薬学教育評価報告の結果と公表
各年度の「薬学教育(6年制)評価」結果報告書
各年度の改善報告の審議結果一覧(大学別)
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| 大学名 | 設置形態 | 所在地 | 評価基準 | 実施年度 | 判定 | 大学の自己点検評価 | 評価結果 | 評価後の対応 改善報告 その他 |
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 近畿大学 | 私 | 大阪府 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
近畿大学 総評 近畿大学薬学部は、6年制の医療薬学科と4年制の創薬科学科を併設し、大学が掲げる「建学の精神」と「教育理念」、薬学部が掲げる「教育研究の理念」のもと、医療薬学科の「学習・教育目標」を「薬に関する高度な知識と臨床技能を備え、優れたコミュニケーション能力ならびに問題解決能力を備えた薬剤師として活躍できる人材を養成する」と定め、それに基づいた「ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)」、「カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)」、「アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)」を制定し、6年制薬学教育を行っている。これらは、医療を取り巻く環境、薬剤師に対する社会のニーズを反映したものとなっている。内部質保証の起点となる自己点検・評価は、薬学部及び医療薬学科における教育研究活動について、大学の主導のもとで実施されているが、その結果は公表されていない。この自己点検・評価に対して他大学の教員による外部評価も行われ、その結果が薬学部の全教員で共有され、教育研究活動の改善の礎となっている。学修成果の評価については、「ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)」に掲げた資質・能力の項目ごとに、学生が各セメスターにおける目標設定と実行計画を立て、目標達成度を学生が自己評価して教員が形成的に評価する「学習ポートフォリオ」を作成し、運用している。この「学習ポートフォリオ」では、ルーブリック表を用いて、「ディプロマ・ポリシー(学位授与の方針)」に掲げた資質・能力の達成度を、学生と教員がそれぞれ評価し、結果を共有している。この評価結果を含め、アセスメント・ポリシーに示された評価指標についての質的・量的な解析は十分には行われてはいない。それらの解析を行い、その結果に基づき、近畿大学薬学部医療薬学科における薬学教育プログラムを今後、さらに充実させることを期待する。
大学への提言
近畿大学 大学への提言1)長所
1. 近畿大学は在外研究制度を設け、専任教員に対して渡航・滞在費等を援助しており、評価できる。(5.教員組織・職員組織) 2. 発表論文件数に応じた追加研究費が配分され、競争的外部資金の獲得に応じて奨励研究費を支給していることは評価できる。(5.教員組織・職員組織) 3. 近畿大学薬学部は、同大学医学部、大阪公立大学医学部、関西医科大学と連携し、大阪府医師会、大阪府薬剤師会、大阪府病院薬剤師会、大阪府看護協会、大阪府薬務課の協力を得て、「NPO法人近畿がん診療推進ネットワーク」を立ち上げ、大阪のがん医療の均てん化や水準向上に貢献しており、評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. アセスメント・ポリシーには、教育課程をアセスメントするための評価指標が記載されているが、その指標の一つとなる、個々の学生の学修成果の達成度を学生自身がどのように確認するか、については記載が明確ではないので、学生に対してわかりやすく伝わるように表記し、カリキュラム・ポリシーに記載することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. カリキュラム・ポリシーに記載されている学習方法や評価方法は、学習の質を重視し、学生のパフォーマンスと整合する学習・教授方法及び、成績評価の方法を設定してカリキュラム・ポリシーに記載しているというには具体的ではないので学ぶべき資質・能力が身につく適切な学習・教授方法及び、評価方法を適切に設定してカリキュラム・ポリシーに記載することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 薬学において重要と考えられる「生化学」や「微生物学」、「免疫学」等が「選択必修科目」となっている。これらの科目は履修指導によって全員が履修しているが、履修しない学生や合格しないまま卒業する学生が出てくる可能性があることから、薬学において重要と考えられる科目群は「必修科目」として開講することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 教員による評価については、客観性や信頼性が十分に担保されていないので、教員間で評価基準を一致させるような努力が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. 学修成果の評価結果の解析に基づき、教育課程の編成及び実施の改善・向上をさらに推し進めることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 6. 「推薦入試」では学力の3要素の一つである「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」や医療人を目指す者としての資質・能力について面接試験を通して評価しているが、「一般入試」ではその評価が十分に行われていないので、適切に評価することが望まれる。(4.学生の受入れ) 7. 入学者の資質・能力について十分に検証されていないので、検証を行い、その結果に基づき、必要に応じて入学者受入れの改善・向上等を図ることが望まれる。(4.学生の受入れ) 8. 女性教員の割合は多くはなく、今後、女性教員の割合を増やすように努めることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 9. 1名の専任教員に対して学生数は20名を超えることから、10名以内になるようにすることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 10. 2・3年生の健康診断受診率が低い傾向にあり、改善が望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. アドミッション・ポリシーには、どのような学生を求めるのかについて記載されているが、複数の選抜試験によって多様な学生をどのように評価・選抜するか等については具体的な記載がないので、アドミッション・ポリシーに記載する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 医療薬学科の「学習・教育目標」や三つの方針を定期的に検証するための指標や計画を立て、明文化し、検証する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「近畿大学自己点検・評価委員会」が行っている「全学自己点検評価資料」に記載された、薬学部医療薬学科の教育内容に関する自己点検・評価の結果は公開されていないので、これらをホームページ等で公開する必要がある。(2.内部質保証) 4. 4年次の「総合演習Ⅰ」では、外部試験を利用して成績を評価しているので、授業を担当した学内教員による試験に変更するように、改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) |
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| 昭和薬科大学 | 私 | 東京都 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
昭和薬科大学 総評 昭和薬科大学は大学の理念「薬を通して人類に貢献」をもとに、学則第1条に「大学の目的と使命」を「本大学は、教育基本法及び学校教育法に基づき、広く知識を授け、人格の陶冶に努め、深く薬学に関する学理と技術とを教授研究して、社会有為の薬剤師及び薬学研究者を育成することを目的とし、薬学の進展、文化の興隆、人類の福祉に寄与することを使命とする。」と定め、それに基づいた「学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)」、「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)」、「入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)」を制定し、6年制薬学教育を行っている。教育課程は、10種類の系で編成され、体系性と科目の順次性は、カリキュラム・ツリーとして明示し、学修成果の評価の在り方は学生便覧ならびにシラバスに記載している。昭和薬科大学では、教員の教育・研究レベルの維持向上に努めており、実務家教員に対する資質維持研修制度を設ける他、大学の次世代を担う教員の育成を視野に入れた支援制度を整えている。一方、学生に対しては、ラーニング・サポート・ステーションの設置、上級生によるピアサポーター制度により、生活や学習を支援している。また、地域の課題解決に貢献するため、様々な取り組みを行っている。しかしながら、薬学教育第三者評価の重要な項目である「教育課程の編成」において、重大な問題があると評価せざるを得ない。すなわち、卒業研究は3コース制を取り、実験または調査等の課題研究を行うことで問題発見・問題解決能力の醸成を図っているが、卒業研究に相当する科目の履修単位数は、コース間で大きく異なっているため公平・公正な履修ができず、一部の学生において問題発見・解決能力の醸成のための教育が著しく不足することが懸念される。また、学生の意思が反映されない卒業研究コースの選択方法は不適切であり、低学年の実習科目の到達目標設定と成績評価に不備がある、と言った問題がある。さらに、カリキュラム全体において、時間割のコマ数と単位数が整合していない科目がある、必修科目が同一の時間に実施されている、学修成果の評価結果が教育プログラムの改善につながっていない、6年次後期に外部講師による補講が時間割の多くを占め、薬剤師国家試験の合格率の向上を主眼とした教育が実施されているなど、重大な問題点が認められる。したがって、これらの問題点について改善し、ディプロマ・ポリシーに沿った人材が輩出できるカリキュラムとすることが求められ、所定の期間内に十分な改善が認
められない場合、本認定はその効力を失うこととしている。昭和薬科大学においては、今後指摘した問題点の改善に取り組み、「大学の目的と使命」に掲げる優秀な薬学人材の育成に向けて、薬学教育プログラムの充実を図られることを期待する。
大学への提言
昭和薬科大学 大学への提言 1)長所
1. 一部の重要な委員会には学外委員あるいは外部評価委員を招いて意見を聴き、教育研究活動の改善・向上につなげていることは評価できる。(2.内部質保証) 2. 昭和薬科大学では、大学の次世代を担う教員の育成を視野に、若手研究助成、教育改革助成、科研費調書閲覧サービス等を実施し、手厚い支援を行っている。(5.教員組織・職員組織) 3. 2~5年次学生によるピアサポーター制度では、ピアサポーターが、困った学生からの相談や、留年生サポート活動、オープンキャンパス支援、学食・売店運営やボランティア活動など多岐に対応しており、学生同士で大学生活や学習を相互に支援する良い取り組みである。 (6.学生の支援) 4. 地域連携センターを設置し、町田薬剤師会や町田市など、地域と連携して、市民や住民に対して大学が持つ学術的なものを提供することで貢献している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 大学独自の教育の展開をも含めて具体的な教育目標を掲げることが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 質的・量的解析のために収集・蓄積されたデータは、各委員会単位で解析・報告されるに留まっているので、改善目標や具体的な改善策を明文化し、自己点検・評価委員会が次年度の各種委員活動の改善目標、到達目標の達成度を検証することが望まれる。(2.内部質保証) 3. 授業改善計画の策定にあたっては、学生のコメントだけではなく、成績分布などのデータ分析を通じて授業内容の精査・見直しを行うことが望まれる。(2.内部質保証) 4. ディプロマポリシー・ルーブリックを用いた学生自身による学修成果の評価は主観的なものにすぎず、教育の内部質保証のためには、教員による客観的な評価、さらには他の方法との組み合わせによる総合的な評価を実施し、自己点検・評価を通じて教育プログラムの改善につなげることが望まれる。(2.内部質保証) 5. 10種の系の科目とディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシーの関係については、学生便覧等に記載されていないので明示されることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 「アドバンスト実務実習」の履修者が毎年1~2名であるので、履修者を増やすことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 学生によって履修しなければならない卒業研究関連科目の単位数が大きく異なり、またコースによって到達すべき一般目標が異なるにも関わらず、全てのコースで同一の発表形式、ルーブリック表等で成績を評価しているのは適切とは言えず、改善が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. シラバスには各科目の評価方法に対する得点の配分は記載されているものの、評価の観点や基準が明確に記載されているものはほとんどなく、また、ヒューマニズム・コミュニケーション教育ではSGDへの参加や課題レポートをどのような観点や基準で評価するのかが示されておらず、学生による自己評価や教員による評価を適切に行えないことが懸念されるので、これらの情報を追加することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 定期試験及び成績評価に必要な出席要件の規定を見直し、周知することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 学生が自己評価した段階の学年ごとの平均値は、最も高いものでも、4段階中の3段階まで至っていないことから、ディプロマポリシー・ルーブリックの基準の適切性について検討を続けることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. ディプロマポリシー・ルーブリックによる学生の学修自己達成度評価は、学生自身による主観的な評価に留まっており、教員による評価については現状では対応がなされていないので、教員による客観的な学修成果の評価を行うことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 12. アセスメント・ポリシーについては、学内で策定のための議論を進めているが、現時点では策定されていないので、策定することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 13. 現行の学力試験と出願書類を活用した人物評価では学力の3要素を多面的・総合的に評価しているとは言えない。さらに、「自己点検・評価書」に示された4つの一般入試方法とアドミッション・ポリシーに掲げた求める人物像との関係には根拠が認められない。したがって、学力の3要素を多面的・総合的に評価できるように、アドミッション・ポリシー及び入学試験制度を改善することが望ましい。(4.学生の受入れ) 14. 専任教員1名あたりの学生数が約19名と多いので、適正な教員数を確保することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 15. 大学ホームページ上の教員一覧から各教員の教育研究業績が閲覧できるが、全教員が最新のデータを入力していない場合があるので、定期的に整備することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 16. 南カリフォルニア大学薬学部との学術交流協定は令和2(2020)年12月に失効したままで、学生の海外研修先が決まっていない状況となっているので、薬学生の海外研修プログラムを検討することが望まれる。(8.社会連携・社会貢献) 17. 長期国外出張の制度はあるものの、利用する教員が少ないので、長期国外出張が活発化することが望まれる。(8.社会連携・社会貢献) 3)改善すべき点 1. 「教育研究上の目的」(「教育の目的」)は、一般的な社会のニーズをまとめた記述に留まっているので、大学又は学部の理念及び薬剤師養成教育として果たすべき使命を踏まえ、医療を取り巻く環境、薬剤師に対する社会のニーズを反映したものに改善する必要がある。また、「教育の目的」は、三つの方針と共に、適切なものとなるよう、定期的に検証するように改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. カリキュラム・ポリシーとして、ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーとの間での対応が不明瞭であり、本来示されるべき、教育課程編成、教育内容・方法、学修成果の評価の在り方等が具体的に設定されていないので、さらなる改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. アドミッション・ポリシーとして、多様な学生をどのように評価・選抜するかについて具体的に設定されているとは言えないので、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 常設委員会や常設運営委員会等の自己点検・評価の結果に基づいて改善計画の立案までは行われるものの、改善計画の実行は教員個人あるいは委員会任せになっている。 したがって、自己点検・評価結果等に基づいた教育研究活動の改善が適切に行われて いるとは言えないので、大学運営会議ならびに自己点検・評価委員会の役割を再点検 し、教育研究活動の改善に向けて適正に運営するよう改善することが必要である。(2.内部質保証) 5. シラバスを科目ごとに精査すると、授業形式や、講義回数と講義内容、評価方法の記載等に問題点が認められるので、学生が理解しやすいように、シラバスの構成や内容、及び表記の方法を見直すとともに、各科目間で統一することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 実習科目において、問題発見・解決能力の醸成に係る到達目標を明確に設定し、また実習に適した成績評価法を用いること、評価基準を明確にすることなどの改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 4~6年次の期間で、卒業研究に相当する科目の履修単位数は、最高で 15 単位(総合薬学コース1)、最低で4単位(臨床薬学コース・情報薬学コース)と約4倍の差がある。このような状況は、一部の学生において、問題発見・解決能力の醸成のための教育が著しく不足している。全コースの学生について、問題発見・解決能力の醸成のための教育が十分に実施できるように、卒業研究に相当する科目の実施期間ならびに単位数を適切に設定する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課 程の編成) 8. 時間割のコマ数と単位数が整合していないことや、2つの必修科目が同一の時間に実施されていることはカリキュラムの不備であり、単位の取得に支障が生じることが懸念されるので、必要な履修時間数を単位数に応じて適切に設定し、それを正確に時間割やシラバスなどに反映させるよう、早急な改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 9. 必修科目の成績判定基準では60点以上を合格点としているが、本科目に合格しているにもかかわらず70点未満の場合に学生の意向とは別に座学中心のコースを選択させることは、卒業研究コースの選択方法として不適切であるので、学生の意思によってコースを選択できるよう改善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 10. 全ての学生に対し、薬学分野における問題解決能力の醸成にとって適正な課題を設定して卒業研究が実施されるよう改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 11. 6年次後期の授業科目は薬剤師国家試験の合格率の向上を主眼とした編成になっていると判断されるので、外部講師による国家試験対策と考えられる補講の時間数や実施時期について見直し、大学のディプロマ・ポリシーに沿った人材が輩出できるようにカリキュラムを改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 12. 単位を取得した科目(既修得科目)の成績の上書きについては、公正な成績評価とは言えない。留年生に対する再受講の規程について改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 13. 6年次留年生に対する「最終総合演習」の講義内容及び成績評価基準を、6年次後期の「最終総合演習」と同一にすることが必要である。(3.薬学教育カリキュラム3-2教育課程の実施) 14. 総括的な達成度評価を行うための具体的な方針を引き続き検討し、教育課程の編成及び実施の改善・向上につなげ、教育プログラムを改善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 摂南大学 | 私 | 大阪府 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
摂南大学 総評 摂南大学薬学部は、「高い倫理観、心豊かな人間性、実践的能力を備え、わが国の医療の進化、健康・福祉の増進、生活環境の保全に貢献する薬剤師を養成する。」を教育研究上の目的として、三つの方針が策定され、6年制薬学教育を実践している。卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)では、卒業までに身につけるべき「8つの資質」を設定している。教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)は、「8つの資質」を修得するために設定された「32 の能力」を修得できるように段階的にパフォーマンスレベルが向上する構成になっている。カリキュラム・ツリー及び科目ごとの修得レベルである「卒業目標マトリックス」により、修得状況が可視化できるように工夫している点は評価できる。また、学修成果の評価の方針(アセスメント・ポリシー)に基づき策定したアセスメントプランによりディプロマ・ポリシーへの到達度や学修成果の評価及び検証を行っている。アセスメント・ツリーは、学年進行に従った評価手法・評価項目と卒業までに学生が身につけるべき「8つの資質」との関係が一目でわかる優れたものとなっている。入学者の受入れに関する方針は、ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーを踏まえて求める学生の資質を具体的に設定している。とりわけ、低学年から多くの科目でSGD(Small Group Discussion)やTBL(TeamBased Learning)をとり入れている点、看護学部と合同の演習科目や看護学部、農学部と合同のセミナーを開講している点、さらには、演習科目において学生間で評価させるピア評価を行っている点は特色ある取り組みとして評価できる。また、教職員の海外研修において学校法人常翔学園(以下、学園)が渡航費の全額と滞在費の一部を補助する制度を有している点や、臨床系、基礎系を問わず教員が希望すれば臨床現場で薬剤師業務を行うこ
とのできる体制を整備している点も優れた取り組みと言える。一方で、改善が望まれるいくつかの点を助言として指摘した。これらの点について適切に対応することによって、摂南大学薬学部の6年制薬学教育プログラムをさらに充実させることができるものと期待される。
大学への提言
摂南大学 大学への提言1)長所
1. アセスメント・ツリーは、学年進行に従った評価手法・評価項目と卒業までに学生が身につけるべき「8つの資質」との関係が一目でわかる優れたものとなっている。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 低学年次から多くの科目でSGDやTBLをとり入れるとともに、看護学部と合同の演習科目(「薬剤師になるために」、「患者安全」、「患者コミュニケーション」等)や看護学部及び農学部と合同の「学修キックオフセミナー」を開講している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 実習・演習科目では、学生間でお互いに評価させるピア評価やルーブリック評価表を用いたパフォーマンス評価が行われている。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 教職員の海外研修制度を有しており、最長で1年間の長期海外出張ができ、学園が渡航費の全額及び滞在費の一部を補助している。(5.教員組織・職員組織) 5. 研究室・分野ごとに前々年度の論文発表件数をポイント化し、「研究発表奨励金」として研究費を増額している。(5.教員組織・職員組織) 6. 専任教員が常に新しい医療に対応するために研鑽するための取り組みとして、実務経験を有する専任教員に限らず、すべての教員が臨床で研鑽できる体制を構築し、専任教員の勤務時間中の職場離脱を稟議手続きにより柔軟に認めている。(5.教員組織・職員組織) 7. 通常の学生生活でのメンタルケアに対応する学生相談室の他に、5年次の薬学臨床実習時のメンタルケアのための窓口「実務実習学生こころの支援」を開設するとともに、「実務実習こころの支援ガイドライン」を制定している。(6.学生の支援) 8. 独自の教育プログラム「キャリア形成」コースを設け、1~6年次まで全学年を通じて科目を開講し、受講学生は、「学修キックオフセミナー」でのファシリテーター、基礎実習におけるアシスタント、薬用植物園の一般公開における地域住民への対応などを行っている。(6.学生の支援) 9. 近隣の15施設の医療機関と「教育・研究の連携と協力に関する協定」を締結し、現場で活躍している医師、薬剤師、看護師等の医療関係者との連携・交流を図っている。 (8.社会連携・社会貢献) 10. 関西医科大学及び大阪歯科大学と「医歯薬に関する学術・研究の連携と協力に関する協定」を締結し共同研究を進めている。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 自己点検・評価に係る委員会活動を適切かつ継続的に実施するために、委員会の設置目的、メンバー構成、所掌事項等を記載した規約(あるいは内規)を制定し、明示することが望まれる。(2.内部質保証) 2. 卒業研究に従事すべき時間数を充足していないにもかかわらず、卒業研究の単位が認定されている例が数件ではあるが確認されたので、より厳密なチェックを行うことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 3. 6年次後期の「総合薬学演習」では、本試験受験資格の記載内容が、シラバスと別途配付のガイドラインで異なっているので統一することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 学修成果の測定結果とディプロマ・ポリシー到達確認用ルーブリックによる自己評価との相関について検証を重ね、教育課程の編成及び実施の改善や向上に活用していくことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. 「医療人の資質」と「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を測定する方法として、すべての入試区分で面接試験を導入する方向で検討を開始しているが、実施時期は未定であるので、早期の実現が望まれる。(4.学生の受入れ) 6. 専任教員1名あたりの学生数が21.5名となっているので、10名以内にすることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 7. 健康診断は、毎年4月に全学生を対象に実施しているが、受診率は高いものの100%にはなっていないので改善が望まれる。(6.学生の支援) 8. 海外からの留学生や研究員を積極的に受け入れる体制を整備し、国際交流のさらなる活性化に努めることが望まれる。(8.社会連携・社会貢献) |
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| 崇城大学 | 私 | 熊本県 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
崇城大学 総評 崇城大学薬学部薬学科では、教育研究上の目的に基づいて三つの方針が策定されている。ディプロマ・ポリシーでは、卒業までに学生が身につけるべき資質・能力として4項目が設定され、項目ごとに学習アウトカムも設定されている。ディプロマ・ポリシーの到達度の総合的評価については、各ディプロマ・ポリシーを5つの観点に分類し、各授業科目の質的・量的な評価結果をレーダーチャートとして可視化している。こういった学生の成長度の視覚的かつ客観的な評価が個々の学生の指導に役立つことを期待する。毎年度、卒業生も加わった評価委員会を開催し、独自の自己点検・評価を組織的かつ計画的に実施していることは評価できる。学生の自律学修の支援のために薬学 Self-AccessLearning Center が組織され、上級生から下級生への学習指導、学習アプリの利用法に関するセミナーなどの活動を行っている。また、学生が脱落することなくディプロマ・ポリシーを達成できるように、低年次生へのきめ細かな学修支援も行われている。教員組織に関しては、全教員が「教育研究等計画調書」に基づいて教育と研究を行い、その実績を自己評価して「実績調書」を作成している。また、熊本県の薬剤師会や病院薬剤師会などとの密接な連携を図り、医療・薬学の発展、薬剤師の資質・能力の向上、及び地域の保健衛生の保持・向上に貢献している。これらの点は、優れた取り組みとして評価できる。しかしながら、カリキュラム・ポリシーについては、ディプロマ・ポリシーとの一貫性・整合性があるとは言えず、また、教育課程全般の教育内容や方法、具体的な学修成果の評価の在り方が記載されておらず、学修成果の評価結果を教育課程の編成、実施方法の改善・向上に活用する体制も整っていない。アドミッション・ポリシーについては、多様な学生の受入れが示されているが、学生を評価・選抜する方法が記載されていない。現在進められている三つの方針の改訂においては、これらの点について十分検証し、改善を図る必要がある。シラバスに関しては、必要事項の不記載や誤った記載のある科目が多く、また、科目の再試験について、制度上、評価に不公平が生じる懸念がある。これらについては、早急な改善が求められる。崇城大学薬学部は、内部質保証の体制は整っているものの、十分に機能しているとは言い難い。今後は、本評価の指摘事項を内部質保証に反映し、三つの方針の適切な設定と、これに基づいた薬学教育プログラムの改善とさらなる向上に努めることを期待する。
大学への提言
崇城大学 大学への提言 1)長所
1. 崇城大学薬学部では、毎年度、外部委員が参加した薬学部評価委員会を定期的に開催しており、独自の自己点検・評価を組織的かつ計画的に実施していることは評価できる。(2.内部質保証) 2. 数理基礎教育科目の1年次前期での開講、専門科目の開講年次の変更、復習講義や補講による基礎学力向上の支援、学生支援教員の配置など、きめ細かな低年次の学生の支援は、学生が脱落することなくディプロマ・ポリシーを達成することに役立つ取り組みであり、評価できる。(2.内部質保証) 3. 学生の自律学修を支援するために、薬学SALCでは、週1回の定期的な上級生から下級生への学習指導の他、学習アプリ利用法に関するセミナーの開催、薬剤師国家試験を終えたばかりの学生から勉強法などについて話を聞く機会の設定などの活動が行われており、評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 教育と研究に関する目標を記した「教育研究等計画調書」を各教員が作成し、それに基づいて教育と研究を行った後、実績を自己評価して「実績調書」を作成しており、評価できる。(5.教員組織・職員組織) 5. 兼業願いの提出により、薬剤師としての実務の経験を有する専任教員が医療現場で研修を行うことができる。また、専任教員が薬剤師として医療現場で研修を行う体制も整備されており、評価できる。(5.教員組織・職員組織) 6. 熊本県の薬剤師会や病院薬剤師会など、関連団体と密接な連携を図り、医療・薬学の発展、薬剤師の資質・能力の向上、及び地域における保健衛生の保持・向上に対して多方面から貢献しており、評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. ホームページに掲載の「教育研究上の目的」を学則の表現と揃えることが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 現在の「教育研究上の目的」には、ディプロマ・ポリシーの「態度・志向性」に関する項目に該当する表現が含まれていない。この項目を含むものに改訂することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 4項目のディプロマ・ポリシー(DP)を5つの観点に分類して各授業科目の質的・量的な評価を行っているが、学習アウトカムやカリキュラムフローにおいてDP2に位置付けされている薬学専門基礎科目の大部分が、DP1にも割り付けられるなど、5つの観点と4項目のディプロマ・ポリシーとの割り付けが適切とはいえないので、互いに整合性を持ったものにすることが望まれる。(2.内部質保証) 4. 1~3年次には大学独自の医療薬学関連科目が配置されていないので、低年次の学生も大学独自の教育を受講できる体制を構築・整備することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 5. 5・6年次には多くの選択必修科目が開講されているが、これらの選択必修科目は1単位修得すればよく、実際には、配属研究室の科目のみの履修となっている。大学独自の教育を広く学生に展開するためには、関連する複数科目の履修を前提としたカリキュラム編成にすることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 問題発見・問題解決能力の醸成に向けた教育においては、目標達成度はルーブリック形式の指標で評価されている。しかし、ルーブリック形式が共通のものとはなっていないため、共通化を図るよう努めることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 教育課程及びその内容や方法の適切性に関する検証については、教務委員会あるいはカリキュラム検討会議で行われているが、未だその結果に基づいた改善・向上には至っていないので、継続的な取り組みが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. 一部の科目においては、シラバス記載の点数配分とは異なる配分での評価、授業計画とは異なる授業が行われており、より正確なシラバスとすることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 学修成果の到達度を総合的に評価する方法は、2021年度に適用が開始されたものである。将来的に学生の年次ごとの成長度を視覚的かつ客観的に評価し、学生個々に応じた指導に役立てると共に、評価と指導の学修成果の到達度に対する効果について検証することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 10. 学生が身につけるべき資質・能力の到達度を総合的に評価する指標や評価方法の検証が、現時点では、十分に行われているとはいえない。したがって、それらの検証を適切な時期に行い、その検証結果に基づいて評価指標や評価方法を見直し、多面的評価を実施することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. 推薦選抜の入試制度を除き、学力の3要素の1つである「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の評価が不十分である。加えて、アドミッション・ポリシーに示された資質を満たす人材を選抜するために、より適切な入試制度への改善が望まれる。(4.学生の受入れ) 12. 面接のない入試制度においても「医療人を目指す者としての資質と能力」を評価できるように改善することが望まれる。(4.学生の受入れ) 13. 入学者の資質・能力の解析結果が、入学者受入れの改善・向上につながるように、継続的な検証が望まれる。(4.学生の受入れ) 14. 入学者数が定員数の1.1倍を超える年度が多いので、合否判定を見直し、適正な入学定員となるように改善することが望まれる。(4.学生の受入れ) 15. 教授、准教授・講師と比較して助教の割合が少ないので、教育研究上の目的に沿った教育研究活動の継続の観点からも、助教の割合を増やすことが望まれる。(5.教員組 織・職員組織) 16. 専任教員一人当たりの学生数が20.6名となっているので、専任教員一人当たりの学生数を10名以内にすることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 17. ほとんどの学生が健康診断を受診しているが、受診率が100%になるように、さらなる改善が望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーが、ディプロマ・ポリシーとして設定されている4項目と一貫性・整合性がある表現になっていないので、一貫性・整合性のあるものに改訂する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. カリキュラム・ポリシーにおいては、学習の質を重視した評価方法を設定し、教育課程全般の教育内容や方法と共に、カリキュラム・ポリシーの各項目に記載する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. ディプロマ・ポリシーに示した学生が身につけるべき資質・能力に関する学修成果の評価の在り方について、具体的に記載する必要がある。(1.教育研究上の目的と三 つの方針) 4. アドミッション・ポリシーにおいては、どのような学生を求め、多様な学生をどのように評価・選抜するのか、その方法が記載されていないので、改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. ディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーの改訂に合わせて、教育研究活動に対する質的・量的な解析を計画的に実施し、得られた解析結果に対する評価を行うための体制を整備する必要がある。(2.内部質保証) 6. 学修成果の達成度に係る卒業時アンケートの結果など、一部の解析結果については自己点検・評価に活用されていないことから、活用するように改善する必要がある。(2.内部質保証) 7. カリキュラム・ポリシーに基づいて、教育カリキュラムが体系的に整理され、効果的に編成されているとは言い難いので、カリキュラム・ポリシーの改訂も含め、教育カリキュラムを適切に整理・編成するよう改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. シラバスに関して、一般目標が記載されていない科目、到達目標が「学修上の注意」などの項目に記載されている科目が数多くある。シラバスの記載内容を再確認し、記載事項の不備について改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 9. 「総合薬学演習Ⅲ」の成績評価試験の多くで、予備校が作成した問題をそのまま使用しているので、独自に作成した問題を用いて実施する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 制度上は、再試験の合格者が「良」となる可能性があり、本試験において「可」で合格した学生との間で不公平が生じる懸念がある。公正な成績判定を行うために、再試験合格者の成績は「可」とするように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 11. 大学として成績評価に関する異議申立期間が設けられており、学生には大学のポータルシステムで周知が図られている。しかし、科目担当教員に直接問い合わせるのではなく、疑義照会の透明性を確保するために教務部を介して問い合わせるよう改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 12. 学修成果の到達度の総合的評価で得られた結果を将来の教育課程の編成、実施方法の改善・向上に活用するための体制を構築する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-3学修成果の評価) 13. カリキュラムにおいて重要と位置付けている「薬局管理学」が非常勤講師のみの担当となっているので、専任教員が担当する必要がある。(5.教員組織・職員組織) |
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| 千葉大学 | 国 | 千葉県 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
千葉大学 総評 千葉大学薬学部薬学科は、薬学部の「人材育成および教育研究上の目的」にそって、「薬学科は、薬剤師の資格と研究能力をいかし、チーム医療の中で職能を発揮する指導的薬剤師や薬学の教育・研究、薬事・医療行政、医薬品の開発等を担う人材の育成を目的とする。」としている。大学全体の学位授与の方針(DP)は5つからなり、薬学科のDPは、これらについてさらに 16 のdpとしてより具体的に定められている。教育課程編成・実施の方針(CP)についても、全学の方針に基づき大学の5つのDPに対応した 16 のCPの項目を策定し、dp1~dp16 に紐づけされている。入学者受入れの方針(AP)は2学科で共通なものと、学科間で異なるものを示している。入試に関しては、学校推薦型選抜が薬学科志望者を、一般選抜(後期日程)が薬科学科志望者を対象として実施される。また、一般選抜(前期日程)による入学者は3年次に学科振り分けが行われるため、選抜時には学科の区別がない。薬学部は、亥鼻キャンパスでの医学部・看護学部との合同授業として、「専門職連携Ⅰ〜Ⅳ」を1年から4年まで段階を追って開講しており、関連他職種の理解を深めるとともに、協働的問題解決能力の醸成にも力を入れた教育を行っている。また、「千葉大学グローバル人材育成 “ENGINE”」の一環として、2020 年度入学生から学部生の留学を必修化し、コロナ禍においてもオンラインでの実施を行うなどグローバル教育・国際交流にも注力している。これらの点は、優れた取り組みとして評価できる。しかしながら、DPについては、現状のdpの表現では学生にとって卒業時に身につけるべき資質能力を理解することが難しいと考えられ、またこれに関連して、CPについては、学修成果の評価の在り方についての記載がない。dpについては、薬学科の教育研究上の目的と整合した資質能力を簡潔かつ具体的に示すことが望まれ、また、CPについては薬剤師教育課程の内容をより明確に示し、学修成果の評価の在り方を具体的に設定するよう改善が必要である。内部質保証については、薬学部において体制が整備され、薬学教育自己点検委員会を中心に自己点検・評価が行われているが、その活動が自己点検・評価
結果としてまとめられた記録がなく、ホームページ等で公表されていない。6年制薬学教育プログラム独自の基準を決めた上で計画的な自己点検・評価活動を行い、結果を公表するよう改善が求められる。 千葉大学薬学部薬学科は、目的とする多様な薬学人材の養成に向けて、特徴的な薬学教育プログラムを構築し実施している。本評価結果を生かして内部質保証の充実と改善を図り、さらなる教育プログラムの発展に努められることを期待したい。
大学への提言
千葉大学 大学への提言 1)長所
1. 「千葉大学グローバル人材育成“ENGINE”」の一環として、2020年度入学生から学部生の留学を必修化して単位を認めることとしている。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 専門職連携教育として、医学部・薬学部・看護学部の3学部合同(1年次は工学部の一部も合同)の授業が、「専門職連携Ⅰ」、「専門職連携Ⅱ」、「専門職連携Ⅲ」、「専門職連携Ⅳ」と1年次から4年次まで段階を追って開講されており、効果的な学習方法と評価方法を用いて実施されている。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2)助言 1. 教育研究上の目的を社会のニーズを反映したものとするためにアンケート調査を実施するのであれば、育成する薬剤師像を適切に把握できる内容のアンケートを、薬剤師を対象にして実施することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. dpは、薬学科のカリキュラムにより卒業までに身につけるべき資質・能力を具体的に設定し、学生にとって理解し易いものとすることが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 薬学部のAP3点に加えて薬学科のAP2点が設定されているが、学科ごとにそれぞれAPを設定することが望ましい。また、入試ごとにどのような基準・方法によって評価、判定するのかも設定することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 薬学教育自己点検委員会の組織には、卒業生はいるが教員であり外部委員とは言い難いので、学外の委員を導入することが望ましい。(2.内部質保証) 5. 学修成果の評価(アセスメント)を行うためのアセスメント・ポリシーでは、学修成果の評価の在り方について、より具体的に設定することが望まれる。(2.内部質保証) 6. 「特別実習Ⅰ、Ⅱ」の評価は、ルーブリックにより70%が行われているものの、残りの30%の基準が明確に示されていないので、研究室間で統一した基準を設定することが望ましい。「特別実習Ⅲ」の評価においては、残りの30%を主に卒業論文発表の評価で行っているが、卒業論文そのものの評価も基準を設けて行うことが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 実務実習以外の授業では、ルーブリックによる評価が最終評価だけになっているものが見受けられるので、学生にルーブリックを提示したうえでの形成的評価にしていくことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 「特別実習Ⅰ、Ⅱ」では、4段階で評価する共通のルーブリック表を用いて各年次で教員が成績評価しているが、学生自身の自己評価を加えて、形成的評価も行うことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. シラバスに再試験についての記述はないので、再試験の在り方について明示することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 学生個々の身につけるべき資質・能力の評価として、各科目の成績と 12 の力との関連付けについては、さらなるブラッシュアップを行い、より精度の高い達成度評価を目指すことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. 学修成果の評価は、2022 年度に開始したもので、学修成果の評価結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用した実績はまだない。今後、評価結果について適切な点検・検証を行い、これらの改善・向上に活用することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 12. 前期日程入試については、「学力の3要素」、「主体性を持ち、多様な人々と協働しつつ学習する態度」を判断することが必要であるとされているので、共通テストに加えて面接などの評価方法を加えることを検討することが望まれる。(4.学生の受入れ) 13. 教員の採用や昇進は、候補者の審査に関する実施要項に則って行われているが、これとは別に「教育研究活動の実施に必要な教員組織の編成方針」を明文化して、規定することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 3)改善すべき点 1. CPを、DP、dpを踏まえた教育課程編成、当該教育課程における教育内容・方法、学修成果の評価の在り方等を具体的に示す内容にするよう改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学教育自己点検委員会の活動とその結果については、自己点検結果としてまとめられた記録がなく、必要性が生じた際の対応としての活動であり計画的なものとは言えない。6年制薬学教育プログラム独自の基準を決めた上で定期的な自己点検活動を行い、結果をホームページ等で公表していくことが必要である。(2.内部質保証) |
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| 東京薬科大学 | 私 | 東京都 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
東京薬科大学 総評 東京薬科大学薬学部は、創立以来 142 年の間に薬剤師の基本的使命を重視し、医療を取り巻く環境並びに社会のニーズの変遷に沿いながら、教育研究上の目的を「医療を担う薬学人に相応しい充分な知識と技術、及び人類の福祉に貢献できる豊かな人間性と広い視野を持つ人材の育成を目的とする。」と設定し、これに基づき三つの方針が策定されている。現時点では薬学部に3学科を設定しており、学科ごとのディプロマ・ポリシー、並びにカリキュラム・ポリシーを掲げている。内部質保証については、資する評価体制、及びその評価に基づき改善に取り組む体制の整備が進められている。教育プログラムとしては、2022 年度から新しいカリキュラムで進められており、授業科目、実習科目についてはさまざまな工夫がなされ、特にルーブリック表を用いた学習成果の評価も適切に行われている。研究においては、共同研究センターの設置や、外部機関と種々の提携を締結し、次世代型の薬学教育・研究活動を行うための環境を積極的に整備している。若手研究者の登用比率及び若手研究者の育成、活躍推進の目標を定め、公表し、若手研究者の育成に努めている。また、産業界及び地域の関係団体等と協定を締結して、地域医療の課題解決や、医療・医薬品情報の適切な提供と医療人材の育成を積極的に進めている。これらの点は優れた取り組みとして高く評価できる。しかしながら、カリキュラム・ポリシーでは、学科ごとに求められる特徴的な資質を評価する方法については記載が不十分であり、またそれぞれの学科のディプロマ・ポリシーと整合性が取れていない部分がある。また、成績評価については、履修要項と一致していないものが散見され、一部の科目では科目独自の評価基準が設けられており、公正性、厳格性に欠ける。これらの点については改善が必要である。学修成果の評価については、アセスメント・プランは作成されたばかりであり、今後は教員の評価を含めた総合的評価とし、その評価結果を教育プログラムの改善・向上に活用するための取り組みが必要である。東京薬科大学薬学部は、カリキュラム改革や次世代型の薬学教育・研究活動を行うための環境整備などに取り組み、教育研究上の目的を達成するための薬学教育プログラムの設定に努めている。今後、本評価での指摘を活かし、特にアセスメント・プランの実施体制を強化し、適切かつ総合的な学修成果の評価方法を設定することにより、教育プログラムの改善と充実が図られることを期待する。
大学への提言
東京薬科大学 大学への提言1)長所
1. 「DPを基盤とした卒業コンピテンスとコンピテンシー」及び「各コンピテンシーの達成レベル」を設定し、年次進行に伴う単位修得との関連性を「授業計画」(シラバス)やガイダンス、ホームページを通じて学生に周知していることは評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 若手研究者の登用比率及び若手研究者の育成、活躍推進の目標を定めている点は評価できる。(5.教員組織・職員組織) 3. 若手教員や博士課程大学院生を組織的に支援し、次世代を担う教員の養成に積極的に取り組んでいると評価できる。(5.教員組織・職員組織) 4. 外部機関と種々の提携を締結し、次世代型の薬学教育・研究活動を行うための環境を積極的に整備していることは評価できる。(5.教員組織・職員組織) 5. 臨床研修留学規程が制定され、カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)等での研修を実施していることは評価できる。(5.教員組織・職員組織) 6. 産業界及び地域の関係団体等と協定を締結して、地域医療の課題解決や、医療・医薬品情報の適切な提供と医療人材の育成に積極的に取り組んでいることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 各学科のカリキュラム・ポリシーの冒頭に示された薬剤師養成に係る記述(・・・薬剤師の養成)がそれぞれの学科のディプロマ・ポリシー(・・・薬剤師としての素養を身につけている)と整合性が取れていない部分があり、ディプロマ・ポリシーとの関係が理解しにくいので、整合性が取れるように改善することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. アドミッション・ポリシーでは、それぞれの入試方式ごとに、求める学生像と、それをどのように評価・選抜するかについても具体的に記載することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 各種委員会の活動報告書を精査するのが学部長一人であり、より効果的に点検・評価を行える体制の構築が望まれる。(2.内部質保証) 4. 調査研究コースの実質的な課題研究は6単位であり、実験研究コースの12単位に比べて少なく、基礎調査(2単位)、アドバンス調査(4単位)の実施内容、並びに評価方法についてさらに工夫して、課題研究に有効に繋げるカリキュラムとすることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 5. 「卒論ディプロマ・サプリメント」における課題研究に対する主査、副査のコメントの記載が半数程度であり、本システムをさらに有効に活用することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 6. 学科ごとに設定されたディプロマ・ポリシーに関する特徴的な資質についても評価することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 7. 一般選抜(A方式、B方式)では、学力の3要素のうち知識に偏った評価をしているので、学生の表現力や主体性について高校からの調査書に加えて評価する方法を工夫することが望まれる。(4.学生の受入れ) 8. 入学定員充足率が複数年で110%を上回っているので、合否判定方法等を見直し、適正な入学者数となるように改善することが望まれる。(4.学生の受入れ) 9. 標準修業年限内の卒業者の割合は直近5年間の平均として76.4%であり、教育課程の検証とともに、入学者の選抜方法、定員等の検証もさらに進めることが望まれる。(4.学生の受入れ) 10. 2022年5月時点での専任教員数は134名であり、この時点での在籍学生数を専任教員数で除した学生数は、専任教員1名に対して20.1名と多く、学生数を10名以内とすることが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 11. 定期健康診断を年1回実施しているが、受診率は高いものの100%になるようにさらに改善が望まれる。(6.学生の支援) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーにおいて、教育の方法、学修成果の評価については、科目ごとの評価方法を総括的に記載しているだけで、資質・能力ごとの評価方法、特に学科ごとに特徴的な資質を評価する方法については記載が不十分であり、改善する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. アセスメント・プランは作成されたばかりであり、客観的な評価・測定結果を教育課程の編成及び改善・向上に活用する体制の構築は未だ不十分と言える。今後適切な体制の構築を進め、教育課程の編成及び改善・向上を図ることが必要である。(2.内部質保証) 3. 定期試験結果の評価において、履修要項にある成績評価基準と一致しない科目が散見され、さらに「総合演習Ⅱ」、「総合薬学演習Ⅰ及びⅡ」では、科目独自の評価基準を設けている。履修要項に成績評価基準をより明確に記載し、それに従った評価をすることが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 成績評価に対する異議の申立ての窓口は現在教科担当教員だけとなっているため、教科担当教員以外の教職員が審査、対応する体制の構築が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 5. 学修成果の評価として、年次進行による単位取得と総合薬学演習により知識修得の確認をしているものの、それ以外の資質については、学生自身による自己評価と、課題研究でのルーブリック評価に限定されている。各資質の年次的な進行を教員が評価し、総合的な学修成果を適切に評価して教育課程の編成及び実施の改善・向上につなげ、教育プログラムを改善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 東京理科大学 | 私 | 東京都 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
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評価報告書
総評
東京理科大学 総評 東京理科大学薬学部薬学科では、「理学の普及を以て国運発展の基礎とする」という建学の精神のもと、生命創薬科学科と協同して「医薬分子をとおして人類の健康を守る」志をもった優れた人材を育成することを基本理念と定め、薬学科は薬の性質と作用、薬物治療、医薬品の適正使用、公衆衛生等の薬剤師の職能の基盤となる専門的知識及び関連する技能、態度を習得し、臨床・公衆衛生における問題を基礎研究に結びつけることのできる問題解決能力と研究心を兼ね備えた薬剤師を育成することを目的としている。卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)からみた達成度の評価では、学修ポートフォリオを活用して学習達成度を可視化し、学修状況の分析に努めている。修学支援体制では、薬学の基礎となる数学、物理、化学の科目について、総合大学の強みを活かし、薬学科の上級生だけでなく、それぞれの科目を専攻する理工学部数学科、物理学科、先端化学科等の上級生も担当する学習相談体制を構築している。社会連携・地域貢献では、社会連携講座や生涯学習講座を開講し、アーカイブ配信によって講義資料を提供することにより、地域の医療・薬学の発展及び薬剤師の資質・能力の向上に貢献する多様な活動を行っている。また、在外研究員の支援制度を規定し、薬学部の若手教員の利用を推進することにより国際交流の推進に努めている。これらの点は、優れた取り組みとして評価できる。しかしながら、ディプロマ・ポリシーに設定された資質・能力の修得が卒業要件にあたることが明記されておらず、また教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)に学修方略や学修成果の評価の在り方が具体的に示されていないので、改善が必要である。シラバスには、一部の科目で評価基準、配点などが明示されておらず、パフォーマンス評価(ルーブリック・レポートなど)の記載が曖昧である。学修成果の評価は、各授業における能力評価の積み上げに留まっているため、教育課程の進行に対応した学生の資質・能力の測定による形成的評価及び、学修成果の適切な総括的評価ができておらず、さらにその結果に基づいて教育課程のさらなる改善・向上が図られているとは言い難い。これらの点についても改善する必要がある。東京理科大学薬学部薬学科は、地域の医療・薬学の発展に貢献しつつ、問題解決能力と研究心を兼ね備えた薬剤師の養成教育を行っている。今後、本評価の結果を教育プログラムの内部質保証に生かして、優れた資質を有する薬剤師の育成・輩出に努められることを期待する。
大学への提言
東京理科大学 大学への提言 1)長所
1. 1年次から6年次、さらに大学院においても、専門科目と並行して一般教養科目を配置するとともに、専門教育が深まった3年次以降の段階においても教養科目の単位修得が可能になっている点は、高く評価される。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. ディプロマ・ポリシーに示す資質・能力等の修得状況がTUSルーブリックのレーダーチャートで可視化されており、教員と学生が常に確認することができる点は、高く評価される。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 3. 薬学の基礎となる数学、物理、化学の科目について、総合大学の強みを活かし、薬学科の上級生だけでなく、それぞれの科目を専攻する理工学部数学科、物理学科、先端化学科等の上級生も担当する学習相談体制を構築している点は、高く評価できる。(6.学生の支援) 4. 生涯学習講座はアーカイブ配信され、全国の薬剤師に対して講義資料が提供される点は、高く評価される。(8.社会連携・社会貢献) 5. 在外研究員の支援制度が規定されており、薬学部の若手教員の利用を推進している点は、高く評価される。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 「専門分野の枠を超えて横断的にものごとを俯瞰できる能力」、「薬剤師の専門的知識と技能を発揮する者としてふさわしい態度」といった表現は具体性に欠けているため、学生が理解しやすい表現となるようにディプロマ・ポリシーの改善が望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 入試形態ごとに選抜方法などが記載されているが、その内容は入試制度の概要に留まっており、それぞれの入学試験においてアドミッション・ポリシーの各項目をどの選抜方法で評価するのかが具体的に示されていないので、改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. カリキュラム・ツリーは教育課程の体系性と構造を示すものであるが、カリキュラム・ポリシーで求めている学修成果と整合性がとれないため、改善が望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. ディプロマ・ポリシーで国際的な視野をもって活躍できる能力を求めているため、全学生の国際的な視野を広げるには、「薬学英語」の必修科目を開設することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 5. 大学独自科目であることを特徴づけるために、シラバス中にモデル・コアカリキュラム以外のSBOsを含めて記載しているが、大学独自科目の設定が分かりにくいので、改善が望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 一部の授業科目では、SGDやPBLが適切に評価されていないので、評価方法や評価基準を適切な評価ができるように改善することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 学修ポートフォリオは自己評価に留まっており、学生が身につけるべき資質・能力が、教育課程の進行に対応して教員によって評価されていないため、改善が望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 8. 卒業時の学修成果が単位の積み上げ式で評価されており、総括的評価が適切に実施されているとはいえないため、現在の評価方法の妥当性を検証し、ディプロマ・ポリシーに設定した資質・能力の修得状況を評価するように、改善が望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 9. 「学力の3要素」、「医療人を目指す者としての資質・能力」を入学試験で評価しているが、すべての入試形態において、学力の3要素を評価しているとはいえないため、改善が望ましい。(4.学生の受入れ) 10. 1名の専任教員に対して学生数が10名以内となるように、専任教員数を増員することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 11. 薬剤師としての実務の経験を有する専任教員が、常に新しい医療に対応するために研鑽できる体制・制度を整備することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 12. 健康診断の受診率は平均で95%程であるため、100%になるように改善が望まれる。(6.学生の支援) 13. 英語版の薬学部ホームページが作成されていないため、英文によるホームページを作成することが望ましい。(8.社会連携・社会貢献) 3)改善すべき点 1. 生命創薬科学科のディプロマ・ポリシーには、「教育目標に沿って編成された授業科目を履修し、次のような能力を身に付けた上で、所定の単位を修得した学生に対して卒業を認定し、学士(薬科学)の学位を授与する。」との記述であるのに対し、薬学科のディプロマ・ポリシーは「本学科の教育目標に沿って編成された授業科目を履修した学生に対して、卒業を認定し、学士(薬学)の学位を授与する。」と記述されており、能力評価や単位修得に関する記述がないため、統一した記述内容となるよう、改善が 必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. カリキュラム・ポリシーに、学修方略や学修成果の評価の在り方が具体的に設定されていないため、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 6年制薬学教育プログラムに関する内容が質的・量的に十分に自己点検・評価され、継続的な改善につながっているとは言えないため、薬学部薬学科としての6年制薬学教育プログラムに対応した自己点検・評価を実施するように、改善が必要である。(2.内部質保証) 4. 薬学部(薬学科)の独自の自己点検評価の結果をホームページ等で公開するよう、改善が必要である。(2.内部質保証) 5. 薬学教育プログラムの全体像を示したカリキュラム・ツリーなどが明示されておらず、カリキュラム・ポリシーとディプロマ・ポリシーの関連性が不明なため、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. シラバスには、担当教員名、開講年度学期、概要、授業計画などの情報は記載されているが、各科目とディプロマ・ポリシーとの関係性が不明、必修科目・選択科目・選択必修科目の区別がわかりにくい、一部の科目では評価基準や配点が明確に記載されていない、パフォーマンス評価(ルーブリック・レポートなど)の記載が曖昧、といった問題があるため、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 異議申し立ての仕組みが学則や履修規定等に整備されていないため、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 学習達成度が各科目の寄与度によって設定されており、ディプロマ・ポリシーで求める学修成果に対する形成的な評価がなされていないため、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 9. 学修成果の評価結果が、教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用されているとはいえないため、さらなる改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) |
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| 東北医科薬科大学 | 私 | 宮城県 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
東北医科薬科大学 総評 東北医科薬科大学薬学部薬学科は、医療の担い手である薬剤師に対して医療における幅広い分野で活躍する適応力を求めていることから、教育研究上の目的を「医療人としての心豊かな人間性と倫理観を持ち、先進的な薬物療法を探究するとともに疾病の予防・治療及び健康増進に積極的に貢献する意識と実践力を備えた薬剤師の養成」と定め、三つの方針を設定している。教育課程の編成では、倫理教育や臨床現場での実践的な学びに関する体系的で充実したプログラムが特色といえる。教育プログラムの内部質保証については、教学IR(Institutional Research)における解析結果を授業の改善に生かし、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)の到達度の可視化に利用している。これらは、先進的
な取り組みとして評価できる。また、授業の改善、教員の教育研究活動の向上、若手教員の育成等を図るためのFD活動が組織的に行われ、さらに、産学共同研究活動において、地域特性のある共同研究を実施している点は、優れた取り組みである。しかしながら、ディプロマ・ポリシーと教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)の整合性が十分ではなく、カリキュラム・ポリシーには学生が身につけるべき資質・能力を評価する学修成果の評価の在り方が具体的に示されていない。また、「成績評価確認願」の扱いについては学生に不利益になることが懸念され、「教員組織の編成方針」については明文化されていない。これらの点については、改善が必要である。東北医科薬科大学薬学部薬学科は、在宅医療、訪問看護・介護、地域医療及び公衆衛生、並びに医療技術及び薬物治療戦略や医療のデジタル化にも対応する適応力を持つ人材を輩出するために、先進的かつ独自性のある教育研究活動を展開している。本評価の結果を生かして、さらなる教育プログラムの充実に努められることが期待される。
大学への提言
東北医科薬科大学 大学への提言 1)長所
1. 教学IR委員会では、ディプロマ・ポリシーで設定されている自己研鑽に関する到達度を可視化する指標の導入に向けた解析を行っている。こういった解析により、ディプロマ・ポリシーに沿ったルーブリック評価による自己評価との相関を確認しており、教務委員会により自己研鑽の到達度が低い学生を早期に発見し、学習態度の改善を目的に教務委員長らによる面談を実施していることは優れた取り組みとして評価できる。(2.内部質保証) 2. 新採用教員担当の授業、初めて授業を担当する教員の授業、FD・SD推進委員会が指定した教員の授業に対して、複数の委員による授業参観を実施している。(2.内部質保証) 3. 科目別系列会議において授業内容について意見交換を行うとともに、定期試験問題、得点分布(ヒストグラム)データを持ち寄り、適正な評価が実施されているか等について点検・検討し、今後の授業改善に向けた活動を行っている。こういった授業改善に向けた薬学部FD部会の活動や授業参観、科目別系列会議による点検・検討は、優れた取り組みとして評価できる。(2.内部質保証) 4. 医療人としての高い倫理観を備えた人材を養成するための科目として「医療倫理入門」では、医学部解剖学教室の協力を得て医学科2年次の解剖学実習を薬学科3年次の学生が見学するプログラムがあり、事前に解剖献体提供団体の講演を聴講する等十分な倫理教育を受けた上で医学部生との質疑応答を含めた実地研修を行っている。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 5. 1年次~4年次の学生は半期ごとに「薬学・生命科学を修得するための行動指針」を用いた行動の振り返りと学修ポートフォリオの作成を行うことにより、入学時から常にディプロマ・ポリシーと向き合い、その到達を目指している。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 6. 次世代を担う若手教員の育成について、十分な授業経験を有する複数の委員が、初めて授業を担当する教員の授業を参観して積極的に助言する、科研費などの外部研究資金への応募を積極的に奨励する、さらに40歳未満の専任教員を海外に派遣する(海外研究員制度)など、教員の教育研究活動の向上、若手教員の育成を図るための組織的な取り組みや手厚いサポートが実施されている。(5.教員組織・職員組織) 7. 防災対策の立場から、名刺サイズの「大地震初動マニュアル」を入学時に配付し、学生が常時携帯できるように配慮し、全学生及び全教職員分の3日分の非常食・飲料水並びに毛布・ブルーシート・ヘルメット等の防災用品を備蓄し、さらに緊急連絡システムをスマートフォンで確認できるよう改良を進めるなどし、運用している。(6.学生の支援) 8. 宮城県加美町との間で行われている加美町産紫根(ムラサキ)の利活用に係る研究のように一般的な企業との共同研究だけではなく地域との共同研究も実施している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. カリキュラム・ポリシーに示された学習内容の多くにおいて、総合演習試験を用いた総括的評価が行われていることから、それぞれの学習の成果に対して適切な評価方法を具体的に示すように改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. ディプロマ・ポリシーとカリキュラム・ポリシーの整合性について懸念される点が認められるため、改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. それぞれの入学試験において多様な学生を入試区分ごとにどのように評価・選抜するかについて、募集要項に記載して公表しているが、その内容はアドミッション・ポリシーにも明記されることが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 三つの方針は、学生便覧に記載され、学生及び教職員に周知されている。また、大学ホームページを通して広く公表しているが、オリエンテーション等での説明が十分ではないので充実が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. 自己点検・評価に基づく報告書を毎年作成するとしているが、2021年度から開始されたものである。こういった自己点検・評価は高等教育評価機構の基準項目によるものであり、薬学教育評価機構が設定した評価基準に基づいた自己点検・評価も継続的に行うことが望まれる。(2.内部質保証) 6. 独自の薬学専門教育科目について、独自性をシラバスに明示することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 「実務実習Ⅰ(病院)」及び「実務実習Ⅱ(薬局)」の評価において、無断欠席あるいは正当な理由のない欠席・遅刻等に対して、医療人としての態度の評価としての減点5点が設定されているが、実務実習の欠席等については、補習等補充措置をシラバスに記載して適正に実施することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 一般選抜試験及び大学入学共通テスト利用選抜において「思考力・判断力・表現力」及び「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価できる方法の導入について改善が望まれる。(4.学生の受入れ) 9. 学校推薦型選抜(指定校制)、学校推薦型選抜(公募制)以外の入試区分(一般選抜、大学入学共通テスト選抜)においては学力による評価のみとなっており、医療人を目指す者としての資質・能力を評価することは十分とはいえないので改善が望まれる。(4.学生の受入れ) 10. 第1期の薬学教育評価で指摘された改善すべき点「留年者、退学者数が多いことは、薬学教育に必要な学力が不足する学生が入学している可能性が高いことを示唆しているので、選抜方法の見直しなどの改善が必要である。」については、選抜方法の見直しを実施し、改善報告書を提出した時点で減少に向かっていた留年者・退学者数が、コロナ禍以降、再び増加傾向となっているため、さらなる改善策の検討が望まれる。(4.学生の受入れ) 11. 教員一人当たりの学生数については、約32名、生命薬科学科、教養教育センター教員を含む薬学部教員としての学生数は約19名となっている。1名の専任教員に対して学生数が10名以内であることが望ましいとされているため、改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーには、学習する内容及び到達目標とその評価については示されているが、学生が身につけるべき資質・能力を評価する学修成果の評価の在り方について具体的に示されていないので、改善が必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学教育カリキュラムの体系性及び科目の順次性については、カリキュラム・ツリーを用いて説明されているが、ディプロマ・ポリシーと科目との関連性に不明瞭な点があり、関連性を理解できない可能性が懸念されることから、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 「成績評価確認願」は、科目担当教員(教員が不在の場合は学務部教務課)に提出することとなっているが、科目担当教員への直接提出は、学生にとっては不利益になる可能性もあるため、教務課窓口等で受け付けるよう改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 4. 「薬学科ディプロマ・ポリシー対応ルーブリック評価表」を用いた学生による自己評価は、運用開始から4年目であり、この結果を教育課程の編成や改善に資するまでには至っていないため、今後有効性や適切性の検証と改善への活用を進める必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. ディプロマ・ポリシーの達成度評価において、学生が身につけるべき資質・能力の修得について、総括的な評価を客観試験で行っている点は、パフォーマンス評価等により適切に習得度の評価ができるよう、改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム3-3学修成果の評価) 6. 「教員組織の編成方針」が明文化されていないため、策定が必要である。(5.教員組織・職員組織) |
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| 名古屋市立大学 | 公 | 愛知県 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
名古屋市立大学 総評 名古屋市立大学薬学部薬学科は、教育研究上の目的を「医療薬学及び関連分野の教育研究を通じ、適正な医療・保健衛生等の推進に貢献できる人材を養成すること及び情報発信を行うこと」とし、人材の養成に関する目的を「医薬品と薬物療法に関わる医療科学を総合的に修得し、薬剤師をはじめ、医療に係る様々な分野で薬の専門家として貢献できる人材を養成すること」と規定している。これらに基づき、三つの方針は策定され、公表されている。「卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)DP」は3項目に分けて卒業までに身につけるべき能力を具体的に示している。「教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)CP」は、DPを達成するための教育課程編成の方針を年次ごとに明示し、また、教育実施の方針において学修成果の評価の在り方を示している。「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)AP」は、DPを満たす人材になるために入学前に必要とされる能力について記載し、入学者選抜試験ごとに選抜方法を明記している。「教育課程の編成」では、特色ある科目として医学部、看護学部の学生とともに地域医療、チーム医療を学ぶ「医薬看連携地域参加型学習」や地域の他大学との連携による「コミュニティ・ヘルスケア卒前教育科目群」等を配置していることに特徴がある。しかしながら、「内部質保証」については、教員個人の教育研究活動の点検・評価は実施しているものの、薬学部における自己点検・評価として、教育研究活動に対する質的・量的な解析が十分とは言い難い。また、「学修の成果」の評価については、教育課程の進行に対応したCPに基づいた評価計画が示されておらず、DPへの到達度の段階的かつ総合的な評価と、その結果に基づいた改善・向上が十分に行われているとは言えない。薬学教育プログラムの内部質保証体制を適切に整備し、学修成果の評価等の教育研究活動の自己点検・評価と、これに基づく改善・向上を図る必要がある。名古屋市立大学薬学部薬学科は、大学の教育理念や人材養成目的に即した薬剤師の養成に向けて、熱心に教育研究に取り組む姿勢がうかがえる。今後は、本評価結果を踏まえ、教育プログラムの内部質保証の充実等を進めることによって、さらなる発展を図られることを期待したい。
大学への提言
名古屋市立大学 大学への提言 1)長所
1. 英語以外の言語については、ドイツ語、フランス語、中国語、韓国語、スペイン語、日本手話、ポルトガル語、ロシア語、イタリア語、アラビア語、日本語(留学生のみ)など多様な言語から選択することができる。これらの言語の基礎を学ぶことによって、グローバル化が進む現代社会での他文化への豊かな視点を獲得し、国際的に多様なニーズに対応できる人材育成につながるプログラムを提供している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 2. 1年次の必修科目として学部横断で開講している「医薬看連携地域参加型学習」では、医学部と看護学部の同学年の学生でグループを組み(薬学部3人、医学部4人、看護学部3人の計 10 人)、地域の病院や離島、福祉施設などに直接出向いて課題を探索し、それを解決する医療系学部連携の医療人教育を実施している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 3. 2014(平成26)年度に文部科学省・未来医療研究人材研究養成拠点事業(地域と育む未来医療人「なごやかモデル」)に採択され、医療系学部との連携のみならず、名古屋学院大学や名古屋工業大学とも連携して発展した「コミュニティ・ヘルスケア卒前教育科目群(コミュニティ・ヘルスケア基礎・応用・発展・実践)」を選択科目として開講している。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 4. 自己点検・評価委員会が教員評価表を作成し、研究科長(学部長)による教員評価を行って、特に優秀者を理事長表彰候補者として推薦する制度を設けている。(5.教員組織・職員組織) 5. 学部間交流協定を締結している大学として、ミシガン大学薬学部、香港浸会大学中医薬学部、梨花女子大学薬学部、香港大学薬学部があり、それぞれ教員の相互訪問、学生の派遣と受け入れを実施し、研究と教育の両面において交流に力を入れている。特に、南カリフォルニア大学薬学部とは毎年学生の相互派遣を実施している。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 一般選抜試験の入学者選抜方法では 大学のアドミッション・ポリシーに掲げている「主体性を持ち、幅広い視野で多様な人々と協働して学ぶ態度」「豊かな人間性と、地域や社会で活躍できる適性」あるいは薬学部のアドミッション・ポリシーに掲げる態度に相当する意欲・使命感・倫理観・コミュニケーション能力等の具体的な評価・選抜方法は設定されておらず、評価を行っていないので改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 薬学部共通のAP5「大学院への進学意欲を持つ人」の選抜について、学校推薦型選抜では面接試験時に大学院進学の意思を質問する場合があるが具体的な評価指標はなく、一般選抜試験では具体的な評価・選抜方法は設定されておらず、評価を行っていないので改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 選抜方法ごとに評価する事項は示されているが、アドミッション・ポリシーと整合しないものもあるので、アドミッション・ポリシーに掲げた各項目をどの選抜方法で評価するのかを分かりやすく示すよう改善することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 教育研究上の目的と三つの方針の検証は必要時にのみ行われていて、薬学部として主体的に“定期的”な検証をしていない。教育研究上の目的と三つの方針を定期的に検証する体制を整備する改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. 「薬学実務実習」等の一部の科目では、個別に医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズの変化を実習や講義内容へ反映させているが、薬学部全体として教育研究上の目的と三つの方針の検証には活かされていない。従って、薬学部として医療を取り巻く環境や薬剤師に対する社会のニーズの変化を調査した結果等を踏まえ、教育研究上の目的と三つの方針の検証を行う体制を整備するよう改善が望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 6. 自己点検評価委員会には外部委員や6年制課程薬学科卒業生は含まれていないので、参画できるような体制に改善することが望まれる。(2.内部質保証) 7. 公表されている自己点検・評価報告書は、薬学部の教育研究の業績に限局されたものであるため、三つのポリシーに基づく教育研究活動についての自己点検・評価の結果を公表することが望まれる。(2.内部質保証) 8. シラバスにおいて、「薬学英語Ⅰ」も「薬学英語Ⅱ」も到達目標が全く同じであることは順次性や系統性において問題であり、それぞれの講義内容を反映したシラバスに改善することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 9. 履修要項では「薬学英語Ⅰ-Ⅳ」はすべて選択科目であり、選択科目だけで教養教育から専門教育へ順次的かつ系統的に英語能力の向上を図るカリキュラム編成とは言えないので、必修科目にする等の改善をすることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム3-1教育課程の編成) 10. 卒業時にディプロマ・ポリシーで学生に求めている信頼関係構築力は、「コミュニティ・ヘルスケア基礎・応用」で十分に教育効果を達成できるプログラムとなっている。一方、「コミュニティ・ヘルスケア発展・実践」は薬剤師レベルの高度な内容であるが、履修者は少ないので、履修者を増やすように改善することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 11. 履修規程に定める卒業要件(必要単位の修得)とディプロマ・ポリシーに掲げる卒業要件が異なるので、統一することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 12. ポートフォリオの評価を卒業認定にどのように活用するのか、カリキュラム改編に合わせて検討中の段階であり、現時点では具体的な基準はない。ディプロマ・ポリシーに掲げる資質・能力を適切に評価できる評価方法・基準を整えて、卒業認定に活用することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 13. 教育課程の進行に対応した学修成果の評価基準は示されておらず、ディプロマ・ポリシーへの到達度を適切に段階的・総合的に評価しているとは言えないので、改善が望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 14. 一般選抜では学科試験のみで学力の3要素を多面的に評価していないので、改善することが望まれる。(4.学生の受入れ) 15. 受験者が700人前後になる薬学科の一般選抜において、実効性ある面接試験を導入することは困難と認識されているが、大学入学共通テストと個別学力検査による学力だけで医療人の資質や能力を評価できるとは考えにくい。従って、それぞれの入試区分において学力の3要素が多面的・総合的に評価できるように入試制度の改善が望まれる。(4.学生の受入れ) 16. 教員の男女構成は、男性40名(93.0%)に対して女性は3名(7.0%)と女性教員の比率が極端に低いので、女性教員を増やすことが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 17. 教員は教育内容・方法の改善に向けて継続的に工夫を重ね、その質の向上に努めるとともに、教員(科目)レベルでのPDCAサイクルを機能させて、教育研究上の優れた実績を適正に評価する体制を構築することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 18. 教育研究上の目的に沿った教育研究活動を継続するために、次世代を担う教員の養成のためのキャリアアップ体制がないので、体制や制度を構築することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 19. 大型(高額)の共通機器・研究設備の更新は十分行われておらず、陳腐化・老朽化が進んでいる機器類があることは問題であり、改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 20. 臨床薬学教育研究センターの実務家教員が研鑽できる体制や制度が整備されていないので改善することが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 21. 事務職員数が実質11名と少なく、職員及び教員の事務作業の負担増が懸念されるので、改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 22. 2022年度の各学年の健康診断受診率が、4年次は96%、5年次は97%といずれも100%でなく、特に6年次では85%と最も低くなっているのは問題であり、改善することが望ましい。(6.学生の支援) 23. 共同研究棟のRI実験施設と動物実験施設の老朽化が進んでいる。近年の実験動物を用いた研究の発展や、今後予想される法令・規制の変化に対応した動物実験施設そのもののリニューアル及び拡張が望まれる。(7.施設・設備) 3)改善すべき点 1. 「自己点検・評価報告書」で述べられている自己点検・評価は、単に教員業務評価であって、本項目の基準2-1で求められている「教育研究上の目的及び三つの方針に基づく教育研究活動の自己点検・評価」の一部に過ぎず、薬学部を対象とした自己点検・評価とは言えないので改善する必要がある。(2.内部質保証) 2. 学習ポートフォリオの達成目標の設定が、ディプロマ・ポリシーで求める学修目標を完全に包含できていない。また、教員の定期的な学生への形成的評価や学習の到達度に関して、教員による確認方法や対応する組織体制も整備されていない。ディプロマ・ポリシーに掲げた学修成果の達成度について、質的・量的な解析に基づいた自己点検・評価が十分に行われていないので、質的・量的な解析に基づいた点検・評価できる体制を構築するように改善する必要がある。(2.内部質保証) 3. カリキュラム・マップ及びカリキュラム・ツリーの不備は、学生が理解しづらく、修学上の不利益となるので、早急に改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム3-1教育課程の編成) 4. 学修成果の評価結果が、教育課程の編成及び実施の改善・向上に十分に活用されているとは言えない。教育課程の進行に応じて、質的・量的な解析に基づいて評価できる体制を構築する改善が必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 5. 教育研究活動の実施に必要な教員組織の編成方針を定めていないので改善が必要である。(5.教員組織・職員組織) 6. 全学及び薬学部が開催するFDについて、研究授業参観以外にないことは問題である。また、教育プログラムの体制・制度について、整備及び改善すべき課題も見受けられる。今後、すべての学位の教育研究活動に内部質保証の考え方を浸透させ、取り組むべきFDやスタッフ・デベロップメント(SD)の拡大と実施に努めるように改善する必要がある。(5.教員組織・職員組織) |
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| 兵庫医科大学 | 私 | 兵庫県 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
兵庫医科大学 総評兵庫医科大学薬学部は、教育研究上の目的を「物質と生体に関する正しい知識と研究を通して得られる問題解決能力を基盤としつつ、生命の尊厳を畏敬し、人々の健康と幸福を真に願う医療専門職者としての明確な意識のもとに、多様な分野で薬学的立場から全人的医療を支えることのできる薬剤師を育成する」と定め、卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)、教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)及び入学者受入方針(アドミッション・ポリシー)を設定している。しかしながら、カリキュラム・ポリシーに学修成果の評価の在り方が具体的に示されていない。
教育内容やその成果は、兵庫医科大学内部質保証会議の主導のもとで薬学部自己点検・評価委員会で検証し、内部質保証会議のアドバイスを受けて改善に取り組む体制が確立されている。カリキュラムは、薬学教育モデル・コアカリキュラムに準じて体系的かつ順次性をもって設定されており、独自科目として医療系学部合同での早期臨床体験やチーム医療に関わる科目等が設置されている。しかし、一部の専門科目において、成績評価の公正性、厳格性に懸念される点がある。これらについては、十分な検証を行い、改善を図る必要がある。 これまで入学試験結果の検証に基づいて様々な入試改革が行われてきたが、標準修業年限内での卒業率の向上や低学年次での留年率・退学率の改善は十分とは言えないので、引き続き改善に取り組む必要がある。一方、薬学部アドバイザー制度等による手厚い学生支援や、教員による教授・評価方法の開発とその成果の社会への発信は、優れた取り組みと言える。薬学部としての留学生受入や教職員・学生の海外研修等の実績は少なく、また英文ホームページからの情報発信も不十分であることから、国際的な教育研究活動の活性化が求められる。 兵庫医科大学薬学部では、全教員が教育研究上の目的の達成に向けて積極的に取り組む姿勢がうかがえる。本評価結果が内部質保証に生かされ、薬学教育プログラムのさらなる改善と向上が図られることを期待する。
大学への提言
兵庫医科大学 大学への提言1)長所
1. 卒業時に求められる学生の資質・能力の向上に資する学習・教授・評価方法の開発を行い、その成果を教育研究論文や総説として積極的に社会に発信していることは有益な取り組みとして評価できる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 2. 若手研究者を支援する学内研究助成制度が設けられていることは評価できる。(5.教員組織・職員組織) 3. 新入生を対象とした薬学部アドバイザー制度が運用されており、教員1名につき3~4名の1年生を割り振り、入学直後から前期の間、週1回面談することで、学生の生活態度や学習意欲等を確認し、新しい環境で順調な学生生活をスタートさせているかを見守るとともに、守秘義務に配慮した上で面談の内容を担任に繋げていることは評価できる。(6.学生の支援) 4. 地域の薬剤師対象のアカデミック・ディテーリングを学ぶ場であるEBM倶楽部を、コロナ禍でもオンライン形式の「Web-EBM倶楽部」として毎月継続していることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. 兵庫医科大学薬学部の教育研究上の目的である「教育目的」は、教務便覧に示されており、教務便覧の冊子体は新入生と教職員に配付されている。教務便覧の冊子体を配付されない在学生は、ホームページからダウンロードできるとしているが、各 学年の教務ガイダンス資料に記載するなどにより、「教育目的」を学生に十分に周知することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 教育研究上の目的について、教務便覧(p3)には「薬学部 目的」というタイトルで記載されているが、学則やホームページに掲げられた「教育目的」と同一の内容であることがわかりにくいため、学則と表現を揃えることが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)は、入学生が目標とする将来の自分像として四つの類型を掲げ、そのために必要な素養と能力を【知識・技能】【思考力・判断力・表現力】【主体性・多様性・協働性】に分けて明示している。入試区分ごとの評価については、学生募集要項に記載されているものの、アドミッション・ポリシーには各項目をどの入試区分において、どのように評価するのかが示されていないので、これらを具体的に示すことが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 4. 教育研究上の目的及び三つの方針について、2021年度の自己点検・評価書の点検・評価の内容は、2022年度の該当箇所とほぼ同一であり、また、2022年度の検証は全学内部質保証会議からの要請によるものであることから、これらをもって薬学部として定期的な検証を行っているとは言い難いため、さらに主体的に検証することが望ましい。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 5. カリキュラム・ルーブリック評価表は学生の自己評価用であるため、教員による評価も併せて行い質的・量的に解析を行うすることが望ましい。(2.内部質保証) 6. 6年次後期は「総合演習Ⅱ」及び「研究研修Ⅱ」を並行して開講しているが、時間割の大半を占める「新・研究研修Ⅱ」は2単位の自由科目であり、これまで履修者はいない状態である。したがって、このような2単位の自由科目に多くのコマ数を割く時間割科目の編成は、実質的には薬剤師国家試験の合格率の向上のみを目指していると考えられる。例えば、「研究研修」はカリキュラム・ポリシーに掲げる「医療や科学技術の発展に貢献できる研究能力と、生涯を通して学び続ける自己研鑽能力を養成するための科目」であるべきであり、「新・研究研修Ⅱ」についても必修化するなどして、このような実質的に国家試験対策科目に偏った時間割編成を解消するように改善することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 再試験実施の有無については、シラバス授業概要情報の「成績評価の方法」において、再試験受験の要件を明記するように各科目責任者へ要請しているが、シラバスへの記 - 33 - 載の有無は科目によって異なる。成績評価の公平性の観点から、再試験の有無及び再試験を行う場合の受験要件については、シラバスにおいて統一的に示すことが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 仮進級については、「兵庫医科大学薬学部・看護学部・リハビリテーション学部の教務に関する規程」第19条の②に「学長が教授会の意見を聴いて、教育上有益と認めた場合、特に進級させることがある。」と規定されており、各学年の進級判定要件は教授会での承認後、4月の履修ガイダンスにおいて、その年の基準が学生に説明されている。この規程は、「全ての必修科目及び進級に必要な選択科目の単位数について合格の判定を受けた者」と定められている進級基準を満たさない者に進級を認めることになるため、公正かつ厳格な進級判定として、少なくとも具体的にどのような場合が該当するのか明示して、学生に周知する必要がある。また、これを仮進級とすると、規程の文章からは本来の進級と区別ができない。したがって、規程の見直し等、進級判定について改善を図ることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 単位取得以外に卒業認定に関わる項目としてディプロマ・ポリシーに掲げた学生が身につけるべき資質・能力のルーブリック評価があるが、学生の自己評価にとどまっており、教員による評価を合わせて実施し、形成的評価に活用したり、過去の結果と比較して学年進行による変化を解析することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 学生の自己評価の結果ではあるが、学年が進むごとにディプロマ・ポリシー達成度が上昇していることから、教育課程の進行に対応した評価として有用であると考えられているが、単年度の学年同士を比較するだけでは、実際の学生群の教育課程の進行に対応しているか明確ではないため、さらなる解析を進めることが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. ルーブリック評価はあくまでも学生の自己評価のみであり、学生が身につけるべき資質・能力を、「教育課程の進行に対応して」評価しているとはいえないため、教員による評価やフィードバックも行うことが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 12. 6年生による自己評価の結果が卒業判定教授会に提出され、ディプロマ・ポリシー達成度を認定したとされるが、「2023.02.09薬学部 臨時教授会議事録」によると、卒業確定者に対してディプロマ・ポリシーの達成状況が承認されたとあるので、最終的な 卒業判定の前にディプロマ・ポリシー達成度を確認することが望ましく、また、そのことをすべての学生に事前に周知することが望ましい。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 13. 学部独自のディプロマ・ポリシー達成度の自己評価の結果を、カリキュラム全体にフィードバックする点について、さらに工夫することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 14. 「表現力」の評価は、大学入学共通テスト利用入学試験(面接併用型)での二次試験のみでしか実施されていないため、他の入学試験においても改革をさらに進めることが望ましい。(4.学生の受入れ) 15. 一般選抜においては「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価できておらず、学力の3要素の多面的・総合的な評価には至っていないので改善することが望ましい。(4.学生の受入れ) 16. 大学統合前の規程等がそのまま残っており、現状の教育研究活動と齟齬が生じることが懸念されるので、それぞれについて精査し、必要に応じて改訂を行うことが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 17. 専任教員1名に対する学生数は2022年5月時点で18.9名、2023年2月時点でも17.0名であり、1名の教員あたり学生10名以内とすることが望ましい。(5.教員組織・職員組織) 18. 教員の教育にかかる時間はほぼ均等に分布しているが、一部の教員の担当時間が多い。教員の研究時間は確保されているので早急に改善を要する状況には至っていないが、各教員の業績を見ると、2019年から著書・論文・学会発表のいずれもない教員が教授1名、准教授1名、講師1名、助教1名いる。教育にかかる時間の格差と直接結びつけることはできないが、すべての教員に対して適切な育研究環境を整備することが重要であり、改善が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 19. 兼業規程はあるものの、薬学部として実務経験を有する教員の研鑽を支援するための制度は整備されておらず、自己研鑽の範囲に留まっているため、積極的に研鑽を積むことができる体制の整備が望まれる。(5.教員組織・職員組織) 20. 学生生活実態調査アンケートの回収率については、2021年度の薬学部の回答者は247名と低率であるため、さらに回収率を上げる取り組みが望まれる。(6.学生の支援) 21. 「学校法人兵庫医科大学ハラスメント防止等に関する規程」第8条では、学生からのハラスメント相談窓口は学生相談室であるが、学生には学生相談室以外に学生委員、 - 35 - 担任等の教職員が相談を受け、助言を行うことができると周知されている。ただし、ハラスメントに関しては、被害を受けたと感じた学生が迷わずに相談可能で、中立の立場の窓口を設置することが望ましい。(6.学生の支援) 22. 実務実習を控えた5年生の健康診断受診率は、5月時点で96.1%だったが、最終的な受診率は100%となった。しかし、医療系学部であることを鑑みて他の学年の受診率も100%とすることが望ましい。(6.学生の支援) 23. 薬学部としての留学生受入れや教職員・学生の海外研修等の実績は少なく、教員が海外に留学するための支援制度の設立等も含め、より活性化することが望ましい。(8.社会連携・社会貢献) |
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| 北陸大学 | 私 | 石川県 | 第2期 |
2023年度 |
適 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
北陸大学 総評 北陸大学薬学部は、北陸大学の建学の精神である「自然を愛し 生命を尊び 真理を究める人間の形成」を基として、「医療人としての倫理観、使命感、責任感及び高度な薬学の知識・技能を身につけ、臨床の現場で実践的な能力を発揮できる薬剤師を養成する」を人材養成の目的として定め、「卒業認定・学位授与の方針」、「教育課程編成・実施の方針」、「入学者受入れの方針」を制定し、6年制薬学教育を行っている。ほとんどすべての講義は撮影され、動画が公開されて学生の自学自習に利用されていること、及び上級生が下級生に教える「ピアサポート体制」が導入されていることなど学修支援体制の整備に努力している点は、北陸大学薬学部の特色と言える。しかしながら、内部質保証体制に関して、薬学部自己点検・評価委員会が十分に機能し
ているとは言い難い。「学修成果の評価指標(アセスメント・ポリシー)」に基づいて、薬学教育研究センターが主体となり、データ収集と検証に取り組んでいるものの、定期的な自己点検・評価は全学組織の主導のもとで行われているため評価基準は機関別評価の基準にとどまっており、薬学教育プログラムの自己点検・評価が不十分である。また、自己点検・評価において重要な位置をしめる学修成果の評価については、パフォーマンス課題で評価するなどの評価方法は構築されているが、学生の自己評価のみで実施されており、教育課程の編成及び実施の改善・向上への活用に至っていない。このような不備は、自己点検・評価の目的が薬学教育プログラムの改善・向上のためであることへの理解不足に起因しており、薬学部自己点検・評価委員会の役割を明確にしてチェック機能が十分に働くように改善する必要がある。薬学教育評価機構による第1期本評価及び再評価において入学定員充足率が低い点が指摘され、入学定員が段階的に削減されたが、依然低い状況である。2024年度入学者選抜では、さらに入学定員が大幅に削減されることになっており、今後の改善状況に期待したい。北陸大学薬学部は、人材養成の目的に基づいて熱意をもって教育研究に取り組む姿勢があり、第三者評価の指摘を真摯に受け止め改善する姿勢もうかがえる。今後、内部質保証体制を整え、自主的に薬学教育プログラムを自己点検・評価して、さらなる発展に努めることを期待する。
大学への提言
北陸大学 大学への提言 1)長所
1. 上級生が下級生に教える「ピアサポート体制」は、低学力者の学修支援だけでなく、教える側の学生の学力向上にもつながる特色のある学修支援方法として評価できる。(6.学生の支援) 2. 主要な講義室の5室にハイフレックス型授業撮影システムが整備され、撮影した授業は薬学部授業アーカイブで公開し、学生の復習や自学自習に利用されていることは、設備が学修支援に有効に活用されていることとして評価できる。(7.施設・設備) 3. 北陸三県の薬剤師会との連携及び市民講座等による啓蒙活動を行い、医療・薬学の発展と地域における保健衛生の保持・向上に積極的に取り組んでいることは評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 4. 学生が海外で学修できる教育プログラムを設定していることは、グローバルな視野を持った薬剤師の育成を行っている特色ある教育として評価できる。(8.社会連携・社会貢献) 2)助言 1. カリキュラム・ポリシーにおける学修成果の評価の在り方の記載が不明確であるので、科目レベル及びプログラムレベルの学修成果の評価の在り方をそれぞれ具体的に設定することが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. 教育研究上の目的及び三つの方針の定期的な検証について、学外識者の意見聴取を行い、薬学部教授会へ報告を行っているものの、教授会及び薬学部自己点検・評価委員会で十分議論するには至っていないので、薬学部として主体的に検証していくことが望まれる。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 全学教務委員会における学外識者からの意見聴取のみでは、薬学教育プログラムの自己点検としては不十分であるので、カリキュラムの体系性、学習内容など具体的な薬学教育プログラムに関する意見を十分に聴取できるように、薬学部自己点検・評価委員会に外部委員を含めることが望まれる。(2.内部質保証) 4. 教育研究活動の改善は、主に薬学部教務委員会の主導の下で行われ、薬学部自己点検・評価委員会の関与が十分でないので、今後、各ワーキンググループ等の改善案に対するチェックなどを通じて薬学部自己点検・評価委員会が主体となって改善のための活動を行うことが望まれる。(2.内部質保証) 5. 1年次「基礎ゼミⅠ」と2年次「基礎ゼミⅡ」は人の行動と心理に関する教育を主眼とした内容になっていないので、低学年における人の行動と心理に関する教育が体系的に行われるように改善することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 1年次の人の行動と心理に関する教育における中心科目の1つである「医療人」は講義と演習が実施されているが、SGDが1回しか実施されていないので、態度教育に適したアクティブラーニングを積極的に取り入れることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 7. 「薬学演習Ⅰ・Ⅱ」で行われているTBL/PBLでは知識レベルの課題が多用されているので、複数領域の知識・技能・態度を総合して活用するという当該科目の学修目標に適した課題・評価方法を開発して、深い学びをするようにアクティブラーニング型授業を行うことが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 8. 学生間の相互評価及び自己評価等の間接評価を成績評価に用いる場合は、客観性・正確性を持たせる工夫をして用いることが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 「アセスメント・マップ」に従った学修成果の評価の解析は緒についたところで、結果の活用までに至っていないので、学修成果の評価結果を教育課程の編成及び実施の改善・向上に活用することが望まれる。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 10. 総合型選抜方式の受験生のほとんどが選抜試験において合格となっていることや、プレイスメントテストの得点が他の選抜方式の学生より低いことから、学力の3要素に係る十分な学力を有しているとは言えないので、当該学生の資質・能力については、卒業まで注意深く検証していくことが望まれる。(4.学生の受入れ) 11. 入学定員の削減等の方策によって入学定員充足率は改善傾向であるが、入学者数と入学定員数との乖離をさらに改善することが望まれる。(4.学生の受入れ) 12. 助教の比率が低く50歳代以上の教員の割合が61.2%と年齢構成にもやや偏りがあるので、助教の増員などによって是正することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 13. 過去5年間において学術論文及び学会発表がまったくない教員が散見され、また、研究活動を積極的に行うべき准教授、講師、助教の担当授業時間は、教授と同等もしくは超えており、研究活動の低下が懸念されるので、教育研究活動の向上を図るために負担の軽減を検討することが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 14. ハラスメントに関する研修会は3~5年ごとしか実施されていないので、ハラスメントが教育研究に及ぼす影響の重大さに鑑み、研修会開催の頻度を高めることが望まれる。(5.教員組織・職員組織) 15. 卒業研究における各研究室への学生配属はおおむね3~5名でほぼ均等であるにもかかわらず、研究室の面積にやや大きな差があるのは、卒業研究の遂行や安全性に問題が生じる可能性があるので、卒業研究を実施する研究室の面積を是正することが望まれる。(7.施設・設備) 3)改善すべき点 1. カリキュラム・ポリシーのうち薬学専門科目などの項目において教育方法が記載されていないので、教育方法を具体的に設定する必要がある。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 2. アドミッション・ポリシーには多様な学生をどのように評価・選抜するか等が具体的に設定されていないので、設定することが必要である。(1.教育研究上の目的と三つの方針) 3. 「北陸大学薬学部自己点検・評価委員会規程」の改訂などを行って、薬学部自己点検・評価委員会が十分に機能するように改善することが必要である。(2.内部質保証) 4. 薬学部自己点検・評価委員会が自主的に評価基準を設け、組織的かつ計画的、定期的に自己点検・評価を行い、その結果を公表するように改善することが必要である。(2.内部質保証) 5. 一部の科目のシラバスにおいて記載の不備があるので、必要事項が記載されているかを精査してシラバスを改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 6. 6年次「総合薬学演習」において、実務領域に割り当てられているコマすべてと生物領域の一部を、予備校教師が担当しているので、専任教員が授業を行うように改善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 7. 教育課程及びその内容、方法の適切性の検証は、個々の科目の内容にとどまらず、カリキュラムの体系性、順次性及び学修成果の評価結果も考慮して実施するように改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-1教育課程の編成) 8. 一部の科目(下記1)~3))の成績評価に問題があるので、各科目において適切な成績評価の方法・基準を設定し、成績評価を公正かつ厳格に行うよう改善が必要である。 1)3年次「衛生環境系実習」は、実習科目にもかかわらず筆記試験70%で評価が行われている。 2)複数の科目において、追再試験及び最終試験の出題問題が、本試験と同一である。 3)1科目の再試験において、60点未満の学生を教員の裁量で合格としている。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 9. 留年生に再履修を認めることの意義は理解できるが、既修得科目の成績の上書きについては公正な成績評価とは言えないので、この規程については改善する必要がある。(3.薬学教育カリキュラム 3-2教育課程の実施) 10. 「学修ポートフォリオ」と「卒業認定コモンルーブリック」を用いた学修成果の評価方法は、学生が自己評価を行っており間接的な評価にとどまっているので、学生が身につけるべき資質・能力の評価として教員による客観性が高い評価も行うよう改善することが必要である。(3.薬学教育カリキュラム 3-3学修成果の評価) 11. 実習室及び研究室には有機溶剤による中毒が発生したときの応急処置等の事項に関する掲示がないので、それを掲示する、または安全データシートを準備するなどによって、適切に安全管理するよう改善することが必要である。(6.学生の支援) |
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| 第一薬科大学 | 私 | 福岡県 | 第1期 | 2018年度 | 継 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
第一薬科大学 総評第一薬科大学は、建学の精神である「個性の伸展による人生練磨」を基に、学則第1条 に教育研究上の目的とともに使命を定めている。また、薬学科と漢方薬学科の2学科それ ぞれにディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシーを定 め、6年制薬学教育を行っている。 教養教育は1~3年次に社会科学・人文社会系の教養科目、外国語科目を配置している。 ヒューマニズム教育・医療倫理教育およびコミュニケーション力の醸成教育は1年次から 展開しているが、体系的な科目編成や成績評価方法に懸念される点がある。薬学専門教育 は、それぞれの学科に特色ある科目を配置しつつ、薬学教育モデル・コアカリキュラムに 準拠して実施している。問題解決能力は、5、6年次の卒業研究を中心に醸成を図ってお り、また、チーム基盤型学習などのアクティブラーニングの手法を取り入れた授業を積極 的に取り入れている。 実務実習に関しては、4年次を中心に実務実習事前学習科目を配置し、5年次の病院・ 薬局実習で効果的な学習が実践できるように努めている。 学生の受け入れに対しては、アドミッション・ポリシーを定め、入学試験は7つの方式 を用いて、実施している。また、特待生入学試験の成績上位者に対し授業料を免除する制 度を用意しているが、経済的事情のため修学困難なものに対する大学独自の奨学金制度の 受給者は多くない。 教員の採用・昇任は、規定や内規に従って選考しているが、教員の専門分野と、その教 員が所属する研究室分野の専門性が一致しない例が認められる。なお、「教員による授業 の自己評価」はPDCAサイクルを活用した教員自身による教育改善として良い取り組み である。教員の研究環境および学生の学習環境は適切に整えられている。社会との連携で は、福岡県および福岡市薬剤師会、福岡県病院薬剤師会などと連携し、薬学に関する教育 研究の発展に努めている。また、海外の大学との国際交流も進めている。自己点検・評価に関しては、自己点検・評価委員会を設置し、日本高等教育評価機構の 基準に準拠した評価項目を取り入れ、6年制薬学教育を点検・評価している。 しかし、本機構の評価基準に照らして教育プログラムの内容を評価すると、多くの問題 が見出される。改善を必要とする重大な問題点は主に下記のとおりである。 (1) 「薬学演習」「薬学総合演習」「卒業研究Ⅱ」などの科目において、基礎資料およびシ ラバス記載に記載された開講期間(前期、後期、通年)、必須添付資料である時間割表 に示された開講日時、実際の授業スケジュール(訪問調査に合わせて提出された授業 カレンダー)がすべて異なっていることは、カリキュラムの適正な編成とその実施と いう観点において、カリキュラム・ポリシーに沿った教育が適切に実施されていない と判断する。したがって、カリキュラム・ポリシーに沿った教育が適切に実施できる ように授業の配当時期、期間を含めてカリキュラムを見直すことが必要である。 (2) 4年次の教育において、CBT(Computer Based Testing)対策科目である「薬学演 習」に極めて多くの時間が充てられており、過度に偏重していると判断されるので、 カリキュラムの改善が必要である。 (3) 卒業研究が正規の授業時間内に十分実施できるように時間を確保したカリキュラムに 改善すべきである。 (4) 実務実習事前学習は、実務実習モデル・コアカリキュラムが求めている授業コマ数に 足りず、その内容も異なると判断されるので、学習内容や方略を改める必要がある。 (5) 実務系教員の他、各分野の教授を各実務実習施設の担当責任者に充てているが、実際 の各施設の訪問指導教員の割り振りは研究室に任せられており、実務実習委員会の責 任の下で訪問指導教員を任命していない。さらに、訪問指導教員からの施設訪問報告 書の一部は回収されておらず、学生の実習状況の把握としては不適切である。 (6) 入学試験において、合格者数/受験者数が 80%を超える試験が多く認められること、 また学生のストレート卒業率が 20~35%であることは、大学が入学者に求めているモ チベーションや学力が適確に評価されていない可能性が強く示唆されるので、入学者 の適性を判断する方法や基準を再考すべきである。 (7) 履修科目に重複がない卒業留年生に、再履修を必要とせずに不合格科目の再試験の受 験を認め、再試験の合格をもって卒業を認定するという学士課程の修了認定制度は、 学生にとって公平かつ厳格な制度とは言えず、改善が必要である。(8) 大学の教育研究活動を教務的な視点のみならず、学生、入試などの業務組織の視点を 含めて大学全体を総合的に自己点検し、改善を図るPDCAサイクルを確立し、教育・ 研究活動のさらなる向上に繋げることが必要である。 今回の評価において「改善すべき点」として指摘した諸問題を教職員で共有し、改善に 取り組み、第一薬科大学としての6年制薬学教育を構築し、実施することを期待する。
大学への提言
第一薬科大学 大学への提言 1)長所
1. FD活動においては、教員相互の授業参観や講演会、セミナー参加など様々な活動が 企画、運営されている。研修会にも大半の教員が参加しており、適切な運営が行われ ている。また、「教員による授業の自己評価」では、「教員自身による授業評価」「学生 による授業評価に対するコメント」「昨年度の改善計画に対する自己評価」「次年度へ 向けての改善計画」を示すことで、より良い授業の実施に努めており、教員自身によ る教育改善としては良い取り組みであると評価できる。(10.教員組織・職員組織) 2)助言 1. 教育目標は、大学案内に、その全てが記載されず(4)のみが教育目標として掲載さ れているが、(1)~(3)も学外者や受験生に周知することが望ましい。(1.教育 研究上の目的) 2. 「早期臨床体験」の成績評価について、シラバスではSGD・実習等への貢献度・参 加度を50%、レポートを50%と示しているが、SGD・実習等への貢献度・参加度に ついて定量的な形成的評価は行われていないので、形成的評価が可能な評価方法を再 考することが望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 3. シラバスに授業への学外講師の関与やその役割(職種、所属などを含めて)、講義内 容を載せることが望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 4. 授業科目内で基礎と臨床の知見を相互に関連付けた教育が十分行われているとは言えないので、改善することが望ましい。(4.薬学専門教育の内容) 5. シラバスを見る限り、薬事行政や製薬企業に関わる人材が授業等に参画していないの で、これらの人材を活用することが望ましい。(4.薬学専門教育の内容) 6. シラバスの「実務実習事前学習」に記載されたGIO、SBOが、Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳお よび無菌操作の5つの領域のどこに相当するのかが分かりにくいので、学生が理解で きるよう、修正することが望ましい。(5.実務実習) 7. 5年次の2期、3期の実習開始直前の復習は行われていないので、実務実習の直前に 実務実習事前学習の到達度が確認されていることが望ましい。(5.実務実習) 8. 事前学習を実務家教員以外の教員に担当させる場合には、臨床現場で研修させるな ど、教員自身に薬剤師業務の知識、技能、態度を自ら修得させることが望ましい。 (5.実務実習) 9. 実務実習全体の学習成果に対する総合的な評価の指標が設定されておらず、それに基 づいた評価が実施されていないので、改善することが望ましい。 (5.実務実習) 10. 卒業論文の基本的な作成要項を作成し、学生に提示することが望まれる。(6.問題解 決能力の醸成のための教育) 11. 問題解決能力の醸成に向けた科目について、SGDやTBLなどのアクティブラーニ ングの手法を取り入れた授業は用意されているが、真の意味で、問題解決能力の醸成 を主眼としている科目が少ないので、問題解決能力の醸成に向けた科目について、そ の目標と教育手法を検証し、問題解決能力の醸成に向けた教育をより充実することが 望まれる。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 12. 公募制推薦入試や特待生チャレンジ入試に加え、募集数が最も多い一般入試およびセ ンター試験利用入試についても、学力に加えて医療人としての適性を評価するための 工夫を取り入れることが望ましい。(7.学生の受入) 13. 平成25年度、平成26年度、平成30年度における薬学科の入学定員充足率はそれぞれ、 1.18、1.17、1.12 と 1.1倍を超えており、今後の改善が望まれる。(7.学生の受入) 14. 学則や履修規程等に、留年した学生に対する上級履修の制限について規定を設けるこ とが望ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 15. 6年間の総合的な学習成果を測定するための有効な指標を設定し、評価することが望 ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 16. 新入生に対する ガイダンスでの説明内容について、6年間の薬学教育の全体像を俯 瞰できるように改善すべきである。 (9.学生の支援)17. 健康診断の受診率が、3年次生と6年次生が 80%以下と低いので、受診率を上げる努 力が望まれる。(9.学生の支援) 18. ハラスメント委員会活動報告書では、大学としてのハラスメント対策が不十分との意 見も出されており、ハラスメントに対する取り組みを充実させることが望まれる。(9. 学生の支援) 19. 専任教員数と収容定員数から算出される専任教員1名あたりの学生数は20.4名である ので、専任教員1名あたりの学生数を10名に近づけるよう教員を増員することが望ま れる。(10.教員組織・職員組織) 20. 専任教員全体のうち9名(17.6%、全員教授)が、大学の規定の定年である65歳を超 えており、この中には、授業担当時間数の少ない教授も存在し、他の職位の教員の負 担が増加している可能性があるので改善が望まれる。(10.教員組織・職員組織) 21. 非実験系教員に対する研究費ではなく、旅費に支給額の差があることは、非実験系教 員の自己研鑽の機会の制限につながると考えられるので、実験系教員と同額にするこ とが望ましい。(10.教員組織・職員組織) 22. 自己点検・評価委員会には外部評価委員を加えることが望ましい。(13.自己点 検・評価) 3)改善すべき点 1. 「目的および使命」は、学則だけでなく、大学案内、学生便覧、進級ガイダンス資料、 シラバス、ホームページにも記載すべきである。(1.教育研究上の目的) 2. 「薬学演習」「薬学総合演習」「卒業研究Ⅱ」などの科目において、基礎資料および シラバスに記載された開講期間(前期、後期、通年)、必須添付資料である時間割表 に示された開講日時、実際の授業スケジュール(訪問調査に合わせて提出された授業 カレンダー)がすべて異なっていることは、カリキュラムの適正な編成とその実施と いう観点において、カリキュラム・ポリシーに沿った教育が適切に実施されていない と判断する。したがって、カリキュラム・ポリシーに沿った教育が適切に実施できる ように授業の配当時期、期間を含めてカリキュラムを見直すことが必要である。(2. カリキュラム編成) 3. 薬学教育がカリキュラムに従って適正に行われている実態を、学生や社会が確認でき る時間割やシラバスを作成する必要がある。(2.カリキュラム編成) 4. 4年次の教育において、CBT対策科目である「薬学演習」に極めて多くの時間が充てられており、過度に偏重していると判断されるので、カリキュラムの改善が必要で ある。(2.カリキュラム編成) 5. 6年次は、前期に必修科目が3科目、選択科目が6科目実施され、後期に「薬学総合 演習」、「薬学総合演習試験」、学外業者による国家試験対策講座が設定されており、 正規の授業時間内に卒業研究の時間は確保されていないと判断される。したがって、 卒業研究が正規の授業時間内に十分実施できるように時間を確保したカリキュラムに 改善すべきである。(2.カリキュラム編成) 6. 平成29年度に設定した新カリキュラム・ポリシーに基づいて、カリキュラムの検証を 行うことが必要である。(2.カリキュラム編成) 7. 本来、3科目として設定された「基礎薬学演習Ⅱ」、「医療薬学演習」、「臨床薬学 演習」(通年、それぞれ、1、2、2単位)」を、「薬学演習」の1科目として、1 回の試験で成績判定し、一括して単位で付与しているという実態は、学則で規定され た科目が、適正に実施されていないことを示すものであり、改善が必要である。(2. カリキュラム編成) 8. ヒューマニズム教育・医療倫理教育のカリキュラムが体系的に編成されているとは言 えないので、再考する必要がある。(3.医療人教育の基本的内容) 9. ヒューマニズム教育・医療倫理教育に対応する科目において、SBOsの学習領域に 見合った適切な学習方略を用いて実施するよう、改善すべきである。(3.医療人教 育の基本的内容) 10. ヒューマニズム教育・医療倫理教育に対応する科目において、SBOsの学習領域に 見合った適切な指標を定めた評価が行えるよう、改善すべきである。(3.医療人教 育の基本的内容) 11. ヒューマニズム教育・医療倫理教育に対応する科目において、関連科目を総合した目 標達成度を評価する指標を定め、適切に評価することが必要である。(3.医療人教 育の基本的内容) 12. コミュニケーション能力の向上を目的とした科目において、SBOsの学習領域に見 合った学習方略を用いるよう、改善すべきである。(3.医療人教育の基本的内容) 13. コミュニケーション能力の向上を目的とした科目において、SBOsの学習領域に見 合った適切な指標を定めた評価が行えるよう、改善すべきである。(3.医療人教育 の基本的内容) 14. コミュニケーション能力の向上を目的とした科目において、また、関連科目を総合した目標達成度を評価する指標を定め、適切に評価することが必要である。(3.医療 人教育の基本的内容) 15. 実習科目の単位数が計7単位と少ないので、単位数を見直すことが必要である。(4. 薬学専門教育の内容) 16. 大学独自の科目や教育内容が、学生や第三者に理解できるようシラバスに明示する必 要がある。(4.薬学専門教育の内容) 17. 実務実習事前学習(「事前実習直前学習」を含む)は、実務実習モデル・コアカリキ ュラムが求めている授業コマ数に足りず、またその内容も異なると判断されるので、 授業コマ数、内容、方略を改める必要がある。(5.実務実習) 18. 実務実習事前学習の成績評価については、実務実習モデル・コアカリキュラムに示さ れた学習方略に対し、成績評価に占める知識に関する実習試験の割合が70%と高く、 実務実習事前学習の成績評価方法として適切ではない。したがって、実務実習事前学 習の目標達成度を評価するための指標をSBOsに基づいて適切に設定し、それに基 づいて適切に評価する必要がある。(5.実務実習) 19. 実務実習事前学習に関連した科目を含めた総合的な目標達成度を評価するための適切 な指標を設定し、それに基づいて適切に評価する必要がある。(5.実務実習) 20. 訪問指導教員については、実務系教員の他、各分野の教授を各実務実習施設の担当責 任者に充てているが、実際の各施設の訪問指導教員の割り振りは研究室に任せられて おり、実務実習委員会が責任を持って訪問指導教員を任命していない。その上、訪問 指導教員からの施設訪問報告書の一部が回収されておらず、学生の実習状況を大学が 適切に把握していない。すなわち、実務実習に対する大学の指導責任を果たしている とは言えない。したがって、学生の実務実習に対して大学として責任ある指導を行う ための体制を再構築することが必要である。(5.実務実習) 21. 実務実習の成績評価について、シラバスと、資料として提出された「実務実習の成績 評価方法」で異なる評価基準が示されており、学生に対する成績評価方法の開示とい う観点から、不適切と判断されるので、表記を一致させる必要がある。(5.実務実 習) 22. 「卒業研究Ⅰ」については、5年次3月までに実施した研究に関する要旨を提出させ るほか、評価表を用いて研究室の主任が成績を評価しているが、シラバスにはこの様 な成績評価方法は記載されていないので、その内容を学生に正しく開示できるよう、 シラバスを修正すべきである。(6.問題解決能力の醸成のための教育)23. 「卒業研究Ⅰ」や他の科目についても、「卒業研究Ⅱ」と同様にルーブリックなどを 利用して、目標到達度を評価するための指標を用いた成績評価を行う必要がある。(6. 問題解決能力の醸成のための教育) 24. 問題解決能力の醸成教育において、関連科目を総合した目標達成度を評価する指標を 定め、適切に評価することが必要である。(6.問題解決能力の醸成のための教育) 25. 入学試験において、合格者数/受験者数が80%を超える試験が多く認められること、 また学生のストレート卒業率が20~35%であることは、大学が入学者に求めているモ チベーションや学力が適確に評価されていない可能性を強く示唆するものである。し たがって、6年制薬学教育の実施に、より適切なモチベーションと学力を有する学生 を選抜できるよう、入学者の適性を判断する方法や基準を再考する必要がある。(7. 学生の受入) 26. 追試験の受験について、履修規程では、追再試験受験願いの事由が正当であることに 加えて「平素の履修状況および出欠状況が良好であって、受験資格があると認められ た者に限り、学部長が受験を許可する」と定められている。しかし、「出欠状況が良 好」が具体的に何を基準に判断されるかは明記されていないので、教員の主観的な判 断で学生に不公平が生じないよう、細則等で基準を具体的に定義することが必要であ る。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 27. 学生便覧の「Ⅳ 教務・履修関係」やガイダンス資料に、試験の受験資格として示さ れている「公欠があったとしても、公欠を含む授業欠席回数が授業時間数の3分の1 を超えた場合は、当該科目の受験資格を喪失する。」という規則については、履修規 程に明記されていないので、受験資格を定めている規程に附則として示すべきである。 (8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 28. ガイダンス資料に記載された「授業態度が悪いことによる欠席扱い」は、学生の受験 資格につながるものなので、根拠となる規程や基準 を設け、それに従って適正に運用 することが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 29. 「自己点検・評価書」では、学士課程の修了判定基準は、学生便覧にて学生に周知し ていると記述されているが、ガイダンスの資料には修了判定基準などは示されておら ず、学生に対してガイダンスで明確な説明と周知をしているとは判断できない。学生 に対する学士課程の修了判定基準の周知はガイダンスでも資料を基に実施すべきであ る。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 30. 6年次の国家試験受験準備教育科目である「薬学総合演習」の試験が不合格となることで卒業が認定されない学生が多数に及んでいる現状は、学士課程の修了認定が適正 に行われているとは言い難い。6年間の学習成果に対する客観的かつ適正な評価に基 づいて学士課程修了の認定ができるよう、学士課程の修了を認定する方法を改善する ことが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 31. 「薬学総合演習」については追試験を実施しておらず、やむを得ず欠席した学生に対 する公平な受験機会を用意していないのは問題であるので、制度を整える必要がある。 (8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 32. 履修科目に重複がない卒業留年生を卒業延期生とすることで、再履修を必要とせずに 不合格科目の再試験の受験を認め、再試験の合格をもって卒業を認定するという卒業 留年者に対する学士課程の修了認定制度は、学生にとって公平かつ厳格な制度とは言 えず、改善が必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 33. 教員の専門分野と、その教員が所属する研究室分野の専門性が一致しない例が認めら れることから、研究室が受け持つ専門科目の教育研究にふさわしい教育・研究上の指 導能力と高い見識を有する教員を採用し、それぞれの研究室に適切に配置する必要が ある。(10.教員組織・職員組織) 34. 自己点検・評価のための組織やその結果をフィードバックする体制は十分に整えられ ていないと判断されるので、自己評価体制を見直す必要がある。(13.自己点検・ 評価) 35. 大学の教育研究活動を教務的な視点のみならず、学生、入試などの業務組織の視点を 含めて大学全体を総合的に自己点検し、改善を図るPDCAサイクルを確立し、教育・ 研究活動のさらなる向上に繋げることが必要である。(13.自己点検・評価) |
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| 第1期 |
2023年度 |
適 |
再評価改善報告書 基礎資料 正誤票 |
再評価報告書
総評
第一薬科大学 総評第一薬科大学薬学部は、建学の精神である「個性の伸展による人生練磨」を基に、「広く 医療に関する専門的な知識・技能・態度を授け、実践的な能力を有する医療人を育成する ことを目的とし、医療福祉の向上、学術の深化に貢献する」ことを使命として定め、これ に基づき、6年制学科の薬学科と漢方薬学科の2学科に、それぞれ学位授与の方針(ディ プロマ・ポリシー(DP))、教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー(C P))、入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー(AP))を定めて6年制薬学教育 を行っている。第一薬科大学薬学部の教育プログラムは2018(平成30)年度に行った本評 価において、「カリキュラム編成」、「実務実習」、「学生の受入」、「成績評価・進級・学士課 程修了認定」、「自己点検・評価」に重大な問題点が見出され評価継続となったため、それ らの問題点に対する改善結果について再評価を行った。 「カリキュラム編成」に関しては、教務委員会、及び自己点検・評価委員会が連携して 薬学教育カリキュラムを定期的に検証して改革している。2022年度以降入学者適用カリキ ュラムは2022年度に改定されたCPに基づいて編成されており、1年次~6年次にわたっ て順次性をもって専門教育科目の基礎力定着から臨床薬学の実践的な知識・技能を身につ けるように、計画されている。また、卒業研究を正規の授業時間内で十分実施できるよう に配置し、薬学共用試験や薬剤師国家試験の合格のみを目指した教育に過度に偏らないよ うに図られている。ただし、2022年度以降入学者適用カリキュラムは、現在2年次前期まで実施された状態で、3年次以上の授業科目は未実施であるので、今後カリキュラムを実 施しつつ、継続的に検証して、必要に応じて改善していくことが望まれる。なお、CPを 学生に周知するガイダンス資料にはいくつか間違いがあり、CPを学生に周知するガイダ ンスを適切に実施するように改善することが必要である。 「実務実習」に関しては、「事前学習」、「実務実習直前学習」を含めて「薬学教育モデル・ コアカリキュラム平成25年度改訂版」(改訂モデル・コアカリキュラム)に準拠して適正に 実施されている。薬学共用試験は「2022年度薬学共用試験実施要項」に基づいて公正かつ 円滑に実施されている。「事前学習」の成績評価は、以前はその評価に占める筆記試験(知 識)の割合が高かったが、2022年度ではその割合を少なくし、改訂モデル・コアカリキュ ラムに示す学習目標の到達度を評価するのに適した評価が行われるように改善されている。 「実務実習」の成績評価は、病院、薬局ともに、指導薬剤師による実務実習評点表の評価 と、実務実習生担当教員による態度及び実務実習書の評価によって行われている。 「学生の受入」に関しては、APを定め、それに基づいて、入学試験は8つの区分で行 われており、共通テスト利用選抜試験方式では学力だけであるが、それ以外の7つの入試 区分では面接による適性の評価、及び入試区分に応じた学力の評価が行われている。しか し、入試においての合格者数/受験者数の比率が高く、1年次、2年次での退学者が多く、 ストレート卒業率が低いことなど、これらの入学者選抜試験の結果と修学状況から、大学 が6年制学科の入学者に求めているモチベーションや学力が、入学者選抜において適確に 評価されていないと考えられるので、受験者を適切に評価するための選抜方法や基準によ り入学者選抜を行うように改善する必要がある。 「成績評価・進級・学士課程修了認定」に関しては、DPは建学の精神と学科ごとの教 育目標に基づいて設定し、おおむね公正かつ厳密に行われている。ただし、実質的に「薬 学総合演習」1科目の合否により卒業判定がなされている現状は、本評価時から改善され ておらず、6年間の学修成果に対する適正な評価に基づいて学士課程修了の認定ができる ように、学士課程の修了を認定する方法をさらに改善することが必要である。 「自己点検・評価」に関しては、自己点検・評価委員会を設置し、6年制薬学教育の内 部質保証を目的とした自己点検・評価が行われ、6年制薬学教育の実施に関連した一部の 問題点は改善されているが、自己点検・評価の結果が教育研究活動の改善に活用されてい るとはいえない点があるので、教育研究活動を総合的、多面的に自己点検し、問題点の改 善を図るPDCAサイクルを十分に機能させ、教育研究活動のさらなる向上に繋げること が必要である。以上のように、第一薬科大学薬学部は、本評価において指摘された多くの問題点に対し て真摯に改善に取り組んでおり、未だ改善されていない事項はあるものの、本評価におい て適合と判断されていた諸中項目を合わせて、本機構の定める「薬学教育評価 評価基準」 に適合していると判断できる。 第一薬科大学薬学部には、再評価で指摘された改善すべき点と助言、及び本評価の提言 への対応が十分にはなされていない問題点の改善に取り組み、薬学教育のさらなる向上に 努めることを期待する。
大学への提言
第一薬科大学 大学への提言1)助言
1. 2015(平成 27)年から 2021 年までのカリキュラムマップは、カリキュラムの順次性や 統合性などもわかるカリキュラムツリーとしての性質が付与されているのに対し、 2022 年度以降の入学生に適用しているカリキュラムマップは、科目と「薬剤師として 求められる基本的な資質・能力」との関係性が示されていないので、これを明示するよ うに改善することが望まれる。(2.カリキュラム編成) 2. 2022 年度以降の入学生に適用しているカリキュラムマップは、順次性や統合性が分か りにくいので、これらを学生が理解できるようにカリキュラムマップの他にカリキュ ラムツリーも作成することが望まれる。(2.カリキュラム編成) 3. 新たに導入する「科目横断演習 IV〜VI」、「科目複合演習Ⅰ,Ⅱ」のシラバスの内容は 学習項目を羅列したものであり、1年後期に実施された「科目横断演習Ⅰ」の演習課題 は、知識を記憶する課題が多く、統合的な能力が学生の身につくようにデザインされ てはいないので、薬剤師として求められる統合的能力を醸成する授業内容となるよう に授業計画を見直し、適切な学習課題、学習方法、評価方法を用いた授業を計画・実施 していくことが強く望まれる。(2.カリキュラム編成) 4. 問題解決能力を醸成する科目として実習科目を挙げているが、低学年の実習では、体 験的な学習方法により知識を学ぶ内容が多いので、低学年から学年進行に応じて、問 題発見・問題解決能力を醸成するよう、カリキュラムの内容を充実させることが望ま れる。(2.カリキュラム編成) 5. 2022 年度以降入学者適用カリキュラムは、現在2年次前期まで実施された状態で、3 年次以上の学年を対象とする授業科目は未実施で、シラバスも提示されておらず、カ リキュラムが改善途上にあるので、今後カリキュラムを実施しつつ、継続的に検証し て、必要に応じて改善していくことが望まれる。(2.カリキュラム編成) 6. 実務実習のルーブリックを用いる評価による学習の成果・効果について、評価指標の 適切性を含めて評価結果の解析を行い、その結果とともに、「実務実習事前学習」以外 の事前学習の科目を含めた、「事前学習」の総合的な目標達成度の評価に適切な指標を 設定し、総合的な評価を実施する方法の改善をさらに進めることが望まれる。(5.実 務実習)7. 実務実習生担当教員としての助手が担当する業務内容が明確ではないので、業務を明 らかにしたうえで、実務実習生担当教員として求められる基準を定め、その基準に基 づいて適切性を評価することが望まれる。(5.実務実習) 8. 実務実習生担当教員による態度の評価において、評価の内容が本来の学修目標にそぐ わないものが多くあるので、学修目標を適切に評価できるように評価の内容を改善す ることが望まれる。(5.実務実習) 9. 留年した学生が上位学年配当の授業科目を履修できないことを留年生ガイダンスの資 料に明記し、学生に周知することが望まれる。(8.成績評価・進級・学士課程修了認 定) 10.新しいカリキュラムが導入された 2022 年度では卒業率が低いので、2022 年度以降の 入学者から適用される 2022 年度以降入学者適用カリキュラムによる改善の効果を継 続的に追跡調査・分析して原因を抽出し、その改善による卒業率の向上が望まれる。 (8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 11.ディプロマ・ポリシーに示された、卒業時に身につけるべき資質能力の総合的な学修 成果の評価について、学修成果を可視化するためのアセスメントの指標は定められて おらず、学修成果の評価が実施されていないので、総合的な学修成果を測定する指標 を設定し、それに基づいて測定することが望まれる。(8.成績評価・進級・学士課程 修了認定) 12.ディプロマ・ポリシーに示された、卒業時に身につけるべき資質能力の総合的な学修 成果の評価指標の設定と評価の実施方法などについてカリキュラム・ポリシーに具体 的に記載することが望まれる。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 13.2022 年度の委員会活動の点検・評価書における達成度の表現が統一されておらず、第 一薬科大学薬学部の自己点検・評価委員会作成の自己点検・評価書の評価項目との関 係も明示されていないので、達成度の表現の統一、及び薬学部の自己点検・評価書の 評価項目との関係を明示してPDCAサイクルを十分に機能させることが望まれる。 (13.自己点検・評価) 14.教学IR委員会が提供するデータとその解析に基づいて、薬学教育カリキュラムの改 善を行うことが望まれる。(13.自己点検・評価) 2)改善すべき点 1. 4月のガイダンスにおいて、たとえば、カリキュラム・ポリシーを学生に周知するガイダンス資料では、2022 年度の薬学科1年次生の資料のタイトルが「漢方薬学科」に (内容は薬学科のカリキュラム・ポリシー)、漢方薬学科の1年次生及び1年次留年生 のカリキュラム・ポリシーが薬学科の1年次生のカリキュラム・ポリシーに、漢方薬 学科の5年次生のカリキュラム・ポリシーが薬学科のカリキュラム・ポリシーになっ ているほか、ディプロマ・ポリシー、アドミッション・ポリシーの資料もガイダンス の対象となる学科とポリシーの対応に誤りが多い。これは、教育課程の編成・実施の 方針が学生に周知されているといえない状況なので、学生に対して3つのポリシーを 正確に伝えるように改善する必要がある。(2.カリキュラム編成) 2. 入学者選抜試験の結果と修学状況から、大学が6年制学科の入学者に求めているモチ ベーションや学力が、入学者選抜において適確に評価されていないと考えられるので、 受験者を適切に評価するための選抜方法や基準により入学者選抜を行うように改善 する必要がある。(7.学生の受入) 3. 6年次留年生に対して開講されている「薬学総合演習」は、シラバスには通期科目と 記載されているが、実際には前期終了時に単位認定している。6年次留年生に対して 前期に集中して開講する場合も再履修として通常の通期科目と同様の内容の授業と 試験を行うべきであり、適切な単位認定のためにシラバスへ対象学年、開講時期、授 業の内容等を明記するように改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修 了認定) 4. 「薬学総合演習」1科目の合否により卒業判定がなされている状況は、本評価時から 改善されていないので、6年間の学修成果に対する適正な評価に基づいて学士課程修 了の認定ができるように、学士課程の修了を認定する方法をさらに改善する必要があ る。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定) 5. 中項目2の教育課程の編成・実施の方針の学生への周知、中項目8の学士課程の修了 認定の在り方を含めて、自己点検・評価の結果が教育研究活動の改善に活用されてい るとはいえない点があるので、教育研究活動を総合的、多面的に自己点検し、問題点 の改善を図るPDCAサイクルを十分に機能させ、教育研究活動のさらなる向上に繋 げることが必要である。(13.自己点検・評価) |
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| 国際医療福祉大学 | 私 | 栃木県 | 第1期 | 2019年度 | 継 |
自己点検・評価書 基礎資料 正誤票 |
評価報告書
総評
国際医療福祉大学 総評国際医療福祉大学薬学部薬学科は、医療福祉系総合大学の一学部として開設され、建学の理念に基づいた薬学部の「教育研究上の目的」が学則上に明記されている。さらに、薬学部の単一学科である薬学科の目的は、「国際医療福祉大学教育研究上の目的を定める規程」に記載されている。薬学教育カリキュラムは、基礎教育から専門教育へと学年の進行に沿って編成されているが、カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成・実施の方針)が教育課程の編成と実施方針として設定されているとは言えない。4、6年次のカリキュラムが薬学共用試験(CBT(Computer Based Testing))および国家試験対策に過度に偏ったものとなっており、カリキュラム編成が適切であるとは言い難い。また、カリキュラムに関してこういった問題点を点検し、必要に応じた変更を行う体制が機能しているとは言えない。医療人教育の基本となる教育は、系統的に行われてはいるが、ヒューマニズム教育・医療倫理教育、コミュニケーションの基本的能力を身につけるための教育などに、カリキュラム編成の不備や学習方略・評価方法などに関する問題点が認められる。教養系科目は医療福祉系総合大学の特色を活かして、幅広い科目が開講されているものの、実際に選択できる科目は少ない。薬学専門教育に向けた準備教育やリメディアル教育は、入学前教育から開始されているが、入学後の教育は学生の入学前の学修歴を考慮した対応になってはいない。なお、安全教育はおおむね適正に実施されている。薬学専門教育の構成・内容は、薬学教育モデル・コアカリキュラムに準拠しており、大学独自の専門科目も医療福祉系総合大学の特色を活かして多く開講されている。実務実習の事前学習は、実務実習モデル・コアカリキュラムに基づいて行われており、薬学共用試験(CBTおよびOSCE(Objective Structured Clinical Examination))は、薬学共用試験センターの「実施要項」に基づいて適切に実施されている。実務実習施設への配属は、学生の希望や居住地を考慮して決定されており、薬局は関東地区調整機構、病院は大学附属病院、独自の契約病院、および関東地区調整機構により適切な規模のもの- 2 -が選定されている。卒業研究は5、6年次の必修科目として設定され、5年次の実務実習期間を除き、6年生の9月までがそのための期間として配置されており、卒業研究の時間は、単位数(4単位)に対応する時間が確保されている。卒業研究発表会は毎年9月上旬に薬学部主催で開催され、卒業論文は9月末までに提出されている。入学者選抜は、多様な志願者に対応できるよう6つの形式で実施されているが、合格者の決定に薬学部教授会の意見が反映できる制度となっていない。また、1、2年生において留年者、退学者が多いことから、入学者選抜において入学後の教育に求められる基礎学力を適確に評価する必要がある。成績評価の方法・基準は学則で規定され、学生に周知されており、各科目の成績評価はそれに基づいて行われている。評価結果に疑義がある場合は、答案の開示等が行われ、異議申し立てを行うことができるなど、公正な成績評価を行う体制が出来ている。進級と卒業の判定は、規程に沿った判定基準で厳正に行われているが、卒業の可否判断が実質的には国家試験受験に向けた演習科目である「特別薬学講義・演習」の合否に基づいて行われていることは好ましくない。学生の生活支援に関しては、奨学金制度の充実、学生相談室の設置など支援体制の整備がなされている。また、学生生活アンケートの実施など、学生の意見の抽出も行われて改善に結び付けている。専任教員数は大学設置基準を満たしているが、教育研究業績が十分ではない教員に対する学部からの指導、教員に対する教育研究費や卒業研究指導に係る経費の配分、研究時間への配慮が適切に行われているとは言えない。教育研究に必要な施設、設備、図書などの学習環境は整えられており、医療界との交流・連携などに関しては、複数の教員が地域の薬剤師会、病院薬剤師会の役員として、または、国や県の行政機関の委員会や審議会の委員として活動している。薬学教育プログラムについては、薬学部として適切な項目に対して自己点検・評価を行う体制・組織の整備が必要であり、特にカリキュラム編成、シラバス等について十分な自己点検・評価が行われているとは言えない。教育プログラムの質の担保と改善に向けて、自己点検・評価を恒常的に行い、その結果を教育研究活動の改善に反映するよう真摯かつ適切に取り組む必要がある。以上のように、国際医療福祉大学薬学部薬学科の薬学教育プログラムは、本機構の評価基準に照らして評価すると、多くの改善を必要とする重大な問題が見出される結果となっ- 3 -た。今回の評価で「適合水準に達していない」と評価された「中項目」について、末尾の「改善すべき点」で指摘されている問題点を中心として、全面的な改善を図り、再評価を申請されると共に、それら以外の中項目に関しても「改善すべき点」で指摘されている問題点の改善に努め、国際医療福祉大学薬学部の6年制薬学教育の向上・発展を図られることを期待する。
大学への提言
国際医療福祉大学 大学への提言1)助言1. 「国際医療福祉大学教育研究上の目的を定める規程」の薬学科の項に、上位規程となる学則が定めている「研究」への言及がないことは好ましくないので、学則と整合するよう修正することが望ましい。(1.教育研究上の目的)2. 薬学部の教育研究上の目的に「国際性」に関する内容を含めるようにすることが望ましい。(1.教育研究上の目的)3. 教職員に対して「教育研究上の目的」をFDなどを通じて周知することが望ましい。(1.教育研究上の目的)4. 教育研究上の目的について定期的に検証するよう努めることが望ましい。(1.教育研究上の目的)5. カリキュラム・ポリシーの周知のために教職員を対象としたFDを開催することが望ましい。(2.カリキュラム編成)6. 薬学部ホームページでカリキュラム・ポリシーを公表することが望ましい。(2.カリキュラム編成)7. 英語教育は実質的には1年次、2年次の必須科目での教育にとどまっており、3~6年次までの選択科目の履修者が極めて少ないので、履修者を増やす工夫をすることが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容)8. 薬学専門領域の英語学習について、系統的な教育体系を整えることが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容)9. 薬害、医療過誤、医療事故防止などに対する医療安全教育において、被害者の家族や弁護士などによる講義、講演会を実施することが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容)10. 大学が主体となった生涯学習の意欲醸成のための直接的かつ体系的なプログラムが行われていないので、改善することが望ましい。(3.医療人教育の基本的内容)11. 独自性の高い「医療系総合大学の特徴を活かした科目」の履修を容易にするように時間割編成を考慮することが望ましい。(4.薬学専門教育の内容)12. 「病院・薬局事前実習Ⅰ」では、実務実習モデル・コアカリキュラムではない演習(基礎科目のCBT対策とみられる演習)については、内容を変更するなどの改善が望まれる。(5.実務実習)13. 実習全体の総合的な学習成果を適切な指標に基づいて評価することが望ましい。(5.- 39 -実務実習)14. 卒業研究の実質的な実施時間がシラバスおよび時間割上の設定期間・時間と乖離しているので、卒業研究の実質的な実施時間を反映した時間割の配置および単位設定に努めることが望ましい。(6.問題解決能力の醸成のための教育)15. 「研究マインド養成講座」および「集中講義」を「卒業研究の一部」と位置付けていることは適切でないので改善することが望ましい。(6.問題解決能力の醸成のための教育)16. 卒業研究(発表会・論文)の評価を公正かつ厳格に実施するシステムを整えて、実質的に複数教員によって実施するように努めることが望ましい。(6.問題解決能力の醸成のための教育)17. 問題解決能力醸成科目の単位数を基準にある18単位以上に増やすことが望ましい。(6.問題解決能力の醸成のための教育)18. 薬学部ホームページにアドミッション・ポリシーを掲載することが望ましい。(7.学生の受入)19. 医療人としての適性を評価する工夫として、全ての入試制度で面接を取り入れることが望まれる。(7.学生の受入)20. 一部のシラバス(「生命倫理」「化学系薬学実習Ⅰ」「特別薬学講義・演習」)に評価寄与率の記載漏れがあるので、記載することが望ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)21. 各学年はじめに進級条件を新たに説明することが望ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)22. ディプロマ・ポリシーを教職員に周知するためにFDを開催することが望ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)23. ディプロマ・ポリシーを薬学部ホームページに掲載することが望ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)24. 「特別薬学講義・演習」では、薬剤師教育の態度に関する形成的評価は行われておらず、6年間の教育成果の総合的な評価にはなっていないので、適切な評価法を確立して実施することが望ましい。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)25. 実験実習における教員1名あたりの担当学生数が20人を超えている一部の実習(基礎薬学実習(物理)、物理系薬学実習)については、安全性を考慮し、早急に担当教員を増員して担当学生数を20人以下にすることが望ましい。(9.学生の支援)- 40 -26. 医師教員は薬学部では実務家教員には分類されないので実務家教員の員数から除外することが望ましい。(10.教員組織・職員組織)27. 専任教員1名あたりの学生数が20名を超えているので、教育水準の一層の向上を図るために専任教員数の増員が望ましい。(10.教員組織・職員組織)28. ホームページ上の教員の活動の開示では、一部の教員では5年以上前の情報が記載されているので、毎年更新することが望ましい。(10.教員組織・職員組織)29. 薬学部担当職員の増員を行うことが望ましい。(10.教員組織・職員組織)30. 職員と教員との意見交換などを通した事務職員の資質向上の体制を整備することが望ましい。(10.教員組織・職員組織)31. 薬学部独自のFD、SD(事務職員と教員、技術職員等を対象)が行われていないので、開催することが望ましい。(10.教員組織・職員組織)32. 卒業研究に使用できる学生1人あたりのスペースが十分でない研究室があるので、卒業研究が十分実施可能となるような環境を整備することが望ましい。(11.学習環境)33. 薬学部が主体となった卒後研修プログラムの提供が行われていないので主体的に実施することが望ましい。(12.社会との連携)34. 主キャンパスが所在する大田原地区での公開講座が開催されていないので開催するよう努めることが望ましい。(12.社会との連携)35. 英文ホームページに研究内容を掲載するなど薬学部の教育研究活動を広く海外に発信することが望ましい。(12.社会との連携)36. 教員の海外留学が行われていないので体制を整え機能させることが望ましい。(12.社会との連携)37. 自己点検・評価を行う組織に外部委員を含むように努めることが望まれる。(13.自己点検・評価)2)改善すべき点1. 薬学部ホームページ上に教育研究上の目的を掲載するように改善する必要がある。(1.教育研究上の目的)2. カリキュラム・ポリシーを教育目標の列挙ではなく、「教育研究上の目的」およびディプロマ・ポリシーを達成するための方針となるように改善する必要がある。(2.カリキュラム編成)- 41 -3. カリキュラムを・ポリシーを設定する体制が機能しているとは言えないので、定期的な見直しを行うなど適切に機能するように改善する必要がある。(2.カリキュラム編成)4. 4、6年次後期において、予備校が担当する共用試験および国家試験対策と考えられる講義に正規科目が配置されるべき多くの時間数を割り当てているなど、高学年の教育が薬学共用試験および薬剤師国家試験の合格のみを目指した教育に過度に偏っているので、改善が必要である。(2.カリキュラム編成)5. カリキュラムの構築と教育効果の検証、これに基づいた改善等の迅速な対応を行う体制を整え、機能させるように改善する必要がある。(2.カリキュラム編成)6. 医療人教育の基本として重要な意味を持つヒューマニズム教育・医療倫理教育に関わる科目の設定が適切ではないことは、こういった教育が十分に行われていないことを意味しており、改善が必要である。(3.医療人教育の基本的内容)7. ヒューマニズム教育・医療倫理教育として不適切な科目以外の科目でも、多くの科目が座学に留まっており、SGD等の能動的学習方法を採用している科目が少ないので、改善が必要である。(3.医療人教育の基本的内容)8. ヒューマニズム教育・医療倫理教育科目において、学習成果を総合した目標達成度の指標を示した評価が行われていないので、改善することが必要である。(3.医療人教育の基本的内容)9. コミュニケーション能力および自己表現能力を涵養する科目において、学習成果を総合した目標達成度の指標を示した評価が行われていないので、改善することが必要である。(3.医療人教育の基本的内容)10. 新カリキュラムの英語科目において、「書く」に関する要素を実施する必要がある。(3.医療人教育の基本的内容)11. 入学後のリメディアル教育が学生の入学までの学修歴等を考慮した教育プログラムとなっていないので、改善することが必要である。(3.医療人教育の基本的内容)12. 早期体験実習において実施されている、薬剤師が活躍する現場の見学は実質的に1分野なので、全員が大学の設定した全分野にわたって広く見学できる体制をつくる必要がある。(3.医療人教育の基本的内容)13. 医療人教育については、薬学6年制教育において重要な意味を持つヒューマニズム教育・医療倫理教育を始め、カリキュラム編成や学習方法、目標達成度の評価などに多くの問題点が認められる。これらについて、薬学教育カリキュラムの構築を担う「薬- 42 -学部教務委員会」による点検・改善に向けた早急な対応が必要である。(3.医療人教育の基本的内容)14. 大学独自教育科目について、独自の科目および独自のSBOsであることが示されていないので、シラバス等に明示することが必要である。(4.薬学専門教育の内容)15. 事前学習の評価において総合的な目標達成度の評価が行われていないので、改善が必要である。(5.実務実習)16. 問題解決能力を醸成する科目において、能動的教育を実施している時間数と内容がシラバスに明確に示されていないので、改善する必要がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育)17. 卒業研究を含めた問題解決能力の醸成に関する科目の成績評価において、個々の科目を総合した問題解決能力の醸成に対し、目標達成度の評価が行われていないので、改善する必要がある。(6.問題解決能力の醸成のための教育)18. 入学者の決定に際して、薬学部教授会には、入試判定会議による決定事項が報告されるのみで、合否判定には直接関与していないので、改善する必要がある。(7.学生の受入)19. 低学年の留年率・退学率が高い状況は、入学者選抜において入学後に必要な基礎学力が適確に評価されていないことを示しているので、合格とする基準を見直すなど、入学者選抜を改善すべきである。(7.学生の受入)20. 学力不足の入学者に対する、入学後のリメディアル教育の充実など、適切な対策を講じることが必要である。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)21. 薬剤師国家試験の対策科目としての性格が強い「特別薬学講義・演習」の試験が卒業試験として扱われ、卒業の可否が事実上この試験の合否によって決められていることは、学士課程の修了をディプロマ・ポリシーの到達によって判定しているとは言えないので、改善する必要がある。(8.成績評価・進級・学士課程修了認定)22. 過去5年間の業績が全くないか極めて少ない教員や教育に関する業績がほとんどない教員が見られるので、これらの教員に対しては、学部として適切な教育研究活動を行うよう指導する対応が必要である。(10.教員組織・職員組織)23. 各教員に対する個人教育研究費が予算化されていない制度を改め、予算化して配分するように改善する必要がある。(10.教員組織・職員組織)24. 卒業研究を指導するための経費が予算化されていない制度を改め、予算化して指導教員に配分するように改善する必要がある。(10.教員組織・職員組織)- 43 -25. 講義・実習の担当時間が過大な教員がいるので、研究時間が十分確保できるように改善する必要がある。(10.教員組織・職員組織)26. 薬学部独自の自己点検・評価を行う組織が常置され、機能しているとは言えないので、改善が必要である。(13.自己点検・評価)27. 薬学部独自の自己点検・評価書が作成されていないので、改善が必要である。(13.自己点検・評価)28. 本来大学が恒常的に行うべき教育プログラムに関する自己点検・評価とその結果の教育研究活動の改善への反映に対する恒常的・継続的な取り組みが十分に行われていないので、自己点検・評価・改善を担う体制を早急に整え、真摯かつ適切に機能させるように改善することが必要である。(13.自己点検・評価)
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異議審査書 |
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| 第1期 |
2023年度 |
適 |
再評価改善報告書 基礎資料 正誤票 |
再評価報告書
総評
国際医療福祉大学 総評国際医療福祉大学薬学部は、教育研究上の目的に基づき学位授与の方針(ディプロマ・ ポリシー;DP)、その達成に向けた教育課程の編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシ ー;CP)、入学者受入方針(アドミッション・ポリシー;AP)を定めて6年制薬学教育 を行っている。 国際医療福祉大学薬学部の教育プログラムは、2019年度に行った本評価に おいて、「カリキュラム編成」、「医療人教育の基本的内容」、「学生の受入」、「教員 組織・職員組織」、「自己点検・評価」に重大な問題点が見出され評価継続となったため、 それらの問題点に対する改善結果について再評価を行った。 国際医療福祉大学薬学部では、2019年度にDPおよびCPの再検討を行い、新しく策定 されたDP・CPに基づいて、2020年度にカリキュラムを再編した。また、これらを見直 すために「総合カリキュラム検討委員会」、「ポリシー検討部会」、「薬学部自己点検・評価 委員会」が設置され、改善に向けての体制が整備された。このカリキュラム編成に伴い、 CBT(Computer Based Testing)対策の色合いが強かった「薬学演習Ⅰ・Ⅱ」、国家試験 対策としての「総合薬学演習Ⅰ・Ⅱ」にSGD(Small Group Discussion)を導入するな どの変更が図られた。しかしながら、これら演習科目では選択肢式の問題が多数使用され CBTあるいは国家試験対策の側面も色濃く残されており、さらに「総合薬学演習Ⅰ・Ⅱ」 の合否が実質的に国家試験の受験資格となっていることから、国家試験対策に過度に偏っ ているとまでは言えないが、これら科目の合否判定と国家試験の出願を切り離すなど、さらなる改善が求められる。 医療人教育の基本的内容については、2019年度の薬学教育評価機構本評価での指摘事項 への対応として関連科目の内容が見直され、サポート体験とディベート、SGDと発表会 などが導入された。また、「薬学演習Ⅰ・Ⅱ」や「総合薬学演習Ⅰ・Ⅱ」の中に、ヒューマ ニズムや医療倫理の育成を目的としたSGDやレポート作成が追加された。しかしながら 実際には、これら科目は専門教育の復習が主な目的となっており、SGD等の導入を持っ てヒューマニズムや医療倫理の育成を目的とする科目と捉えることは難しく、ヒューマニ ズムなどの育成を目的とする内容は別科目として設定する必要がある。 医療人教育については、「総合カリキュラム検討委員会」などを立ち上げて再検討され、 改善が図られている。ヒューマニズム教育・医療倫理教育の学修成果を総合的に評価する 方法として「コンピテンシーに基づく到達度評価」が導入され、現在はトライアルの段階 だが、改善に向けた努力がなされている。 教養教育については、「総合講義(現代社会をどう見るか)」などが、社会のニーズに即 した選択科目として追加された。また、DP6 医療の担い手を目指す者として、幅広い教養 と豊かな人間性を育み、生涯にわたって自他ともに研鑽しあえる姿勢および意欲を有して いる。」への到達を重視して、「医療必修-医療の倫理とプロ意識・医療情報」などが、必修 科目として設定された。英語教育の一環として、5年次に「英語による服薬指導演習」が 設けられ、英語での服薬指導のロールプレイを実施していることは、評価できる。 医療安全教育については、「医薬品安全性学」などにおいて、2019年度の本評価で指摘さ れた事項の改善が図られた。生涯学習の意欲醸成のためのプログラムについては、卒業生 を招いた講演会などが導入され、改善された。生涯学習については、「生涯学習プログラム 検討委員会」が設置され、2019年度に2020年度以降の生涯学習プログラムの内容が見直さ れた。 学生の受け入れについては、薬学教育評価機構本評価での指摘を受けて設置された「薬 学部教員代表者会議」で合格者選抜が行われることとなった。2019年度以降は、総合型選 抜と学校推薦型選抜の合格者を増やして学修に意欲を持つ入学者を確保した結果、補欠合 格者数は減少しており、それに伴い、2019年度~2021年度の1年次の進級率は91~92%と 2018年度の85%より高くなっている。しかしながら、ストレート卒業率は約60%であり、 入学者選抜に当たって、入学後の教育に求められる基礎学力が適確に評価されているとは 言い難く、既に着手されてはいるが、入試問題や補欠入学の再検討、補欠入学者の入学後 の状況、進級率、留年者及び退学者の詳細な解析など、入試選抜方法のさらなる改善が期待される。 教員組織・職員組織については、2022年5月現在の専任教員数は41名(実務家教員13名) であり、大学設置基準の必要専任教員数を満たしている。なお、2023年度に教員3名が増 員され、専任教員1名当たりの学生数は24.5名に改善されたが、専任教員数のさらなる増 加が望まれる。専任教員についての職階ごとの構成は、おおむね適正なものとなっている。 教員の採用は適正に行われているが、選考過程において模擬講義は実施されておらず、教 育上の指導能力を評価する上で模擬講義等の導入が望まれる。2019年度の本機構からの指 摘に従って薬学部事務職員5名が配置された。また、薬学部独自のグッドティーチング賞 を制定し、受賞者が薬学部FD(Faculty Development)にて発表し質疑応答を行うことで 教員の質向上を目指していることは、評価できる。 研究活動に関しては、本評価での指摘を受け、教員の自己点検報告書を基に学部長と学 科長が業績を評価する体制が整えられ、全教員の業績が適切に評価されるようになった。 FD、SD(Staff Development)については適切に実施されている。 自己点検・評価については、「薬学部自己点検・評価委員会」が中心となり、「総合カリ キュラム検討委員会」、「進級率向上委員会」などの各委員会において、適宜必要な対応が なされている。しかしながら、現段階での対策の多くは2019年度の本評価受審時に指摘さ れた事項に対する取り組みであり、6年制薬学教育の内部質保証を図るためには、独自の 評価項目を設定し、自主的に6年制薬学教育プログラム全体の自己点検・評価を統合的恒 常的に行い、その結果を教育・研究活動の改善に役立てることが求められる。 以上のように、国際医療福祉大学薬学部は、本評価において指摘された多くの問題点に 対して真摯に改善に取り組んでおり、本評価において適合と判断されていた諸項目を合わ せて、本機構の定める「薬学教育評価 評価基準」に適合していると判断できる。
大学への提言
国際医療福祉大学 大学への提言 1)長所
1. 5年次の「英語による服薬指導演習」(非正規科目)では、模擬患者としてボランティ ア(英会話教室の教員や留学生)に参加してもらい、英語での服薬指導のロールプレ イを実施していることは、グローバル化に対応して薬剤師の資質を向上させる上で、 特色ある取り組みとして評価できる。(3.医療人教育の基本的内容) 2. 2022 年度から薬学部独自の「学生が選ぶグッドティーチング賞」を設け、受賞者が薬 学部FDにて発表し質疑応答を行うことで、教員の質向上を図っていることは、特色 ある取り組みとして評価できる。(10.教員組織・職員組織) 2)助言 1. 「教育研究上の目的」の文言の記載が、学則と国際医療福祉大学教育研究上の目的を 定める規程で異なるので、統一することが望まれる。(2.カリキュラム編成) 2. 学生便覧に「教育理念」の記載はあるが、「教育研究上の目的」の記載がないので、明 記することが望ましい。(2.カリキュラム編成) 3. DP5「地域に貢献する姿勢と実践能力を有している。」、DP7「研究マインド」に対応する 言葉がCP(カリキュラム・ポリシー)になく、明記が望まれる。(2.カリキュラム 編成) 4. 学生便覧、履修の手引きにおいて、学生向けに3つのポリシーや教育目標は示されて いるが、教育研究上の目的については示されておらず、明記することが望ましい。(2. カリキュラム編成) 5. 教育目標の設定において、4年次以降のCP3に関する記載が5年次では英語に特定され ており、4、6年次では記載がなく、薬剤師として基本的な事項であることから、設定 が望まれる。(2.カリキュラム編成) 6. 定期試験や確認試験において、選択肢式の問題に加え、解答のないところから自らの答えを導き出す記述式や論述式の問題を適宜多数導入することが望まれる。(2.カリ キュラム編成) 7. コンピテンシーに基づく到達度評価基準(DPルーブリック)を用いた評価について、 教員回収率が 70%に満たないのは、評価の実質化、公平性の観点から適切とは言えず、 回収方法や時期等の改善、教員への周知徹底を図り、回収率を向上させることが望ま れる。(3.医療人教育の基本的内容) 8. 人文・社会系科目は必修科目となっている心理学と法学の単位が取得できればおおむ ね要件を満たす制度になっているため、その他科目の履修者数が少なく、VOD授業 などの特定の科目に履修が集中しているので、物事を多角的に見る能力および豊かな 人間性・知性を養う上で、幅広い履修を指導することが望まれる。(3.医療人教育の 基本的内容) 9. 医療の進歩・変革に対応するために必要とされる語学力を身につけるための教育とし ては、3年次以降に、薬学領域の専門英語に関する科目がなく、科学論文を読んだり書 いたりするなど高度な薬学英語を身につける機会が少ないので、体系的なカリキュラ ムを整えることが望まれる。(3.医療人教育の基本的内容) 10. 専任教員1名に対する学生数が、少し改善されて24.5名になったとはいえ、専任教員 数のさらなる増加が望まれる。(10.教員組織・職員組織) 11. 教員間で授業担当時間に格差があるため、格差の解消が望まれる。(10.教員組織・ 職員組織) 12. 男性教員が87.8%で女性教員が12.2%であり、女性教員の比率が少ないので、女性教 員を増やすことが望まれる。(10.教員組織・職員組織) 13. 教員の採用・昇任は、「教育職員の職制及び任免に関する規程」に基づき行われている が、適切な教員を確保するための「大学の求める教員像および教員組織の編制方針」は 定められておらず、制定が望まれる。(10.教員組織・職員組織) 14. 人事選考において、書類審査はだれがどのようにして行うのかを規則等に定めること が望まれる。(10.教員組織・職員組織) 15. 教員の選考過程において模擬講義は実施されておらず、教育上の指導能力を評価する 上で模擬講義等の実施が望まれる。(10.教員組織・職員組織) 16. 教員の活動は最近5年間における教育研究上の業績等をホームページ上で開示してい るが、更新日が古い教員が存在するため、最新の情報を掲載することが望まれる。(1 0.教員組織・職員組織)17. 学術論文がない基礎系教員が存在することから、さらなる努力が望まれる。(10.教 員組織・職員組織) 18. 卒業研究を実施する学生のための研究スペースとして、一部の研究室の面積が狭くな っているため、学生の研究活動維持のためにも是正が望まれる。(10.教員組織・職 員組織) 3)改善すべき点 1. 「総合薬学演習Ⅰ」は6年生の4月から行われており、さらに「総合薬学演習Ⅰ」と 「総合薬学演習Ⅱ」の合否が実質的に国家試験の受験資格となっていることから、こ れら科目の合否判定と国家試験の出願を切り離すなど、さらなる改善が必要である。 (2.カリキュラム編成) 2. 「薬学演習Ⅰ・Ⅱ」、「総合薬学演習Ⅰ」および「総合薬学演習Ⅱ」は薬学専門科目の復 習が主な目的となっており、これらの授業の中で一部ヒューマニズム教育・医療倫理 教育に関するものが含まれているとは言え、薬学教育として重要なヒューマニズムや 医療倫理の育成を目的とした内容がこれら科目の主目的であるとは考えに難く、ヒュ ーマニズムなどの育成を目的とする内容は別科目として設定する必要がある。(3.医 療人教育の基本的内容) 3. ストレート卒業率は約60%であり、入学者選抜に当たって、入学後の教育に求められ る基礎学力が適確に評価されているとは言い難いので、既に着手されてはいるが、入 試問題や補欠入学の再検討、補欠入学者の入学後の状況、進級率、留年者及び退学者 の詳細な解析など、入試選抜方法のさらなる改善が必要である。(7.学生の受入) 4. 6年制薬学教育の内部質保証を図るためには、独自の評価項目を設定し、自主的に6 年制薬学教育プログラムの自己点検・評価を恒常的に行い、その結果を教育・研究活動 の改善に役立てる必要がある。(13.自己点検・評価) |
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