都薬科大学は、「薬学を基盤とした学術的探究心と実践意欲を伴う思考力及び行動力、さらには多様性に対応できる人間性を兼備した薬剤師の素養を身につける教育研究をとおして、医療、福祉及び社会の発展に貢献しうる有用な人材を養成することを目的とする」を教育研究上の目的と規定し、Science(科学)、Art(技術)、Humanity(人間性)のバランスのとれた薬剤師である「ファーマシスト・サイエンティスト」を育成することを目標としており、教育研究上の目的に基づいた「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。ディプロマ・ポリシーには、5つの資質・能力が設定され、それらに対応してカリキュラム・ポリシーには5つの項目が設定されており、特に、1年次に問題解決能力に必要な
アカデミック・スキルを習得するための演習科目を実施し、卒業研究を3年生後期から開始することによって、「ファーマシスト・サイエンティスト」のうち Science(科学)、Art(技術)に関する資質・能力を醸成するための特徴的な教育が行われている。一方、Humanity(人間性)に関する教育は、第1期評価において指摘されていたSGD(Small Group Discussion)などの参加型授業形式を増やす工夫や順次性・体系性のある 科目設定が望まれることに対する実質的な改善が行われておらず、「ファーマシスト・サイエンティスト」が目標とする Science(科学)、Art(技術)、Humanity(人間性)のバランスがとれているとは言い難い。また、第1期の評価において改善が求められていたシラバスの記載の不備の改善もなされていない。このような第1期評価における指摘に対する改善が十分に行われていない原因としては、自己点検・評価運営委員会が十分に機能していないこと、教育評価の基準が機関別評価の基準にとどまっており、薬学教育評価のための明確な基準が設定されていないこと、さらに自己点検・評価が恒常的かつ適切に行われていないことがある。また、自己点検・評価運営委員会の学内委員が学長及び各主要委員会委員長のみで構成されていることも第三者的視点で自己点検・評価を行うためには不十分であると考えられる。京都薬科大学は、学修成果を評価するためにアセスメント・ポリシーを定めているが、現状では科目レベルの学修成果の評価にとどまっているので、教育課程レベルの学修成果を評価できるようにアセスメント・ポリシーを整備して、学生が身につけるべき資質・能 力を適切に評価するように改善することが求められる。今後、内部質保証の体制を整備し、京都薬科大学がめざす「ファーマシスト・サイエンティスト」を育成する教育がさらに発展することを期待する。
大学への提言
京都薬科大学 大学への提言 1)長所
1. 学生相談室が主体となり、学生との接し方などに関する教職員SDの開催、及びCOVID-19禍の際は学生のメンタルヘルス把握を目的とするアンケート調査を行い、学生のメンタル面への支援を教職員が一体となり取り組んでいる。(6.学生の支援) 2)助言 1. CPは学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するように設定されているとは言えないので、今後、設定されることが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 教育研究上の目的及び三つの方針についての定期的な検証は、毎年実施することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 自己点検・評価運営委員会を構成する学内メンバーは、学長及び各主要委員会委員長であるため、第三者的視点で適切に自己点検・評価を行えるように委員の構成を検討することが望まれる。(2.内部質保証) 4. 4年次前期に「実務事前学習」に関する内容が補講として実施されているが、必修とすべき内容であるので、正規科目として扱うことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 5. 科目の体系性と順次性を示したカリキュラム・ツリー(基礎資料1)をシラバス等で学生へ明示して、ガイダンス等で薬学教育カリキュラムの体系性及び科目の順次性を学生に説明することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. ヒューマニズム教育・医療倫理に係る教育において、学年進行に伴った順次性・連続性のある科目設定は不十分であり、さらに検討することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 第1期評価の指摘に基づいて、多くの科目でアクティブラーニングが導入されたが、アクティブラーニングによる学習が特に有効であると考えられるCP3及びCP4に係る科目で導入されている時間数が相対的に少ないので、それらの科目において、アクティブラーニングなどの適した学習方略を用いられることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 実務実習報告会の開催意義を鑑みて学年全体で開催し、学生、教員、実習施設指導者が実習内容に関して情報共有することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 本試験で合格した学生との公平性から、再試験の最高点を69点とするのは適切とは言えないので、改善することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程 の実施) 10. 卒業論文に関して、統一の評価基準がないので、客観的指標を作成して一定の基準で評価を行うことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 11. 一般選抜試験では面接が行われておらず、AP3とAP4に掲げられている資質・能力の評価が十分とは言えないので、面接等の方法によってそれらを適切に評価することが望まれる。(4.学生の受入れ) 12. 再入学に関する実施要領は、その都度定められることになっているので、あらかじめ実施要領を定めることが望まれる。(4.学生の受入れ) 13. 入学者の資質・能力は、学修成果の評価のような方法によって、直接検証されていないので、検証が十分とは言えない。現在行われている検証方法以外に学修成果の評価などを用いて検証して、その結果に基づき必要に応じて入学者受入れの改善・向上等を図ることが望まれる。(4.学生の受入れ) - 27 - 14. 自己点検・評価運営委員会を中心として進級率、卒業率、施設の状況などの他の指標も考慮して、入学者数の適切性を検証することが望まれる。(4.学生の受入れ) 15. 専任教員1名に対する学生数が10名以内には達していない。また、1分野につき教員3名の体制の実現に向けての十分な改善が進んでいるとは言えないので、教育効果や卒業研究の質や安全面から、専任教員の増員が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 16. 学生満足度調査アンケートの回答率が14%程度で低い状況であるので、回答率を高めるようにすることが望まれる。(6.学生の支援) 17. 内容に関わらず学生の意見を提出できる意見箱等を設置して、学生が匿名でも直接意見を大学に伝えられる仕組みを設けることが望まれる。(6.学生の支援) 18. 1~3年次生の基礎系実験実習を指導する教員の数が少なく、安全管理上問題であるので、基礎系実験実習を担当する教員数の増員が望まれる。(6.学生の支援) 19. 実習室はスケジュール的に余裕があるとは言えない状態なので、拡充が望まれる。(7.施設・設備) 3)改善すべき点 1. CP(特にCP1、2、3)において教育方法に関する設定が不十分であるので、教育方法を具体的に設定する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. APに定められた能力をもつ学生をどのように評価・選抜するかが具体的に設定されていないので改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 定期的な自己点検・評価のスケジュールにしたがって、「京都薬科大学内部質保証のための方針」に沿った自己点検・評価を計画的に行うことが必要である。(2.内部質保証) 4. 「京都薬科大学アセスメント・ポリシー」に基づいて行われている自己点検及び各委員会での自己点検・評価は機関別評価の基準に基づくものにとどまっているので、薬学教育に関わる評価基準も加えて、教育研究活動を質的・量的に解析できる自己点検・評価を行うことが必要である。(2.内部質保証) 5. 大学が自主的に行った自己点検・評価の結果についても定期的にホームページ等で公表することが必要である。(2.内部質保証) 6. 大学が自主的に設定した評価基準の下で、整備された「京都薬科大学アセスメント・ポリシー」等を用いて実施した自己点検・評価の結果に基づいて、教育研究活動の改善を行うことが必要である。(2.内部質保証) 7. 選択科目「薬学演習」を選択している学生と、選択していない学生で「総合薬学研究B」の単位数が異なっているのは、科目の単位数の設定において不適切であるので、同一科目の単位数は同じになるよう改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-1教育課程の編成) 8. 4年次後期及び6年次後期の平日の時間割において、非常勤講師でない予備校講師が担当している相当数の授業が必修科目である「薬学総合演習」や「アドバンスト薬学」と区別できない形で記載されているのは適切ではないので、予備校講師による授業を時間割から除くように至急改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 9. 一部の科目のシラバスにおいて、「学習項目・学生の到達目標」などの記載に不備があるので、必要事項が記載されているかを精査してシラバスを改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 10. 学修成果の向上にとって重要である教育課程及びその内容、方法の適切性は検証されているとは言い難いので、カリキュラム全体について検証し、その結果に基づき必要に応じて改善・向上を行うように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 11. 一部の卒業論文に複数の学生が共同して作成しているものがあるが、卒業論文は個人で作成することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 12. 「基礎演習」「早期体験学習」「実務実習」「総合薬学研究A」「総合薬学研究B」などの科目において、シラバスに評価項目は記載されているが、それらの評価の割合および評価方法が記載されておらず、改善する必要がある。この点については、すでに第1期評価において指摘されているが、未だ十分な改善が行われておらず、早急に改善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 13. 成績評価に対する異議申立は科目担当教員が受け付ける仕組みしかないのは適切ではないので、科目担当教員を介さずに学生が成績評価に対する異議申立をできる仕組みを整備することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 14. カリキュラムマップを学修成果の評価に活用できるように再検討し、加えてDP1~DP5に示されている資質・能力を評価するための科目、課題、ルーブリック評価等の学修成果を評価する方法を構築し、学修成果を適切に評価していくことが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 15. 「京都薬科大学アセスメント・ポリシー」に設定されている項目の評価結果を分析し、教育課程の編成及び実施の改善・向上を目指していることは一定の評価はできるが、それだけでは学修成果の評価とカリキュラムの改善・向上には不十分であるので、DPに示されている資質・能力の達成度評価を適切に行って、教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 就実大学 | 私 | 岡山県 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
就実大学 総評 就実大学薬学部は、建学の精神の「去華就実」に基づく「実地有用」の人材育成の観点から、教育研究上の目的を「生命の尊厳を基盤とした強い使命感と高い倫理観のもとに、人々の健康を守る最良の医療薬学教育・研究を行い、医療・福祉に貢献できる高度な専門性と豊かな人間性を兼ね備えた薬剤師を育成する」と定め、三つの方針として、10 項目の卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)、12 項目の教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)及び6項目の入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)を定めている。教育研究上の目的とこれら三つの方針は、年度初めに作成される薬学部マニフェストに
明記され、学部の現状や課題をふまえた年間の方針・目標と共に年度初めに学部長から教職員に周知徹底されていることは評価に値する。また、教員の教育活動向上を図るため、相互参観授業を取り入れていること、並びに教員活動を数値化して評価する仕組みを構築し、数値化した評価を報奨に反映し上位2名の教員に対し学長賞として表彰を行っていることは高く評価される。さらに、在学生の転学部や退学などにあたっては、担任教員が学生や保護者の意向を確認することに加え、必要に応じて学年主任、学科長及び学部長とも連携してサポートを行い、適切な進路変更に繋げていることは評価できる。一方、第1期薬学教育第三者評価で改善が指摘された、問題解決能力の醸成のための教育については、ディプロマ・ポリシーに改良を加えたものの、「総合的な目標達成度指標の設定と評価」が実現されておらず、引き続き改善に向けた取り組みを継続する必要がある。順次性のあるカリキュラムの編成に関しては、一部の科目群でカリキュラム・ツリーにおいて順次性や他科目群との関連が見られないほか、科目群ごとに設定されているカリキュラム・ポリシーとディプロマ・ポリシーとの対応、カリキュラム・マップ、並びに個々の科目のシラバスや達成すべきディプロマ・ポリシーの項目の間に齟齬が認められる箇所があるため、これらの整合性を担保する必要がある。問題解決能力を醸成する「卒業特別研究」では、目標到達度をフィードバックして成長を促す仕組みが未だ構築されていない。また、順次性のあるカリキュラムの学修成果としてディプロマ・ポリシーへの到達度を段階的・総合的に評価することも十分にできていないため、科目レベルに留まらずプログラムレベルでの適切な評価を行うように改善することが望まれる。本評価において就実大学薬学部は、その運営において外部委員からの指摘、自己点検・ 評価やアンケート等の情報を解析し、薬学部マニフェストやPDCAサイクルシートへ反映させ、自己改善に努めていることが確認された。今回の評価による指摘も次回のPDCAサイクルに反映させ、さらなる改善へ繋げることに期待したい。
大学への提言
就実大学 大学への提言 1)長所
1. 三つの方針について、教育研究上の目的と共に年度初めに作成されるマニフェストに併記され、学部長が教職員に対して説明、確認していることは評価できる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 教育活動の向上を図るための活動として実施している相互参観授業では、自薦他薦で選ばれた複数教員による授業を他の教員が自由に参観し、参考点や改善点を自由記述の形式で回答し、その内容を集計して担当教員にフィードバックしている(無記名)。2020~2021年度もオンライン授業における相互参観を行っており、優れた取り組みである。(5.教員組織・職員組織) 3. 教員活動評価において特に優れた教員(2名)については、学長賞として表彰を行うと共に成果に対する評価を報奨に反映し、教員活動の組織的な向上を図っていることは高く評価されるべき取り組みである。(5.教員組織・職員組織) 4. 入学後の学生の転学部希望や退学などの進路変更に対しては、担任教員が学生との面談に加え、保護者の意向も確認しながら指導している。担任だけでなく、必要に応じて学年主任、学科長及び学部長とも連携してサポートを行い、適切な進路変更に繋げていることは評価できる。(6.学生の支援) 2)助言 1. 薬学部の自己点検・評価は、教育研究活動に対する質的・量的な解析に基づいて十分に行われているとは言えず、改善への取り組みを継続することが望まれる。(2.内部質保証) 2. 語学教育科目については英語6科目を必修として指定しており、これだけで卒業要件を満たしていることから、実質的に選択科目とはなっていない。第二外国語を履修する学生が少ないことからも、CP(1)に掲げる「幅広い総合教育」の実現に向けた方策を検討することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 独自のアドバンスト科目の多くが未開講であることから、独自科目設置の意義が失われないように検討することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 高学年次に設置された独自科目の多くが履修申請者5名以下で開講されていないことは、履修予定の学生が自主的に学習しようとする機会を失うことになるため、履修者が少なくても開講できる体制を整えることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム3-1教育課程の編成) 5. 4年次においては、CBTのための単位科目は存在しないとされるが、3年次演習科目のシラバスにはCBT、共用試験という記載のある科目があるため、記載を整備することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 「熱力学と物理平衡」など複数科目の評価基準として「配付の練習問題をよく理解し、到達目標に達していること」との記載があり、実質的な基準とはなっていないため、より明確な評価基準を策定することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 「卒業特別ゼミナール」は研究室ごとに科目が設定されシラバスが作成されており、評価基準のひな形はあるものの、統一した評価系にはなっていないため、公平性の観点から評価基準を明確に定めることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 卒業認定の可否が取得単位数のみで判断され、卒業時のディプロマ・ポリシーへの到達状況は確認されていないため、ディプロマ・ポリシーに設定されている資質・能力を適切に評価するように改善することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. カリキュラム・ポリシーで定めた一部の科目群では、指標となる科目を定めてディプロマ・ポリシーへの到達度を測っており、段階的な評価系が構築されていないため、教育課程の進行に対応して学生が身につけるべき資質・能力を、科目群として総合的・段階的に評価するための適切な評価指標や方法を開発することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 10. 一般選抜(前期)及び共通テスト利用選抜A・Bにおいては、医療人を目指す者としての適性の評価が十分でない。定員の割合が最も高い入試区分でもあることから、今後の評価方法の工夫が望まれる。(4.学生の受入れ) 11. 個人情報保護の観点から、入学試験時の合理的配慮について、申請者の詳細な情報を大学が直接高校に問い合わせることは避けることが望ましい。(4.学生の受入れ) 12. 入学者選抜の区分ごとに、求める人材が入学したかどうかのさらなる検証のため、入学者の継続した追跡結果も含め、入学者の資質・能力を遡って長期的視点で評価することが望ましい。(4.学生の受入れ) 13. 2022年度入学生については定員を充足することができたが、直近6年間の定員充足率の平均は79%であり、入学定員数の適切性については引き続き注力していくことが望まれる。(4.学生の受入れ) 14. 在外研究員規程、国内研究員規程が整備されているが、薬学部にこの制度を利用した教員がいないので、積極的に活用されることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 15. 健康診断の胸部X線検査で結核罹患を否定しておくことで、安心・安全な実務実習が可能になるため、引き続き4年生、5年生の受診率が100%であることが望ましい。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. 第1期薬学教育第三者評価で受けた指摘のうち、問題解決能力の醸成のための教育に関しては、ディプロマ・ポリシーに「探求心、想像力、判断力と問題発見・解決能力を有し、医療薬学の進歩に貢献できる」を加えたものの、問題解決能力の醸成に向けた教育についての「総合的な目標達成度指標の設定と評価」については、十分な改善に至っておらず、引き続き取り組み、改善する必要がある。(2.内部質保証) 2. 学習ポートフォリオ等を活用した学習達成度の測定システムについては構築中ながら、2022年度に稼動を開始した学修成果の可視化システムの活用も含めて、内部質保証の適切性の解析を継続する必要がある。(2.内部質保証) 3. カリキュラム・ツリーでは学年ごとに学修する科目の順次性はわかるが、薬学総合科目群については、科目群中での順次性と薬学臨床科目群との関連が見えない。さらにカリキュラム・マップ、個々の科目のシラバスや達成すべきディプロマ・ポリシーの項目間で齟齬が認められるため、これらの整合性を担保した上で、体系的、効果的な薬学教育カリキュラムの編成となるよう、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 6年次「卒業特別講義a」の2段階の単位認定試験について、それぞれの試験の成績は学生本人に開示されていない。分野毎に行われる1段階目のβ試験では、問題と正解は公表されるが、本人に試験結果が開示されないことと、2段階目のα試験の結果と合わせた最終的な成績評価基準も不透明であることは問題であり、改善が必要である。さらに、再試験のα2試験結果も学生本人に開示されず、合否判定の根拠は学生に伝わっていないため、当事者である学生に告知されるよう改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 仮進級した場合、5年前期に未履修科目を修得して後期に実務実習を行うことができる学生と、未履修科目の開講時期が実務実習に重複してしまう学生がいるのであれば、「正規5年次への進級の機会を保証」する仮進級の制度は、学生にとって公平公正な制度と言えないので、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. 4年次~6年次の「卒業特別研究」にはルーブリック評価が導入されているが、現状では6年次の最終段階においてのみの評価であり、問題解決能力に関する目標到達度を4年次から適時学生にフィードバックしながら、成長を促す仕組みは構築されていない。医療人教育についても、ルーブリック評価表を用いているが、評価の指標は科目独自のものであり、年次進行的に確認するための評価指標は設けられていないため、総合的な目標達成度を評価できる段階に達するための、さらなる改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 7. 順次性のあるカリキュラムとその学修成果であるディプロマ・ポリシーへの到達度を段階的・総合的に評価し、到達度を数値化・可視化して評価することが十分にできていない。このように、科目レベルでの評価は行われているが、プログラムレベルでの適切な評価には至っておらず、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 8. 学修成果の評価を、全てのディプロマ・ポリシーについて到達度を数値化・可視化するための体系的な仕組みが構築に至っていないことから、学修成果の評価結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用するための改善を継続することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 昭和医科大学 | 私 | 東京都 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
昭和医科大学 総評 昭和大学薬学部は、昭和大学の理念である「至誠一貫」の精神のもと、薬学を通して医療の発展と国民の健康増進と福祉に真心と情熱を持って寄与する医療人の育成を教育研究上の目的としており、これに基づき、ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針・卒業時の達成目標)、カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成及び実施に関する方針)、及びアドミッション・ポリシー(入学者の受入れに関する方針)を制定し、6年制薬学教育を行っている。ディプロマ・ポリシーでは、卒業までに身につけるべき資質・能力を7つの領域にわたって設定している。カリキュラム・ポリシーでは、ディプロマ・ポリシーを達成し、コンピテンシー(昭和大学薬学部学生が卒業時に有している能力)を実現するために、体系的、段階的なカリキュラムを編成し、全学年にわたってシームレスにカリキュラムを実施している。学修成果及び教育成果を評価するための指針として、新たにアセスメント・ポリシー(学修成果・教育成果の評価の方針)を策定し、2022 年度から運用を開始している。アドミッション・ポリシーでは、卒業時に求められる基本的資質・能力を達成できる学生として、日々の学修と多様な経験の中から薬剤師となるために必要な能力を身につけている人を求めるとしており、医療人を目指す者としての資質・能力を評価するため、全ての入試区分において志願者全員に個別の面接試験を実施している。
とりわけ、医・歯・薬・保健医療の4学部連携チーム医療教育を学年縦断的に実施している点や、8つの附属病院において、全学生に対して質の高い病院実務実習を行っている点は、特色ある取り組みとして高く評価できる。さらには、実務家教員が附属病院で常時自己研鑽できる環境が整備されている点や薬剤師生涯研修認定制度を設け、その運営体制を構築し、毎年数百人規模の参加者を受け入れている点も高く評価できる。 他方で、これらの到達点を踏まえた発展課題もある。内部質保証において、ポートフォリオの質的解析は行っているものの自己点検や評価への活用が行われていない。教育課程の実施において、前期科目の再試験を後期に実施している点や再試験の受験資格を設定している点については、学生の不利益となる可能性がある。さらには、卒業に必要な単位数が履修要項に明記されておらず、学生へも周知されていない。学修成果の評価においては、アセスメント・ポリシーが施行されたばかりであり、また、学生の自己評価に留まっている。指摘したこれらの点を早期に改善することで、薬学教育プログラムをさらに充実させることができるものと期待される。
大学への提言
昭和医科大学 大学への提言1)長所
1. 医療倫理、チーム医療、在宅医療に関する教育において、4学部連携のPBLチュートリアルやTBLが積極的に取り入れられており、昭和大学独自の優れた取り組みといえる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 2. 全ての入試区分において、知識・技能、思考力・判断力・表現力等の能力が十分であることを学力試験等で確認するとともに、個別の面接試験により、医療人を目指す者としての資質・能力を合わせて評価することにより入学者を選抜している点は評価できる。(4.学生の受入れ) 3. 各学部において優れた研究業績を挙げた者、優れた教育功績を挙げた者に対して毎年「上條奨学賞」を授与し、表彰している。(5.教員組織・職員組織) 4. 病院薬剤学講座及び臨床薬学講座等の教育職員が、常に臨床現場において研鑽を積めるような環境が整備されている。(5.教員組織・職員組織) 5. 8つの大学附属病院を有し、低学年時から学生の臨床実習に活用している。(7.施設・設備) 6. 薬剤師生涯研修認定制度を設け、その運営体制を構築し、現在も活発に活動している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 教育研究上の目的及び三つの方針の検証を、医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズの変化を調査した結果を踏まえて行うことが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 研究論文の考察部分において研究成果の医療や薬学における位置づけを記載するよう求めているが、記載されていない論文が散見されるので改善が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 3. 前期科目の再試験も後期にまとめて実施されているが、科目の合否が後期まで保留されることは学生の不利益となるため、同一学期に再試験を実施することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 進級試験では多肢選択形式問題のみではなく、記述式問題を加えるなど出題形式を多様化することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 留年者は、当該年の全ての必修科目を再履修しなければならないとしているが、合格した科目の単位を認定しないのは、学生の不利益となると考えられるため改善が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. 分析結果に基づいて、必要に応じて入学者受入れの改善・向上を図るとあるが、現在まで未実施であるので、早急に実施することが望まれる。(4.学生の受入れ) 7. 病院薬剤学講座の教育職員に対して、研究時間を確保することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 8. 一部の実習室へのアクセスが階段に限られる点や段差のある箇所がある点などについては、地震や火災などの緊急時における安全確保の観点から、キャンパスの再整備を待つことなく、可能な範囲で改善することが望まれる。(7.施設・設備) 3)改善すべき点 1. ポートフォリオの質的解析は行っているものの、解析結果を教育研究活動の自己点検や評価等に活用していないので、活用するよう改善が必要である。(2.内部質保証) 2. 再試験は、合格科目数が対象科目数の60%以上、あるいは対象科目の総点数が合格基準点の総和以上のいずれかに該当した者を対象に行っているが、再試験の受験資格を設けることは、学生にとって不利益となるため改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 3. 卒業に必要な単位数を履修要項に明記するとともに学生に周知することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 薬学部独自に策定したアセスメント・ポリシーは、2022年度から施行されたばかりである。また、学修成果の評価は、学生による自己評価に留まっているので、教員による評価を加えるなど、より客観性の高い評価方法の開発に取り組み、教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用していくことが必要である。(3.薬学教育カリキュラム3-3学修成果の評価) |
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| 千葉科学大学 | 私 | 千葉県 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
千葉科学大学 総評 千葉科学大学薬学部薬学科では、学則にある教育目標を学科の教育研究上の目的としている。これは 2019 年度に改定され、医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズを反映している。教育研究上の目的に基づき三つの方針が策定されている。ディプロマ・ポリシーでは、卒業までに学生が身につけるべき7項目の資質・能力が設定され、項目ごとに観点及び4段階の判断基準を示したルーブリック形式の「到達度表」が作成されていることは評価できる。この「到達度表」を用いた「学修到達度評価」は、個々の学生や学年全体の学修成果の評価への利用が試みられている。カリキュラム・ポリシーでは、カリキュラムをディプロマ・ポリシー7項目に基礎的教養を加えた8領域に分け体系的に整理し、学習目標や教育方法を明示すると共に、学修成果(修得度)の評価方法を定めている。しかし、より具体的な学修成果の評価方法の記載が期待される。アドミッション・ポリシーに示された多様な人材を受け入れるため複数の入試方式がとられている。さらに、入学者数の適切性の検証と改善に向けた努力もなされているが、入学者数が入学定員数を大幅に下回る状況が続いており、入学者数の増加につながる入試方式等の改善が期待される。2018 年度にはアセスメント・ポリシー及び 11 の評価項目を策定している。評価項目は入学生・在校生・卒業生の3段階に分かれており、各評価項目を自己点検・評価することで三つの方針を検証できる。2019 年度には評価項目ごとに「アセスメント・ポリシーチェックリスト」が策定され、これを用いた検証が 2021 年度に行われている。このように、自己点検・評価を計画的に実施し、三つの方針の定期的な検証を行う体制は整備されているが、アセスメント・ポリシーの評価項目の検証が期待される。教員組織については、直近5年間の研究活動実績や博士の学位がない専任教員が複数名おり、十分な研究成果をあげるための支援体制のさらなる整備が期待される。また、カリキュラムにおいて重要と位置づけられた科目を教授または准教授が担当するように改善することも期待される。他方では、チューター及びアカデミック・アドバイザーの教員を選任し、学生の学修指導や生活面での相談に十分に対応していることは評価できる。現在の体制による自己点検・評価は緒についたばかりであるが、評価の結果が教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用されることを期待したい。
大学への提言
千葉科学大学 大学への提言 1)長所
1. 学修成果の評価のために、ディプロマ・ポリシーの各項目に対して、観点と4段階の判断基準から構成されるルーブリック形式の到達度表が作成され、さらに各科目の観点と判断基準を一覧にしたカリキュラム・チェックリストを作成し、これに基づいた学修到達度評価により学修成果の評価を行っていることは高く評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 2. 学生の修学支援として、チューターと共に学修指導を行うアカデミック・アドバイザーが選任されていることは評価できる。(6.学生の支援) 2)助言 1. DP7の「危機管理能力の活用」という表現は、薬学部の学生にはわかりにくい。わかりやすい表現への変更が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 千葉科学大学自己評価委員会の構成員には外部委員が含まれていない。外部委員または6年制課程の卒業生を当該委員会に含め、審議の段階から参加してもらうことが望ましい。(2.内部質保証) 3. 「アセスメント・ポリシーチェックリスト」においては、ディプロマ・ポリシーに関する評価項目が「卒業後アンケート調査」と「進路先への調査」の2項目であり、評価項目としては不十分である。また、これらのアンケート調査への回答率が低く、実施頻度も4年に1回である。これらのことから、ディプロマ・ポリシーへのフィードバックが十分ではない可能性があるため、アンケート調査の実施方法の根本的な改善が望まれる。(2.内部質保証) 4. 自己点検・評価の結果は、「千葉科学大学事業報告」で公表されているが、薬学部独自には公表をしていない。薬学部ホームページ等で公表することが望ましい。(2.内部質保証) 5. 継続的に自己点検・評価が行われているが、「アセスメント・ポリシーチェックリスト」での評価結果の教育研究活動の改善へのフィードバックは十分ではない。自己点検・評価結果の教育研究活動へのさらなる反映が望まれる。(2.内部質保証) 6. 英語教育に関しては、上位学年には科目が設置されていないため、十分であるとは言えない。医療現場で活用できる英語力を身につけるための科目を上位学年に設置することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. シラバスの「学習の方略」の欄に関して、SGDやロールプレイ等の記載がないため、学習方略の詳細が不明な科目がある。学生にわかりやすいように、「学習の方略」について、より具体的に記載することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 多項目で成績を評価する科目については、一部の科目において、各評価項目の寄与率がシラバスに記載されていない。寄与率のシラバスへの記載が望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 「到達度表」をディプロマ・ポリシーの前文に述べられている『薬学を修めた者の職分として以下の能力を身につけ、且つ所定の単位を修得した者に対して学士(薬学)の学位を授与する。』ことに適用するためには、「到達度表」の各観点について、卒業を認める基準値を明確にすることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 10. 多様な入試方式を実施しているが、いずれの方式においても「学力の3要素(知識・技能、思考力・判断力・表現力等の能力、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度)」の多面的かつ総合的な評価は不十分であり、より理想的な選抜方式への改善が望まれる。(4.学生の受入れ) 11. 各年次の留年率が依然として高いため、その原因を解析し、留年率を下げる工夫が望まれる。(4.学生の受入れ) 12. 薬学部の専任教員31名のうち、助教が5名(16.1%)と少ないため、助教の割合を増やすことが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 13. 次世代の教員養成に関する具体的な方針や計画を策定し、全ての教員が共有することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 14. 薬学部の教員が医療関連施設で研鑽できる体制は整っているが、研鑽のための制度が整備されていないので、その整備が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 15. 就職支援に関して、学生が主体的に進路を選択できるように、教学支援部キャリア支援課を中心として、情報の収集・発信の一元化を図ることが望ましい。(6.学生の支援) 16. 学生の定期健康診断の受診率は、周知がなされているにも係らず、複数の学年で80%を下回っている。受診率を100%に近づけるための改善策を策定し、実行することが望ましい。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーにはディプロマ・ポリシーに示された資質・能力の学修成果(修得度)の評価方法が十分に記載されていないので、より具体的に記載する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 「アセスメント・ポリシーチェックリスト」及び「学修到達度評価」を用いた評価では量的評価が中心であり、自己点検・評価で求められている質的・量的な解析としては不十分である。質的評価法の導入や在籍(留年・休学・退学等)及び卒業状況(入学者に対する標準修業年限内の卒業者の割合等)の入学年次別分析を含め、アセスメント・ポリシーの評価項目についての再検討が必要である。(2.内部質保証) 3. 「学修到達度評価」は学修の進捗度評価には使用されているが、学生個人へのフィードバックや教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用するには至っていない。「学修到達度評価」の評価結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 4. 受験者数の減少傾向が続き、入学者数が入学定員数を大幅に下回る状況が続いている。早急に入学者数の増加につながる入試方式等の改善が必要である。(4.学生の受入 れ) 5. 薬学部の専任教員のうち、実務家教員は5名であるが、教授を除く4名は博士の学位を有していない。また、専任教員のうち6名は、直近5年間において研究活動(論文発表、学会発表)の実績がない。十分な研究成果をあげ、学位が取得できるための支援体制をさらに整備する必要がある。(5.教員組織・職員組織) 6. カリキュラムにおいて重要と位置付けた科目のうち、7科目は外部の非常勤講師、13科目は講師もしくは助教が担当している。カリキュラムにおいて重要と位置付けられた科目は教授または准教授が担当するよう改善する必要がある。(5.教員組織・職員組織) |
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| 同志社女子大学 | 私 | 京都府 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
同志社女子大学 総評 同志社女子大学薬学部は、6年制の医療薬学科だけを設置し、大学が掲げる3つの教育理念のもと、「医療薬学科は、最先端の薬学領域である医療や創薬現場で活躍できる研究能力をもち、幅広い教養と人間性、国際性を兼ね備えた、高度医療に対応できる薬剤師を養成することを目的とする」と人材養成目的を定め、それに基づいた「学位授与の方針」、「教育課程の編成及び実施に関する方針」、「入学者受入れの方針」を制定し、6年制薬学教育を行っている。上級生が、入学予定者や下級生に対して、勉強や生活の相談にのるビッグシスター制度を導入し、学生満足度の向上の一助としている点は、同志社女子大学の特色と言える。しかしながら、本評価において最も重要な項目である「学修成果の評価」については、その意義を十分に理解していないと判断せざるを得ない。すなわち、「教育課程の編成及び実施に関する方針」には、「学位授与の方針」に記載された資質・能力の修得度・達成度を評価するための評価の在り方と、その段階的な修得状況を教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていない。さらに、この「教育課程の編成及び実施に関する方針」の「学習成果の測定方法」の項には、「6年間の学修の集大成として、薬剤師国家試験の合格によって学習成果を評価する」との項目があり、教育課程の進行に対応して学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用することの重要性が十分に理解されておらず、それらの実施に向けた検討もなされていないので、早急に適切な措置を講ずる必要がある。また、「内部質保証」の起点となる自己点検・評価は、全学組織が主導して行われており、薬学部の「内部質保証」の状況は学内資料として全学組織に提出されるのみであり、広く社会に公表されてはいないので、積極的に公表する必要がある。さらに、第1期の薬学教育評価において指摘した教員組織の編成に関しては、未だ十分な改善が行われておらず、専任教員による教員組織の適正化を図るよう、改善する必要がある。同志社女子大学薬学部は、大学の教育理念や人材養成目的に即した薬剤師の養成に向けて、熱心に教育研究に取り組む姿勢はうかがえる。学修成果の評価体制とその結果を活用する内部質保証体制を整え、さらなる発展に向けて努められたい。
大学への提言
同志社女子大学 大学への提言 1)長所
1. 申込制により、大学が入学前に新入生(リトルシスター)に対して上級生(ビッグシスター)を紹介し、上級生が下級生の履修や生活面での相談に応じる「ビッグシスター制度」を実施し、新入生が初めての環境に少しでも早く慣れ親しめるように配慮している事は評価できる。(6.学生の支援) 2)助言 1. 履修要項には「教育理念・目標」が掲載されているが、学則にある「人材養成目的」は掲載されておらず、年度当初に行われるガイダンスの資料にも人材養成目的に関する説明が含まれていない。薬学部のWeb掲示板には人材養成目的を記載したファイルへのリンクが張られているが、より積極的に周知することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 「学位授与の方針」には26項目の資質・能力が羅列されており、学生には自らが卒業までに身に付けるべき資質・能力の全体像を把握することは困難である。これらの項目の資質・能力の中には内容が重複するものもあることから、内容を整理し、学生が卒業までに到達すべき自らの姿をイメージできるような「学位授与の方針」に変更することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「教育課程の編成及び実施に関する方針」は、学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するようには設定されていないので、設定することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 薬学部自己点検・評価委員会には、外部委員や6年制課程の卒業生を含むことが望ましい。(2.内部質保証) 5. 「国際主義」を掲げる大学の一学部として、必修科目として行われる英語教育がわずか2年半しかないというのは寂しい状況であり、英語教育のさらなる拡充が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 倫理観醸成のための教育が、6年間を通して継続的に行われているとは言えないので、継続して行うようにカリキュラムを改訂することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 「早期体験学習Ⅰ(1年次)」及び「セルフメディケーション・在宅医療特論(6年次)」において看護学部との連携授業を2コマずつ開講しているとしているが、多職種連携は「薬学教育モデル・コアカリキュラム平成25年度改訂版」の「A基本事項」の中に組み込まれるほど重要な教育項目であることから、実践的な多職種連携教育を今後さらに拡充することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. 進級及び卒業判定に関わる資料は重要であることから、全学教授会において審議する前に薬学部内の適切な委員会が資料の内容を確認するなど、薬学部としてのチェック機構を設定することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 定員の6割以上を占める一般入学試験や大学入学共通テストを利用する入学試験ではアドミッション・ポリシーに示した「関心・意欲・態度」の修得度を確認していないので、「医療人を目指す者としての資質と能力の評価」を含めて、この素養を正しく評価するように入試制度を改変することが望まれる。(4.学生の受入れ) 10. 1名の専任教員に対して学生数が10名以内となるような教員組織を編成することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 11. 過去5年間の研究業績が全く記載されていない教員がいることから、教員が担当する授業に関して自己点検・評価を行うだけでなく、広範にわたる教育研究活動について定期的に自己点検・評価を行うような仕組みを導入することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 3)改善すべき点 1. 「教育課程の編成及び実施に関する方針」の中の「学習成果の測定方法」の項目には学習方略別や授業科目ごとの学習成果の評価の概略が示されているが、学修成果として「学位授与の方針」に記載された資質・能力の修得度の評価の在り方は具体的に示されていないので、学修成果の評価計画を含めて具体的に示す必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 「学習成果の測定方法」には、「6年間の学修の集大成として, 薬剤師国家試験の合格によって学習成果を評価する」との項目がある。資格試験の合格のみを目指す専門学校や予備校の教育とは異なり、薬剤師国家試験の合否を大学の人材養成目的に基づく教育の最終評価とするのは不適切であり、改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「入学者受入れの方針」には、求める学生像については記載されているものの、多様な学生をどのように評価・選抜するかについては記載されていないので、記載するように改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 適切な基準や指標を設け、質的・量的な解析に基づき、薬学部における教育研究活動を主体的に自己点検・評価し、その結果を広く社会に対して公表する必要がある。(2.内部質保証) 5. 薬学部独自の教育研究活動の改善は、大学の内部質保証の一環として行われているが、薬学部独自の自己点検・評価結果等に基づいて適切に行う必要がある。(2.内部質保証) 6. 臨床系科目と卒業研究に関わる科目においてルーブリック評価表を用いた学生による自己評価と教員による評価が行われるようになったが、これら以外の問題解決能力の醸成を目指す科目では到達度に対する明確な目標を立てた評価が行われておらず、また、科目の成果を総合した、問題解決能力醸成教育全体を通しての目標達成度も評価されていないので、適切な評価を行うように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-2教育課程の実施) 7. 「薬局実務実習」及び「病院実務実習」の成績評価は、出席しただけで合格できるような配点となっていることから成績が適切に評価されているとはいえず、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 「定期試験後の成績報告までに、教員の判断により学力不足の学生に対しての補講を行い、補講に関する確認テスト(補講テスト)を実施することにして学力アップを図った上で評価する」ことは、第1期の薬学教育評価において不適切と指摘を受けた後に廃止された「明確な規程に拠らずに実施している再試験」と同じことであり、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 異議申し立て制度が設けられていないので、制度として明文化するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 「学位授与の方針」に記載された 26 項目の資質・能力の修得度・達成度を、カリキュラムの年次進行に伴って総合的に評価するための指標を設定し、それに基づく評価を実施するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. 入学者選抜方法の適切性を検証するための指標には、志願者動向や薬剤師国家試験のストレート合格率等が用いられており、「入学者の資質・能力」の検証に基づいて検証している訳ではない。「入学者の資質・能力」を適正に検証する方法を構築し、その検証結果に基づき入学者の受け入れを改善・向上させる必要がある。(4.学生の受入れ) 12. 薬学部が目指す教育研究活動を実現するための教員組織の編成に関する方針は具体的に示されていないので、具体的な方針を設定する必要がある。(5.教員組織・職員組織) 13. 特別任用教員ではない専任教員数は 19 名(教授 12 名、准教授7名)であり、本機構による第1期の薬学教育評価において「改善すべき点」として指摘した状況と比べて大きな変化は見られないことから、定年を過ぎた特別任用教授の交代、能力のある特別任用助教の昇格などを含めた教員組織の再編を進め、専任教員による教員組織の適正化を図るよう、改善する必要がある。(5.教員組織・職員組織) |
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| - | - | - | - | 2022年度 |
- | - |
2:なお書き 改善報告審議結果 2025/7/1 |
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| - | - | - | - | 2022年度 |
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2:なお書き 改善報告審議結果 2024/7/8 |
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| 東邦大学 | 私 | 東京都 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
東邦大学 総評 東邦大学薬学部は、東邦大学の教育の理念のもとに、「高い倫理観、豊かな人間性、自他ともに高め合う態度、基礎薬学並びに医療薬学に関するバランスのとれた豊富で正確な知識・技術及び問題解決能力を育成し、チーム医療に資するためのコミュニケーション能力及び実践的能力を醸成する。研究に関しては、基礎薬学並びに医療薬学に関する学術研究活動の推進を図り、地域はもとより広く社会に貢献する」を「教育研究上の目的」と定め、「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」を制定して6年制薬学教育を行っている。これらは、薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成 25年度改訂版)に示されている、薬剤師として求められる基本的な資質との整合性も取れており、医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズを反映したものとなっている。学修成果の評価の在り方としては、全学のアセスメントポリシーに基づいてアセスメントプランを策定している。アセスメントプランは 13 の項目で構成されており、学位プログラムレベルと学生レベルの2つが策定されている。学位プログラムレベルはGPA(GradePoint Average)、アセスメントテストなどを用いて質的・量的にプログラムの改善を図るものとなっている。学生レベルは各教科の学習によって何を身につけるべきなのか、それらの修得がディプロマ・ポリシーの資質・能力の醸成に向けたどのような段階に位置しているのかを学生が理解できるような工夫がなされているが、学生の到達状況を評価する評価基準は設定されていない。このアセスメントプランは 2021 年度より本格実施されており、実際の教育課程、教育内容との整合性、より効果的な評価の方法について検討を随時加え、その検討結果を踏まえて見直しを行うことが計画されていることから、今後のさらなる充実が期待される。一方、カリキュラム・ポリシーの中にディプロマ・ポリシーに示されている学修成果を評価する方法が記載されておらず、明記が必要である。さらに、主要な問題点に関して教員教育ワークショップを毎年開催して教育プログラムの改善を図っている、「薬学部開講科目実施状況報告書」の作成を義務付けて各教員の教育活動の改善を図っている、「目安箱」を設置して学生生活・教育活動の改善を図っているなど、不十分な点は散見されるが、学部全体で質的・量的に評価・検証を行いプログラム改善に努めていることは評価できる。なお、アセスメントポリシー並びにアセスメントプランは端緒にあり、その他の取り組みについても改める部分はあるが、どの取り組みも伸び代を大いに感じさせるものであることから、今後、教育カリキュラムの編成・実施及び評価、受け入れ学生の基礎学力の向上など、様々な観点からさらに検証を行い、東邦大学の薬学教育プログラムをさらに充実させることが期待される。
大学への提言
東邦大学 大学への提言 1)長所
1. 他学部の学生と協働する授業を開講していることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 卒後のキャリア形成に繋がる科目(「社会薬学特別講義」(4年次通年、選択必修)、「生命科学特別講義」(4年次通年、選択必修)、「社会への招待Ⅰ」(5年次春期、必修)、「社会への招待Ⅱa~Ⅱd」(5年次秋期、選択必修)、「臨床薬学総論」(6年次春期、必修))や国際的感覚を養うことがきる「海外実務実習」(5年次秋学期、選択)の開講は評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 国際化の流れに対応できる薬剤師、創薬専門家となるために必要な基本的知識と技能を修得することを目指して「海外実務実習」(5年次秋学期、選択)を実施している。この科目が、渡航前に各自で到達目標を設定する事前プログラム、派遣先での実習、帰国後の学部内公開成果発表と討論を行う事後プログラムと系統的に編成されていることは、評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 育成すべき能力に合わせ、SGD、PBL、TBL、他学部合同授業の実施、医療専門職の参加など、各授業において適切な方法を様々な形で導入していることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 2020(令和2)年度より、アセスメントテスト(GPS-Academic)を導入して、知識や技能などに対する理解度や習熟度の評価とは異なる観点に対して指標を与え、個々の学生に自らの強みと改善に向けて取り組むべきポイントを認識させ成長を促していることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 6. 主要な問題点について、毎年、学部内で教育ワークショップを開催し、情報共有と改善策の提案を行っており評価できる。(5.教員組織・職員組織) 7. 1~3年次生を一人のクラス担任が担当することにより学年間の学生の繋がりができる工夫がなされている点は評価できる。(6.学生の支援) 8. 新型コロナウイルスの感染が拡大した状況下においても、春の公開講座「薬草園一般公開及び講演会」の代替としてWebでバーチャル薬草園を動画配信している点は評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 現段階ではアセスメントプランについてはカリキュラム・ポリシーで触れられておらず、大学のアセスメントポリシーを踏まえてどのような評価方法を用いるかをあらかじめ学生に提示するという観点から、カリキュラム・ポリシーへのアセスメントプランの概要の記載が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 学部で毎年度実施している自己点検・評価の報告書については、ホームページ等で公開されていないが、自己点検・評価活動の実態を社会に知って貰うためにも、概要等の掲載が望まれる。(2.内部質保証) 3. 定期試験等の疑義照会期間に、学生から答案開示の請求が出された場合には、原則として開示に応じているが、これに関する規程や申し合わせ等が明文化されていないため、規定等の整備が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 一般入試、共通テスト利用入試、一般入試(共通テスト併用)においては面接試験を課しておらず、学力の3要素のうち「主体性を持って多様な人々と共同して学ぶ態度」の評価については調査書の記載を確認する程度に留まっており、面接を導入するなど、学力の3要素を全ての入試で評価することが望まれる。(4.学生の受入れ) 5. 収容定員数による教員1名あたりの学生数は約20名であり、専任教員1名当たりの学生数が10名となるよう、教員数のさらなる増加が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 6. 教授で女性教員が25名中で1名であるなど少なくなっており、さらなる充実が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 7. 教員間で授業の担当時間にばらつきが認められることから、格差の解消が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 8. 教育研究活動に関する業績の入力、管理、公開の支援を担う組織として、東邦大学学事統括部研究支援課に研究業績データベース事務局が設置されており、教員に対して入力を促しているが、保存、公開されるデータは教員本人の入力に委ねられていることから情報の充実度は教員により違いがみられるため、学部として責任のある公表が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 9. TAの資格や実施できる範囲などに関する規定が整備されていないことから、教育の質の担保の観点からも規定の整備が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 10. 臨床系教員・実務家教員の医療実務の研鑽に向けた体制については、新しい医療に対応するために学外での研修等が行えるよう積極的に検討してはいるが、現状では、医療現場で薬剤師業務を実践できる学部内の体制は整備されているとは言い難く、体制の構築と研修の実施が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 11. 学生の自習促進のために、薬学部独自の自習室を設けるなどのさらなる充実が望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーの中にディプロマ・ポリシーに示されている学修成果を評価する方法が記載されておらず、明記が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 「薬学総合演習Ⅱ」において、学内実力試験の合否によって期末試験での合格基準点が学生毎に異なる仕組みとなっている。学生によって合格基準点が異なることは問題であり、さらに合格基準点も「東邦大学履修規則 第9条の2」に規定されているものとは異なっていることから、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 3. 薬局実習や実務実習日誌の評価において、適宜減点など、曖昧な基準が設けられており、適宜減点という制度は教員によって差異がある可能性があり、学生にとって不明確であり尚且つ不利益に通ずる可能性もあるため、減点の具体的な基準等を示す必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 成績に関する学生からの疑義照会先は現在科目の担当教員だけとなっているため、学生のアクセスと透明性を向上させるためにも、大学としての窓口を別途設け、規則を学則等へ記載して学部として対応することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. ディプロマ・ポリシーの目標に対する学修成果の評価が行われていないので、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 徳島文理大学 | 私 | 徳島県 | 第2期 |
2022年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
徳島文理大学 総評 徳島文理大学薬学部は、教育理念として「全人教育により豊かな教養と人間性を有し、課題発見能力・問題解決能力を身に付けた地域や国際社会に貢献できる薬剤師、及び、薬剤師資格を有した多様な人材を育成すること」、教育研究上の目的を「薬学部は、薬学に関して深い知識・技能・態度をもつ有能な人材を養成するとともに、最高最新の科学を教授研究することを目的とする。」と定めている。これに基づき三つの方針が一貫性・整合性のあるものとして策定されている。また、研究志向の高い学生に対して 1 年次から学部内インターンシップ(選択科目)を設置して、興味のある研究室にて活動できる環境を用意していることは評価できる。一方、現在のディプロマ・ポリシー(DP)からは、学生が卒業時に求められる人物像を想像するのは難しいため、領域別に求められる要素を統合した到達目標として、卒業時に求められる在るべき姿が思い描けるアウトカムを示すよう改善が求められる。また、学修成果の評価については、学生が身につけるべき資質・能力について学年進行に応じた評価方法は策定されているものの、その実施については卒業時のみであり、全学年に対して
実施し、また学生にフィードバックする必要がある。併せて、評価結果については継続的に解析を行い、教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用することが期待される。さらに、カリキュラム・ポリシー(CP)に学修成果の評価方法についての記載がなく、DPの内容及び評価方法を見直し、これに合わせたCPを策定する必要がある。平成 25 年度改訂版の薬学教育モデル・コアカリキュラムに基づく教育科目の体系性及び科目の順次性は、カリキュラム・マップ及びカリキュラム・ツリーを用いて示されている。しかし、カリキュラム・ツリーには薬剤師として求められる資質や能力と各科目との関係性が示されておらず、学年を経ることによってどのような資質・能力の修得につながるかが学生に明確にわかるよう改善が求められる。また、シラバスの内容について一部の科目で到達目標に対する学習方略・評価が不適切なものが認められ、修正するとともにチ ェックシステムの強化が期待される。徳島文理大学薬学部には、今回の評価における提言を踏まえた改善を通して、6年制薬学教育プログラムの質をさらに高め、大学が目標とする人材育成が実現することを期待する。
大学への提言
徳島文理大学 大学への提言 1)長所
1. 学部内インターンシップ (選択科目) を設置して、研究室配属される前の1~3年生であっても興味のある研究室にて研究を実施できる環境を用意している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 「実務家(臨床系)教員の外部医療機関での研鑽制度」が整備されており、実務家教員5名が薬学部実務家教員及び薬剤師としての知識・技能を維持し最新医療に対応するために本研鑽制度を活用して近隣の徳島大学病院、徳島赤十字病院において、日常的に薬剤部カンファレンス・講習会等に参加している点は評価できる。(5.教員組織・職員組織) 3. 薬物乱用防止啓発事業の指導員に教員のみならず、学部学生が任命されている。(8.社会連携・社会貢献) 4. 海外大学との大学間協定や留学生の受入れを積極的に行っており、研究室レベル及び学生レベルにおける国際交流の活性化への取り組みは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 教育研究上の目的は、各学年においてスライド等を利用したより分かりやすい方法にて周知を図ることが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 現在のディプロマ・ポリシーは学生が卒業時に求められる人物像を想像するのは難しいため、領域ごとに区分して表記するのではなく、各領域の要素を統合した到達目標として、卒業時に求められる在るべき姿が思い描けるアウトカムが示されていることが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. カリキュラム・ポリシーでは、各科目の学習評価は「12.成績評価は、科目の特性に応じて適切かつ多様な評価方法と基準を設ける。」とされており、より具体的な記載が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 学修成果の評価基準、方法、時期などを薬学部要覧などに記載し、また各学年オリエンテーションで毎年説明する等、学生及び教職員への周知に努めることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. 大学入学共通テスト利用入試や一般入試は筆記試験のみであり、思考・判断・表現力の評価、ならびに医療人を目指す者としての資質・能力の評価は十分とは言えない。したがって、入学者の選抜方式については引き続き工夫することが望まれる。(4.学生の受入れ) 6. 留年率やストレート卒業率などのデータからは、十分な資質や能力を持った学生を選考できているかどうかという点では疑問が残り、今後の改善に結びつけられることが望まれる。(4.学生の受入れ) 7. 薬学部専任事務職員は2名であり、より円滑な事務業務の遂行のためには薬学部専任の事務職員を増員することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 8. 学生の健康診断については、平成26年度に実施された薬学教育評価機構による第一期の評価において、2~4年生の受診率は極めて低い(2.7~28.6%)ことが指摘されたが、学生指導を強化した結果、2021年度は72.3~88.6%と改善したとしている。しかしながら、学校保健安全法(健康診断受診義務)の法律遵守に努め、受診率100%となるよう継続的に改善策を講じ実行することが望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーには、6年間の総合的な学修成果の評価方法についても記載する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. ディプロマ・ポリシーに掲げた到達目標の総合的な達成度の評価結果について、継続的に量的解析を行い、教育研究活動の改善に努めることが必要である。(2.内部質保証) 3. 基礎資料1にカリキュラム・ツリーが示されているが、最終到達点は国家試験、就職・進学となっており、薬剤師として求められる資質や能力と各科目との関係性が示されていない、したがって、学生が6年間の学修によってどのような資質・能力の修得につながるかが学生に明確にわかるよう修正する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 一部の科目(「免疫学」、「泌尿器・内分泌疾患の薬物学」等)においては、「知識・理解」以外の目標の学習に適した方略・評価とは考えにくいものも見られ、適切なものに修正することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 成績評価に対しての学生からの異議申し立ての仕組みがあり、学生に周知されているが、単位認定に関わる重要な情報であることから、薬学部要覧などに記載する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. 学生が身につけるべき資質・能力の教育課程の進行に応じた評価方法は策定されているものの、評価とフィードバックがなされていないことは問題であり、早急に評価・フィードバックを行うことが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 7. 学修成果の評価を実施し、評価結果をもとに教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 同志社女子大学 | 私 | 京都府 | 第2期 | 2022年度 | 適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
同志社女子大学 総評 同志社女子大学薬学部は、6年制の医療薬学科だけを設置し、大学が掲げる3つの教育理念のもと、「医療薬学科は、最先端の薬学領域である医療や創薬現場で活躍できる研究能力をもち、幅広い教養と人間性、国際性を兼ね備えた、高度医療に対応できる薬剤師を養成することを目的とする」と人材養成目的を定め、それに基づいた「学位授与の方針」、「教育課程の編成及び実施に関する方針」、「入学者受入れの方針」を制定し、6年制薬学教育を行っている。上級生が、入学予定者や下級生に対して、勉強や生活の相談にのるビッグシスター制度を導入し、学生満足度の向上の一助としている点は、同志社女子大学の特色と言える。しかしながら、本評価において最も重要な項目である「学修成果の評価」については、その意義を十分に理解していないと判断せざるを得ない。すなわち、「教育課程の編成及び実施に関する方針」には、「学位授与の方針」に記載された資質・能力の修得度・達成度を評価するための評価の在り方と、その段階的な修得状況を教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていない。さらに、この「教育課程の編成及び実施に関する方針」の「学習成果の測定方法」の項には、「6年間の学修の集大成として、薬剤師国家試験の合格によって学習成果を評価する」との項目があり、教育課程の進行に対応して学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用することの重要性が十分に理解されておらず、それらの実施に向けた検討もなされていないので、早急に適切な措置を講ずる必要がある。また、「内部質保証」の起点となる自己点検・評価は、全学組織が主導して行われており、薬学部の「内部質保証」の状況は学内資料として全学組織に提出されるのみであり、広く社会に公表されてはいないので、積極的に公表する必要がある。さらに、第1期の薬学教育評価において指摘した教員組織の編成に関しては、未だ十分な改善が行われておらず、専任教員による教員組織の適正化を図るよう、改善する必要がある。同志社女子大学薬学部は、大学の教育理念や人材養成目的に即した薬剤師の養成に向けて、熱心に教育研究に取り組む姿勢はうかがえる。学修成果の評価体制とその結果を活用する内部質保証体制を整え、さらなる発展に向けて努められたい。
大学への提言
同志社女子大学 大学への提言 1)長所
1. 申込制により、大学が入学前に新入生(リトルシスター)に対して上級生(ビッグシスター)を紹介し、上級生が下級生の履修や生活面での相談に応じる「ビッグシスター制度」を実施し、新入生が初めての環境に少しでも早く慣れ親しめるように配慮している事は評価できる。(6.学生の支援) 2)助言 1. 履修要項には「教育理念・目標」が掲載されているが、学則にある「人材養成目的」は掲載されておらず、年度当初に行われるガイダンスの資料にも人材養成目的に関する説明が含まれていない。薬学部のWeb掲示板には人材養成目的を記載したファイルへのリンクが張られているが、より積極的に周知することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 「学位授与の方針」には26項目の資質・能力が羅列されており、学生には自らが卒業までに身に付けるべき資質・能力の全体像を把握することは困難である。これらの項目の資質・能力の中には内容が重複するものもあることから、内容を整理し、学生が卒業までに到達すべき自らの姿をイメージできるような「学位授与の方針」に変更することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「教育課程の編成及び実施に関する方針」は、学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するようには設定されていないので、設定することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 薬学部自己点検・評価委員会には、外部委員や6年制課程の卒業生を含むことが望ましい。(2.内部質保証) 5. 「国際主義」を掲げる大学の一学部として、必修科目として行われる英語教育がわずか2年半しかないというのは寂しい状況であり、英語教育のさらなる拡充が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 倫理観醸成のための教育が、6年間を通して継続的に行われているとは言えないので、継続して行うようにカリキュラムを改訂することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 「早期体験学習Ⅰ(1年次)」及び「セルフメディケーション・在宅医療特論(6年次)」において看護学部との連携授業を2コマずつ開講しているとしているが、多職種連携は「薬学教育モデル・コアカリキュラム平成25年度改訂版」の「A基本事項」の中に組み込まれるほど重要な教育項目であることから、実践的な多職種連携教育を今後さらに拡充することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. 進級及び卒業判定に関わる資料は重要であることから、全学教授会において審議する前に薬学部内の適切な委員会が資料の内容を確認するなど、薬学部としてのチェック機構を設定することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 定員の6割以上を占める一般入学試験や大学入学共通テストを利用する入学試験ではアドミッション・ポリシーに示した「関心・意欲・態度」の修得度を確認していないので、「医療人を目指す者としての資質と能力の評価」を含めて、この素養を正しく評価するように入試制度を改変することが望まれる。(4.学生の受入れ) 10. 1名の専任教員に対して学生数が10名以内となるような教員組織を編成することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 11. 過去5年間の研究業績が全く記載されていない教員がいることから、教員が担当する授業に関して自己点検・評価を行うだけでなく、広範にわたる教育研究活動について定期的に自己点検・評価を行うような仕組みを導入することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 3)改善すべき点 1. 「教育課程の編成及び実施に関する方針」の中の「学習成果の測定方法」の項目には学習方略別や授業科目ごとの学習成果の評価の概略が示されているが、学修成果として「学位授与の方針」に記載された資質・能力の修得度の評価の在り方は具体的に示されていないので、学修成果の評価計画を含めて具体的に示す必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 「学習成果の測定方法」には、「6年間の学修の集大成として, 薬剤師国家試験の合格によって学習成果を評価する」との項目がある。資格試験の合格のみを目指す専門学校や予備校の教育とは異なり、薬剤師国家試験の合否を大学の人材養成目的に基づく教育の最終評価とするのは不適切であり、改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「入学者受入れの方針」には、求める学生像については記載されているものの、多様な学生をどのように評価・選抜するかについては記載されていないので、記載するように改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 適切な基準や指標を設け、質的・量的な解析に基づき、薬学部における教育研究活動を主体的に自己点検・評価し、その結果を広く社会に対して公表する必要がある。(2.内部質保証) 5. 薬学部独自の教育研究活動の改善は、大学の内部質保証の一環として行われているが、薬学部独自の自己点検・評価結果等に基づいて適切に行う必要がある。(2.内部質保証) 6. 臨床系科目と卒業研究に関わる科目においてルーブリック評価表を用いた学生による自己評価と教員による評価が行われるようになったが、これら以外の問題解決能力の醸成を目指す科目では到達度に対する明確な目標を立てた評価が行われておらず、また、科目の成果を総合した、問題解決能力醸成教育全体を通しての目標達成度も評価されていないので、適切な評価を行うように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-2教育課程の実施) 7. 「薬局実務実習」及び「病院実務実習」の成績評価は、出席しただけで合格できるような配点となっていることから成績が適切に評価されているとはいえず、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 「定期試験後の成績報告までに、教員の判断により学力不足の学生に対しての補講を行い、補講に関する確認テスト(補講テスト)を実施することにして学力アップを図った上で評価する」ことは、第1期の薬学教育評価において不適切と指摘を受けた後に廃止された「明確な規程に拠らずに実施している再試験」と同じことであり、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 異議申し立て制度が設けられていないので、制度として明文化するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 「学位授与の方針」に記載された 26 項目の資質・能力の修得度・達成度を、カリキュラムの年次進行に伴って総合的に評価するための指標を設定し、それに基づく評価を実施するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. 入学者選抜方法の適切性を検証するための指標には、志願者動向や薬剤師国家試験のストレート合格率等が用いられており、「入学者の資質・能力」の検証に基づいて検証している訳ではない。「入学者の資質・能力」を適正に検証する方法を構築し、その検証結果に基づき入学者の受け入れを改善・向上させる必要がある。(4.学生の受入れ) 12. 薬学部が目指す教育研究活動を実現するための教員組織の編成に関する方針は具体的に示されていないので、具体的な方針を設定する必要がある。(5.教員組織・職員組織) 13. 特別任用教員ではない専任教員数は 19 名(教授 12 名、准教授7名)であり、本機構による第1期の薬学教育評価において「改善すべき点」として指摘した状況と比べて大きな変化は見られないことから、定年を過ぎた特別任用教授の交代、能力のある特別任用助教の昇格などを含めた教員組織の再編を進め、専任教員による教員組織の適正化を図るよう、改善する必要がある。(5.教員組織・職員組織) |
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2:なお書き 改善報告審議結果 2024/7/8 |
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評価報告書
総評
同志社女子大学 総評 同志社女子大学薬学部は、6年制の医療薬学科だけを設置し、大学が掲げる3つの教育理念のもと、「医療薬学科は、最先端の薬学領域である医療や創薬現場で活躍できる研究能力をもち、幅広い教養と人間性、国際性を兼ね備えた、高度医療に対応できる薬剤師を養成することを目的とする」と人材養成目的を定め、それに基づいた「学位授与の方針」、「教育課程の編成及び実施に関する方針」、「入学者受入れの方針」を制定し、6年制薬学教育を行っている。上級生が、入学予定者や下級生に対して、勉強や生活の相談にのるビッグシスター制度を導入し、学生満足度の向上の一助としている点は、同志社女子大学の特色と言える。しかしながら、本評価において最も重要な項目である「学修成果の評価」については、その意義を十分に理解していないと判断せざるを得ない。すなわち、「教育課程の編成及び実施に関する方針」には、「学位授与の方針」に記載された資質・能力の修得度・達成度を評価するための評価の在り方と、その段階的な修得状況を教育課程のどの時期にどのような方法で測定するかという評価計画が示されていない。さらに、この「教育課程の編成及び実施に関する方針」の「学習成果の測定方法」の項には、「6年間の学修の集大成として、薬剤師国家試験の合格によって学習成果を評価する」との項目があり、教育課程の進行に対応して学修成果を適切に評価し、その結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に向けて積極的に活用することの重要性が十分に理解されておらず、それらの実施に向けた検討もなされていないので、早急に適切な措置を講ずる必要がある。また、「内部質保証」の起点となる自己点検・評価は、全学組織が主導して行われており、薬学部の「内部質保証」の状況は学内資料として全学組織に提出されるのみであり、広く社会に公表されてはいないので、積極的に公表する必要がある。さらに、第1期の薬学教育評価において指摘した教員組織の編成に関しては、未だ十分な改善が行われておらず、専任教員による教員組織の適正化を図るよう、改善する必要がある。同志社女子大学薬学部は、大学の教育理念や人材養成目的に即した薬剤師の養成に向けて、熱心に教育研究に取り組む姿勢はうかがえる。学修成果の評価体制とその結果を活用する内部質保証体制を整え、さらなる発展に向けて努められたい。
大学への提言
同志社女子大学 大学への提言 1)長所
1. 申込制により、大学が入学前に新入生(リトルシスター)に対して上級生(ビッグシスター)を紹介し、上級生が下級生の履修や生活面での相談に応じる「ビッグシスター制度」を実施し、新入生が初めての環境に少しでも早く慣れ親しめるように配慮している事は評価できる。(6.学生の支援) 2)助言 1. 履修要項には「教育理念・目標」が掲載されているが、学則にある「人材養成目的」は掲載されておらず、年度当初に行われるガイダンスの資料にも人材養成目的に関する説明が含まれていない。薬学部のWeb掲示板には人材養成目的を記載したファイルへのリンクが張られているが、より積極的に周知することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 「学位授与の方針」には26項目の資質・能力が羅列されており、学生には自らが卒業までに身に付けるべき資質・能力の全体像を把握することは困難である。これらの項目の資質・能力の中には内容が重複するものもあることから、内容を整理し、学生が卒業までに到達すべき自らの姿をイメージできるような「学位授与の方針」に変更することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「教育課程の編成及び実施に関する方針」は、学習の質を重視し、学習・教授方法及び成績評価のための課題が意図する成果のために想定された学習活動に整合するようには設定されていないので、設定することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 薬学部自己点検・評価委員会には、外部委員や6年制課程の卒業生を含むことが望ましい。(2.内部質保証) 5. 「国際主義」を掲げる大学の一学部として、必修科目として行われる英語教育がわずか2年半しかないというのは寂しい状況であり、英語教育のさらなる拡充が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 倫理観醸成のための教育が、6年間を通して継続的に行われているとは言えないので、継続して行うようにカリキュラムを改訂することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 「早期体験学習Ⅰ(1年次)」及び「セルフメディケーション・在宅医療特論(6年次)」において看護学部との連携授業を2コマずつ開講しているとしているが、多職種連携は「薬学教育モデル・コアカリキュラム平成25年度改訂版」の「A基本事項」の中に組み込まれるほど重要な教育項目であることから、実践的な多職種連携教育を今後さらに拡充することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. 進級及び卒業判定に関わる資料は重要であることから、全学教授会において審議する前に薬学部内の適切な委員会が資料の内容を確認するなど、薬学部としてのチェック機構を設定することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 定員の6割以上を占める一般入学試験や大学入学共通テストを利用する入学試験ではアドミッション・ポリシーに示した「関心・意欲・態度」の修得度を確認していないので、「医療人を目指す者としての資質と能力の評価」を含めて、この素養を正しく評価するように入試制度を改変することが望まれる。(4.学生の受入れ) 10. 1名の専任教員に対して学生数が10名以内となるような教員組織を編成することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 11. 過去5年間の研究業績が全く記載されていない教員がいることから、教員が担当する授業に関して自己点検・評価を行うだけでなく、広範にわたる教育研究活動について定期的に自己点検・評価を行うような仕組みを導入することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 3)改善すべき点 1. 「教育課程の編成及び実施に関する方針」の中の「学習成果の測定方法」の項目には学習方略別や授業科目ごとの学習成果の評価の概略が示されているが、学修成果として「学位授与の方針」に記載された資質・能力の修得度の評価の在り方は具体的に示されていないので、学修成果の評価計画を含めて具体的に示す必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 「学習成果の測定方法」には、「6年間の学修の集大成として, 薬剤師国家試験の合格によって学習成果を評価する」との項目がある。資格試験の合格のみを目指す専門学校や予備校の教育とは異なり、薬剤師国家試験の合否を大学の人材養成目的に基づく教育の最終評価とするのは不適切であり、改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「入学者受入れの方針」には、求める学生像については記載されているものの、多様な学生をどのように評価・選抜するかについては記載されていないので、記載するように改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 適切な基準や指標を設け、質的・量的な解析に基づき、薬学部における教育研究活動を主体的に自己点検・評価し、その結果を広く社会に対して公表する必要がある。(2.内部質保証) 5. 薬学部独自の教育研究活動の改善は、大学の内部質保証の一環として行われているが、薬学部独自の自己点検・評価結果等に基づいて適切に行う必要がある。(2.内部質保証) 6. 臨床系科目と卒業研究に関わる科目においてルーブリック評価表を用いた学生による自己評価と教員による評価が行われるようになったが、これら以外の問題解決能力の醸成を目指す科目では到達度に対する明確な目標を立てた評価が行われておらず、また、科目の成果を総合した、問題解決能力醸成教育全体を通しての目標達成度も評価されていないので、適切な評価を行うように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-2教育課程の実施) 7. 「薬局実務実習」及び「病院実務実習」の成績評価は、出席しただけで合格できるような配点となっていることから成績が適切に評価されているとはいえず、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 「定期試験後の成績報告までに、教員の判断により学力不足の学生に対しての補講を行い、補講に関する確認テスト(補講テスト)を実施することにして学力アップを図った上で評価する」ことは、第1期の薬学教育評価において不適切と指摘を受けた後に廃止された「明確な規程に拠らずに実施している再試験」と同じことであり、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 異議申し立て制度が設けられていないので、制度として明文化するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 「学位授与の方針」に記載された 26 項目の資質・能力の修得度・達成度を、カリキュラムの年次進行に伴って総合的に評価するための指標を設定し、それに基づく評価を実施するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. 入学者選抜方法の適切性を検証するための指標には、志願者動向や薬剤師国家試験のストレート合格率等が用いられており、「入学者の資質・能力」の検証に基づいて検証している訳ではない。「入学者の資質・能力」を適正に検証する方法を構築し、その検証結果に基づき入学者の受け入れを改善・向上させる必要がある。(4.学生の受入れ) 12. 薬学部が目指す教育研究活動を実現するための教員組織の編成に関する方針は具体的に示されていないので、具体的な方針を設定する必要がある。(5.教員組織・職員組織) 13. 特別任用教員ではない専任教員数は 19 名(教授 12 名、准教授7名)であり、本機構による第1期の薬学教育評価において「改善すべき点」として指摘した状況と比べて大きな変化は見られないことから、定年を過ぎた特別任用教授の交代、能力のある特別任用助教の昇格などを含めた教員組織の再編を進め、専任教員による教員組織の適正化を図るよう、改善する必要がある。(5.教員組織・職員組織) |
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2:なお書き 改善報告審議結果 2025/7/1 |
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